「えーっと、後は八百屋さんと...」
今日は人里へ買い出しに来ている。この前訪れたのがもう一ヶ月以上前だろうか...。とはいえ、買い出し抜きにして個人的に来ることはあったし、様々な理由で足を運んでいる。
残りは野菜を幾つか買っておしまいかな...なんて考えながら歩を進める。道行く人達に挨拶を返しながら、時には足を止め世間話なんかもしてのんびりと歩いていく。
「えと、じゃあ大根と...あと白菜もお願いします」
「毎度ありがとうね。可愛らしい従者さん」
目的の八百屋さんに着くと、そこには店主のお婆さんが見覚えのある少女の応対をしているところだった。
「こんにちわ、久しぶりですね妖夢」
「あ、白様。お久しぶりです」
「あら、いらっしゃい。今日は買い出しかい?」
「えぇ、そうですね。ひとまずいつものお願いします」
ちょっと待っててね、と言うと店主は店の奥に歩いて行った。妖夢に目線を移す。
「妖夢も買い出しですか?...結構凄い量ですね...」
「はい...幽々子様はたくさん召し上がりますから...」
妖夢の両手には既に食材で溢れかえっている袋がいくつもあった。私は宴会を思い出す。...いつもあんなに食べてるとしたらお金がいくらあっても足りない気がする...。
「...それより白様、さっき仰っていたいつもの、ってなんですか?店主さんは何か取りに行ったようですが...」
「あぁ、見れば分かりますよ...ほら」
お待ちどう様、と店主が持ってきたのは数種類の野菜がかなりの量詰められた木箱だった。これでだいたい一月分だ。
「んー、それじゃああと...コレとコレもお願いしますね」
「あいよ、今日もたくさん買ってくれてありがとうねぇ」
私は表に並んでいた野菜の中からめぼしいのを幾つか手に取り木箱に入れていく。まぁ、こんなものだろう。
「...こんな風に、私のところでは月に一度たくさん買って行くんですよ。あ、コレ代金です」
「そうだったんですね...人里で白様を余り見かけないのはそういう...」
私は話しながら慣れた手つきでいつもの買い物袋に野菜を放り込んで行く。便利で助かるよホントに。
「...それ、入りきるんですか?流石に無理なんじゃあ...」
「大丈夫ですよ。紫様の特製ですから」
と言い、私は妖夢に袋の中身を見せる。すると合点がいったのか、へぇ、と声を漏らしていた。
「...なんだか、二人が並んでいると家族みたいねぇ...」
「はえっ?!」
店主の突然の一言にすっとんきょうな声を漏らす妖夢。...確かに髪だとか肌の色は似通っているし、初対面の人なら簡単に騙せてしまいそうかな...。
「いやいやいやそんな!親子みたいだなんて...」
「ほんとに姉妹みたいねぇ...」
「え、あ...」
妖夢が止まる。...店主は家族みたいとは言ったが親子とは一つも言っていない。...あれ、もしかして...と思い妖夢の耳元で声を掛ける
「...おかーさんみたいれす...」
「はぅあっ?!いや、それは、その、あのときは...お、おおお、お酒!お酒が入ってたので!!つい...」
...どうやら妖夢、酔ってる時の事も覚えてるタイプのようだ。赤面しながら手をわたわたさせている。...なんというか...ちょっと可哀想になってきた
「...まぁ、また聞いたげますよ、愚痴の一つや二つくらい」
「あうぅ...」
周りに漂う半霊もほんのり紅くなっていた
妖夢とばったり人里で、てな感じでした。酔ってる時のこと思い出すと軽く死にたくなる...ので、そんなに飲まないんですよね。とまぁ、こんなところで、また読んで頂ければ幸いです