東方姫秋葉 〜 Recapture season lit with gold and red!   作:さわたり

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多分すごく予想外な抜擢。
え?そうでもないですかね?


「甘美な雨の秋神様」秋静葉&秋穣子 

「うぅ…」

 

「大丈夫よ穣子、しっかり治してあげる…!」

 

ぼんやりした意識のまま、姉さんを見つめる。姉さんはおかゆを作り、私のもとへ来た。半身を起こす私の口へ、おかゆを運んでくれる。

 

「…おいしい。自分で食べれるよ、ありがとね」

 

そう言った私を、姉さん心配そうに眺めていた。そういえば、私達が生まれたての頃。ずぅーっと昔にも、こんなことがあったっけ。その時はも姉さんは私を診てくれたっけ。

 

「穣子?どうして涙目なのよ。辛いの!?」

 

「ううん、嬉しっくて…」

 

「水臭いこと言うんじゃないの」

 

優しく笑ってくれる姉さん。洗い物をするその足元には、大量のカゴが置かれていた。私が体調を崩したと聞いた農民さん達のお見舞いの品だ。みんなの優しさが、さらに心に染みる。

 

そんな時。私の家の扉を開け、早苗が現れた。何やら差し入れのような物も持っている。

 

「農民さん達から聞きましたよ!どうやら体調を崩されてるそうで。静葉様がお変わりなくて何よりです」

 

「あら、ありがとう。これは…おにぎり?」

 

「ええ、私が作りました!!」

 

「わーい!」

 

早苗から受け取ったおにぎりを食べることに。中にたらこが入っており、その塩気と粒のたったお米がとても合う。ぺろりと食べてしまった。

 

「お口に合いました?よかったですー。あ、こちらは豚の燻製です。それではお大事にー!」

 

そう言って去っていく早苗を、私達は手を振って見送った。

 

BGM:緑の山、秋めくことなく

 

日光が傾き始めたころ、私の体はすっかり元気になっていた。いろんな人に色んなものをもらったので何が効いたかは分からないが、晴れて歩き回れると言うものだ。

 

「やっぱ貴女たちですかねぇ」

 

そんな私達の元に、文がやってきた。その目線は、最初から疑い一色である。

 

「ちょっと待ちなさいよ。この異常気象で妹はさっきまでぶっ倒れてたのよ」

 

「ありゃ、被害者でしたか。ではお聞きしたいのですが…なぜすぐに回復を?」

 

「えっと、そういえばなんでだろう?」

 

さっきも言った通りだが、どれが効いたか分かったものではない。首を傾げる私達に、彼女は非常に懐疑的な視線を向けた。

 

「やっぱり一枚噛んでません?じゃなくても…言えない事情がありそうですねぇ!」

 

だいぶ無理のある難癖をつけてくる文。私達に私怨があるのか分からないが、ひとまず迎え撃つしかなさそうだ。姉さんもうなずき、私達は背中を合わせるように横向きに構え、彼女を見据えた。

 

BGM:風神少女

 

「とりゃっ!」

 

こちらへ蹴り込んでくる文。それに応え、姉さんもキックを繰り出した。以外にも双方互角。そして私がパンチを叩き込むと、よろめいて後ずさった。

 

「なんですか、やけに絶好調ですね」

 

「そうかしら」

 

「なんだっていいでしょ!」

 

今度はスピードで攻める気のようだ。高速で私達を撹乱し、隙を狙うのだろう。だが素直に食らうわけにもいかない。姉さんに視線をやり、それに応えて姉さんはスペルカードを取り出した。

 

葉符「狂いの落ち葉」

 

上方に撃ち放った光弾が雪崩れ落ちていく。ジグザグ避ける文だが、少し慎重な動きだ。それなら軌道が読める。

 

「やぁっ!」

 

「あいでっ!」

 

私の放った弾が当たり、彼女が怯んだ。その一瞬の隙を捉えて、姉さんが蹴り込む。体勢を崩したそこに、私がラリアットを叩きつけた。空中戦なので地面に頭をぶつけることはできなかったが、それでも結構効いている。

 

「ぜりゃあ!!」

 

「…ぐっ」

 

さらに私達の攻撃で怯んでいる。押せる!だが、文も文で黙っていない。スペルカードを取り出した。

 

魔獣「鎌鼬ベーリング」

 

彼女の体に風が巻き起こり、カッターのような鋭さで私達を襲う。血は出ないが、それなりに痛い。距離を置こうにも逃げられるスピードもない。

 

「だあああ!!」

 

仕方ない。耐えて殴りかかることにした。私のパンチに怯み、風のカッターが消えた。そこへ姉さんがキックを叩きつける。

 

「あややや…」

 

「いったーい…」

 

相手も相手でそれなりにダメージがあるようだ。近接は痛いからと、遠距離からの位置をとった。距離においては彼女に明らかに強みがある。私達は遠距離攻撃に切り替えることにした。

 

「やっ!」

 

「おっと…あぶないあぶない」

 

姉さんがもみじ型の弾幕を広げる。そこに私の米弾を飛ばし、どんどん追い詰めていく。ダメージは大きくないが、避けに熱中する今がチャンスだ。

 

「でやあああああ!!!」

 

「…あややっ!?」

 

私が弾幕を濃くしたのに惑わされ、上の姉さんに気づかなかったようだ。叩きこんだ姉さんのかかと落としがそのまま床に到着し、彼女の下半身が土に埋まった。

 

「…ぷっ」

 

「笑わないでくださいよ!よっこい……ダメだ時間かかるわねこれ」

 

「時間かかるついでに聞くけどさ、なんだっていきなり弾幕ごっこ仕掛けてきたの?」

 

私の問いを聞き、彼女は考えるような顔をした。だが姉さんが文を睨みつけたのを受け、仕方ないなとばかりに口を開いた。

 

「貴女がたの体調を見るためです。空元気ではないのかなーと」

 

「へ?」

 

「この状況で絶好調なんて異常です」

 

そういう文に、姉さんはさっきまで私が寝込んでいたことを告げた。それでも文の表情は変わらない。いつの間にか撮った写真を現像しながら続ける。

 

「だったら静葉さんも寝込むのが当然です。しかも回復してるじゃないですか」

 

「…でもさ、その割に激しくなかった?攻撃が」

 

「実は朝ごろ早苗さんに話を聞きに行ったのですが…取材させてもらえず叩きのめされまして。貴女がたとの戦いでストレス発散も兼ねました。この通り無様な状況ですが満足ですよ。貴女達のことを記事にでもしますよ」

 

そう言って彼女は胸元から手帳を取り出し、身をよじりながら私達の事を書き始めたのだった。

 

BGM:踊る水しぶき

 

「おぉ?こんな気候だしへばってると思ってたんだがなぁ」

 

私達にまつわる異常事態と聞けば、やはり調査したいというもの。本気だったかはともかく、文に勝った私達は調子に乗ってもいたのだろう。玄武の沢で声をかけてくる魔理沙に、私は胸を張って答えた。

 

「ふっふっふ!私は強いのよ!」

 

「この子さっきまでへばってたわよ」

 

「やれやれ。仕事しろってのよ」

 

「しようにも画材がないの。私達はともかく幻想郷に秋の力が少なくて塗ろうにも塗れないわ」

 

「そいつは大変だな。ったく…」

 

遠くで遊ぶ妖精どもを眺めながら、魔理沙はだらーんとしていた。しかし考える様子を見せたかと思えば、むくりと起き上がって私達を見た。

 

「お前らのせいか?これ」

 

「そんなわけないじゃないの」

 

「でも秋に起こる異常事態とありゃお前達はぶっ倒しといて損はないなあ!」

 

「…人間が図に乗らないでほしいよ!私のおかげで豊作があり!」

 

「紅葉があるのよ!」

 

BGM:オリエンタルダークフライト

 

戦いが始まるなり、魔理沙はホウキで殴りかかってきた。私がそれを受け止め、姉さんがその隙に蹴り込む。

 

「いてて…」

 

至近距離の私達に光弾を飛ばし、弾き飛ばす。続けて星弾を叩きつけてきた。押されるわけにもいかない。私は姉さんの前に出て米弾を放った。

 

「っと…!」

 

ガードして下がっていく魔理沙へ、姉さんがもみじ型の弾を投げつけた。怯む魔理沙。やり方を変え、接近戦を仕掛けるつもりのようだ。

 

「どりゃあ!!」

 

「あぶないわね…」

 

再びホウキを振り下ろす魔理沙を姉さんが蹴り込み、私がタックルをぶつける。うまく受け身を取り、今一度こちらへ向かった。

 

「はっ!」

 

「食らうかっての!」

 

私のパンチを下に下がって避け、さらに光をまとわせたホウキで私をかちあげた。一気に吹っ飛ばされ、体勢を崩した私を姉さんがキャッチした。

 

「どりゃああ!」

 

さらに蹴り込んでくる魔理沙。姉さんと足のぶつかり合いになり、魔理沙が押される。だがその揺らめく勢いを利用し、グルグル回ってホウキをたたき込んだ。

 

「やっぱりパワーが重要だな!」

 

「あんた強いわね…。気質は水なのに」

 

「知るかっての!」

 

一気に弾幕を展開する魔理沙。かわしていく私と姉さんだが、追撃のレーザーを姉さんが貰ってしまった。ぶつかった頭を痛そうに抑える。次食らったら墜落してしまいそうだ。そうはいかない。

 

豊作「穀物神の約束」

 

「やぁっ!!」

 

私はスペルカードの使用を宣言し、レーザを放った。複数のレーザーが散らばって前方に向かい、その幾らかを魔理沙は一気にもらった。

 

「くっそー。あー負けだこりゃ」

 

白旗を上げるようだ。魔理沙は悔しそうに着地し、再び玄武の沢に足をつけた。

 

「お前ら弾幕だけの勝負なら弱いのにな」

 

「負け惜しみは結構よ」

 

「そうよ。それにこの赤と金の彩が無い中で私達に負けたとあれば…それは貴女にとって最高の悔恨でしょうね」

 

「表現がポエムだなぁ」

 

「いいから行くわよ。じゃあね魔理沙」

 

「はいはい。博麗神社にでも行こうかなー」

 

私達へ後手にてを振り、魔理沙は妖精達とおしゃべりを始めた。

 

BGM:秋姫

 

「ちょっと、これどういう事なの姉さん!」

 

「私が聞きたいわよ…」

 

私達は様子を見に、隠れた紅葉の名所「カエデの谷」へ向かうことにした。するとどうだ。その一帯だけ見事に紅葉し、更には穀物やらも実っているではないか。こんなところに稲が?不自然である。

 

「まるで秋の寄せ鍋ね…」

 

「いい表現じゃないか静葉」

 

姉さんにかかった声に、私達は同時に振り向いた。その視線の先の小高い岩に、誰かが座っていた。よっこいしょという声を出しながら、私達の前に着地する。

 

「久しぶりだね、静葉に穣子」

 

「貴女…」

 

「え…」

 

「「竜田姫様!!」」

 

私と姉さんが大声を上げて言う。言われた本人も、懐かしそうにクスクス笑っていた。

 

「でも…なんだってこんな事に。まさか秋の減った幻想郷に秋をくれようと!?」

 

喜んで駆け寄ろうとする私を姉さんが片手で止め、かぶりを振る。

 

「ごめんね穣子。私は君たちには力を共有して、君達に影響を与えないつもりだったんだ」

 

「…?」

 

「竜田姫様、貴女やっぱり…この風景を…持って行こうとしてるんですね」

 

「そうだよ。でも大丈夫!早苗に持たせたおにぎりを経由して穣子にも季節神ネットワークに接続させてあげられたから。電波のミスだったらしくて」

 

何を言ってるんだこの人。異変を仕組んだ側であるらしいことは分かったが、何の話か分からない。その様子を見て、竜田姫は解説を始めた。

 

「えとね、タケミカヅチの協力を仰いでインターネットっぽいシステムを作ったの。ネット分かんないか。まあとにかく私が君たちにパワーを分け与えてるのさ」

 

「それって…やっぱり幻想郷から秋をもっていくから?」

 

「そうさ。君達を消してしまったり、外に連れてきてしまったら悪いだろう?だからさ。穣子もすっかり元気になってくれて何より。あー、あと私はあきつって呼んで。西山あきつ」

 

「西山様」

 

「…ん?」

 

「幻想郷の秋は持っていかせません」

 

「ほほーん、その心は?」

 

姉さんの言葉に、竜田姫、いや、西山様は興味深そうに告げる。私だって秋は持っていかれたくはない。その意思は伝わっているだろうか。

 

「私と穣子は…この幻想郷の秋と共にあります。秋に喜ぶ人と生き、秋で人を喜ばせる。私達は幻想郷に秋あって初めて存在できるんです」

 

「…そうよ!私達を心配してくれる農民さんがいて…秋を心待ちにしてくれる農民さんがいるんです!実りの季節を奪うな!」

 

「私だって…外の世界のこういう景色が消えていくのは耐えられないんだよ。私の『秋を取り戻す程度の能力』。そう名乗ったからには…奪ってでも果たさせてもらうよ!」

 

BGM: 秋津島より夕陽とともに 〜 dragonfly's season

 

「だあああ!!」

 

「っ!」

 

私のタックルを避け、西山様は背中へキックを叩きつけた。そこへ姉さんが同時に蹴り込み、西山様を怯ませる。

 

「あいてて…!」

 

一旦距離を取る西山様。弾を飛ばして牽制し、弾幕で追い詰めたいようだ。私達も光弾で応えることにした。

 

「あぶないっ!」

 

「当たってるわよ」

 

だが避けきれない。このまま続けていても拉致は開かない。でかい弾でかき消しながら、私達は近接に持ち込んだ。

 

「遅い遅い!」

 

いや違う、西山様が速いのだ。文よりかは遅いが、瞬発性があり小回りが効いている。身長はかなり高いのに、だ。ならば殴りかかっても意味はない。

 

秋符「季節来襲の預言」

 

姉さんがスペルカードを掲げるのを合図に、私が構える。コンビ技なのだ。

 

「はっ!」

 

私が両手を広げて前に向け、大きな弾を放つ。連続で炸裂し、西山様にヒット。更に弾け、大きく怯みを取った。そこに、姉さんが急降下きりもみキックを叩き込む。

 

「いったいなぁ…!」

 

ふっ飛ばされた先でよろめく西山様。今がチャンスだ!私は一気に迫った。しかしそんな私を前に、西山様は耳を塞いだ。

 

「おりゃっ!」

 

「…!?」

 

「うぐっ!」

 

瞬間、西山様の綺麗な羽がぶぶぶと震え、凄まじい高音が私達の耳をつんざいた。視界までぐらぐらする…。耳を塞いでよろめく私達を前に、スペルカードを取り出した。

 

唐紅「ちはやふる」

 

レーザーが私達に向かって放たれ、同時にヒット。大きくダメージを負ってしまった。西山様の追撃を腕でガードし、隙を見て頭突きをぶつけた。

 

「いたた…」

 

「あぅぅ…」

 

同時に頭を抱える私と西山様。その隙を見て、姉さんがチャージしたもみじ型の光弾をたたき込んだ。

 

「ぜええい!」

 

さらに私のパンチと姉さんのキックが前方と後方から叩き込まれ、西山様はぐらんと揺らいだ。

 

「いつまでそこに居るのさ!」

 

ぎぃんと羽を震わせて衝撃波を放ち、私達を怯ませた。だが姉さんはすぐに体勢を立て直し、膝蹴りを思いっきりぶちこむ。ふっ飛ばされ、くるくると姿勢を直す西山様に、私達は構えた。

 

*黄金の海に真紅の雨あり*

 

「やあー!」

 

「はーーーっ!!」

 

私と姉さんが手を繋ぎ、そのまま西山様に突進。突き飛ばされ空中でふらふらする西山様を挟む形で並び直り、私達は西山様へ手のひらを向ける。同時に放ったポテト型の弾と落ち葉型の弾達が襲う!

 

「とりゃーーー!!」

 

「たぁっ!」

 

最後に、今度は私達がすれ違うタイミングでラリアットとキックを叩き込んだ。フラフラする西山様。だが、視線はこちらをしっかり捉えており、まだやれるようだ。それでも私達は限界。戦いは諦める事にした。

 

「君達が賢くて助かったよ。秋を持っていくと言っても数年分さ。言った通りその間君たちの安全は保証するし、ある程度の作物も出来るようにする」

 

「その程度の秋の力で足りるんですか?」

 

「外の世界の秋の力を、この幻想郷の秋と私の友人の力で持って回復させるのさ。要は気つけだよ」

 

そう言ってばちりとウィンクをする西山様。この人は昔からこうだ。いろんな意味で敵わないものだ。




・秋姉妹というキャラクター
依神姉妹は女苑ちゃんメインだからイメージつくかもですが、こっちはそうはいきません。
これを見てるからには戦いは読んだはずでしょう。二人交互に攻撃してましたね?そういうわけで、どういう性能のキャラかせつめーい!
必要なもの!
・東方憑依華の操作感の把握
・脳内でもえ先生の秋姉妹を描く想像力
・脳内でドット絵の秋姉妹を動かす想像力
さて、基本事項ですが
ゲーム的には、紅葉モードと豊作モードの切り替えをしながら戦うキャラとなります。
必殺技を使うと、勝手に双方が切り替わるようになっており、うまく使い分ける必要があります。
通常攻撃ですが、穣子のストロングスタイルな攻撃に、静葉がキックを差し込む感じです。紅葉モードだと後者が、豊作モードだと前者に攻撃力アップの補正がかかります。
投げ技はあきつに対して使った、挟み撃ち攻撃です。
射撃もモードによって変わり、紅葉モードの方が連写性能が速く、威力が低いです。豊作モードは逆。弾幕ですが、紅葉モードはもみじ、豊作モードは米の形の弾幕でございます。
また、姫秋葉はストーリーの都合上やってないですが、元が憑依華なので完全憑依は考えてあります。
モードと同時にマスターが切り替わるので、紅葉モードで発動すると静葉がスレイブと入れ替わり、アシストの穣子が残ります。

言ってて使いたくなってきましたね…。


このストーリーですが、ゲーム上で買ってもEDとしては負けてる感じです。
要は憑依華のvs依神姉妹ですね。
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