「...消えた、いや、上か?」
空を見上げる。...かなり跳んだな、まだ姿は見えない。...居た。雲の中から出てきたのを見つける。...一瞬であそこまで...へぇ...。
「さぁて、どう出る...ッ?!」
咄嗟に両腕を頭の上で交差、そして衝撃。身体が周りの地面ごと、深く沈み込む。それが相手から放たれた蹴りだと気付いた辺りで遅れて、轟音が耳をつんざく。
「んの...ギギッ...がっ?!」
受けきれ無かった両腕を弾き、相手の踵が脳天を貫いた。
振り抜いた脚を確認し、重さを戻す。私は爆心地より後ろへ跳ぶ。...手応えは合った。ひび割れた地面に、脚を半分突っ込んだような形で立っている鬼。両腕は力無くだらん、と下ろされ、俯いたまま静かに佇んでいる。
さて、これで終わればいくらか楽なんだけれど...
「......アッハハハハハハハ!!...ハァ」
「...そうですよねえ...」
気持ちが良い程の高笑いと共に鬼の少女は顔を上げる。表情は変わらず、見開かれた目は爛々と輝いてさえ見える。
「...いやあ、やってる中で意識がトんだのは久々だよ...勇義とやって以来か」
「...?」
何かぼやくように言い放つ鬼の少女。最後の方は良く聞こえなかったが...アレで一瞬気絶するだけって...何でこうも鬼ってヤツは頑丈なんだ...。
「アタシは伊吹 萃香...鬼の四天王が一人...アンタは?」
「...八雲 白、只の妖狐ですよ」
「ッハ、鬼の意識刈り取っといて良く言うね」
名乗りを上げられる...ここから本番と言った所だろうか...。昔みたいなハンデはもう無い。
「さてと、それじゃ早速「はーい、そこまで」っんな!?」
闘いの火蓋が下ろされようとしたその時、突然空間が裂ける。...なんというか、どうにか助かったようだ...。
「おまっ、紫!何で邪魔すんだよ!?」
「貴女ねぇ、この辺り一帯更地にするつもりなの?それに、貴女一回気絶したでしょ?勝負ありよ」
「うぐっ?!...最初から見てたのかよ...」
だー!、良いトコだったのに!!と、地団駄を踏む萃香さん...うわお、地面がバッキバキ。
「というか、なんでスペルカードルールで戦わないのよ」
「...なんだ?それ」
「...はぁ...そうだったのね...」
紫様が額に手を当ててため息を一つ溢す。...てことは、霊夢とも殴り合う気だったんだろうか。
「良いかしら、スペルカードルールって言うのは...」
そこからはみっちり紫様の説明が続いた。...異変を起こすからには確かに覚えて置いてもらわないと不味いだろう。
...ていうかこれ、私帰って良いよね
鬼にガチで暴れられると危ないですもんね。しゃーない。それでは、また読んで頂ければ幸いです