中央暦1639年1月1日13時頃、クワ・トイネ第6飛龍隊
公国北東方面の海上を2騎の飛龍が飛んでいた。
そのワイバーンに乗るマールパティマは晴れ渡るような空とは正反対の暗鬱な気持ちで警戒任務に付いていた。
「どうしたぁ!今日はやけに暗いじゃないか!」
先輩竜騎士のジョーダンが冷やかす。
「どうもこうも無いですよ!今朝の新聞見ました?『マイハーク上空で竜の息吹!公都防衛隊失態か』ですよ!」
「まあ事実じゃないか、だからこうやって2騎飛ばしているんだろう?」
「確かにそうですけど...「――――!?」どうしました?」
ジョーダンは口をあんぐりと開けたまま水平線を指さす。
指の先には水平線に浮かぶにはいささか大きすぎる物があった。
それは近づくにつれ数を増し徐々に子細が分かっていく。
「なんだ!あれは!」
「本部!我、所属不明の船団を確認!目標は20ノットでマイハークに向けて進行中!」
『本部了解、臨検隊を派遣する。停船を呼びかけつつ上空から監視せよ』
同時刻、日本国及び国連外交使節派遣連合艦隊
「うーむ、どう見ても竜だな」
同艦隊旗艦「むさし」艦内の艦隊司令官矢野は上空で旋回するワイパーンを双眼鏡で覗きながら呟く。
「今のところ攻撃の意図は無いようですが…」
副長が不安を吐露した直後ワイバーンから大音声で勧告が流れる。
「停船せよ。繰り返す、停船せよ」
その勧告を聞いた矢野は暫しの間黙考し口を開く。
「艦隊停止、彼らの出方を見てみよう」
クワ・トイネ公国 政治部会
首相カナタは悩んでいた。今日未明、正体不明の竜がマイハークに空から進入し
都上空を飛行したという報告があったからだ。
「公国上空を飛ぶ謎の竜、皆ははこれをどう考える?」
カナタの問いに諜報部が答える。
「今回公都に侵入した未確認飛行物体は諜報部の情報によると竜というよりは第1文明圏の大国、神聖ミリシアル帝国の天の浮舟に近い物と考えます」
「ミリシアル帝国!そのような大国がなぜここに!」
「マジかよ...やべぇよやべぇよ...」
「ロウリアにミリシアル!何てことだ、もう助からないぞ」
「神よ!お許しください...」
カナタが騒がしくなる会場を鎮める。
「静粛に!静粛に!軍務卿、対策はあるかね?」
「警戒に当たる竜騎士を2騎に増やし昼夜問わず飛ばせていますが...天の浮舟を相手に出来るかというと...」
と、その時、扉を蹴破り外務官僚がはいってくる。
明らかな緊急事態、気の早い一部の者は摩擦の強まっているロウリア王国が宣戦布告してきたと早とちりし天を仰いでいた。
「何が起こった!」
外務卿が聞く。
「報告します!」
官僚が報告を始める。要約すると、下記の内容になる。
本日昼、クワトイネ公国の北側海上に、長さ300m超クラスの船の船団を哨戒の竜騎士が発見した。
追って急行した海軍が臨検を行ったところ、日本という国及び国連という組織の特使がおり、敵対の意思は無い旨伝えてきた。
捜査を行ったところ、下記の事項が判明した。なお、発言はかの国の申し立てである。
・日本という国は、突如としてこの世界に転移してきた。
・クワトイネ公国と国交樹立を念頭に会談を行いたい。
「一難去らずにまた一難というわけか...」
誰かが呟いた言葉を聞きつつカナタは強引に話を終わらせる。
「と、とにかくその日本という国に会ってみよう。問題の解決に繋がる糸口が見つかるかもしれん」
今作のアメコミ的(偏見)ヒステリックヒロイン枠国連ちゃんの初登場です。
ギャグ的文章の可否
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ええやん(可)
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ままええわ(どちらかといえば可)
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ま、ええんとちゃう?(どちらでもない)
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ちょっとね...(どちらかといえば非)
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駄目です(非)