内容を少し変更しました(2022/3/15)
Ⅰ
2015年、日本国は異世界に転移した。その日本国は現実とは違って国防軍が存在しており、防衛のために軍拡に取り組んでいる強化された日本国だった。
転移した後、日本国はロデニウス大陸のクワ・トイネ公国とクイラ王国の両国と接触し、資源や食料の輸入で急死に一生を得ると同時に、インフラや武器を輸出していた。そして、1年後の中央暦1639年に隣国のロウリア王国が2か国に宣戦布告。日本国はすぐさま援軍を派遣してギムにて部隊を殲滅すると同時に水陸両用部隊によって軍港を強襲し、数日で王国を降伏させた。
これが、これまでの日本国の動向である。
中央暦1639年 首相官邸
外交官の朝田は、パーパルディア皇国との交渉についての報告をしに首相官邸まで来ていた。
「というわけで総理、皇国との交渉は決裂し、宣戦布告を予告されました」
「こちらから無礼な態度は一切していないだろうな?」
「いえ、そんなことは有りません。逆に皇国側が無礼な態度をしており、軍祭での一件についての金銭的な賠償を要求したところ、黄色の猿だと罵ってきた上・・・こちらに対して賠償を要求してきました。勿論断りましたが、二週間後に宣戦布告をするという最後通牒を突き付けられる事態となり、平和的な交渉はもちろん国交の締結すら不可能となりました」
「向こうから来たくせに賠償を要求してくるのか・・・まるで北の連中ではないか。皇国は列強を謳っているが、所詮はならず者の集まりと言えるな。そんな国と交渉しても何も収穫は無いだろう」
「ですが、収穫もありました」
「そうなのか?」
「反体制派の人物と接触しました。それは、第3外務局長と皇族の女性でした。どうやら、クーデターを起こすつもりのようでして」
「それは良かった。皇国を打ちのめした後に彼らが次の皇国代表となれば、皇国は親日となってくれるだろう。輸出先となって経済が潤う」
その日の内に総理は記者会見を行い、次のように話した。
「フェン王国の軍祭にてパーパルディア皇国軍にミサイル巡洋艦と巡視艇が襲撃されたことへの金銭的賠償を皇国に請求したところ、逆に皇国から賠償として責任者の引き渡しを要求されました。それも、向こうから攻撃を仕掛けてきたにも関わらずです。我が国に非はありません。責任を取るべきは、襲撃の可能性を我々に伝えなかったフェン王国と先制攻撃を仕掛けてきた皇国です。我が国は引き渡しを拒否したのですが、引き渡しをしなければ二週間後に宣戦布告することを通達されました。都合が悪ければ軍事力で脅すような国家とは付き合うなどもってのほかであります。我が国は軍事力をもって答えることにし、陸海空3国防軍に出動を命じました」
そして、記者の質問が始まる。
「○○新聞です。機密に当たるかもしれませんが、国防軍はどのようにして皇国に対処するのでしょうか?」
国防大臣が話し始めた。
「機密に当たるために詳しく言えませんが、現在フェン王国のニシノミヤコを占拠する皇国軍が王都アマノキに侵攻する可能性があり、アマノキの大使館員を守るために部隊を展開させる用意があることは明言できます。それ以外は機密となります」
「分かりました」
その後も質問は続き、記者会見は終了した。
Ⅱ
レミール邸
「レミール様、日本国が動きだしました」
反体制派の第3外務局長カイオスは、レミールに報告した。
「本当か!これで、ルディアス様を極悪非道の宰相アディオから救うことができる」
現在、皇国の政治の実権は宰相アディオに握られており、皇帝ルディアスは軟禁に近い状態となっていた。
大半の幹部や官僚、一般兵士、金を積まれた一部の近衛兵団は彼に完全に従って、残りの人々は形だけでも従う形を取っていたが、裏ではクーデターの準備が進んでおり、クーデターを容易にするために日本国の力を借りようとカイオスとレミールは日本国の外交官に接触したのだ。
「とにかく、クーデターの準備を進めるのだ」
「はい。ムーからの密輸によって武器を入手し、牢獄に収監されている皇道派の幹部や近衛兵を脱獄させる手引きも始めています」
アディオ体制の崩壊は・・・・近い。
Ⅲ
国防省にて、総理は対皇国戦の説明を軍の幹部から受けていた。
「ニシノミヤコ沖合いには戦列艦211隻、竜母12隻と搭載されているワイバーンロード240騎、揚陸艦101隻が存在しており、その内の竜母12隻と戦列艦8隻がニシノミヤコ西方30km海域にいます。地上の臨時基地には皇国軍陸戦隊約3000人と火炎放射戦車のような運用をする地竜が32頭が存在しています。RF-4EJの偵察によると捕虜や市民に対する暴行や略奪も行われているようです」
「皇国兵の粗暴さが分かるな・・・偵察機の乗員にはメンタル面でのケアをしたほうが良いのでは?」
「すでに軍医によるカウンセリングを受けており、後部座席の乗員がPTSDと診断されています」
「分かった。それで、どのように戦力を撃破するんだ?」
「我々が送り込む戦力は海軍からは軽空母いぶきと艦載機のハリアーⅡプラス*110機、第1艦隊*2が。陸軍からは歩兵330名、1式歩兵戦闘車10両、99式自走155mm榴弾砲5両、MLRS10両、87式自走高射機関砲3両、EC665ティーガー3機。空軍からはF-15J改2機が参加します。最初に制空権を奪うために、いぶきから発進したハリアーⅡが本隊から離れている竜母と護衛の艦を対艦誘導弾で撃沈し、すでに空にいるワイバーンはF-15J改にて撃墜します。
地上では、おおすみ型揚陸艦3隻及び在日米海軍*3よりレンタルしたワスプ級強襲揚陸艦1隻にて上陸した部隊がゴトク平野に進出した陸戦隊に攻撃を仕掛ける他、陸戦隊の支援のために展開している戦列艦を攻撃するためにフリゲート艦1隻を差し向けます。最終的には、残りの戦列艦とニシノミヤコの部隊を壊滅もしくは降伏させて終了です。その後の作戦については、後日説明します」
日本軍は動き出す。皇国軍よ、覚悟しろ。
○1式歩兵戦闘車
2001年採用の歩兵戦闘車で、車体の大半が90式戦車と共通になっている。そのため、歩兵を載せる後部以外の防御性能は戦車に匹敵する。主な武装はエリコンKD 35㎜機関砲。副武装として79式対舟艇対戦車誘導弾、74式車載7.62mm機関銃。