東方紫式録   作:微 不利袖

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23話です。...もうすぐ書き始めて一ヶ月ですねぇ。シリアス書くの苦手みたいです、頑張って書きますが。それでは、ゆっくり読んでいってね...なんてね


23話 旧友と月見酒

 

 

私は縁側で夜空を見上げていた。...今日は満月みたいね。少しばかり雲がかかっているけれど、その切れ目からは月明かりが淡く、辺りを照らしている。

 

可愛い式神達はもう眠りについている。話を聞くに、明日博麗神社で梅雨明けを祝う宴会があるそうな...。

 

ふと、何か空気の流れに違和感があった。...軽く身構えたものの、少し懐かしい妖気に肩の力を抜く。

 

 

「...久しぶりね、萃香」

 

「ん、そんなに経ってたっけか?」

 

 

何の前触れも無く、私の隣に一人の少女が現れる。小柄な、10歳程度の少女。只、異質なのは頭部に二つ、捻れた角が生えていること。

 

 

「どうかしたの?貴女から訪ねて来るなんて...」

 

「なぁに、古い友人と酒でも呑もうかと思ってさ」

 

 

萃香はそう言うと、手に持っていた酒瓶をこちらに見せてくる。

 

突然辺りが明るくなる。見上げると、月を隠していた雲が霧散し、月明かりが一層はっきりと地上を照らしていた。

 

 

「ほら、月見酒と洒落混もうか」

 

「...そうね」

 

 

悪戯っぽい笑みに私は、変わらないなぁ...なんて思いながら微笑みを返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...藍のやつは元気してるかい?」

 

「ん...そうね、私が永く眠っていた間も頑張ってくれてたわ...」

 

 

あの子達には感謝している。妖怪としての性質上、冬眠を余儀無くされる私。その間、この幻想郷を任せることができる存在にとても助けられている。

 

 

「あー、今年は冬も長かったしなぁ...あんまり迷惑かけてやるなよ?」

 

「...そうね、二人には頼りきりだものね...」

 

 

残り少なくなっていた枡を傾け、萃香の持ってきたお酒を流し込む。

 

 

「...そういえば、新しく式神が増えたんだって?」

 

「ん、ありがと...そうね。藍と同じくらい、優秀な子よ」

 

 

空になった私の枡にお酒を注ぎながら、萃香が聞いてくる。...そういえば、話してはいたけれど会わせてはいなかったかしら...。

 

 

「んー、挨拶くらいしたかったんだが...もう寝てるみたいだしな...」

 

「そうね、明日も用事があるみたいだから...」

 

 

最後の一滴が枡に落ち、瓶を置く。萃香は瓢箪を取り出し呷る。

 

 

「...藍とどっちが強い?」

 

 

藪から棒に聞いてくる。

 

 

「白かしら...貴女とも良い勝負するかもしれないわよ...」

 

「...へぇ...それはそれは...」

 

 

私が喉を鳴らす度に、数度瓢箪を呷る萃香。ぷはぁ、と息を吐き、そのまま続けた。

 

 

「...実は一つ、異変でも起こそうと思っててさ」

 

「...そう、貴女がねぇ...」

 

「今年は冬が長かった分、春はあっという間だったからねぇ...」

 

 

よいせっ、と立ち上がる萃香。

 

 

「花見酒、し足りないんだよなぁ。...ま、久々にお前と呑めて良かったよ」

 

 

その言葉を残し、鬼の少女は霧のように消えた。...私は手に持った枡に目をやる。

 

綺麗な月が私を覗き込んでいた

 

 




紫さん視点でした。...こういう日常を切り取ったような描写が上手くなりたいですね。それでは、また読んで頂ければ幸いです
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