PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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 GWの間、ステイホームを心掛けた皆様に、特別ssをお贈りします。
 題して、
『コロナに負けるな!ステイホームの特別ss』

 敢えてGW最終日ギリッギリに投稿したぞ。
 『PS特化と今後の予定』の後書きで次話は9日って言ったじゃんって?ははっ、『次話は』ですよ。つまり、『話の続きは』ですよ。だから問題ない!ちゃんと9日も投稿するからね!

 同じ原作で、複数の作品を投稿してる投稿者が一度はやりたいことをやってみた。

 この世界線は、『PS特化』でも『速度特化』でもない、第三、あるいは第四の世界線です。
 時間軸は第一回イベント。
 ツキヨちゃんとハクヨウちゃんの二人共いるやばいバトルロイヤルです。
 イベントでの二人の動き、結果等は、それぞれの作品には一切関係ありません。



 ――さぁ、一人クロスオーバーの始まりだ!
 
 


コロナに負けるな!ステイホームの特別ss
真白の鬼娘vs白銀の戦乙女


 

「はぁ……も、疲れ、た……」

 

 白熱した第一回イベントの翌日、当初の予想に反し一位になってしまったハクヨウは、ジロジロとした無数の目線に耐えかねて隠れ喫茶にて項垂れていた。

 

「なんで、あんなに注目される、のぉ……」

 

 ただクロムと協力して森一つ潰して、

 カスミと協力して渓谷で1000人斬りして、

 平原でペインをサポートして二人で3000人くらい倒して、

 メイプルの為に状態異常で足止めして、

 ミィに【炎蛇】でサポートして草原を焼け野原にしてもらって、

 マルクスのトラップにかかった人を【首狩り】して、

 シンと二人で魔法使いを更なる遠距離から殲滅して、

 状態異常を入れた所をミザリーに大規模破壊してもらって、

 最後にドレッドを倒しただけなのに。

 

「いやそれ『だけ』なんて言えるような事じゃないからね!?」

「あ、あともう一つ」

「まだあるの!?」

「う、ん」

 

 横でようやく初ログインしたサリーが、ハクヨウのイベント話を聞いて呆れ返る。

 メイプルは今は居ないので、サリーが横で彼女の頭を撫でていた。

 それで気力を持ち直し、話そうとすると。

 

「えっと「見つけたぁぁぁぁぁああああ!!」」

「「え?」」

「ハクヨウちゃぁぁぁぁあんっ!!」

「ぅ、わっ」

「ハクヨウ!?」

 

 突然、喫茶店のドアが勢いよく開かれ、ハクヨウにルパ○ダイブを決めるピーチブロンドの髪をした、眼鏡の少女。

 店の席に座っていたこと、サリーが咄嗟に支えてくれたことで事なきを得たが、場合によっては、そのまま崩れていた。

 

「大丈夫、ハクヨウ?」

「あ、ぅ……大丈、夫。……だれ?」

 

 少なくとも、知り合いではない相手だ。初心者装備だし、初対面のはずである。

 

「やや。私ったらようやくハクヨウちゃんとお話できると思ったら、ついテンションが上がっちゃって、とんだご無礼をば」

 

 可愛らしく『ペロ』と下を出して詫びる眼鏡をかけた彼女は、ハクヨウから離れると、そのまま名を名乗る。

 

「はじめましてハクヨウちゃん!私、カガミっていいます。ハクヨウちゃんのだ〜いファンだよ!」

「ファ、ファン……?なん、で?」

「またまたぁ。とぼけちゃってこのこのぉ〜。これだよこれ」

 

 そう言って青いパネルを出したカガミが見せてくれたのは、先日の第一回イベントを収めた動画だった。

 

「へぇ、こんなの出てたんだ」

「なに、これ……」

 

 映っているのは、多くのプレイヤーの戦う姿。そして、先程ハクヨウが呟いた場面もほとんど収録されている。

 

「ふふっ、ハクヨウちゃんが手伝った人、軒並み上位に名前を連ねてるからね〜。まぁ元から有名な人たちばっかりだけど」

 

 運営が宣伝のために制作したらしい動画に映っているのは、中々に恥ずかしかったので、ハクヨウはフードで顔を隠してしまう。

 

「それで、カガミさん。さっき『見つけた』って言ってましたけど、ハクヨウに何か用ですか?」

 

 ついでにサリーの後ろに隠れてしまったので、宥めつつサリーが代わりに問う。

 

「そうだったそうだった。本題を言ってなかったね。実は私、【NWO新聞部】っていうグループに入っていてね。定期的に新聞を出すつもりなんだよ」

「掲示板じゃ、駄目なんですか?」

「新聞の方が味があるでしょ?……で、その第一号の記事を、第一回イベント一位のハクヨウちゃんに飾ってほしいんだ!見出しは……そうだなー。『最速の鬼娘!速度対決を制して最強へ!』ってな感じで」

「ふむふむ……だってさ、どうする、ハクヨウ?」

「ぜったい、いや」

 

 普通に恥ずかしいので。

 

「というわけで、残念ですが、お引き取りを―」

「あぁぁっお願い!お願いします!二位じゃ駄目なの!第一号を第一回イベントで、一位の人で飾りたいのぉ〜!」

「ぅ……どうし、よ。サリー……」

 

 『1繋がりが良いの』とハクヨウに縋り付く。

 

「下手に付き纏われても困るし、少しの時間なら良いんじゃない?メイプルもまだ来ないし、メイプルが来るまで、とかさ」

 

 メイプルは少し遅れるそうで、あと10分くらいで来るとの連絡があった。だから、そのくらいなら良いかもしれない。面倒だが、この調子では数日は張り付かれそうな予感がする。

 

「そう、だね……じゃ、あ。

 メイプルが、来るまで、なら」

「ありがとうハクヨウちゃん!ささ、座って座って!早速始めたいから!」

「もう座って、る」

「そうでした!」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「ではでは、よろしくお願いしまーす!」

「よろし、く」

 

 とりあえず一枚!とインベントリから取り出したカメラでパシャパシャするカガミ。一枚とは。

 

「ほらほら元気ないよー?」

「これ、が、普通だか、ら」

「そうなの?なら良いや!それではハクヨウちゃん、元気に自己紹介お願いします!」

「ん……え、と。ハクヨウ、です。片手剣使い、のAGI特化、で。え、とあと、は……」

「おぉ……良いよいいよその恥じらう感じ、かぁいいよハクヨウちゃんっ!!」

「ぁ、う……」

「お引き取りを」

「冗談です真面目にやらせて頂きますからぁぁぁっ!!」

 

 ハクヨウが恥ずかしがる程に、カガミのテンションは爆上がりしていく。

 それに合わせ、サリーがカガミを引き剥がそうとする。もはやボディーガードのそれ。

 

「えっと、じゃあ確か、イベントだと色んな人のサポートとかもやってたよね。その人達との関係は?」

「クロムは、始めた、頃からのコンビ。で、カスミ、は、ただの、刀好き。他、は……知り合い、です」

「噂だと、ハクヨウちゃんは『みんなの妹』とか言われたり、良くこの人たちに頭撫で撫でされたりしてるとか?ていうか、私も撫でたい」

「ぜったい、いや」

「…………残念です」

 

 撫でようとハクヨウの頭に手を伸ばすと、ハクヨウが遠ざかり、間にサリーが割り込んで睨みを聞かせる。シスコンお姉ちゃん。

 

「それじゃあ、今私に睨みを効かせてる彼女とは、どんな関係で?」

「友達……現実の方、で。メイプルと」

「一位と三位の人が現実でも友達って……じゃ、じゃあ、初心者ちゃんなこの子も強いのかな?」

「私の方、が、『ゲーム』の初心、者。サリーの、方が上手だと思、う」

「ハ、ハクヨウ!やめてってば。NWOはハクヨウの方が断然詳しいって!」

「ほうほう……サリーちゃんも今後頭角を現しそうですね……その時には取材するね!」

「お断りです!」

「私に、は、受ければ、って、言ったの、に」

「うっ……はぁ。内容に依りますからね」

「当然!最強のジャーナリストは、記事にするまで情報は漏らしませんしね!」

 

 いつかはメイプルにも取材したいというカガミ。この三人はネタに事欠かなそうだなーと、失礼な事を考えていたりする。

 それから、他にも質問があった。

 鬼の見た目のこと。ステータスのこと。高すぎるAGIをどうやってコントロールしているかってこと。他にもたくさん。

 それ全てに、吃りながらも丁寧に答えていくハクヨウにはカガミも好感が持てた。

 

 その後ろで睨みを効かせつつ短剣をトントンしてる少女さえ、視界に入れなければ。

 

「じゃ、じゃあそろそろ本題に入ろうかな」

「ここまで、前座……?」

「第一回イベント、第一位、おめでとうございます。ハクヨウちゃん」

「ありが、と」

「では、その第一回イベントにて、一番印象に残っているのはズバリ、【神速】と謳われたドレッドさんとの戦いでしょうか?」

 

 ドレッドさんは、確かに強かった。そう、ハクヨウも迷わず頷ける。

 しかし、一番印象に残ったか否かと問われると

 

「違、う」

「ほへ?」

 

 強かった。苦戦したし、何度も攻撃を防がれた。だけど、いたのだ。

 戦った時間は、ドレッドとの半分にも満たない。けれど、ドレッドにも使わなかった【韋駄天】を使わされ、1本であり、99本の苦無たる【九十九】を使い切ってなお、殆どダメージを与えられなかった、怪物が。

 

「【炎帝ノ国】の、サブリーダー。五位、【比翼】の、ツキヨさん、です」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 それは、第一回イベント開始から、一時間が経過した時。

 

 ハクヨウがミィとの焼け野原作戦を終えて別れた後の出来事。

 廃墟が建ち並ぶ大通りの方に沢山の人が集まって行っているのが見えた。

 

(なんだろ?)

 

 何人もの人が、たった一つの方向に集まりつつある。バトルロイヤルのイベントなのに、何十人という人が協力して進んでいる。

 その事に不思議に思い、【2000】を超える驚異のAGIを活かして大回りし、廃墟の中から先頭を覗けば。

 

「追われて、る?」

 

 白銀の軽鎧に白いマントを付けた女性が、時折近づくプレイヤーを倒しつつも逃げていた。

 少なくとも、ハクヨウはそう思った。

 

(逃げてる、なら、ポイントは貰ってもいい、かな?)

 

 とは言え、知らない人だ。自分だって、このイベントでは上位に行きたい。だから

 

「あの人、含め……全員倒、すっ!【跳躍】!」

 

 イベントに参加している時点で、負けるのは覚悟しているはず。ならば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「【忍法・白夜結界】!」

『っ、……霧?』

 

 【鬼神の牙刀】に付与している【忍法】の一つ。広範囲に迷いの濃霧を作り出し、視界を奪う。

 

 これは、ハクヨウだけは全てがハッキリと見える。濃霧も見えているが、背景が真っ白になっただけで、全て浮き出て見える。

 少しだけ申し訳なく思いながらも、気付かれる前に片付けるべきだろう。

 

「ふっ」

「ぎゃっ!」

「うわ!?」

「何が起こ……ぐあっ!」

「……本当にごめんなさい」

 

 一塊になっていた三人を、一撃で仕留める。

 武器を持っていない左手を上げて、僅かに黙祷する。本当に死んだわけではないが不意打ち、奇襲、暗殺したことへの謝罪だ。

 

「や、ぁっ」

 

 それからも、一先ず追いかけられていた女性を除き、追いかけていたプレイヤー全員を片付ける。大人数で追っていたにも関わらず、ずっと逃げ切っていたのだ。実力は相当なものだと分かる。だから、不意打ち気味に仕留めるべき。

 

 そう判断したハクヨウは、一分ほどかけて数十人を殲滅した後、タイミングを見計らい、最短距離を最速で、彼女に見える首の線を狙い穿つ――

 

「っ、はぁっ!」

「!?」

(う、そ……)

 

 ―――はずだった。

 濃霧で視界は最悪。

 一寸先も白い世界でありながら、女性は凌いだ。未だ、誰一人防いだことの無い、ハクヨウの最速攻撃を。

 

「す、ごい……」

「あなたが……?」

 

 立っていたのは、長い銀髪に赤目の双剣使い。

 遠目だったため判断は付かなかったが、なるほど。これは強いはずだと、納得した。

 

「今、の。防がれたの、初め、て」

 

 【炎帝ノ国】のサブリーダー。

 ミィの友達で、近接最強と自分の事のように嬉しそうに語った、戦乙女。ツキヨ。

 

「霧は、あなたが?」

「そ、う。人、固まってたから。全員倒した、よ」

「そう……」

 

 霧を作り出したのも、プレイヤーを殲滅したのも、ハクヨウだと理解したツキヨは、冷酷さを滲ませた視線を向けてくる。

 

「つまり、私の獲物を横取りした、というわけね?」

「ふぇ……?逃げてたから、倒して良いと、思った、だけ」

「誘き出していたのよ」

 

 もしかして、倒しちゃ駄目だったの……と、ハクヨウは『あ、これ……やっちゃった?』と若干青い顔になった。

 

「舐めてくれるわね」

「え、と……ごめんなさ、い?」

「謝罪はいらない。いるのは……」

 

 途端、懐に、ツキヨが現れる。

 

(うそ!?)

「あなたの命。【蛇咬】!」

 

 あまりに、踏み込みが早すぎる。恐らく自分と同じ、【跳躍】を使った擬似的な無拍子によって、タイミングを悟られないようにしたのだ。

 だが、そんな事は関係ない。そんなものよりも尚届かない、超高速の世界にハクヨウは立っているのだから。

 

「びっくり、した……速い、ね」

「……へぇ」

 

 だから、懐に入られたのが分かった瞬間、ハクヨウは咄嗟に飛び退いた。AGIをフルに使って、なりふり構わず。

 そして、自分の首があった場所に、四つの斬撃が同時に通ったのを見た瞬間、恐怖から思わず首をなぞってしまう。ここを斬られれば、自分は即死耐性も働かず死んでしまうから。

 しかし、悪い事をしてしまった。横取りはマナー違反だと、以前から理沙に聞いていたハクヨウは、そう反省する。

 しかし、これはバトルロイヤル。

 横取りも漁夫の利もされて当然。さっさと倒さない向こうにだって非はあるのだから。

 

「横取りしたのは、ごめん、なさい。けど、そっちが、その気、なら」

「鬼……そう、あなたが」

 

 だから、剣を握る。勢い任せに避けたから、フードは外れ、顔を晒してしまったが仕方ない。

 それよりも、この人は倒した方がいい。

 総判断した。

 

「いく、よっ」

 

 一歩を踏み出し、()()()()()()()()

 驚異的なAGIを持つハクヨウだからこその、瞬間移動もかくやという超速機動を以って、

 

 

「うそでしょ……」

 

 そう呟いたのは、目を見開き、驚きを顕にしたツキヨ。だが、そう言いたいのはハクヨウも同じだった。

 

「わ。これも、防い、だ」

「冗談キツイわね……」

 

 一度のみならず、二度も防いだ。一度目の後に時間切れで霧は消えてしまったが、ハクヨウの速度はただでさえ視認不可能。にも関わらず、彼女はいきている。

 

「ゲーム内最速の名は、伊達ではないみたいね。【白影】」

「う、ん?」

 

 ツキヨほどのプレイヤーに知られているとは、少しだけ驚いた。

 向こうは正真正銘のトッププレイヤー。ペインにも勝るとも劣らぬ実力を持つとか、プレイヤースキルだけでトッププレイヤーの一角に数えられるとか言うリアルチート。

 リアル不自由なハクヨウとは対極な存在。

 

「凄、い。何、で?見えてる、の?」

「影も形も見えなかったわ。事実、こうして僅かにダメージを受けている」

「でも、途中で弾かれ、た」

 

 見えていないのに弾くとか、やはりリアルチートなのだろう。頭がおかしいとしか思えない。

 けど、だからこそ。

 

(負けたくない)

 

 たった二回。されど、二回。ユニークシリーズを手にしてから、一度もまともに防がれたことのない自分の攻撃から、ツキヨは二回生き残っている。傲慢なつもりはないが、それなりの実力はあると思っていたのに。

 だから。

 

「もう、少し。上げ、るっ【韋駄天】!」

 

 ここは、全力をもって相対するべきだと思った。

 空中で【瞬光】も発動し、緩やかになった世界で【鬼神の牙刀】を仕舞い、両手に【九十九】を四本ずつ挟み込む

 

(状態異常より、威力重視……)

 

「【刺電】」

 

「―――」

 

 周囲を飛び回りながら、背後に回り、隙をついて、大量に、絶え間なく。

 苦無は途切れることなく、全方位からツキヨを襲う。

 なのに。

 

「なん、で……」

 

 その全てに反応され、かなりの速度で飛来する苦無を正確に叩き落とされる。何故。彼女の動きは、酷くゆっくりなはずだ。

 なのに。

 

「他の人、より……なんであんなに速い、のっ?」

 

 彼女の速度は、他の人よりも格段に速いのだ。それは、AGIが、と言うわけではない。モノクロームでゆったりとした時間の流れの中で、彼女は。

 正確には、()()()()()()()()()、その速度が遅くならない。

 十倍に加速された処理速度で見つめてもなお、彼女の双剣は、一瞬のうちに四本の斬撃を刻む。

 苦無を、冷静に処理される。

 絶え間なく投げ続けたせいで、既に【九十九】は数が少ない。なのに、ツキヨは未だに余裕が見えた。

 

(本当に、あれ、人間……?)

 

 実は、人の形をしただけの怪物だったりしないだろうか。いや、見た目怪物(おに)ハクヨウ(じぶん)が言えたことでは無いのだが、と苦笑いが溢れる。

 あれはまるで、普段から【瞬光】すら追いつけない世界に住んでいるようではないか。

 

「―――……―――」

 

 しかも、なにやらスキルを使ったのか、唐突にツキヨの頭上に水球が現れ、それを躊躇なく自ら被ったツキヨに唖然としたのも束の間。

 

(ずる、いぃ……っ)

 

 最初の一撃で、ほんの少しだけ削ることができたHPが、回復した。しかも、しばらくの間回復し続ける効果もあるのか、時折淡青色の燐光が散っている。

 【九十九】も打ち止め。

 向こうは余力を残し、双剣を翼のように両側に開いて仁王立ち。

 

「―――――――――――――」

 

 散らばる苦無の量に呆れ返る。全て打ち尽くしてなお、その全てを叩き落とされた。

 

『どうして、そんなに強いの?』

 

 全方位を飛び回りながら、思わず問いかけてしまう。それが、【瞬光】のデメリットで届かないものだと分かっていても、向こうの声が聞き取れないのも、自分の声が相手に聞き取れないと分かっていても、問いかけずにはいられなかった。

 

「―――……――――――――――」

 

 でも、それでも、彼女の強い意志を宿した瞳は、諦めないと。勝利を求めると物語っていたから。

 

(良いな、この人……)

 

 クロムやカスミ、そして今のミィにある、自分が憧れた強さを感じた。

 

 

 

「近接最強の、戦乙女、さん

 

 速さの頂き、見せてあげ、るっ!」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「どうしたのー?ハクヨウちゃん!早くどんな戦いだったのか教えてくださいよー!?」

 

 あの時、どちらが勝っても可笑しくなかった瞬間。自分が勝てたのは運が良かったからだと、心から思う。

 ドレッドさんには、実力で勝てた。

 けれど、彼女には。

 

 【比翼】ツキヨには。

 

 最後まで、彼女に有効打を与えることはできなかった。

 反応すらできず自分は片手を持っていかれ、やぶれかぶれで振るった剣が、偶然にも彼女の首を捉えた。

 ただ、それだけ。

 

 次戦えば、どうなるか分からない。

 けれど、次こそは。

 

「やっほー!遅れちゃってごめん、ね……?」

「あ、メイプル」

「やっほー、むしろナイスタイミング。と言うわけで、メイプル来たから話は終わりで」

 

 詳細は、心の中に留めておくだけで良い。

 ぎりぎりの戦いだったのもそうだけど、次こそは私が完璧に勝利したいから。

 

「待ってぇぇ!?まだ詳しく聞いてない!ドレッドさんとの戦いも聞いてない〜っ!」

 

 カガミさんはゴネてるけど、サリーがグイグイとお店の外に追いやってくれてるから問題ない。

 

 

「ふふっ……次は、負けな、いっ」

「あぁぁぁっ!なんか意味深なこと言った!イベント死亡回数0なのに負けたっぽいこと言ったぁぁ!ハクヨウちゃん教えてぇぇぇっ!?」

「お引き取りを〜」

「いぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次はお互い出し惜しみもしないで。

 

 全力でやろうね、ツキヨさん。




 
 クロスオーバーだから思い切って、こちらではハクヨウちゃん側の三人称。
 ツキヨ側の三人称を見たいなら、もうわかるな?同時投稿したぞ?
 あと、前書きで言った通り、これは第三、あるいは第四の世界線です。なんで『あるいは』なのかって?それはもう片方を読んでよ。
 ついでに本編も読んで良いのよw

 これをやった狙いは3つ
 一つは、単に一人クロスがやりたかった。
 第二に、読んでるのが『速度特化』だけ。あるいは『PS特化』だけって人に、もう一方の主人公を知ってもらいたかった。
 最後に、GW中は草案を練ってたら完全にステイホームしてたから、削除は勿体なかった。
 スーパーに買い物行く以外、ずっとステイホームしてたし。

 どうせならどちらも気に入って貰いたいし。
 ステイホームを心掛けた皆様に贈るとか言って、多分私が誰よりもステイホームしてます。
 『ステイホームの特別ss』の部分が表してるの、GW中家で草案練ってた私のことだね。

 今回はハクヨウちゃんが勝ちましたが、偶然の勝利です。お互いにまだイベント時間が残っているので手札も殆ど切らなかったし、どちらも余力を残したままの決着だからこそ、『次は全力で』ってコメントしていますね。

 あとは、本作を最新話まで読んだ人なら分かるでしょうが、作中に【首狩り】【速度狂い】が出ましたよね。
 あれ、今回のssの準備というか、世界線が混ざるっていう分かりにくすぎる伏線でした。後書きで書いた理由もありますけど、一人クロスはずっとやりたかったので。
 『速度特化』でもやりたかったんですが、ツキヨちゃんが持ってるスキルは色物すぎですて、ハクヨウちゃんじゃ取れないのばっかりだし、仕方なく諦めました。

 GW中は草案だけ練ってて、数時間で急ピッチで仕上げたんで、誤字有りそうで怖いです。
 2話合計13000字を4〜5時間は疲れました。
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