「ふぅ、買い物はこれでおしまいかな」
私は買い出し用の鞄に買ったものを入れながら呟いた。慧音先生と別れたあと、少し急ぎ足で店の連なる通りへと向かい必要なものを片っ端から買って行った。一ヶ月分買い込んだのでかなり時間がかかったが、まだ日は暮れていないようだ。
「...それにしても、ホント便利だなぁ」
鞄の中に目を落とす。そこに買ったものはなく、幾つもの瞳がこちらを覗いてくる異様な空間が広がっている。この鞄は紫様に渡されているものだ。難しいことは良く分からないが、ここに入ったものは家まで転送?されている、まぁ、厳密に言うと少し違うらしいが。ホント規格外な能力だなぁ...。
「さてと、あとは...迷い家に行って橙に会おうか」
歩きながらそんな事を考えていると、里の出入口に着いた。無論、藍に頼まれたお使いも忘れない。私自身も、最近橙には会えていないので様子は気になる所だ。まぁ、十中八九こたつで丸くなって寝てるだろうが。
そんな様子を想像すると思わず笑みが溢れる。フフッ、と笑いながら里を出た私は地面を蹴り、空を飛んで迷い家へと向かった。
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しばらく飛んでいると、眼下に古びた集落が見えてきた。どうやら着いたようだ、私はそのまま降下して行く。
「よっ、と、着いた着いた」
私は、古びた集落の中で唯一外観が綺麗にされている家屋のそばに降りた。縁側の方へと歩いていき、少し大きめの声で呼び掛ける。
「ごめんくださーい」
すると、少し間を置いて家の中からドタドタと音がした。良かった、留守じゃ無いらしい。はいはーいと声がした後、襖が開いた。
「はーい、何度来られても新聞は取りませんよ...って白様じゃないですか!お久しぶりです!」
「ははっ、久しいね、橙」
...どうやらしつこいカラスに絡まれているようだ。
「ホントですよ!最後に会ったのは...ってそれよりどうかされたんですか?藍様ならともかく、白様が来られるなんて...」
「なぁに、買い物がてら藍に様子を見てきてくれと頼まれてな、元気そうで良かった」
「そうでしたか、あ、お茶出しますね、どうぞ上がっていってください」
うん、日暮れまでまだ時間もあるし少しくらいゆっくりしていっても大丈夫だろう。もう少し橙と話もしたいし。
「そうか、じゃあお言葉に甘えさせてもらおう」
そう言うと私は橙に促されるように、部屋へ足を踏み入れた。くつろいでて下さい、と橙に言われ私はこたつに潜り込み温まりながらお茶の到着を待っていた。ぬくぬく。
そうしていると、外から聞き慣れない声が聞こえた。
「ありゃ、ここは一体どこなんだぜ?」
最後の人は一体誰なんでしょうね...いやぁわからない
それにしてもこの辺りから知識不足が響いて来そうな予感...大丈夫かなぁ、まぁ、また読んで頂ければ幸いです