ヤザンがリガ・ミリティアにいる   作:さらさらへそヘアー

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魔獣の牙の折れる時

木星戦役以来の大規模宇宙戦、カイラスギリー攻防戦。

数時間に及ぶ戦闘はリガ・ミリティアの勝利に終わる事となった。

会戦結果を見れば、双方が失った艦艇やMSの数はほぼ同程度であるが、

ザンスカール帝国は倍の戦力と要塞で敵を迎え撃った上での敗北であるから、

撃墜対被撃墜比率(キルレシオ)を鑑みれば帝国は大敗と言える。

日の出の勢いのザンスカール帝国が、

ジブラルタルから続いて大規模戦闘に連敗したのは世界中に衝撃を与えた。

 

会戦終盤には艦隊を押し込み接舷戦法を仕掛けたゴメス艦長が、

タシロ艦隊旗艦スクイード1に白兵戦を仕掛けるまでに及び、

なんとその最新鋭艦を分捕るという荒業を成功させるに至る。

タシロ司令は張子の虎のファラ・グリフォンを最後の切り札と思っていたらしいが、

そのファラは帰還時には半ば錯乱状態にあり、

またゲンガオゾも両腕を失っていた事からエースとして機能をしなかった。

そしてタシロを恐怖させたのは、まさに無双の活躍をする白いMS…

リガ・ミリティアのVタイプの1機だった。

次々に本隊を固める精鋭のMS隊が撃破されていき、

まるでその様は連邦のガンダム伝説の再来を見ているようであった。

タシロの冷徹な顔が一気に崩れ豹変する。

 

「こ、こんな事が…!こんな事が起きるというのか…!

ガンダムだ!ガンダムを堕とせーーッ!!何をしている!ガンダムを撃ち墜とさんかー!!」

 

「タシロ大佐!もはやカイラスギリーは陥ちます!

このスクイードも既に食料区までゲリラが乗り込んでいるのですよ!?早く退艦を!!」

 

ゲトルを始め、複数の側近で席にしがみつくタシロを引き離そうという風景は、

中々面白い見世物であったことだろう。

 

「ぐ…!は、はなせ!まだ!まだカイラスギリーは陥ちない!

スクイードを渡すな!!徹底抗戦せよ!!最後の一兵まで銃を取るのだ!!」

 

「こんな所であなたと心中など!!司令は混乱しておられる!失礼!」

 

「ごふっ!?」

 

側近の誰かが、もみくちゃの中でタシロの腹を強打するとそのまま担げば、

皆、脱兎の如く駆け出して、司令部はその機能を完全に喪失。

残存する他の艦艇もMSも指示系統を失って混乱を極めた。

 

「スクイード2がカイラスギリーから離脱するぞ!?」

 

「スクイード1が墜ちた!?タシロ司令が戦死だって!?」

 

「なんだ!撤退なのか!?」

 

「我、未だ抵抗戦力を保持!抵抗を許可されたし!!」

 

「だめだ!本隊が壊滅したらしいぞ!」

 

「あの光、カイラスギリーが墜ちた!爆発するぞ…!全機撤退せよ!!」

 

ベスパのMS隊は、現状を正しく認識する事も出来なくなり、

それぞれが現場での判断を余儀なくされて、

一隊が撤退を始めると雪崩を打って戦線は崩れた。

こうしてタシロ艦隊は、

象徴的な要塞と新大型旗艦双方を奪取されるという手痛い敗北を喫したのだ。

 

 

 

帝国の被害は実数以上に名誉的な意味でも甚大と言えて、

目に見える以上に帝国のダメージは大きい。

元々、地上での敗戦を受けて燃え上がっていた反ザンスカール運動の炎が、

その敗戦を更なる薪として燃え滾ってしまった。

 

親ザンスカールであった独立コロニー国家のマケドニア・コロニー等が音頭をとって

サイド2内からさえあからさまな離反者が出る始末だ。

しかもカイラスギリーは損傷したものの発射可能な状態で奪取されたらしいという情報も、

帝国幹部陣の顔面を蒼白とさせた。

今やザンスカール帝国の勢いは、建国当初の物と比べ物にならない程鈍ったのだ。

とはいえ、そもそもザンスカールのMSの質も量も他のスペースコロニー軍を圧倒している。

今回のカイラスギリー戦でも多数の新型が猛威を振るったように、

その生産力と技術力は脅威の一言で、

また士気の低下も女王マリアのカリスマが問題を解決してしまう。

狂信者化されている多数のベスパ兵は頑強な精神で尚健在であり、

今も世界の何処かではマリア教の信者は数を増やしているのだ。

 

連邦軍が本気になって動き出せば、

宇宙軍だけで10以上の艦隊を持つ連邦は帝国を物量で圧殺できるともっぱらの評判であり、

それは実際正しいだろうし、

リガ・ミリティアはその連邦軍を動かしたくて抵抗運動を煽っている。

しかし敵も味方も、民間人でさえ知っているこの時代の常識がある。

〝連邦軍は動かない〟というのはもはや動かしようもない事実だった。

リガ・ミリティアがこれだけ戦勝を喧伝しても、

連邦軍はムバラク艦隊以外は欠片も動く気配を見せず、

軍人としての責任感のある連邦兵はもはや皆ムバラク艦隊かバクレ隊に合流したから、

これ以上は連邦軍の活動は無いと証明されたと皆思っている。

眠れる巨人は眠ったままであった。

 

まともに帝国に太刀打ち出来、かつ積極的に動く勢力はやはりリガ・ミリティアだけ。

そのリガ・ミリティアも、連戦連勝とはいえ無傷ではない。

特にカイラスギリー戦では少なくないMSを失い、主力パイロット達も多数負傷した。

 

「カイラスギリーな…すぐには撃てんぞ。修理が必要だな、こりゃ」

 

とはロメロ爺さんの言葉。

カイラスギリーの砲撃を頼りにしていた感のあるリガ・ミリティアとしてはこれは手痛いが、

しかし修理すれば使えるのだし、砲撃能力を喪失していても宇宙要塞としての機能はある。

 

「だがこのカイラスギリーは基地としても素晴らしい。

月の同志とも連携が取りやすくなるし、ここは一大拠点になれる」

 

オイ・ニュング伯爵はカイラスギリー要塞をリガ・ミリティアの最前線基地とする事を決定。

基地機能の拡張も、リガ・ミリティアの手によって積極的に行われる事になるが、

それと平行して必ずやらなければならないのが主力の立て直しであった。

 

「アビゴルもシャッコーも、ここまでダメージを受けたらリペアにはパーツが丸ごと必要です。

ザンスカールMSの規格は主にサナリィ系ですから、

簡単な修理なら我々でも出来ますが、パーツ交換となると…」

 

メカマンのリーダーをやっているストライカーが渋い顔で言うと、

ヤザン達パイロットの顔も曇る。

無理を承知で、ヤザンはまたストライカーへ嘆願する。

 

「正直、ヴィクトリーやガンイージよりも良いMSなんだ。

特に俺と相性がいい。何とかならんか」

 

何度かVタイプやイージータイプにも乗った事はある。

ガンイージのテストにはヤザンも参加していたのだから当然だ。

悪くないMSだが、それでもザンスカール製の方が洗練されていて、

何よりもヤザンの嗜好に合致し、痒い所に手が届くMSなのは皮肉にも敵のMSだった。

ストライカーも、リガ・ミリティアの要であり、尊敬するパイロットの要望は叶えてやりたい。

しかし、やはり無い袖は振れない。

 

「戦場で、出来るだけベスパのMSのデブリは拾ってるんです。

そこから使えそうなのをパーツ取りはしてますが…」

 

「難しいか?」

 

「ええ…そうなります。

特にアビゴルは大型の特殊機ですから…ゾロアットの残骸からパーツ取りが出来ません。

一応、今回確認された敵の新型の残骸は一式拾えましたから

あのピンクのカニMSは復元出来そうですがね」

 

回収した残骸から引き出したデータから判明したそいつの名はコンティオ。

状態の良いパーツを拾い集めたとはいえ、

そこからコンティオを組み立てられると豪語するストライカー率いる整備陣は、

さすが節操なく何でもやってみせるリガ・ミリティアの誇る凄腕整備班だ。

敵の兵器は自分のもの、と言わんばかりである。

ヤザンがリガ・ミリティアに参加してからそういう事への貪欲さが、

他のメンバーにも伝搬したようにも見える。

 

「あいつらか…悪くなかったが…」

 

桃色のハサミを振り回す敵新型を思い出せば、まぁまぁの敵だったという印象が蘇っていた。

アビゴルと比べると目劣りするかもしれないが、

それでも今更Vタイプに乗るよりはマシかもしれないとヤザンは思う。

 

「シャッコーはどうなの?」

 

ヤザンの横で話しを聞いていたカテジナもそこに交じって言った。

ストライカーはやはり難しい顔だ。

 

「シャッコーもきついな。

フレームは丸ごと無傷なんだが、傷んだパーツをイージーので代用しているからな。

純正品が無いから段々とカタログスペックが発揮できなくなっている。

設備のあるところでオーバーホールして…こっちの系列のパーツに組み直したい所だ」

 

そう、と小さい声でカテジナも顔を曇らせた。

問題は多い。

総隊長のヤザンも、激戦を制したものの部隊の有様には決して楽観視出来ない。

 

「隊長、やはり月で補給と休養、取らせちゃもらえませんかね」

 

オリファーが腕を組みながら提案をする。

ヤザンもそうしたいのは山々だ。

 

「だが敵は待っちゃくれんぞ。うちら以外にも前線を支えられる戦力があればな…。

交代して休ませて貰いたいがそうも言ってられんだろう」

 

自分達の置かれている状況は良いものではない。

勝っても勝ってもこっちはジリ貧だ。

マーベットもポツリと言った。

 

「せめて、連邦軍が動いてくれれば…」

 

その言葉を聞いてウッソが素直に疑問を呈する。

 

「ムバラク艦隊ってのが、動いてくれているんじゃなかったんですか?」

 

「動いているが、サイド2周辺での偵察に終始している。

ムバラク・スターンって人はさすが名将と呼ばれるだけあって慎重だよ。

まっ、考えなしに突っ込まれて各個撃破されるよりいいんだけど…

もうちょい積極的に動いて欲しいよな」

 

オリファーがウッソに答えつつも不満を滲ませる。

ジュンコも同意の不満だったようで、その言葉を継いで言った。

だがその不満は恐らくリガ・ミリティア全員の共通項だろう。

 

「お陰でペギーもマヘリアも入院が必要な程にやられたわ。

コニーだって手傷を負った。

…すみません、ヤザン隊長。シュラク隊ばかり負傷者を出してしまって」

 

「そいつはお前のせいじゃない。

…元々シュラク隊にはいつも戦線の要を支えてもらっていたからな…無茶がたたった。

お前達のお陰で俺が最前線で考え無しに暴れられていたんだ。

感謝こそすれ、お前たちが謝るような失態じゃない」

 

シュラク隊は、ヤザンの言葉通りいつも縁の下の力持ちをしてくれていた。

攻め手はヤザン隊。守備のオリファー隊。

シュラク隊は、時に攻め手、時に守り手のサポートを行い、

遊撃隊的な性格の万能のサポート隊だったのがシュラク隊で、

その使い勝手は非常に良かった。

だからヤザンの方こそ内心ではシュラク隊に申し訳なくも思う。

いつも華を譲って貰っているようなものだったからだ。

 

「そう言って貰えると、マヘリア達も浮かばれますよ」

 

ケイトが明るい顔でヤザンに言えば、ヘレンが「まだ死んじゃいないでしょ」と笑って言う。

こういう縁起でもない冗談も、生きていればこそ叩けるというもので、

シュラク隊の面々も命懸けで、戦場でペギーを拾ってくれたヤザンには恩義を深めている。

それに頼られるのも嬉しいものだ。

 

「ヤザン隊長になら酷使されても構わないですけど…

シュラク隊も実質戦力半減ですし…やはりそろそろ本格的な補給は欲しいですね。

ガンイージじゃ敵の新型に対抗しきれません。

月の工場ではこちらも新型を用意してるってんでしょう?尚更、月行きは必要です」

 

ジュンコが真面目な顔でそう締めた。

パイロット達も、メカマン達も皆頷く。

そのように現場チームが全員で唸っている時に、ハンガーにやって来た者がいる。

 

「皆ここにいたか。丁度いい、聞いて欲しい事がある」

 

白髪の目立つ逞しい老人、オイ・ニュングであった。

チラリと見て、ヤザンが軽い口調で彼を出迎える。

 

「どうした伯爵。連邦でも動いたか?」

 

「ほお、耳が早いな隊長」

 

「…なんだと?」

 

半ば冗談で言った事だったが、どうやら当たっていた事にヤザンも他のパイロットも驚いた。

マーベット等、大きい声でもう一度オイ・ニュングへ尋ねる程だ。

 

「それ、本当なんですか伯爵!?とうとう連邦が!?」

 

「ああ、サイド4がな。駐留艦隊を動かしてくれたぞ!

あそこは30年前のコスモ・バビロニア建国戦争を経験しているし、

あの木星戦役の英雄、

キンケドゥ・ナウの出身地でもあるから危機意識が比較的高かったのだと思う。

動いてくれたよ!」

 

パイロット達の顔が明るくなる。

伯爵の声もいつもよりは抑揚に富んで陽気さがあったのは、やはり嬉しいのだ。

ヤザンもニッと笑ってオリファーの肩等を組んで相棒を揺さぶる。

 

「やったな…とうとうムバラク艦隊以外も動いた。

これで帝国も他の艦隊から完全に目を離す事は出来なくなった…!」

 

「はい!俺達のやってきたこと…無駄じゃありませんでした…!」

 

大きく笑いながらオリファーも上司の肩を抱き返す。

地上で、廃墟に隠れ、森に隠れ、隠れネズミになって泥にまみれたのは無駄ではなかった。

もともとムバラクの名は高かったし、その艦隊は宇宙戦国時代でも有名で、

有事の際には動く実働部隊として知られていたムバラク艦隊以外が動いたという事情。

これは非常に大きな事だ。

ヤザンの言う通り、これでザンスカール帝国は

ムバラク艦隊以外の動向にも注意を払う必要性が出てきたからだ。

 

「フロンティア・サイドというと…昔のサイド5か。

ルウムの連中め、根性残していたか!ははは!」

 

笑うヤザンを見るウッソもカテジナも、つられて笑っている。

それぐらいに、ここまで喜ぶヤザンというのはレア物だ。

 

「うっれしそうだねぇ、隊長と副隊長」

 

ヘレンが、見てるだけでこっちも幸せとでも言うようにやはり笑顔で二人を見るが、

それは他のシュラク隊も、そしてマーベットも同じ。

整備班までも男臭く騒いで抱き合って喜びだしていて、

整備士の中にはどさくさ紛れで

シュラク隊やカテジナに抱きつこうとして()()()()()る者までいたのは、

こういう場面ではただただ微笑ましい。

オイ・ニュングも皆と心を同じくして笑い合っていたが、

やはり彼は指導者だから機を見て大きな咳払いをすればその場を収め、こう言った。

 

「本来ならば、この機を逃さずに私達カミオン隊も動くべきだが、

ジブラルタルからこっち、ろくに休むことも出来なかった。

フロンティア艦隊が動いてくれている間、私達は月に向かおうと思う」

 

ジュンコが期待に満ちた目で「月ってことは…」とその言葉の続きを待つ。

伯爵が頷く。

 

「そうだ。セント・ジョセフで、月のリガ・ミリティアの支援を受けられる猶予が出来た。

受領予定だった新型もそこで受け取る事になった。

各クルーはそこで半舷上陸も出来るぞ」

 

そこでまた歓声が起きた。

だが、ヤザンもオイ・ニュングもそれを咎めはしない。

寧ろ、ここまで碌な補給も休養もなく、常に最前線で命を張っていたのだから、

この程度許されなければ嘘だろう。

皆、一様に「都会で遊べる!」「命の洗濯だ!」「貯まったクレジット使い果たすぞ!」

等と大騒ぎをするのだった。

マーベットもオリファーをヤザンから取り返して手を持って共に喜んでいるが…。

 

「あれ?」

 

しかしオリファーは2年以上も付き合っている恋人だからパートナーの様子に気付き尋ねた。

 

「どうしたマーベット。半舷上陸だというのに随分控え目な喜び方じゃないか」

 

「だって、ねぇ…セント・ジョセフって事はあの人がいるでしょ?」

 

マーベットは苦笑いを返し、少し言い淀む。

 

「あの人…あぁ、先輩か」

 

そして思い至ってオリファーも同じような顔になった。

シュラク隊にもみくちゃのされて共に喜び、

今はシュラク隊がヤザンに向かってカテジナと取り合いを始めた為に解放されたウッソが、

意味有りげに苦笑う二人へ興味を抱く。

 

「お二人にも苦手な方がいるんですね」

 

「あぁウッソ。うーん…そうね…悪い人じゃないんだけど。ちょっと過激というか」

 

困った顔のマーベットが、その者をどう評したものか迷っているようだ。

 

「どんな方なんです?」

 

温厚で常識人なマーベットが少し苦手という人物にウッソは逆に興味が湧き更に聞くと、

今度はオリファーが、やはり少し困った顔で言ってくれる。

 

「そうだなぁ。…技術者として超一流だよ。リガ・ミリティアのMS開発には全部一枚噛んでる。

あと、それ以外にも破壊工作とか…

俺達リガ・ミリティアがゲリラ屋とかテロリストって言われる所以ここにあり!って人だな」

 

「テロリスト…ってなんだか物騒な人ですね」

 

「実際、そういうちょっと過激な人だ。

ウッソもセント・ジョセフの工場に着いたら注意した方がいいな」

 

「ヤザンさんよりも過激なんですか?」

 

やや心配そうにウッソが言えば、マーベットとオリファーはプッと軽く吹き出した。

 

「ある意味そうだな。

ヤザン隊長に真正面から噛みつける女性はあの人ぐらいじゃないか?」

 

ウッソの顔がさらに神妙となる。

そして恐る恐るその名を尋ねれば…。

 

「うわぁ…僕も気をつけます。なんて方なんです?」

 

「ミューラ・ミゲルという人だよ」

 

「…ミューラ?…え?」

 

ウッソは言葉を失い、しばし唖然となってしまう。

 

「どうしたの?ウッソ」

 

「まさか知り合いか?」

 

マーベットとオリファーの言葉はまさにドンピシャというやつだ。

点となっていたウッソの目が、次の瞬間には見る見る大きくなっていた。

 

「そ、その人の事!もっと教えて下さい!!」

 

「ど、どうしたの急に」

 

「その人!ミューラ・ミゲルって僕の母ですよ!同じ名前なんです!

きっと…僕の母さんなんですよ!」

 

マーベットに縋り付くように必死の視線を向けてくる少年に

マーベットとオリファーは言葉を失い、互いの顔を無言で見合わせていた。

 


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