私は台所で宴会用の料理、もとい酒の肴を作っている。霊夢はどうやら作ったり運んだりで忙しかったらしく、あー、はやくお酒呑みたーい!、なんて言っていたので、後は私に任せて呑んでおいで、と伝えておいた。今頃は、もうべろんべろんだろう。出来上がった分からお皿に盛っていく。
「白様、これとこれお出しして来ますね」
「ん、ありがと。助かるよ」
そう言うと妖夢は両手に大皿を抱え走って行った。少し前に幽々子様のところへ料理を持っていった際、私もお手伝いします!、と元気に言われせっかくの好意だし、と思って手を貸してもらったが、かなり手際が良い。刀が振れると包丁捌きも上手なのか...。
「んー...幽々子様は紫様がなんとかしてくれたし、こんなところで良いかな」
さっき料理を運んでいたところ、紫様の機転もあり幽々子様は早々に酔い潰れていた。近くには『鬼殺し』、と書かれた空の一升瓶が5~6本乱雑に転がっていた。...アレをあの数でやっとなのか、末恐ろしい。手を止めて一休みしていると妖夢が台所へ帰って来た。
「お疲れ様、妖夢。ごめんね、手伝って貰っちゃって」
「いえ、元はと言えば幽々様のせいですから...。あ、最後ですか?持っていきますね」
「ん、あぁ、これは大丈夫。私達用だからね」
「え、それって...」
私は机の上に一升瓶を置く。
「ちょっと付き合ってくれるかな、お話しもしたいし」
「それでれすねぇ!!幽々子様ったら何ッ、回言っても聞いてくれないんれすよぉ~...私は幽々子様を想っていっひぇるのにぃ...ぐすん」
「そう...えらいね、妖夢は...」
私はお礼と言ってはあれだけど、妖夢の愚痴を聞いてあげることにした。同じ従者同士そういうのに敏感なのだろうかなんとなく、あ、溜まってるなぁ、と思っていたが案の定だった。今は正座している私の足に泣きついて来ている...色々あるんだろうなぁ、と思いながら妖夢の頭を撫でている。
「...白様はお母さんみたいれす...」
「今は甘えてもいいですよ、少しの間ですが...」
「.........」
「ん?あぁ、ちょっと疲れちゃいましたか...」
妖夢はすぅ...すぅ...と、静かに寝息を立てている。...無理もないか、異変で疲れていたんだろう。それに久しい春の陽気も相まって...ふあぁ.........
「おーい、白ー...いないのかー?」
私は今、白を探している。なんやかんやあって異変を一緒に解決したんだし、どうせなら酒のひとつやふたつ呑みながら話したかったんだが...。その辺を粗方探し終え神社の方へ向かう。すると霊夢が縁側に座り込んでいるのが見えた。
「お、霊夢ー、白見なかったかー?」
「ちょ、魔理沙、しーっ!」
「んぉ?なんだなんだ急に」
霊夢が指さしたのは神社の中、居間にあたる部屋だった。たく、なんだってんだ?
「どうしたんだよ...ってあー、そういう...」
「ふふっ、結構レアなのよこういうの...」
そこには壁に寄り掛かって眠る白と、白の足を枕にして眠る妖夢の姿があった。
「...こう見ると、なんか、姉妹みたいだな」
「そうね...さ、今くらいそっとしといてあげましょ」
「...だな」
流石の魔理沙さんでもそれくらいは空気読めるぜ
白は面倒見が良いですね...いいお嫁さんになりそう。にしても東方の従者さんはなんか、いつも苦労してるイメージなんですよねぇ。とまぁ、そんなところで、また読んで頂ければ幸いです