PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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 アニメ7話のマイユイ強化、よく考えると毒耐性ポーション飲ませる意味ある?

 パーティメンバーの直接攻撃を受けてもダメージや状態異常を受けない
 →ヴェノムカプセルに入っても無事なんじゃない?と思うこの頃
 それともヴェノムカプセルは発動後は間接ダメージとして処理されるのか……面倒な仕様だね

 メイプルちゃんは天使になって人間辞めて機械の神様に気に入られる……忙しいね


PS特化と炎帝の再会

 

 ………ツキヨにあいたい。

 

「ミィ様、今日はどのように致しますか?」

「……今日も増えたな。まぁ、昨日と同じでいいだろう。まだ少々粗の目立つ戦いをする者が多いからな」

 

 ………ツキヨに泣きつきたい。

 

「皆もミィ様に指導を受け、非常に感動しましたからね。流石はミィ様です」

「大したことはしていない」

 

 ………ツキヨ…まだ装備はできない……?

 

「では行くぞ」

『分かりました!』

 

 ………もう限界だよツキヨぉぉ……。

 

 

―――

 

 

 午前中は、昨日と同じように新しく集まった人達を指導して終わった。

 内心で泣いてるから私をそっとしてて……!

 

「ミィ様大変です!」

「何かあったか?」

 

 あぅぅ…今度はなにぃ……?

 

「我々でローテーションを組んでいたのですが、その順番が不服だと暴動が……早くミィ様と共に戦端に立ちたく、すぐにでも交代するようにと……」

「はぁ……子どもではあるまいし、ルールはルールだ。それを破るわけにはいくまい」

 

 というか私としてはそのまま瓦解してもいい……もう私に構わないで!

 

「それを彼らに、ミィ様の口から言っていただきたいのです!私達では、もう彼らを止められない…っ!」

「………分かった。案内しろ」

「はい!」

 

 もう、色々限界だった。なんで私がこんな事しなきゃいけないんだよぉぉ……。面倒事とか全部焼けたら良いのにぃ……っ!モンスターより彼らの方が何百倍も厄介だよぉ……!

 願ってもないのにずっとついてくるし、演技も疲れるしぃ……。

 

「ツキヨぉ……」

 

 

―――

 

 

たすけて

 

 

―――

 

 

「あっ……」

 

 無意識の内に、ツキヨにメッセージを送っちゃった……。けど、もう本当に疲れたんだよツキヨぉ……。何でもいいから、この状況からたすけてぇ……。

 

「ミィ様、どうかしましたか?」

「いや、何でもない。早く行こう」

 

 

―――

 

 

 あう……すっごい揉めてる。あれが私といたいからって理由なのは思う所があるけど、この集団のせいでレベリングが捗らないしツキヨに会いたいし……いっそ本当に全部焼き尽くそうかな。

 

「何の騒ぎだ」

「あ、ミィ様!」

「ミィ様、こんな役立たず共とは早く交代して、パーティを組んではいただけませんか?俺は役に立ちますよ!」

 

 自分の売り込みか……騒ぎを起こすのは問題だけど、一昨日の五人の時も似たようなものだったしな…流石に今は多いから無理だけど。

 

「ローテーションについて私は関与していない。が、公平に決めたのであればそれはルールだ。ルールには従ってもらう」

「そう言われましても、ミィ様とて弱い奴らといてはレベリングもまともにできないですよね?」

 

 一緒に戦う。俺は役に立つ。ミィ様(わたし)の足枷にはならない。だから早く代われ、か。

 はぁ……めんどくさい。

 

 こんな面倒な事態になるなら、格好つけて助けるとかしなきゃ良かったよ……いや、それならそれで良心が痛むなぁ。結局自業自得か……ツキヨ来ないかな……っ!もしかして!

 

「む?すまない。メッセージ通知だ」

 

―――

 

from ツキヨ

 

まだ無事!?

街についたわ

可能なら場所教えて!

 

―――

 

 や、やった!ツキヨが来てくれる!

 すばやく西の平原入り口だと返信し、気を持ち直す。我ながら現金だけど、ツキヨが来てくれるってだけで落ち着く……あ"っ……。

 やばい。ツキヨが来るのに、私は演技を辞められない……ヤバイヤバイヤバイ!?

 

「ミィ様!聞いていますか、ミィ様!?」

「あ…あぁ、聞いている。少々考え事をしていただけだ」

 

 ど、どうしよう。この人たちには素の自分を見せるのが恥ずかしくて、ツキヨには演技を見られるのが恥ずかしい……あぅ、八方塞がりだよ。

 

「ならば良いのですが。ミィ様。こうしている時間も勿体無いのです。トッププレイヤーの一角を担うミィ様なら、私の考えに賛同していただけますよね!?」

 

 ……ごめんあなたの考え全く聞いてなかった……とは言えない、よね。

 

「うむ……それも一理あるとは、私も思う」

「でしたら早速、私と共に参りましょう!」

 

 ちょっ、引っ張らないでよ!ツキヨがもうすぐ来てくれるんだから!?くっ…私の【STR】が低いから引っ張られちゃう……!

 どうすれば良いのー!?

 

 その時、突然周りの人壁が左右に割れ、赤いオーラを放つ純白が姿を表した。

 

 

 

「……これはなんの騒ぎ、ミィ?」

 

 き、救世主だぁぁ……っ!!

 

 

―――

 

 

 『たすけて』なんてメッセージを送ってくるから、何かとんでもないことに巻き込まれていると思ったら……いえ、予想とは別の意味でとんでもない事態にはなってるね。

 無事でいてくれたことには安心したけど、この人だかりは何なのよ……。ミィの声が奥から聞こえるから、ミィがいるのは確かなんだろうけど…。

 

 そして、明らかに状況を不安視していながらも何もしないプレイヤー達(邪魔者共)。なら私にも考えがある。

 

「……道を開けなさい」

 

 状況が飲み込めないし、親友から救援要請が来たなら是非もない。

 ツキヨさんは説得(物理)も辞さないからね!

 

 両腰から白銀の双剣を抜き放ち、脅し気味に道を開かせる。

 

「ちょ、あんた何のつもりだ!?」

「この奥に用事があるの。邪魔しないでちょうだい……でなければ斬るわ」

 

 水蛇戦での疲労があるし、ここまで全力疾走してきた疲れもある。東にずっと行った先の荒野からだ。流石に疲れた。けど、装備も揃えてないこの人たち相手に負けるわけがないし、いっそ全員斬ってやる。

 いつの間にか覇気とか怒気とか剣気とか色々と放出していたのか、行った相手を中心に少しずつ道ができる。

 

 ものの十数秒で、ミィまで視認できる大きな道ができた。うん、やっちゃった感あるけど、それは後で考えよう。

 双剣を鞘に収めつつ、私は3日ぶりのミィに声をかけた。

 

「……これは何の騒ぎ、ミィ?」

 

 ミィがこちらに気付き、少しだけ目を見開いた。新しい装備の初お披露目がこんなことになるとは思わなかったが、どーよミィ?綺麗で格好いいでしょ?

 肩口や胸、お腹の辺りに少しだけ露出があるのが恥ずかしいけど、堂々としてればどう見ても戦乙女(ワルキューレ)でしょ!

 

「ああ、待っていたぞ。我が親友」

 

 ……………ハッ!いけない。ミィが凛々しくて格好良くてカリスマ性溢れてて思考停止した。

 ちょっとミィ、いつものふぇぇ……やらあぅ……やらの泣き言はどこに行ったのよ。スーパー炎帝タイムとでも言うつもり?カッコ可愛くて抱きしめたくなる!

 

 …おや?あれはミィが中二病(イタイタしい)時代に考えたハンドサイン。

 なになに……『我 望む 脱出 救援(ここから出たい……助けて)

 ……はぁ。取り敢えず何も聞かずに助けてってことね?了解、了解よ。そのキャラ付けに合わせてあげる。

 

「……えぇ、遅れてごめんなさい。予定では昼前に戻れるはずだったのだけれど、荒野でトラップに巻き込まれてね。手間取ったわ」

「そ、そうか。無事ならば良かったぞ」

 

 ちょっとミィ?私が少しキリッとした雰囲気と口調、声音にしただけで戸惑わないの!

 ってあれ?何か周りの人ざわついてない?私普通にミィと話してるだけなのに、何これ?

 

「……おい貴様」

「はぁ……何かしら」

 

 さっきミィの手を取って引っ張ってた人から声をかけられる。というか怒ってる?

 

「何かしら、ではない。誰だか知らんが、ミィ様を気安く呼び捨てにし、あまつさえ心配してくださったミィ様に感謝の言葉もないとは何事だ!」

 

 ミーサマ?……ミィ、様?え?もしかしてミィ、あなたこの人たちから『ミィ様』なんて呼ばれてるの?

 や、やばい……お腹いたい。ミィ様。()()ミィがミィ様!?ねぇねぇミィー?気にしてないようで薄っすらと頬を赤くしてる炎帝さーん?っと違うわね。炎帝さまー?

 ……じゃないわね。ミィをからかうのは事情を聞いてからにするとして、この人は私達の会話を聞いてなかったのだろうか。

 

「ミィが言ったこと聞こえなかったのかしら。『親友』よ。もちろん現実(リアル)の方で。その相手を恭しく呼ぶ方が、不自然でしょう。様付けで呼ぶほど敬うのなら、敬意の対象の一言一句を聞き逃さないでほしいわね」

 

 まぁ煽っとこう。

 ミィをむりやり連れて行こうとした時点で万死に値するし、今なら【血塗レノ舞踏】と何か薄いけど青いオーラが混ざって発現している。多分襲ってこられてもこの程度の人なら一撃で沈められる。

 

「なんだと貴様ぁ……っ!」

「貴様貴様と呼ばないでもらいたいわね。かと言ってあなたに名を名乗るつもりも無いし、名乗られても覚えるつもりもないし興味もない。……ミィ、約束通りレベル上げに行きましょう。構っているだけ無駄だわ」

 

 こういう話の通じない手合には、基本的にその場は強引に話を終わらせた方がいい。特に私は何も事情を知らないので、自分がどう振る舞えばいいかあやふやだ。

 それを分かっているのはミィだけであり、ここから脱出したいミィは合わせてくれた。

 

「皆、すまないが、我が友人とは予てより約束をしていたのでな。今日はこれで解散と……」

「お待ちください!」

「………まだ何か?」

 

 まぁ予想はつきますがね?

 

「この者がミィ様の知り合いであることは理解しました」

「親友よ。次間違えたら首を跳ね飛ばす」

「黙れ!ミィ様とレベル上げと言ったが貴様ごとき、どうせミィ様の足を引っ張るだけだろう!」

 

 本当にめんどくさい手合いね……。

 

「実力は関係ないのが分からない?親友と一緒に遊ぶ約束をした。ただそれだけ。文句を言われる筋合いはない」

「ただ自信がないだけだろう!どうせその装備もミィ様の御力で見繕ったんじゃないのか!」

 

 ………そろそろキレていいかなぁ?

 これはついさっき、私が頑張ってボス倒して手に入れたんだよ!みんなは知らないよね、発見済みダンジョンは2つしか無いもんね!?でも残念!たぶんギミックを解除しないと入れないダンジョンが複数あるよ!ギミックやトラップで普段は開かないだけでね!

 

「……ねぇ、ミィ。あなたの臣下、()()()()()()()()()?」

「……ツキヨ、一先ず落ち着け」

 

 一応、ここで暴れたらミィが築いたメンツに傷が付きかねない。だから、自重はする。でも、許す許さないの話は別だ。

 

「……冗談よ、格の差を教えるだけ。身体には当てないわ」

「舐めるなよ……ミィ様、俺にこの女を見極めさせて下さい」

 

 ミィには悪いけど折れてもらう。装備もスキルも戦闘スタイルも、ミィの足を引っ張ってるとは言わせない。その思いが通じたのか、ミィが小さく溜息を付き、仕方ないなぁ…みたいな視線を寄越す。

 ふふっ、ありがと。

 

「……一本勝負だ。【決闘】システムの元、HPの全損か降参にて決着とするぞ」

「感謝するわ、ミィ。……【解除】」

 

 【血塗レノ舞踏】を解除する。ついでに青白いオーラも消えた。

 

「何のつもりだ」

「あなた程度に、スキルなんて必要ないと言うだけよ。私はスキルも魔法も、アイテムも使わない。双剣も……片方で十分。もちろん、そちらは全部使っていいわ。丁度いいハンデ」

「舐めるなよ……俺が勝ったら、二度とミィ様には近づかせんからな」

「あら悲しいわ……現実ですらミィと別れなければならなくなるなんて……。友情を引き裂くなんて、あなたには人の心がないのかしら?」

 

 精神的優位は崩さない。こっちはアルマジロの無限湧き、トラップからのボス戦、荒野から全力疾走と疲れているのだ。万が一も無いだろうが、なるべく相手の理性を削ぎ落としたい。

 

「それは困るな。ツキヨには現実でも助けられている」

「ぐっ……では、ミィ様と我々がパーティを組む機会を多くいただきたい」

「そんなのミィの勝手でしょう?……まぁ万が一負けたら、私から誘うのを多少は自重してあげる。代わりに私が勝ったらそうね……今後ミィと私の約束に口出しをしないでもらおうかしら。もちろん、ここにいる全員」

 

 現実(リアル)で約束したって言えば、ミィが話したい時にいつでも時間を作ることができる契約。それが分かったミィが、一瞬だけ嬉しそうに目が潤ませていた。……可愛い。

 

「………全員となると確約はできん」

「なら良いわ。私に明確なメリットがない以上、決闘は受けない」

「ちっ……分かった。それで良い」

 

 よし、契約成立。

 

 【決闘】を使い、目の前の男に決闘申請を送る。勝利条件は、初撃決着。

 【決闘】には専用フィールドの使用ができる。その中には自分と相手しか入れない。でもそれじゃあ証人もいなくなってしまうので、専用フィールドの使用はせず、その場での【決闘】を選択。

 私と相手の周囲に直径20メートルほどの空間が広がった。周りの人は外側に押し出される。

 

「おい、ミィ様はHP全損か降参と」

「悪いけど、あなた程度が私にダメージを与えられる可能性は万に、いえ億に、那由多どころか虚数の彼方にあれば良い方よ。私の勝利条件があなたの降参である以上、一撃でも食らえば私の負けで構わない」

「貴様……舐めるのも大概にしておけよ……!」

「事実を告げているだけよ」

 

 おーおー。怒ってる怒ってる。持ってる槍に随分と力を込めてるけど、力み過ぎじゃないかな?

 

 カウントダウンが始まり、男が得物を中段に構えている。

 私はあくまで自然体。というかあれだけの突撃姿勢、まず間違いなく初撃は突き技が来る。

 

「その慢心を打ち砕いてやろう」

「自信と慢心の違いにも気付けない時点で、程度が知れるわよ………初撃は譲ってあげる」

「ほざけ!………【疾風突き】!」

 

 カウントがゼロに瞬間にスキルを発動して突進してくる男。最短距離を最速で。フェイントも駆け引きもなく単純ね。

 モンスター戦闘と対人戦闘の違いも分からず、ひたすらに愚直。

 

「はぁ……基礎からやり直しなさい」

 

 まぁ、これから私がやる事を真似できる人は、ほとんど居ないでしょうけど。

 

「よっと」

 

 男の【疾風突き】の狙いは、私の中心。お腹のあたりを真っ直ぐに突く軌道。だから、軽く跳躍して()()()()()()()

 

「馬鹿な!?」

 

 そのまま体重を掛けて槍を地面に突き刺させれば、突進の速度そのままに棒高跳びよろしく男を吹き飛ばす。私の真上を飛び越えて……あらら人垣の辺りまで吹き飛んだみたいね。

 

 ……おーい、戦闘中に得物から手を離すとか論外じゃなーい?

 

「これで終わりかしら?」

 

 できるだけ冷たく言い放つ。できる事なら、これで終わってほしいものだ。というか私、剣すら使っていないのだが。

 

「ちっ……まだだ!」

 

 ……諦めの悪いことで。インベントリから予備の槍を取り出し、今度こそ油断なく構えている……ように見えるけど実際スキだらけなのよねぇ…。

 

「そっちから来ないなら、私から行くわ」

「っ!」

 

 だから、無造作に歩く。散歩道を歩くかのように。槍を向けるこの男が、平常心を失うように。

 そして、力の差を見せつけるために。

 

「くっ……おらぁぁ!」

 

 スキルに頼らない連撃。得物の差で剣よりもリーチのある槍を活かした、【疾風突き】よりは賢い選択。だけど……。

 

「あ、ありえねぇ……」

「悪いけど、()()()()()()()()。蝿が止まるわ」

 

 あえて剣の外であり、槍の範囲内に留まり、すべての攻撃を躱していく。

 私の《神速反射》の前ではスローモーションも良いところだ。その気になれば銃弾だって視認してから回避する反射速度の持ち主だよ、私。

 ……あれ?なんか青白いオーラが勝手に出てる。【解除】しときましょうか。

 そして男の目に恐怖が浮かんできた辺りで指二本で穂先を捉える、槍の片手白羽取りを決めた。

 

「大局は崩れないわ。あなたがどれだけの努力を重ね、駆け引きを覚えても……()()()()()()

 

 分かったら降参(リザイン)してくれないかしら?と冷酷に告げておく。……不味いわね。ちょっとこの演技が楽しくなってきたわ。

 

 男の目には明らかな恐怖が映っていた。私に勝つのは絶望的。いえ、もはや不可能なのは分かっているはず。なのに、諦めずに槍を構える。

 

 めんどくさいと思ったけど、撤回。

 この人……超めんどくさい負けず嫌いだ。

 

「はぁ…良いわ。なら次の一撃で決めてあげる」

「お前は俺に攻撃を当てられないのに、大きく出たな?」

 

 恐怖から足がすくみ、その場から動けない癖に。口だけは達者ね。

 私は【白翼の双刃】を抜いて、片手で上段に。

 さっきはほぼ無意識に二刀でやったけど、取り回しを考えると二刀の時は短剣くらいの長さがよかったかもしれない。でも、片手ならこのままでも十分だ。

 

「我流……【八岐大蛇(やまたのおろち)】ッ!!」

 

 狙うのは男が持つ予備の槍と、男の立っている地面。四撃を以って槍を五等分に切断し、残りの四撃で左右の地面を二度ずつ抉る。

 人の認識速度を超えた瞬間八斬撃。

 

「な、にが……起こった……?」

「ウソだろ……スキルか?だが攻撃が全く見えなかったぞ……」

「いや、スキルを発動してるようにも見えなかったぞ……いったい何やったんだ…」

 

 その声が聞こえたのは、観戦していた外野。

 

「まだ武器があるのなら相手になるけど、もういいんじゃないかしら?」

「………一つ聞かせろ。何をした?」

 

 項垂れながら聞いてくる姿に哀愁すら感じるけれど……。答える義理なんてないし、教えた所で私以外に使用できる訳がない。

 でも、使用できる訳がないのなら、教えても構わないとも言える。

 

「答える必要も感じないけれど……まぁいいわ。()()()()()()()()だけ」

 

 早いところ決闘を終わりにしてミィと色々と話す必要があるのだからとっとと負けてほしい。

 

「それで、まだ続ける意思はある?」

「………いや、『俺の負け』だ」

 

 その宣誓がシステム的に正しく受理され、私の目の前に【WINNER】表示が出た。

 

 はぁー……ようやく終わった。これで契約を履行して、何の文句も言われず、今後もミィと話す事ができる。

 

「……時間かかったけれど、これで問題ないわね。ミィ、少し街で休憩したいのだけど良いかしら?荒野でアルマジロの無限湧き耐久レースからトラップボスとの戦闘、それに決闘までしたら流石に疲れたわ」

 

 最後に嫌味のごとく、今日はずっと連戦だったのに、その上で負けたんだよーと聞こえるように言っておく。

 

「あ、ああ分かった。では皆、悪いが今日はお開きとしよう。今度は今回の続きから、各ローテをもう少し長めに取ってやろうと思う」




 
 演技(笑)してる時のツキヨさんは、俺ガイルの最初の頃の極寒ゆきのんばりに冷たいです。
 というか口調とか雰囲気はまんま雪の女王もとい、ゆきのんをイメージして書いてたりする。
 個人的に素はツキヨちゃんで演技はツキヨさん……どうでも良いか

 【決闘】が専用フィールドに転移するの忘れて執筆してしまい、急遽設定を追加しました。
 て、転移するかどうかも選択できるようにしたけど、これで許して。
 あと槍使いさんの考えと行動が雑すぎたけど何も思いつかなかったんや……許して。

2020/2/24
 前の方の話の修正に伴い一部修正。

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