それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね
「いただきま~す!」
そう言うのは、朝食にありつけて上機嫌な紫様。良かったですね、藍が寝坊助で。...それにしても、寝坊なんて珍しいな藍の奴。いつもなら、叩き起こされるのは私の方だったんだが...まーた遅くまで仕事でもしていたんだろうか。...仕方ない
「紫様、藍を起こしてきますのでご飯のお代わりは自分でよそってくださいね」
「ふぁーい」
「全部飲み込んでから返事してくださいよ...」
少し呆れながらそう言って、藍の寝ている部屋まで向かう。紫様は最近冬眠から覚めたからなのか、いっぱいご飯を召し上がるようになった。例年通りなら、3月の中頃、遅くとも終わりには起き出して来るのだが、今年は5月に入ってやっとだ。いつもより長く眠っていたのもあり、食べる量が増えたようだが、体重計にのって酷く青ざめた顔をしていたのには笑ってしまった。
「..,大丈夫か、藍の奴」
いつもは紫様、藍、私で手分けして仕事を片付けているのだが、紫様が冬眠に入るとどうしても、一人頭の負担が増えてしまう。まぁ今年はどっかの誰かさんが起きるのが一ヶ月遅かったので余計に、なんだが。
「藍、起きてるか?」
そうこうしていると、藍の部屋の前まで着いていた。身体の調子を崩していたら悪いと思いつつ、部屋の外から声を掛けてみる。
...どうやら、まだ寝ているらしい
少し悩んだが、襖を開けこんもり膨らんだ布団に呼び掛ける。
「朝だぞ、藍」
「...んぅ...ん?...白か...すまないが、もう少し寝かせてくれないか...」
「...また遅くまで仕事してたのか?」
「...うん」
「...分かったよ、朝ご飯、一回下げるから起きたら汁物温め直してちゃんと食べなよ」
「...すまん、白」
そう言って部屋の襖を閉じた。藍も大分参っているんだろう、あんなこと滅多に言ってこない。実際、紫様が眠っている間の書類仕事は、ほとんど藍がこなしていた。なにぶん、私がそういう作業に疎く苦手なので悪いと思いつつも、藍に任せる他無かったのだ。すまん藍、仕事が一段落したら一緒に酒でも飲もう。
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「んっ...ふぅ...あら、白、藍はどうしたの?」
戻って来ると、おそらく幾度かお代わりをしたであろうお茶碗を置いた紫様にそう聞かれた。
「疲れているみたいでしたので、そのまま寝てもらうことにしました。最近は、藍に頼りっきりだったので...」
「...私だってまだ寝てたかったのに」
半年近く眠ってたのに何を言ってるんだ、うちの主人は
「そんなこと言ってないで、溜まってる仕事、ちゃんと済ませてくださいね」
「むぅ...わかってるわよ、ごちそうさま」
「お粗末様です」
席を立つ紫様を横目に私は席に着く。さぁて、そんな私もやらなければならないことだらけなんだが、朝食くらいゆっくり食べても罰は当たらないだろう。
「いただきます」
あぁ、今日も今日とてお米が旨い
そういえば主人公の名前出して無いなぁと思い、一応補足すると、白とかいてハクと読みます。書きながら思うんですが、0から文章を生み出すのって大変ですね、ほんと。ただ、書いてて楽しいのも事実。また見に来てくれると幸いです。