「...分かったわ。魔理沙、行くわよ」
「あぁ、あの奥に居るやつが黒幕みたいだな。ここは白に任せるとするぜ」
二人とも聞き分けのある子で助かる。そう言って二人は、首謀者である幽々子の元へ飛んだ。
「幽々子様の元には行かせません!」
少女の手が刀に触れる。
私は地を蹴り、少女へ肉薄。刀は抜かせない。二人には元凶を叩いてもらわなければならないんだ、大人しく私の相手をしてもらおう。とりあえず一発叩き込んでおこう。私は突っ込んだ勢いのまま、引き絞った右腕を突き出す。私に気づいた少女はそのまま横っ飛びに拳をかわし、此方に向き直る。
「あれ、かわされちゃいましたか。残念」
「...何も言わずに殴りかかってくるなんて、些か無作法では?」
「あー、まぁそうですね。...名乗りくらいは上げましょうか」
無事に黒幕の元へ向かう二人を見送り、少女と言葉を交わす。
「私は白、ただの妖狐ですよ。...貴女は?」
「...私は魂魄妖夢、ただの半人半霊です」
そう言って妖夢は刀を抜いた。...さて、聞くところによると相手はただの人間では無いらしい。半人半霊ねぇ、まぁ普通よりは丈夫だろうし、そこまで加減する必要も無いかな。
「...参ります」
妖夢が視界から消える。背後に気配、んー結構速い。振り下ろされる得物を見ることなく、間合いを外すように前に跳ぶ。跳びながら空中で身体を反転させ敵を視界におさめる。着地を待たずに妖夢が此方に肉薄、刀の位置、刀身の向きからして左下から右上への切り上げ。軽く身を捩る。うん、大体予想通りの軌道を刀がなぞる。綺麗な太刀筋だなぁ、だから読み易い。
暫くの間はかわし続けた。しゃがみ、横に跳び、身を捩り、流し、捌いていく。
振り上げられた刀を見る、恐らく左肩から右脇腹に架けての袈裟斬り。私は後ろに翔んだ。
ゴッ
何か硬い感触が背中にぶつかり、動きが止まる。視界の端に石灯籠が映る。あ、まず
肉が裂かれる感触がした
獲った。妖夢は手にした刀から伝わる感触を肌身に感じていた。致命傷、妖狐であろうとしばらく動くことの出来ないほどの重症だろう。深く斬り込んだ刀身からそう思う。後は引き斬るのみ。刃を加速させる。
ガッ
「っな!?」
妖夢は驚きの声を上げる。振りきった刀を勢いそのままに踏みつけられたのだ。辺りには鮮血が舞う。刀は深く地面に斬り込んで動きを止めた。
「な、なにを...?!」
妖狐に目をやると、今斬ったはずの深い傷が無い。いや、正確にはかなり浅い切り傷が見えるだけになっている。おかしい、確かに斬った、手に残る感触は嘘では無い。...今の一瞬で治したとでも言うのか?
「あ痛たた...とりあえず得物は捕まえた、と」
「ーッ、」
咄嗟に刀を地面から抜こうとする。が、びくともしない。地に深く根を張った、巨大な樹を相手にしている気分だ。だが、目の前の妖狐にそんな力があるようには見えない。
「まぁ、とりあえず寝といてもらえますか?」
「ガッ、?!」
重い。一瞬、何をされたか分からなかった、恐らく殴り飛ばされたんだろう。吹き飛ばされた私は、何度か地面を跳ね、地面に倒れ伏す。
「...申し訳..あり..ません...幽々子..さ..ま....」
私は意識を手放した
「...やりすぎたかな?」
倒れている妖夢を見て一人呟く。んー、半人半霊だからって、少し〝重く〟し過ぎたかな...死んでなきゃいいけれど。
私は〝軽く〟した怪我に目をやる。うん、大丈夫そう。ぶった斬られた時はちょっと焦った。普通なら重症だったもんなぁ...危ない危ない。
「二人は、と」
奥に目をやると、色鮮やかな弾幕が見えた。...どうやらまだ決着は着いていないようだ。まぁ、霊夢達なら大丈夫だろう。
私は三人が放つ美しく弾幕に暫し魅せられていた
さて、白の能力がちょっと見え隠れしてましたね。皆さんは、どんなのだと思いますか?ちなみに次は宴会の風景になりそうですね、お酒お酒。とまぁ、そんなところで、また読んで頂ければ幸いです