イツアリなリリはヘングレと一緒に……   作:白百合姫

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設定の前提→基本みんなお友達。嫌悪などはそのままにしてます。1部キャラは詳細を理解してない点があると思うので、おかしい部分があればごめんなさい。


イツアリなリリはヘングレと一緒に……上

「ヘンゼル…グレーテル……いい?」

 ここは図書館。沢山のアルターが非殺傷のルールのもと出入りしている場所である。

 そんななか、普段からいがみ合ってる事で周知されているヘンゼルとグレーテルに声を掛ける人物が居た。

「なんですか?リリ」「どうかしたのかしら?」

 二人を呼んだ人物はチェシャキャットのリリだった。

 並べて名前を呼ばれ、同時に答えてしまった2人はお互いを見ることもせずチッと舌打ちを行う。

「ん、今日も仲がいい」

 誰がっ!と言いたげだったが、そんな2人をリリは気にせずに話を続ける。

「リリの寝床を取り返すの……2人に手伝って欲しい」

「分かったわ。普段ヘンゼルを狩るのに手伝ってくれているし……ワタシで(・・・・)、良ければ手を貸すわ」

「……わかりました。しかしもう少し詳しく……ボクに(・・・)、教えてもらっても構いませんか?」

 2人にとってリリは共闘する事もある仲。協力してあげたいと思うが…共闘したくない相手が居る為、ワタシ達やボク達とは言わない。が、リリにとってはその事よりもお願いの方が大事であった為、2人の様子は気に留めず話を進めた。

 話の内容は、適度に狭くてごろごろするのに丁度良い空間を見つけたものの、その場所が魔術的なもので封鎖されて入れなくなった事。また解除を試みたものの、強烈な危機感を覚えた為引き返して来てヘンゼル達に声を掛けたとの事だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 目的地への移動中。左手からヘンゼル、リリ、グレーテルの順で並んで歩いて向かっていた。

「話は分かりましたが、何故ボクら2人に声を掛けたのですか?ボクだけでもこのくらい簡単にやれますよ?」

「あら?普段ワタシがその濁った眼の代わりをしてあげてるというのに……ヘンゼル姉様は随分と自信家なのね」

「2人は強い……それに、リリのお友だち……だから」

 口を開けばお互いに罵り合う2人の間でただマイペースに、無意識に毒気を抜く。

 だんだんとリリに悪いと思い、ヘンゼル達は静かに…お互いの間を歩くリリの手を握って歩いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「ん、ついた……」

 リリが歩みを止めた場所。そこは岩場だった。

「これは……リリ、どの辺りでしょう?」

「ヘンゼル姉様、あれよ」

 リリが答えるよりも先にグレーテルが一際大きな岩を指を指した。

 先程のリリの説明の中で魔術的な施しがあると言ってあった情報を元に、魔力の残滓を見つけて指差したのだ。

 それを聞いたヘンゼルが流石だねと褒めると、グレーテルは素直に褒められた驚きと同時にどこか心地良かったのか、戸惑いつつも得意げなドヤ顔になっていた。

 のだが……

「グレーテル……そこ違う」

 いつの間にか2人の手を離していたリリは、グレーテルの指摘した岩とは全然違う位置にあるくぼみを指さした。

「……………………」

「…………えと、グレーテル?」

「まって何も!……何も言わないでもらえないかしら…………」

 背を向けてうつむいてしまったグレーテル。その顔が赤くなっている事は言うまでもなかった。

 ピシ……ピシピシ

 恥ずかしさでうつむくグレーテル。褒めた手前どうしたら良いかと戸惑うヘンゼル。そして2人よりもくぼみに施された魔法を解かんと取り出した傘を構えるリリ。

 ピシピキキキ……

 注意していれば聞き取れるその異音。それはあの一際大きな岩。魔力の残滓を帯びた大岩。

 バゴォォォオオンッッ!!!

 その巨大な炸裂音に気付いた時、それは既に遅い。岩が爆発し近くに居たヘンゼルとグレーテルを巻き込む。

「んっ!ヘンゼル……!グレーテル……!」

 その大きな爆破はリリのところにまで破片を散りばめたが、圧倒的に数が少なかった。

 これは計算された爆弾。それも狙った場所に集中的に降り注ぐ様に仕組まれたものだった。

 砂塵が落ち着いた時、リリの視界に映ったのは…ヘンゼル達の立っていた場所は瓦礫の山だった。

 この状況はまずい。それはリリにも明確に分かってはいた。分かってはいたがすぐには動けなかった。

 ガラガラガラガラッ……!

 目の前の瓦礫が動く。だが動かしてるのはヘンゼル達ではない。

 リリの眼には見える。

 グゴゴゴ……ゴゴゴゴゴゴッッ!!!

 魔力で岩に刻まれた紋章。岩と岩を繋ぐ魔力の糸。不揃いにも見えたその岩はまるでそうあるべくして作られたかのように、正確に隙間なく結び付けられていく。それが形取る物それは……

「……ゴーレム」

「ヘ、ヘンゼル姉様ッ!!」

 リリがハッとしてヘンゼル達の居た場所を見る。

 そこには軽傷のグレーテル。そしてグレーテルを守る為、岩を一身に受けたヘンゼルが前のめりに……グレーテルに倒れ込む姿だった。

「あぁ、グレー……テル」

 それは息も絶え絶え。

「どうして……ヘンゼル姉様どうして!ワタシを庇ったの……」

 あまりの事に理解が追い付かない。

「ふふ……グレーテル、キミを殺すの……は、このボク……だ」

 誰にも渡せない。

 それがヘンゼルの答えだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 ォォォォォオオオオ"オ"オ"オ"!!!

「おちて……!」

 ゴーレムの完全起動。それに合わせてリリは魔法の雨を降らせる。

「邪魔、しないでっ!」

 リリは滅多に大声を上げない。そんなリリが怒り吠える。魔法を必死に叩き込む。

 それは友を守る為に……。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「ヘンゼル姉様……」

 お互いを憎むアルターであるヘンゼルとグレーテル。そのヘンゼルがグレーテルを身を呈して守る。こんな事は有り得ない。

 グレーテルには理解が出来ない。自ら殺す喜びは分かるものの、瀕死になってまで守る理由が。他の者に自分(グレーテル)を殺されたのなら、その殺した奴を代わりに殺せばほんの少しは気が晴れるから。

 ただ今ある事実。それは守られた。

 そして自分の胸の中で虫の息のヘンゼルが居る事。

 殺すか否か。

「ころ……殺せる訳が……ないわ…………」

 ウゴォォォォオオオオ"オ"オ"オ"!!!

 リリが戦ってくれてる。ヘンゼルの気持ちも自分の気持ちすらもわからないままグレーテルは治癒魔法を使う。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 オォォオォオオ“オ”オ“!!!

「んっ!」

 ヴォンッ!とゴーレムの大きな腕でリリをなぎ払おうとする。

 リリはそれを大きく飛び退って避ける。

 ゴーレムはそれを更に追い掛ける。

 術士であるリリに比べてゴーレムは物理特化の破壊者だ。本来相性としては術士の方が優位である。しかしゴーレムの大きさは二階建ての一軒家程あり、小柄なリリと比べればその体格差は優位性のみで覆せるものでは到底ない。

 ゴーレムの攻撃の一つ一つがリリにとって致命傷となり得る。そんな極限に等しい戦い。

 何よりこのゴーレムには無機物であるにも関わらず、まるで知能があるかのように、手を替え品を替えリリに魔法を唱えさせまいと追いすがる。

「鬱陶しい……!もう本気、出すっ!」

 リリの左手に魔力が集まる。ゴーレムは何もさせまいと素早い攻撃を繰り出す。

「んん……にゃ!」

 ゴーレムの振りかぶった腕を大きく身をひるがえして避ける。その一瞬リリはゴーレムの腕に左手で触れ、魔力の塊を植え付けた。

「不吉の報せ……」

ゴーレムは即座に腕を振り払おうとするも既に遅い。振り払おうと振りかぶるその腕はボロリと取れてしまう。

無機物である岩に痛みはないだろう。しかしバランスがうまく取れないのか、よろめき固まってしまう。

「もう……遅いの」

その声はゴーレムよりも高い空中。ゴーレムの腕も届かない高さに浮いて魔力を傘に集めていた。

 グオォォォォオオオオオオオオッ!!!!!!

 ゴーレムの一際大きな咆哮。それは地鳴りの様に重く響いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふぅぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおっ!!!!!!」

「…………私の設計上、その装置は操縦者に悪影響を及ぼすはずはない。君は何故鼻血を流しているのだ?」

「いやぁ非常に尊かった!尊かったのぉ……てぇてぇ……てぇてぇ」

「ふむ。よくは分からんが健康に害はない様だな」

「んーにゃ!大有りだね!!お子様にはお見せできない!」

「一体全体何を言っているのか理解しかねる。ちゃんと説明しろ」

「あー別にイイじゃん?あとコレ、負けちゃった♡」

「……はぁ。私の計算は完璧だった。確実に巻き込める設計だったはずなんだが、何故仕留め切れていないのだ?」

「確かに瀕死には出来てたけど、なんだか尊みを感じたから放置しちゃった♪」

「…………頼むから日本語で話してくれ」

 

 

to be continued




思ったよりバトルになり過ぎたけど…ちゃんと書けてるか不安( ´・ω・`)
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