うやむやになった萃香さんとの一騎討ちから二日明け、私はいつもと同じように家事をこなし、縁側から見上げた初夏の夜空に思いを馳せていた...いたのだが
「す、萃香さん...もう勘弁してください...うっぷ」
「なぁんだよ、まだ呑み始めたばっかりじゃんか」
いつの間にか件の鬼とサシで呑んで...呑まされていた...
さて、ひとまずなぜこうなってしまったのか。結局、あの決闘?があった明くる日、萃香さんは博麗神社へ赴き、霊夢と一戦交えたらしい。...勿論弾幕で
流石に鬼と言えど、百戦錬磨の博麗の巫女に対して付け焼き刃では敵わなかったらしい。これにて異変解決、めでたしめでたし...そう、問題はその後。
普段なら異変解決を祝う宴会が開かれるのだが、繰り返される宴会が異変そのものだったこともあり、宴会は無し。これは霊夢の決定である。
...後はお察しの通り、そのしわ寄せが私に押し寄せて来た、という訳だ。...酒気で意識が少し朦朧とする...。どんだけ呑ませる気なんだこの鬼は...。
「...そういえば、萃香さんは何故こんな異変を起こしたんですか?」
「んー?...そうさなぁ...」
私は押し付けられる盃を押し留め、話題の方向に舵をきった。...どうやら無事、逸れたらしい。
「今年の春は、あっという間だったろう?...花見の宴会も殆ど無かったからなあ...」
萃香さんは手元の瓢箪を数度呷る。...鬼の肝臓は無限か?
「寂しく思ってた矢先に、宴会の話が耳に入ってな。...まぁ、それに乗っかった感じだな」
「...そうでしたか」
私は話を聞きながら水を流し込む。...酔った時は同じくらいの水を飲むのが良い...。それに、と萃香さんは続ける。
「少しばかり退屈してたんだ...昔は今と違って腕っぷしに自信のある喧嘩馬鹿がたくさんいたからなぁ...。毎日退屈しなかったよ...」
「...」
静かに聞く。その時の萃香さんは、どこか寂しそうな...そう、見えたから...。
「いやなに、今みたいな平穏は別に嫌いじゃあない。...こうやって誰かと呑みながら話すのも悪くないしな...」
「...そう、ですか...」
ぐいぃ、と水の入ったグラスを傾ける。空になったそれを置き、脇に置いてある盃を萃香さんの方へ突き出した。
「...私で良ければ朝まで付き合いますよ、萃香さん」
「...っは、全く...紫みたいなヤツには勿体ないよ...すまないね」
その夜が明けるまで二人の晩酌は続いた
皆さんも、呑みすぎたなぁ...と思ったらお酒と同じくらいのお水飲みましょうね。ホントに楽になりますから。それでは、また読んで頂ければ幸いです