PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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防振り二次増えろ……増えて……
 興が乗ったら連続投稿だけど、今月は今日と28日の投稿を予定しています。
 昔から0時投稿だったけど、この時間に更新する人多いから6時に変えようか悩んでる。
 変える時は活動報告と後書きで告知します。


PS特化と活動開始

 

「それじゃ、行ってきまーす」

 

 制服を着て学校へ向かう。

 ここ数日で日差しが強くなってきたので、陽気が気持ちいい。ようやく春になってきたと実感できる。

 月夜の席は廊下側なのでそうでもないが、窓側の人は睡魔が襲ってきそうだ。

 この調子では窓側で教室の向き的に午後に一番陽のあたる場所席の美依は確実に居眠りコースになるだろう。

 と、そんなことを考えながら教室に入ると、もう美依が着いていた。

 

「おはよ、美依。早いね」

「おはよー月夜。人が少ない時の方が話しやすいかなーと思ったからね」

「なるほど」

 

 月夜は、いつもクラスで一番早くに登校している。というのも月夜の家は校門の目の前。徒歩一分で学校に着いてしまう。だからこの高校を受験したと言っても過言ではない。

 

「それで、美依はどんな感じでやるつもり?」

「昨日までと変えないつもりだよ。社会人が多いから昨日よりは参加者が減ると思うけど、私のレベリングと一緒にローテであの人達のレベリングと戦闘指南」

 

 パワーレベリングという方法もあるが、強いとはいえ美依のレベルはまだ低い。そのためレベルに合わせた戦い方で、地道にやっているようだ。

 

「なら、近接職は私が受け持ったほうが良い?」

「そうしてもらえると助かるよ……前衛指導とか全くわかんないし、鼓舞するくらいしかしてないんだー……」

「むしろ美依は一人でよくあの人数を対応できたよね……」

 

 演技とはいえ、あれだけのカリスマ性を発揮した『ミィ様』の姿なら納得である。

 

「美依のレベル上げはどうしてたの?」

「強いモンスターのエリアとの境界辺りでやるから、最初に強いモンスターを粗方排除して、慣れてきたら難易度に合わせて前線を上げてるよ」

「結構考えてるのね……」

「うん。連携の練習にもなるし、私自身が【炎帝】で前に出れるとはいえ基本は中後衛だから、全体指揮がしやすいっていうのも大きいかな」

 

 いつ役立つか分かんないけど、大人数での指示練習にもなるよーと明るく言う美依に、ならば月夜ができることは。

 

「なら、私は前線が崩壊しないようにフォローしたり、わざと少し強いモンスターをけしかけたりすれば良いかな?」

「うん。出るモンスターのレベルをそうやって調整してくれると、私も助かる!月夜がいればまず負けることもないしね!」

「あんまり調子に乗らない」

「あぅ……」

 

 美依の頭に軽くチョップを落とし、それからは単なる雑談に興じる。

 

 現実ではまず無いであろうNWOの立場に二人して笑いながら、今から放課後が楽しみになった。

 

 

―――

 

 

「さて、今日から私のパーティコンビにツキヨを加えて行う。ツキヨ、挨拶を」

「分かったわ。……ミィとコンビを組むツキヨよ。役割は前衛。ミィからやっている事は聞いているわ。基本的に前衛への指南は私が行う事になる。よろしくお願いするわ」

 

 ツキヨの挨拶に戸惑いを隠せない前衛衆。後衛はあからさまにホッとしていて、ツキヨへの恐怖心がよく分かる。

 

「私では前衛職の者に的確な指示、指導ができないため、ツキヨに頼んだ」

「と、いうことよ。昨日私と闘った人は、対人戦の基礎が全くなっていなかった。ミィは対モンスター戦闘なら少なからず指導できるでしょうが、対人戦は別。第一回イベントも控えているし、レベリングしながらではあるけれどその点も鍛えてあげる」

 

 ()()()()()()と、どこまでも上から見下すような発言を敢えて行うツキヨに、かなりのヘイトが溜まっていく。

 

「ふふっ……睨んでもいいけれど、実力を伴わないそれは弱者の()れよ。慎みなさい」

「はぁ……ツキヨ。昨日の今日で怒りが抜けないのも分かるが、私が伝えた役割はこなせ」

「分かってる。装備の事でいつまでも言うつもりはないわ。役割もちゃんとする。それで良いでしょう?」

「構わん……では行くぞ」

 

 どこまでも面倒臭そうに告げるツキヨ。

 冷酷剣士として自らがヘイトを受け持ち、ミィがフォローに回ることで【炎帝】の権威を高めつつ、ツキヨは実力とミィの親友という肩書で立場を固める。ミィは当初反対したが、涼しい顔でヘイトを受け流すツキヨ(親友)を見て少し安心した。

 

 

 ミィとツキヨは先頭を歩くため、付いてくる人たちに顔を見られる事はない。なので肩がくっつく位……というかくっつけてヒソヒソと話していた。

 

「ツキヨ……やりすぎじゃない?」

「このくらいで丁度いいの……ほら」

 

 軽く振り向き指差す先には、ミィ達に聞こえないように小声で話す前衛職プレイヤー達。ツキヨが見ていることに気付くと、青い顔であからさまに目を背けた。

 

「……ね?このくらいヘイトを稼いだ方が、ミィの権威向上と指示出しがし易くなると言うものよ」

「もう……私はツキヨにもゲームを楽しんでほしいんだよ?」

「ドSな冷酷剣士役、存分に楽しませてもらってるけど?」

「楽しみ方が逸脱してる……」

 

 それでもかなーり楽しそうな顔のツキヨに呆れたミィは、ツキヨの働きに報いるために頑張ろうと気合を入れる。

 

「さてミィ。そろそろモンスターの強さが一気に上がるけど、大丈夫なの?」

「………ツキヨに働いてもらう」

「……分かったわ」

 

 そうしてやって来たのは、東の森のかなり奥。以前にツキヨが初心者殺しと遭遇した付近である。

 

「今日はこの辺りでレベリングをしよう」

『はい!』

「統率されてるわねー」

 

 横にいるミィには聞こえただろうが、ツキヨはミィの統率力がかなり高いからこそ、短期間でこれだけの規模になったのだろうと思う。

 だが、だからこその警戒心の薄さが拭えない。

 

(警戒心が薄いわね……この森は平原なんかと比べ物にならないくらいモンスターとのエンカウント率が高い。みんなミィへ意識が向いてるから、囲まれてることに気付いてない)

「警戒心が鈍いわ。ミィと私はずっと前から気付いているのに……とっくに囲まれてるわよ」

 

(ちょっとミィには無茶振りだけど合わせて?)

 

『なっ!?』

「……集団ゆえの気の緩み。今後の課題だな」

「これからの教訓として、胸に刻みなさい。この辺りで、敵を囲むのは初心者殺しの巨狼の群れね……ミィ、私がもらっても?」

「……暫くこちらで合わないうちに新しいスキルでも手に入れたのか。良いぞ、ただし次は私だ」

「感謝するわ」

 

 ツキヨが確認したかったのは【水君】のスキル。これだけ大人数がいる中で明らかに珍しい【飛翼刃】は見せたくない事と、ここには【炎帝】のミィがいること。そのミィと同等のスキルを持っていることを彼らに示しておきたかったのだ。

 

「……【水君】」

 

 現れるのは、ツキヨの腕の動きに連動した水の円盤。大きさは直径二メートルほどもある。

 高温の炎で焼き尽くすミィの【炎帝】と違い、ツキヨの【水君】は高圧水流で構成された円盤を操り、触れたものをなんでも切断する。

 

「ミィ様の魔法に似てる……?」

「ちっ……なんであんな奴が……」

 

 高圧水流の円盤で十体ほど切り捨てた所で、危険を察知したのか、ツキヨ達を囲んでいた巨狼―初心者殺しの群れは姿を表して一箇所に集まる。

 そのまま一点突破するつもりなのだろう。

 

「獣らしく愚かな判断ね……【水爆】」

 

 広域殲滅が可能で水素爆鳴器を元にし、指向性を持つ魔法だが、一日三回と回数制限のある魔法を使い、一撃のもと狼の群れを背後の森ごと破壊し尽くす。

 

「……前衛の私にはMP消費が大きすぎるわね。今後はMPも上げようかしら」

「流石だなツキヨ。私と同等のスキルを手に入れていたのか」

「無駄打ちは出来ないでしょうけどね。ともかく、これで暫くは大丈夫なはずよ。今の爆発で弱いモンスターも集まってくると思うわ」

「ああ分かった。……では皆、これよりレベリングを始めるぞ!後ろは私が守る!存分に戦え!」

 

『おぉぉぉおおお!!』

 

「そこは私達と言ってもらいたいわね」

 

 無駄に威勢の良い返事をしているがために、最初に突っ込んできた猪への反応が遅れたプレイヤー達に、猪を斬ってから伝える。

 

「返事をするなら手を動かし、目を配り、感覚を研ぎ澄ませなさい。この森の中で私達は、常にモンスターのテリトリーに居るのだから」

 

 

―――

 

 

「なかなか順調に戦えているじゃない」

「ツキヨが発破を掛けたのが効いているな」

 

 誰に聞かれるか分からない戦闘中の為、演技は継続して会話を続ける。尤も、余程の敵がいなければツキヨも魔法で援護しているため、二人は隣り合って会話しているのだが。

 

「さっきの狼の群れ、経験値おいしいわよ。レベルが二つも上がったわ。今27……【鉄砲水】」

「なっ…私はまだ24だ。もう少しレベリングを頑張るか……【炎槍】!……あ、上がった」

「あら、おめでとう。【ウォーターボール】」

 

 それぞれ【水君】【炎帝】によって魔法の威力が上がっているツキヨとミィは、防衛を抜きそうなモンスターに魔法で援護しつつ話していたのだが、前衛が疲れからか動きが悪くなってきていた。

 

「行ってくるわ」

「任せる」

 

 走りつつ双剣を抜くツキヨは、前線に【跳躍】で割り込んだ。

 

「援護するからもう少し頑張りなさい…【聖水】

【聖なる水盾】」

 

 【聖水】スキルによって変化した【ウォーターウォール】で迫るモンスターを弾き返すとともに、味方の【VIT】を一定時間上げる。

 

「くそっ……アンタに言われる筋合いはない!」

「ミィから頼まれた仕事である以上、筋は通っているのだけれどね。ほら、一体だけではあるけれど初心者殺しが来たわよ」

「俺たちに勝てるわけねーだろうが!適正レベル35のバケモノなんてよぉぉ!」

 

 キレ気味に伝えてくる前衛部隊に、ツキヨは冷静に問いかける。

 

「では聞くけれど、なぜミィはここを狩り場に選んだのかしら?言っておくけれど、私は『初心者殺しの対処を任せる』なんてミィから一言も言われてないわよ」

 

 むしろ敵のレベル調整のために少し強敵をけしかける役割である。

 

「ミィは、あなた達全員が力を合わせれば初心者殺しも対処出来ると信じてる。さっきの群れは想定外だとしても、一体くらい倒してミィの期待に応えなさい……【聖命の水】」

 

 彼らの琴線は分かりやすい。言い方は悪いがミィをダシに使わせてもらえば、モチベーションは急増する。ついでに見下すような雰囲気で高圧的に告げれば、怒りから更なる向上も見込める。

 

「ちっ……やってやらぁぁぁああ!!」

『おぉぉぉおおお!』

 

(想像以上に彼らは乗せやすいわね)

 

 これなら心配ないだろうと、ツキヨは再びミィの隣まで下がる。

 

「何を言ったか知らんが随分と気迫が出たな」

「悪いわね、あなたをダシに使わせてもらったわ。それが一番効果が高いんだもの」

「初心者殺しを相手させるのは酷だぞ」

「でもほら、諦めずに戦ってるわ。それに一定時間HPを回復し続ける【聖命の水】を前衛組にかけてきたわ。なんとかなるでしょう」

 

 傷付いてもHPが少しずつ回復するため、彼らは諦めずに初心者殺しに挑む。そしてツキヨがそんなスキルを持っていることにも驚いたミィ。

 元々は【ウォーターボール】であり見た目もそのままなのだが、敵に当てても効果はなく味方にあてることで効果を発揮する特殊な魔法。

 

「その魔法【水君】じゃないな…【華焔】」

「あら分かった?私の装備スキル【聖水】よ」

「……お前のスキルは水か切断に偏るのか」

「否定はしないわ……【冰雨(ひょうう)】」

 

 【水君】が【炎帝】と同系統のスキルであるならば、それはその属性魔法の破壊力を突き詰めたものになる。だからこそ味方にバフをかけるスキルは【水君】にないと判断した。

 話しつつも魔法は止めず。初心者殺しを相手取っていて周囲が疎かになっている彼らのために、ミィは焔の花をそこら中で咲かせ、ツキヨは大きな杭のような氷柱(つらら)の雨を降らせる。

 既に【聖水】は解除したが、普通やっても十分な威力を持っていた。

 

 

 それから十分ほどが経ち、初心者殺しは彼らによって討伐された。




 
 変更後に『器用特化と荒野』を見てない人のために少し訂正もとい、修正箇所を書いときます。

【蛇骨刃】→【飛翼刃】
 蛇腹剣だし元ネタは【蛇骨刃】だし変更しようか迷っていたんですが、見た目イメージは比翼で装備デザインも羽とかあるのに、蛇は無いな……と言うことで泣く泣く変更。
 他にも装備名やら枠の扱いやらが変わってるので、『器用特化と荒野』を見るか、その内にステータスをストーリー内で出すので待っててください

 どうしても【炎帝ノ国】についての部分でストーリーが長くなりがち……。
 早くメイプルとサリー出るところまで投稿したい(けど一気に投稿したら焦って更新しようとして逆に書けなくなる)
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