東方紫式録   作:微 不利袖

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へっくし!...21話です。最近は特に書くことも無くなってきまして...えぇ。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


21話 屋台と予兆

 

 

「どこかなぁ...」

 

 

買い出しを終え、妖夢と別れた私は帰路についた。辺りは夕日に照らされている。帰る途中に夕食の献立を考えていると、そういえば最近食べて無いなぁ...と、思い浮かぶ物があった。少しおぼろげな記憶を頼りにソレを探す。

 

しばらく空を飛んでいると、眼下の木々の合間から白い煙が立っているのが見えた。...良かった、今日はやってるらしい。

 

私は付近に降り立つ。...するとそこには、暖簾を引っ提げた移動式の屋台が一つ。大きな赤提灯が爛々と光を放っている。四人程度が座れる長椅子には、どうやら先客が一人いるらしい...。

 

 

「こんばんは、一人ですけど大丈夫ですかね」

 

「いらっしゃい、って白さんじゃないですか、お久しぶりですね。ささ、座って座って」

 

「...お隣、よろしいですか?妹紅さん」

 

「ん、構わんよ。...一人呑みも味気無いと思ってたところだしさ」

 

 

暖簾をくぐり軽く挨拶を交わす。...先客は私の見知った顔だった。一応確認してから隣に腰を降ろす。

 

 

「あはは、残念ですけど長居は出来ないんですよね...とりあえず、タレと白焼きを一つずつ。...あ、あと持ち帰りでタレを三つお願いしますね」

 

「はいよ、直ぐ焼いちゃうからねー、少々お待ちを」

 

「なぁに、帰るまでで良いさ。ミスティア、枡一つ借りるよ」

 

「いいよー、勝手に使っちゃってて」

 

 

そう言うと妹紅さんは新たに一つ手に取った枡に日本酒を注いでいく。...うわぉ、なみなみ一杯。

 

 

「ほれ、私の奢り。ちょっとは付き合ってくれよ?」

 

「...帰るまでなら構いませんよ、おっとっと...」

 

 

今にも零れそうな枡を受けとる。妹紅さんは自分の枡をお酒で満たしこちらに差し出す。

 

 

「そんじゃ、うざったい梅雨との別れに」

 

「「乾杯」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕日もいつの間にか山の向こう側に顔を隠し、辺りは静かな闇に包まれた。聞こえるのは炭火に油の落ちる音と、人と妖が呑みながら交わす、なんてことは無い世間話だった。

 

 

「...もう梅雨も終わりだな...夏ってなるとミスティアは書き入れ時だろう?」

 

「そうですねー、いつも夏になると人里の直ぐ近くに屋台を出してますから、皆さんいっぱい買ってくださるんですよ」

 

 

はい、どうぞー、と目の前に八目鰻の蒲焼きが二種置かれる。鰻と言うと蒲焼きのイメージが強い、美味しいのも確かだけど...。

 

 

「やっぱり白焼きだよなぁ...分かってるな、白」

 

「むぐ、...そうれすね...んっく...素材の味が活かされる分、嘘が吐けませんからね。勿論蒲焼きも好きですけど」

 

「日本酒にも合うもんねー。あ、持ち帰りの分ももう焼いちゃおうか?」

 

「えぇ、お願いしますね」

 

「ん、もう帰るのか...っと、ありがとな」

 

 

私は妹紅さんの枡に日本酒を注ぐ。夕飯の為の鰻を焼いてもらいながらまだ少しある時間で話しをしていた。

 

 

「そういえば、明日博麗神社で宴会があるんだってー、白さん知ってた?」

 

「そうなんですか、初耳ですね」

 

「魔理沙が言ってたよ、なんでも梅雨明けを祝って、だとさ。まぁ、理由をつけて呑みたいだけだろうねぇ」

 

「そうそう、この前屋台に来てねー...そういえば白さんと呑みたいって言ってたよ。はいこれ」

 

 

魔理沙がねぇ...なんて思いながら、焼き上がった八目鰻を受け取る。どうやら二人は参加するみたいだ。

 

 

「白も来なよ、人が多くて困ることなんて無いだろうし」

 

「そうですね...紫様にも言っておきましょうか」

 

 

私は代金をミスティアさんに渡して屋台を出る。妹紅さんが、またなー、と手を振っているのに手を振り返しておく。あー、美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...宴会、ねぇ...」

 

「...?」

 

 

ふと、少女の声が聞こえた気がした。振り返る...が、誰も居なかった。疑問に思ったのもつかの間、夕飯の時間が迫っていたのもあり私は急いで家路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「面白そうだね...」

 

 

暗い森に少女の声が木霊し、霧の様に消えた

 

 




気持ち多めでした。妹紅とは慧音繋がりで知り合いのようです。そして少し不穏な終わり方...。どうなるのやら...とまぁ、そんなところで、また読んで頂ければ幸いです
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