PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。 作:五月時雨
隔日に変えていきなり本日3連投稿します
3連投稿一本目 二本目は2時間後!
「ツキヨ行っちゃった……」
納得はしてるけど、資金稼ぎも素材集めも全部一人でやるのは、いくらツキヨでも無理でしょ…。
「と、思えれば良いんだけどねー…」
ツキヨなら、なんとなくすぐにでも出来てしまう気がした。だってツキヨがダメージを受けた所を、まだ見たことが無いから。
ダメージを受けなければポーションは使わないで済む。なら、消耗品の予算を抑えられ、スキルを厳選すれば資金は貯まりやすい。
事実、私だってかなり使ったけど、50万くらいは残っているのだから。……昨日のポーションの消費は痛かったなぁ……。
「さて!ツキヨはいないけど、レベリングしないと!ツキヨならすぐに追い越してくるからね!」
昨日は疲れから戦闘せずにログアウトしたし、今日は張り切って【炎帝】で焼き尽くそう!
「……【フレアアクセル】!」
……よし、今度は姿勢も崩さないで移動できた。やっぱり加速力が倍に上がってる……ふふっ、これなら急な方向転換もできるし、昨日のダンジョンの落とし穴くらいなら飛び上がって抜けられそうだ!
ツキヨと確認した時点で分かってたけど、【炎帝】の威力はかなりのものだ。現実なら自然災害レベルの攻撃。
「これならどんなボスだって焼き尽くせるな…はははっ!」
――――――
なんて考えていたら、いつの間にか適正レベルを超えるエリアに入ってしまったミィですはい…。
「…燃えろ【爆炎】!」
でも、それを【バーストフレア】を超える爆発を起こす魔法で一撃で仕留めてしまった。
「おぉ!あんな強い敵を一撃か!これならレベリングも捗りそうだな!」
この時の私は、明らかに調子に乗っていた。
強いスキルを手に入れて、格上のモンスターを簡単に倒して。そんなだから調子に乗って、昨日と同じような
「………っ!!………!」
「ん?何か今声が…?」
この時、遠くで何やら声が聞こえた。必死さを感じさせる声は、自分の方に少しずつ近づいているようで、次に聞こえた時は、凄くはっきりと。
「撤退だ!くそっ!俺らにはまだ早すぎたのか」
「分かってる!けどMPがもう!」
聞いた瞬間には、私は駆け出していた。理由なんてない。ただ、ここで見捨てたら後味が悪いってだけ。それに、【炎帝】の火力があればどんな敵も焼き尽くせるって信じてたから。だから…
「大丈夫か!?今助ける!」
だから、戦闘に割り込んだし……これはその、ちょっと格好つけたくなったという……言わば若気の至りなんだよぉぉ…。
「助かる!三人でなら何とか行けると思う!」
「ええ。ありがとう、これでどうにか……」
だから、もし時間を戻せるなら、今すぐ演技やめろこのバカァァァ!と言いたい…。
「いや私一人で十分だ。【噴火】!【爆炎】!」
【炎帝】の力をフルに使ってモンスターを殲滅した私は、ここでも調子に乗って格好つけちゃったのだ……やめ、やめろ私ぃぃぃ!
「凄い……あれだけのモンスターを一撃で…」
「これが、トップクラスなのね……」
「無事で何よりだ。これからは適正レベルを調べてから来ることだな」
自分が適正超えた所にいる癖に何てこと言ってるんだろう…ホント。
去り方も格好つけて、無駄に凛々しさ醸し出してさぁ……。
「まだ大丈夫だが、またモンスターが復活するからな。早く戻るといい」
「その、ありがとうございます!せ、せめて名前だけでも…」
「……ミィだ」
あぁぁぁ……
「ミィ様……ありがとうございます!これからはミィ様についていきます!」
「えぇ!私もミィ様の魔法に惚れました!ぜひお仲間に入れてください」
「さ、様……?」
「「はい、ミィ様!」」
ツキヨぉ……この眼差しは焼き尽くせそうにないかも……
どうすれば良いのぉ……ツキヨぉ………!!
『防振りうぉーず!』より着想を得たミィの受難、スタート