「ふぃー、あったけぇ~...」
「よっ、と、取り敢えず寝かせて置けば良いかな、...それじゃ、お茶でも淹れますね」
「お、気が利くじゃん」
ひとまず橙が目を覚ますまでは、最低限もてなしておこう。橙の住まいに上がった魔理沙さんは、すぐにこたつへと潜り込んでいた。急須に手を伸ばしてお茶を...っと、流石に冷めちゃってるか。...仕方ないか。
私は急須の底に手をかざす。ボゥッ、と蒼白い炎が左手から産声をあげる。それを見て少し驚いたのか魔理沙さんが声を掛けてくる。
「んぉ、魔法か?」
「んー、どちらかと言えば妖術寄りですかね、そこまで出力は出ませんが」
「へー、妖術ねぇ...詠唱も無しに、便利なモンだ」
そんな会話をしつつ急須を熱していく。...そろそろいいかな?私は左手を握り込み、炎を消す。そのまま本来は橙の分だった湯呑みにお茶を注いで、魔理沙さんの手前に置く。
「どうぞ魔理沙さん、少し熱いかも知れませんが...」
「お、さんきゅー...てか、さん付けと敬語はよしてくれよ、なんかムズムズする...」
んー、敬語はともかく確かに魔理沙さんってちょっと言いづらいんだよね、同じ音が重なるとどうにも。
「善処しますよ、魔理沙」
「んー、まぁいっか...所で妖術ってことは白は妖怪なのか?見た目じゃ分かんないんだが」
「普段はできるだけ隠してるんですよ、今日は里に用事があったので尚更ですけど」
「そんで、何の妖怪なんだ?」
「それはですね...よっ、と」
ぴょこん、と私の頭には二つの耳があらわになった。
「うお?!...ビックリしたぜ、えーと...白狼天狗か?」
「残念、ちょっと惜しいですかね」
「ってなると...猫又!」
「はずれ、まだ狼の方が近いですね」
魔理沙はこたつから出て来て私の顔の周りやらなんやらを見回して、うーん、と唸っている。
「ん~...わからん!ギブアップだ!」
「あれ、結構いい線いってたんですけどね、残念」
「それでなんなんだよ、答え」
「妖狐ですよ、そんなに意外でもないでしょうけど」
「へー妖狐ね、そんじゃ藍と一緒か、珍しいな」
藍の名前が出たことに少し驚く。そう言えばここで妖狐がいる、なんて話は聞かないし珍しいというのも間違いでは無いだろう。
「藍のこと知ってるんですか?」
「ん、あぁ、この前の宴会でな、あの胡散臭いスキマ妖怪の従者だろ?」
...胡散臭い、まぁその通りか。あんなの初対面ならまず疑う所からスタートだ。人前に出る時は取り敢えずミステリアス(笑)みたいな雰囲気出すのやめないかなぁ、紫様、ちょっと恥ずかしいんだが。
「白は藍の知り合いなのか?」
「えぇ一応、まぁ、頼りになる同僚ですよ」
「へぇ、そう...ん?ってことは」
わざとらしくそう洩らす。...流石に気づくかな?
「改めまして、八雲 白です、よろしく魔理沙」
「...マジかよ」
苦笑いするしかない魔理沙に私は微笑みを返した
はい、普通に妖狐でした。ちなみに白の外見、白髪に白い肌、うっすら紅い眼をしてます、まぁ白狼天狗と間違われる訳ですね。それでは、また読んで頂ければ幸いです