ハイスクールD×D~終末世界のJUDAS~ 作:シュレディンガーの熊
平日の放課後、辛い授業も終わってクラスメート達が帰って行く。俺もいつものように部室に向かうため鞄を手を取る
「俺たちも部長たちのところに行くとしますか」
「ごめんなさいイッセーさん。私少し寄りたい所があるので・・・」
「ああ、分かった」
申し訳なさそうに頭を下げるアーシア。ほんと可愛らしい
「私も同行してよいか、アーシア?」
「あ、はい。全然大丈夫です」
「ってことは部室に行くのは俺とイリナか」
「あ、私も用事あるから」
「イリナも?」
「この間来たっていう神父さんとちょっとお話にね」
明るい笑顔でイリナは答えた
神父っていうとあのメガネのイケメンさんか
「そういえば、この間この街に来た神父はイリナの知り合いと聞いたな」
「実はそうなの。私がイッセー君とお別れしてこの街からイギリスへ引っ越した時、お父さんが教会で働いてる間、幼い私は教会の孤児院に預けられていたの。その時に出会ったのが、孤児院で一番の年長者だった
「それだけかなー?」
三人の話に割って入ったのは、アーシアにエロい事を教えているけしからん眼鏡ッ娘、桐生だ。帰ったんじゃなかったのかよ
「それはどういう意味かな桐生さん?」
「いやいや、もしかしてその神父さんのこと実は好きだったんじゃないのかな~?って」
「うえぇ!?」
突然の言葉にイリナは顔を真っ赤にして慌てだす
「あれあれ?もしかして図星?」
「あ、いや、確かに空人さんはかっこよくて優しくて頼りになる人だったけど、決して好きという感情かどうかって言うのは・・・」
必死に言い訳をするイリナの様子は、その表情を見なくても分かるほどにとても動揺していた
それを見てキラーンと桐生の眼鏡が輝く
「おやおや~?これは兵藤一誠ハーレムの危機かな?」
と、面白そうと顔に描いてるほど分かりやすい表情で離れた席にいた俺の方を見る
俺がいつハーレムを作ったんだ、いつ。まぁでもハーレム作るのは俺の目標の一つですけども!
「そそそ、それじゃあ私はもう行くから!また後でね!」
イリナはサッと鞄を持って教室を出て行ってしまった
その後、アーシアも学校を出ていったので、俺は一人で部室に向かった
………………
街の外れにある大きな教会。私、紫藤イリナは久方ぶりの知人に会いに来た
教会の前には一人の男性がいた。五年近く経っても、あまり変わらなかったようだ
「久しぶりだね、イリナちゃん」
「お久しぶりです、空人さん」
聖空人、九つ年上の優しい神父さん。彼に招かれて私は新しい教会の中に入った
真新しいパイプオルガン、曇りなき輝かしいステンドグラス、真っ白に美しい聖マリア像。新築そのものって感じね
ここが以前コカビエルと一戦交えた、ボロボロの教会だったとは到底思えないわ
空人さんの後ろについていくと、小部屋へと案内された。談話室みたいな感じかな?
ソファに腰を掛けるよう促され、私は席に着く
「空人さん、お変わりがないようで・・・」
「そういうイリナちゃんは本当に変わったよね。最初に来た頃なんて院の男の子たちよりもやんちゃだったっけ」
「今更昔の事掘り返さなくてもいいじゃないですか!・・・まあ、私だってこんな魅力的な女性にになりましたけど?」
「そうだね。綺麗になったよ」
空人さんはニコリと笑った。今も変わっていないあの優しい笑顔を
綺麗、か・・・
改めて、私は随分と変わったと思う。院に預けられたばかりの頃は、男の子達とヒーローごっこをするようなやんちゃだったっけ。そのせいで周りの女の事はく上手く馴染めなかったけど、あの子のおかげで・・・
「!そういえば、空葉ちゃんは元気ですか?」
そう、空人さんには実の妹がいる。聖空葉ちゃん。私の二つ下の元気な女の子。孤児院での最初のお友達で、あの頃は私も妹のように可愛がっていたものだ
よく考えてみれば、エクソシストとして教会に属して、ゼノヴィアとパートナーを組んで、聖剣の因子をもらってエクスカリバー使いになって・・・・教会で働くようになってからあまりに忙しくて、空人さんや孤児院の人達とは全くと言って良いほど関わることはなくなったのだ。今頃、皆どうしてるのかな・・・
「妹は・・・亡くなった」
「え・・・!?」
衝撃的だった。まさか空葉ちゃんが・・・
「・・・流行り病だった。だが、発見が遅くて・・・」
暗い表情で空人さんはうつむいてしまった。空葉ちゃんの事を悔んでやまないのだろう
ミカエル様のAでも、私には亡くなった空葉ちゃんを救うことも、天に導くこともできない。けど、祈ることならできる!
「きっと空葉ちゃんも天の国に導かれて、報われてますよ。彼の御霊が天の国で安らかなる事を・・・」
私は誠心誠意、深く祈った。・・・祈りは届いてますよね、ミカエル様?
「天の国、か・・・。なぁイリナちゃん。・・・人は死んだら、どこに行くんだろうね?」
「え?それは天の国じゃないでしょうか?聖イエス様がそうおっしゃってましたし」
すると突然、空人さんの雰囲気が変わった。暗いというより、重いというか、どこか黒い・・・
「私は思うんだ。天の国に行けば本当に幸せなのかと・・・」
「空人さん・・・」
「・・・いやすまない。久しぶりに会ったのにこんな暗い話をするなんて」
「いえ、振ったのは私のほうですし」
空人さんは再び明るい表情に戻ると雑談に入った。普段の彼と同じに見える。でも、先ほどの様子を見て理解した。無理をしてるって・・・。それもそうだよね、実の妹が死んじゃったんだもん。悲しくないわけない。でも空人さんは同じように優しく笑っていた。きっと私を励ますために・・・
そう思うと、空人さんの顔が見れなくなってきた
ふと、桐生さんの言葉を思い出す
『好きだったんじゃないのかな~?』
「―――ッ!」
顔が熱い。今私の顔はかなり赤いだろう
いやいや違う!・・・と思う。これは、そう!恋愛ではなく友愛とか敬意!それなのよ!そもそも私には既にイッセー君と言う心に決めた人がいるんだから、それじゃあ浮気になってしまう!それは駄目よ紫藤イリナ!ミカエル様のAなのにそんな堕天するような真似は・・・!いやでも、以前から堕天しそうになってること多くないかな私。この間もイッセー君の隠してたDVDを――――
なんてことが頭で渦巻いていると、空人さんがスッと立ちあがった
「・・・すまないけど、私はこれから用事があるので出かけなくては」
「え、あ、じゃあ私も帰ります!」
いくら知り合いとはいえ、他人の教会に一人と言うのはいささか居心地が悪い。というか、今の状態でここに居座れない。それに、そろそろ帰らないと皆が心配するだろう
私も席を立ち、部屋の外へ向かう。その時、何か金属がぶつかるような音がした
ふと下を見ると、足元近くに何かが落ちていた。あれは・・・十字架?
しゃがみこんだまま私はそれを拾い上げた。女性が十字架のような態勢を取った物だ。十字架には首にかけたり腕に巻くための鎖がつながれていた
こんな十字架、今まで見たことがない。これは一体どこの物なの・・・
「イリナちゃん?」
「――!な、なに空人さん!」
「いや。急にしゃがんだまま動かないから・・・大丈夫かい?」
「あああ何でもないです。大丈夫ですから!」
私はすぐに立ち上がりそのまま教会を後にして家に帰った
アーシアやゼノヴィア、オカルト研究部女子部員皆が住んでいるイッセー君の家へ
拾った十字架をポケットに突っ込んだまま
駄文を読んでいただきありがとうございます
やっとこさ三話です。って、未だ事件が起きていないなんなのこれ・・・。始まったばかりでまだふらつき感ありますけど、どうか暖かい目で読んでいただけたら幸いです
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この話におけるJUDASのキャラ達の説明っていりますかね?