PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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 ようやくここまで来ました
 いつも通りツキヨさんが無駄に頑張ってます
 あとリアルスペックの高さが少し伺えるかも?
 ツキヨの演技はミィほど劇的な変化じゃなくて、雰囲気の変化だから文章じゃ表現がしづらい


PS特化と炎帝ノ国

 

 ようやくすべての準備が終わった。

 ミィには最初から参加できる人達を噴水広場に集め、ここに案内するのをお願いしたため、私が会場となる講堂のセッティングをやった。

 殆ど知られていないが、お金を払えば誰でも利用できるこの場所は、今後もギルドシステムができるまでは【炎帝ノ国】の会議に使わせてもらうつもり。

 講堂と言っても、殆ど広間(ホール)のようなもので、一段高くなったステージと200人くらいは入りそうな広い空間。イメージは小さめな体育館といった所。流石に体育館ほどの開放的な造りはしてないけど。

 そこに木工系の生産プレイヤーが大量生産していた、デザインの良い割に格安なテーブルを配置して、事前に受け取っていた料理を並べておく。飲み物も忘れずに。なんだろう、中規模のパーティの準備をしてる気分。

 全ての準備が完了したことをミィにメッセージで伝え、後は到着を待つだけ。

 私のステータスは完全に戦闘用のそれだからお金も貯まりやすい。でも今回の大掛かりな準備で総額300万くらい飛んだ。テーブルに料理の依頼に長時間の貸出料に装備品。一番かかってないのが装備品という事実。ウェインさんが50万Gって言ってくれて助かった。100人もの規模になると流石に大変だと痛感した。

 いや、講堂の下見をした時にあまりに殺風景だったから、テーブルクロスや照明系統なんかを買い足したのが原因なんだけどね?学生のパーティみたいなのは嫌だし、それなりに雰囲気が出るように頑張りましたとも。ギルドホームができたら再利用で設置する予定だし。

 私もミィも演技だと格好良さが全面に出るから、どうしても堅苦しくなりがちだ。だから、最初くらいは楽しんでもらうためにそれなりに調べたし準備した。現実(リアル)のパーティ会場なんかを多数参考にさせていただきましたとも。ミィから『ほ、本気だね……』って引かれたよ。こういうのって準備段階が一番楽しいよね!

 

 

「っと。そろそろ着くのね。了解よミィ」

 

 噴水広場からみんなを連れたミィからの連絡を受け、裏方は裏方らしく、またミィが格好良く案内するのに仕立て人がいるのも締まらないので、一度ステージの裏に下がる。

 

「おぉ…んんっ。さあ、皆中に入って、暫くの間くつろいでいてくれ」

 

 ふふっ。聞こえたわよミィ。一瞬感嘆の声上げてたよね?私の本気見て驚いたよね?どうよツキヨさんが張り切って頑張っちゃった結果は?

 

「すげぇ……」

「これ全部ミィ様が準備したのか?」

「本物のパーティ会場みたいね……」

「ツキヨ様が居られないようだが……」

 

 思い思いにテーブルの周りで好きに寛いでいる彼らだが、摘む程度の簡単なものとはいえ食べて良いのか迷っているらしい。

 なるべく早くステージに出ましょうか。

 

「やっほー。案内おつかれ、ミィ」

「ツキヨこそ。ビックリしたよ、ホントにパーティ会場になってるんだもん」

「ふふん。ツキヨさん、ちょっと本気になってみました。ここ殺風景だったからさ。結成の最初くらいは、パーティみたく、ね」

 

 お金かかったけど。いやー、モンスターを倒してお金稼げるのが、ゲームの良いところだよね。時間を見つけては双剣の素材集めと資金集めしてたから、もうレベル32だよ。青銀色の長魚の経験値おいしかったです。

 

「じゃあ予定通りに。最初は私、次にミィ。ミィはグループ名の発表と、今後はきちんとした統一装備の作成を視野に入れるって事、忘れずにね」

 

 ミィが頷いたので、ステージの裏から出る。予定時間丁度。会場にいる人も『寛ぐっていったって……』みたいな雰囲気で戸惑ってる。

 始めるなら今でしょう。

 

 

―――

 

 

 戸惑い、少しざわつく会場が、ステージの変化に一瞬で静まり返る。

 

 コツコツとこ気味いい足音を鳴らして壇上に立ったのは、純白の戦乙女。ツキヨ。

 そうして中央に立った彼女は、いつもの通りの冷たい口調のまま挨拶を始めた。

 

「皆。今日はこんな夜遅くに集まってもらい、まずは感謝するわ。ありがとう」

 

 軽く頭を下げたその行動に、多くのプレイヤーが愕然とする。今までそんな殊勝な態度、見たことないんですけど!?と。でも雰囲気と口調は絶対零度。やっぱりそこはデフォなんですね。

 

「さて、この後にミィが控えているので、私からは簡潔に。この度、NWOにて初の一大グループ結成を祝し、細やかながらパーティを開かせてもらったわ。普段は小グループごとにしか関わりを持たないのだから、初めて会う人もいるでしょう。そういう人達と、飲み物を片手に食べ物を摘みながら歓談してくれたら、主催の一人として嬉しく思うわ」

 

 堅苦しい式でも会でもない。そのためツキヨは演技を保ちつつ述べる。

 それから始まるのは、ツキヨが考えるこれからの【炎帝ノ国】。

 

「そして、中には反りの合わない人もいるでしょう。人なのだから、性格は千差万別。ゲーム(この世界)の楽しみ方もまた、人それぞれ違うわ。そのプレイ(遊び方)に不快感を覚えることだってあるでしょう。ですが私達は、ミィというプレイヤーの下に集まった仲間(フレンド)でもある。……今後、一人ひとりプレイヤーとして、またこの大グループの一員として」

 

 そこで一度言葉を切ると、少しだけ間を開けて、今までの冷たい雰囲気と口調を、少しだけ和らげて続きを紡いだ。

 

「一丸になろうとか、協力し合おうとかは言わない。……ただ互いに少しずつ歩み寄って、尊重し、誰もが居心地良く、楽しいと思えるグループとなることを、心から願っているわ」

 

 本当に、簡潔に。時間にすれば1分と少し程度しか話していない。だが、会場にいるプレイヤーは感じ取ることができた。ツキヨの少しだけ柔らかくなって言った最後の言葉は、紛れもなく本心であると。あれ?この人本当に白銀の戦凍鬼?中の人ちがくない?

 

 そんな空気は、次の瞬間に消え失せた。

 

「と、言うわけで……どれだけ他人に不快感をもたせるプレイングでも私は口出ししない。先程も言ったとおり、感情(性格)は人それぞれに違うから。価値観(楽しみ方)が合わないなんて仕方の無いことよ。けれど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()をグループ内で見つけた場合、全力を持って排じ…調きょ…指導するので、そのつもりでいなさい」

 

((((最後なんて言ったこの人!?))))

 

 『と、言うわけで』までは柔らかさを残していたのに、続きからはいつもの絶対零度すら生温く感じる雰囲気に口調に声音に視線を以って、なんかやばい言葉が紡がれたような気がした会場の殆ど全プレイヤー。

 直前まで、初期からいたミィ派のプレイヤーすらツキヨへの認識を変えつつあったのに、最後でやっぱり絶対零度かと認識を戻した。

 そして「素晴らしい!」「流石はツキヨ様!」「我々も手伝います!」「一生ついていきます」と宣うツキヨ派でも極一部(既に調教済み)のプレイヤー。やはりブレない。

 

 

「あら、空気が冷たい。ゲーム内に空調が効かないなんてバグあったかしら?」

 

 間違いなくあんたのせいだろ!とは、口が裂けても言えなかった。

 が、ここに救世主が一人。

 

「間違いなくお前が原因だ馬鹿者(ツキヨ)。挨拶だけでどうしたらそんな脅し文句を言える」

「あら、私はただ『悪質プレイヤー絶対許さない宣言』をしただけよ」

「直前との落差が酷すぎるだろう。私も少し、お前誰だよと言いたくなったぞ」

 

 分かってくれますかミィ様!との崇拝の瞳。

 ツキヨはたじろいだ!

 

「はぁ……はいはい、私の負けよ。私のプレイングに不快感を覚える人が居るのは自覚してるもの。だから少し、私の基準を語っただけ」

 

 その言葉にミィ派の多くが、え?自覚あったの?みたいな顔をする。

 

「なら改善したらどうなんだ?」

「それはイヤ。ゲーム(遊び)は楽しんでこそなのだから。それに不快感を持たせていても、実害を齎すつもりはない。事実未熟さを煽りはしても、モンスターの横取りや必要以上の私刑はしてない」

 

 確かに…と思うミィ派の面々。

 ツキヨのやり方に不快感こそ覚えるものの、レベリングでは守ってもらっているし、前衛組は間違いなくプレイヤースキルが上がり強くなった。教え方は絶対零度だけど……絶対零度だけど!

 逆にツキヨ派の大多数はというと……

 

「ツキヨ様のお陰で新しい世界を知りました」

「ツキヨ様……尊い……」

「あぁ……我らが女神よ!」

 

 ねぇ?これで『必要以上の私刑(調教)はしてない』って本当に言えるの?と目で訴える。

 しかし、誰にも通じず。

 

「……そういうことなら、まぁいい」

 

 親友すら匙を投げるツキヨのツキヨっぷり。そんな若干カオスな空間をミィはこれから切り替えなければならない。

 

「さて、ツキヨによって色々とメチャクチャだが、基本的には私もツキヨと同じ考えだ」

 

 と思ったらカオスに片足を突っ込むミィ。愕然とするメンバー。やはり親友は似るのか。

 

「勘違いするな。私とツキヨが願う、これからの我ら【炎帝ノ国】のあり方が同じだということだ。私もまた、皆が尊重し居心地のいいグループを、空間を作っていきたいと願っている」

 

 あぁ、確かにそんなこと言ってましたね。直後の脅しで何もかも抜けてました。と遠い目をした。

 というかグループ名【炎帝ノ国】になったんすね。とサラリと告げられたことにもはや悟りすら開きかねない。

 

 

 

 

 

「そして我ら【炎帝ノ国】の目的は一つ」

 

 俄かに落ち着きを取り戻し、静かに告げられたグループの目標。その声音に宿るカリスマ性が、先程までのカオスすら塗り潰す。

 

 

「いいか!このNWO全土に我ら【炎帝ノ国】の名を高らしめる。この【炎帝ノ国】のメンバーであることに誇りを持ち、地の果て、空の彼方までをも、我らの情熱の炎と濁流の如き意思で埋め尽くすのだ!」

 

 一瞬の空白。

 直後には会場は歓声で埋め尽くされ、そのスケールの大きさに興奮の渦が場を支配する。

 自分たちのような一般プレイヤーが一同に集まり、一つの集団となってNWO全体に知れ渡る存在となる。個人で名を上げることとはまた違い、個の強さと共に集団としての結果を求める。その一員に、自分がなる。興奮しない訳がなかった。

 

 

 

「そのために今日、皆に集まってもらった。このNWOの世界にはまだギルドシステムは存在しない。しかし、存在しないからと言って集団を形作らない理由はない。一つのグループとして名乗りを上げない理由など有りはしない!」

 

 そして、遂に告げられる。

 

「さぁ、杯をもて!……ここに、NWO初の一大組織(グループ)【炎帝ノ国】を発足する!!乾杯!」

 

 

 

―――

 

 

「まったく……バンダナのことも統一装備のことも忘れてるし……」

 

 仕方がない。ミィのことだから、パーティ会場の雰囲気を戻して盛り上げるためにと頑張った結果、抜け落ちてしまったんだろう。

そういう意味では私にも責任が少なからずある。

 既に会場は盛り上がりを見せ、それぞれが好きに歓談している。

 

「なら、少しだけ予定を変更して挨拶周りの時に一人ひとり説明しましょうか……手間ではあるけど、これもサポート役の務めってね」

 

 あれだけ盛り上げた張本人が挨拶とバンダナを渡すだけで次々に移動するのはどうかと思うし、お仕事は私がやるか。

 ミィには自由に歓談すること、なるべく全員と、多少なりとも会話して親しい関係を築くようにとだけメッセージを送り、静かにステージの袖から出る。

 会に短時間しかいられない人から順番にバンダナと今後の予定を教えていかなければならない。

 

「……よく考えたらミィは誰がどの位滞在できるのか知らないわね」

 

 予定では二人で挨拶周りをし、その辺りは私が教えるつもりだった。だけど今まで祀り上げられていただけのミィが、自分の意思で頑張った結果ああしてもみくちゃになっているのなら、ここは私が頑張ってあげよう。

 

 

「こんばんは、ウォーレンさん」

「っ!……何か?」

 

 これもまた、私が贖わなければならないことだし。槍使いのウォーレンさん。私がこのグループに関わるきっかけの人であり、決闘で叩きのめした人。その人に、赤いバンダナを手渡しながら訳を話す。

 

「貴方が短時間しか滞在できないと聞いていたから、これを渡しに来たのよ」

「バンダナ、ですか?」

「えぇ。ギルドシステムが無い現状、【炎帝ノ国】のメンバーであることを示す証明書代わりの物よ。装備としてのステータスは低いから、装備してもしなくても構わないけど、正式な統一装備を作るため等に今後会議を開く際、入る時に提示してもらうわ」

「一つ一つ柄が違うようだが、複製されたらどうする?」

 

 勿論、そこも問題ない。どうして私が、態々昨日の朝に短時間ログインしてまでバンダナを受け取ったと思っている。そしてなぜ、結成式を夜にしたと思っている。

 

「問題ないわ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 昨日今日とほぼ二日の時間を使って全員の顔と名前、誰にどのバンダナを渡すのか決め、()()()()()。ちなみに絵柄は全てスクショしてあり、念の為誰に渡すバンダナなのかもメモしてある。抜かりはない。

 

 そう告げると、ウォーレンさんは物凄くびっくりしていた。えっと、どうして?

 

「……お前は以前、名前を覚えるつもりはないと言っていなかったか?」

 

 あぁ……そのことか。確かに初めてあった時はそう言ったし、あの場で諦めなければ本当に路傍の石程度にしか見るつもりも無かった。

 

「状況が変わったのよ………そうね、あの時のことも含めて、貴方に言わなければいけないことがある。少しだけ外に出ましょう」

 

 だから、この場であの時から続く蟠りを払拭する必要がある。敵意は無いと証明するために、双剣装備を解除して先に外に出る。すると、少しして戸惑いつつもウォーレンさんが出てきた。

 

「ごめんなさい」

「は……?ちょ、いきなり何して!?」

 

 だから開幕直後に全力で頭を下げておく。こういうのは恥ずかしいから一気に終わらせるに限るのだ。ホントーに恥ずかしいけど!

 

「………とりあえず、頭を上げてくれ。わけがわからん」

「ま、そうよね。私の性格を一番最初に知った貴方なら、そうだと思うわ」

 

 だから、手短ながら説明させてもらおう。あの時、私がどうしてあんなことをしたのか。

 

「あの時、ミィは本気で困っていたのよ。それこそどうしようもなくなって、あのミィがこんなメッセージを送る程度に」

 

 彼らにとってのミィは、格好良くて、凛々しくて気高い、カリスマ性を持つミィだ。だからそのフォローを言葉にしつつ、私の知るミィが求めた『たすけて』を見せると、ウォーレンさんは愕然とした表情を見せた。

 

「普段は誰よりも格好良く凛々しく、そして気高い私の尊敬するミィが、あの時だけは本気で助けを求めてきた。流石に、私も冷静ではいられなかったわ」

「そういう、ことか……俺は、なんてことを」

「あの時のことはあの決闘を以って終わりだと、私もミィも思っている。だから今更ミィに謝ったところで意味はないし、かえってミィを困らせるだけよ」

「なら俺はどうすればいい!?」

 

 まぁ、このメッセージはこの人だけが負うものじゃない。積もり積もった全てのものが、あの時に爆発した結果なのだから。

 

「言ったでしょう、決闘で終わったと。あなた方の罪は既に償われてるし、こうしていつまでもシコリを残してしまったのは私の罪よ。勝手に罪悪感を持たないで」

 

 とは言うものの、無理なものは無理と分かっている。だから別の方法を。

 

「これでも納得しないなら、【炎帝ノ国】サブリーダーとしてあなたに命じます」

 

 この人が納得するかは分からないけれど、ミィのためにもこの方法しか思いつかないから。

 

「【炎帝ノ国】が、ミィの願った通りのグループになるよう、尽力なさい」

 

 この人にできるのは、それくらいだから。あの時のように誰かが困ることの無いように。

 

誰か(ミィ)に意見を押し付けるのではなく、周りの誰かを尊重し、居心地の良いグループになるように」

「っ!」

「そして私も、あの時と同じ過ちをしないと誓います。誰もが……あなたを含めて、みんなが楽しいと思えるグループにしましょう?」

 

 それが私の精一杯。罰を与えるでも罪を背負わせ続けるでもなく、()()()()()()

 だからあの時はするつもりも無かった、初めての自己紹介を。

 

「改めまして。()()()()()()()()、ツキヨと言います。よろしく」

「………ミィ様に憧れる、ただの槍使い、ウォーレンだ。よろしく」

 

 ようやく、私達は仲直りができた。

 

 

―――

 

 

「………なぁツキヨさんよ。まだ少し話してもいいかい?」

「………ウォーレンさんに名前で呼ばれると、何か変な感じがするわね。他の人への挨拶周りがあるから、五分程度なら」

 

 そう返すと、ウォーレンさんは近くのベンチに腰を下ろした。もちろん私は座らない。というか蟠りがなくなった途端に堅苦しい敬語やめたわね、この人。別に良いけど。

 

「正直ビックリしたぜ。アンタが一人で声かけてきたからな」

「本来はミィと二人で挨拶周りとバンダナを渡すつもりだったけれど、ミィがあの状態だったからよ。まぁ、そのお陰でウォーレンさんとの蟠りを解くことができたのは、僥倖と言ったところかしら」

「なるほど。そういや、さっきから雰囲気がちがくねぇか?」

「さてね。言ったでしょう?遊び方は人それぞれと。それに、NWOはVRMMORPGよ」

「理由になってるか?それ」

「なってるわ。思いっきり答えよ」

 

 RPG。そう、ロールプレイング(役割演技の)ゲーム(遊び)なのだ。なら、私がこんな役割を演技していても不思議はない。

 

「俺としちゃ、今のアンタの方がいいと思うぜ」

「それは口説いてるのかしら?」

 

 口説くにしては落第点を上げるしかないけど?

 

「ちげぇっつの。なんであんな風にやってんのか、純粋に気になったってだけだ」

 

 その理由にはウォーレンさんとの一件が深ーく関わってるのだけど……言わないでも良いか。

 あの一件で、私のイメージが払拭できそうもなかったから。ミィの演技に合わせているから。ミィの権威を上げるため。私にヘイトを集めることで協調性を作るため。理由なんて色々だ。本当に色々ある。けど、これと一つあげるなら……。

 

「楽しいからよ」

「あ?」

「何度も言うけれど、楽しみ方は人それぞれ。私はドSな冷酷剣士を楽しんでいるだけよ」

「はっ、趣味悪すぎんぞ」

「それを言ったらミィに心酔した挙げ句に祀り上げて、こんな大グループを作らせる人たちは悪質よ。尤も、今は本人も乗り気だけれど」

「くくっ……なるほど、違いない」

 

 薄々この人も、グループ結成がミィの意思じゃない所のせいであるのは気付いていたのだろう。だから、ミィのプレイング(勝手に祀り上げて)に実害を齎した存在(グループを作らされたこと)をそう罵る。

 

「ってこたぁ、アンタはいつか、グループを壊すってことか?」

「いいえ。大好きな親友から、皆でプレイする(を引っ張る)ことが楽しかったと言われたら、何をしても守るしかないでしょう?」

「………くはっ、なるほど。そりゃ、俺もツキヨ様の命令を守るしか無くなったな」

「様付けやめて」

「いーや。少なくとも【炎帝ノ国】の活動中は呼ばせてもらうぜ。普段はアンタで十分だがな」

 

 ……まぁ、それなら良いか。

 さて、そろそろ挨拶周りをしないと、全員にバンダナを配れなくなる。

 

「そろそろ戻るわ。全員分配るのと、いつか作る統一装備の事も説明する必要があるし」

「んじゃ、俺も戻って飲み食いするかねぇ」

「は?ウォーレンさんはもう滞在時間少なかったはずじゃ……」

「そりゃ、アンタと同じ空間にいたくなかっただけの方便さ。仲直りした今、ログアウトする理由はない。せいぜい楽しませてもらうぜ、発案者さんよ」

 

 主催者が私一人だって勘付かれたし……

 

「もう!何よそれぇ!?」

「うお、斬りかかってくんな!アンタの剣筋トラウマんなってんだぞ!?」

 

 

 はぁ……思わず素で斬りかかってしまったが、これ私悪くないと思う。




 
 RPGのくだりはロールプレイの日本語訳から来てます
 役割演技……まぁそのまんまですね
 《神速反射》にカナデに近い記憶力も持ってたりするツキヨさん。
 ちなみにタグにもあるけど、ツキヨのコンセプトは対メイプル最終兵器系主人公。
 メイプルがおかしくなるにつれてこの子も進化していきます。
 ホント本家がすくすく育つからツキヨさんがどんな変貌をするのか考えるだけで楽しい。
 既に見た目は白と黒、プレイスタイルは万能型の攻撃手(アタッカー)と混沌とした防御特化(守護者)
 色合いや魔法属性でミィと対比させつつメイプルともプレイスタイルと色味を対比させてたりします。【身捧ぐ慈愛】のメイプルは白基調だって?
 そこは金髪と銀髪、青眼と赤眼での対比よ。その頃には私にも予想できない成ち……もとい進化してるだろうけどね。
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