PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。 作:五月時雨
予定通り今月は隔日投稿で行こうと思ってるんですが、ストックが20話くらいある(ただし微修正必要)のでもしかしたらどこかで連日投稿して調整するかも
アニメで見る素のミィ可愛すぎないか……
ちょっとあれを表現できるか不安になってくる。可愛いから書くけど!
会場に戻った私は、ウォーレンさんを少しだけ睨みつつバンダナの配布を再開した。
でも、彼との蟠りが溶けたことで助かったのも事実。なんとウォーレンさんが、私を避けているミィ派のメンバーとの間を取り持ち、緩衝材の役割をしてくれたのだ。
一番最初に私と溝のできたウォーレンさんが緩衝材をしてくれたことで、少しだけ向こうの態度が緩和。しかし私に付き従って『ツキヨ様』なんて呼び掛けるものだから、それはそれで『お前この人まで!?』みたいな顔をされた。
………まぁ、私へのウォーレンさんの話し方が
「助かったわ。貴方がミィ派の人たちとの間で取り持ってくれなかったら、もっと時間がかかってきたと思う」
「俺としては、ツキヨ様が本当に全員の名前を覚えてることに驚いたがね」
多分、ミィも全員は覚えられていないと思う。象徴なんてそんなものだ。
バンダナ配布とその説明は、本来ならミィがミィ派に、私がツキヨ派と中立を配る予定だったが、一人でやったために一時間半もかかった。ウォーレンさんのお陰でこれでも早く済んだ。
ちなみにツキヨ派の中でも極一部から、今度は私カラーをメインにした統一装備が欲しいと頼まれたため、会議で案を出せ、そして全員を納得させてみろと発破をかけておいた。
なお、ミィはまだそこら中で引っ張りだこ。
「残ってるのはあと四人。中立派の中でも高い実力の持ち主で、個人的に気になることがある人たち」
「へぇ?ツキヨ様が気になる、ねぇ?中立っつーとミィ様にもツキヨ様にも心酔しない、純粋に集まった人たちだろ?どうしてか聞いても?」
「そうね一人はトッププレイヤーの一角。他は……勘、かしら」
有名なプレイヤーは、私やミィ以外にも沢山いる。というか有名になったのは私やミィは遅い方だ。一番有名なのはペインさん。ゲーム内最高レベルで、今は46だったはず。まだ14も差があるんだよね……。
「アンタの勘の精度なんて知らねぇよ」
「ただ、皆優秀なプレイヤーであることに変わりはないわ」
「それはたしかに。あの中で二人は随分と名前を聞きますからねえ。そん中にいる残り二人も気になりますわ」
「なんなら一緒に来る?」
「いやいや遠慮しますぜ。そろそろ他の奴らとも話してぇし」
「……なら仕方ないわね、ついでに各テーブルの食べ物と飲み物を追加しておいて。はいこれ」
インベントリから料理を取り出し、ウォーレンに無理やり受け取らせる。残り時間は半分。だいぶ料理も減ったし、追加分持ってて良かった。
本当なら予定変更してウォーレンさんにも来てもらいたかったが、流石に無理強いはできないから仕方ない。また時間はある。
さて、ウォーレンさんが行っちゃったし、私は最後の四人に話しかけますかね。
そうして辺りを見渡すと、運良く目的の四人が近くのテーブルに固まっていた。
「少し時間いいかしら。ミザリー、マルクス、シン……ヴィトさん」
それにしても本当に驚いた。少し前、私がこの結成式の準備のためにグループレベリングを何度かミィ一人にお願いしたことがある。その時に【炎帝ノ国】に加入していて、参加メンバーリストを見た時に思わず声を上げた。
「よぉツキヨちゃん。楽しませてもらってるぜ」
「周りの人から、ツキヨさんからバンダナを受け取ったと聞いています。それ関連でしょうか?」
「えぇ。その通りよミザリー。四人にも渡すわ」
それぞれに対応した絵柄のバンダナを渡しつつ、リピート説明を終えた私は、ヴィトさんに聞いてみた。
「それにしても、なぜヴィトさんが【炎帝ノ国】に?ソロで有名な貴方が参加してくれたのは喜ばしいですが、理由を知りたいですね」
「ツキヨさんツキヨさん。私としては私を含めほぼ全ての人を呼び捨てにするツキヨさんが、なぜヴィトさんに敬称を付けてるか知りたいです。ヴィトさんもツキヨさんと親しそうですし」
ミザリーがグイグイくる……。その『私、気になります!』みたいなキラッキラの顔やめてよ……。そしてシン、マルクス。他人事みたいな雰囲気出さないで。助けて。……ムリよね。
「俺は単におもしろ……じゃなくて、ソロじゃ限界を感じてな。どっかのパーティに入ろうにも知り合いは少ねえし。だったらいっそ、知り合いのツキヨちゃんがいる所に来たってわけさ」
「私を助けようとしたヴィトさんが限界?笑えない冗談ね……聞こえてるわよ」
面白そうって言ったよね?しかもそれ、絶対に掲示板の話題的な意味で、でしょう?
ミザリーは最近ヒーラーとしてかなり有名で、回復量が他の人の比じゃないらしい。私は受けたことないから知らないけど。
そしてシン。装備は至って普通の店売りだが、こちらは前に偶然、ソロで戦っているところを見てしまった。十本の宙に浮いた剣を自在に操り、モンスターを切り刻む光景が今でも思い出せる。何あれ私もやりたい。
最後にマルクス。この中で誰よりも普通。魔法型のステータスで、グループレベリングでも目立った働きはしてなかったように思う……たった一つ、モンスターを待ち構えている時に設置した罠を除いて。マルクスのトラッパーとしての才能は天性のもの。現実じゃ使い道がないし、せいぜいドッキリを仕掛ける程度だろう。本人の性格的に無理そうだが。だから、この四人はとっても注目してる人たちなのだ。
「四人には注目していたのよ。だから個人的に話したくて、こうして最後に回していたってわけ」
「俺は別に注目されるようなことはしてないんだがなぁ……」
「……僕は罠を仕掛けるくらいしかしてないんだけど」
「私も身に覚えが……」
三人とも恍けるねぇ…。いや、スキル詮索なんてするつもりも無いけどさ?一応、シンには謝っておこう。
「シンについては、偶然森の中でレベリングしている所を見てしまったのよ。悪かったわ」
「っ!なるほど、知られているという訳か」
「ミザリーは魔法使いとしても優秀だけれど、やはりヒーラーとしてね」
「……そしてマルクスはその罠ね。現実じゃ全く役に立たないけれど、トラッパーとして天性の才能がある。グループとして活動した時、貴方の才能は貴重よ」
と、言うわけ。と最後に締めくくって、だからこそ気になっていたと明かした。
「なんてーか……ツキヨちゃんよく見てるな」
「それなりに、よ。【炎帝ノ国】サブリーダーとして、メンバーのことはだいたい頭に入れたわ」
「「「「うわ……」」」」
………あれ、なんか四人から引かれた。いや待って?だってギルドシステムがない今の【炎帝ノ国】って要は口約束で集まった知り合いの塊なのよ?その状態をキープするために全員の顔と名前、戦闘スタイルに凡そのレベル、誰と誰の仲が良いかとか本当に色々と自分なりに頑張った結果なだけだよ?このグループが崩壊したらミィが悲しむもの。全力で守らせてもらう。
……あ、本来の目的を忘れかけてた。ギルドシステムが実装された後に、彼らにお願いしたいことがあったんだった。そしてその為に、今後やってもらいたいことも。
「っと。こんな事を言うために話しかけた訳じゃかったわ」
「ん?まだあるのか?」
「ここまでは前座よ。本題はここから」
現状ミィの指揮を行き届かせるには、最大でも一度の同行メンバーは24人3パーティ。狩場の占領や移動速度を考慮しても、これが限界となる。そして100人近い人数がいる【炎帝ノ国】を動かしていくためには、どうしても私だけでは目が足りない。ミィは象徴として輝き、それを私が支えたいけれど、こんな大規模のグループを動かしたことは無いし、どうしても届かない場所が出てくる。それカバーすることを実力があり、ミィ派にもツキヨ派にも属さない完全中立の四人にやってもらいたい。
「あなた方四人には、ギルドとして【炎帝ノ国】がなった時にシステム的な有無を問わず、【炎帝ノ国】運営側に
………いわば『幹部』に就いてもらいたい」
―――
「やっとみんな帰ったぁー……」
「お疲れさま、ミィ。ずっと話しっぱなしで疲れたでしょ?何か飲む?」
ミィに食べ物と飲み物を手渡しつつ考える。
ヴィトさんたち四人には、今のところ『幹部候補』としてこちらから保留にさせてもらった。流石に突然のことだし、ギルド実装自体がされるか分からない。それにヴィトさんは社会人でログインも基本的に夜が多い。
グループ【炎帝ノ国】である今からでも彼らにはやってもらいたい事があるので、予行練習、あるいは私とミィでは手が足りない為の補佐として少しずつ手伝ってもらうことの了解を得ただけで、今日は終わった。
「バンダナと統一装備のこと言うの忘れてごめんねツキヨぉー……」
テーブルにへばり付いて、ぐでーんとしてる可愛いミィを笑いつつ、気にしてないと告げる。
私はテーブルや装飾品、残った食べ物をインベントリに仕舞って片付けをする。現実と違ってここはすごく楽で助かります。
「あれは私にも原因があるし気にしてないよ。それに、不幸中の幸いとはいえウォーレンさんと和解できたし」
「………ウォーレン、さん?」
あぁ。やっぱり名前は覚えきれてないんだ。
「私が初めて【決闘】した槍使いだよ。ほら、ミィの『たすけて』で乱入したやつ」
「あぁ、あの人かー……私達はもう全然気にしてなかったけど、根に持ってたんだねー…」
「根に持ってたと言うより、気にしてた、かな?私がやりすぎたのもあるから、軽く事情説明して、謝って、自己紹介をやり直して仲直り。その後はミィ派の人との間を取り持ってくれたから、凄い助かったよ……」
候補者には入れていなかったけど、ウォーレンさんの喋りは気安く、正直言って話しやすかった。最も確執があって、それが解けたからこそ、私とミィ派との繋ぎ役にも適任だろうし、四人と一緒に『幹部候補』の一人としてあの場に連れて行きたかった。
……まぁ今後、話す機会はいくらでもあるだろう。その時に言えば良い。
「あ、ツキヨの後ろをついて行ってた人かー……あんまり喋らなかったから忘れてたよ」
ミィ……流石に顔くらい覚えてあげよう?ウォーレンさん報われないから。
「さて、片付け終わりっと。後はミィがぐでってるテーブルだけだよー?」
「……何から何までありがとうございます」
「テーブルも装飾品も料理も私が揃えたんだから、私が持ってるべきでしょ?それに、結構このテーブル気に入ってるし。NWO内でギルドホームかマイホームを買えるようになったら、そこに使うんだー」
結構おしゃれで、使い勝手のいいテーブル。後はこれに合わせた椅子を買えば良い。ギルドホームかマイホームは、街の中に入れない建物がいくつもあるから、そこがいずれ開放されるんじゃないかと思っていたりする。
「さて。もう日付け変わってるし、そろそろ落ちようか。明日は日曜日だけど、あんまりやりすぎると怒られる」
「うっ…確かにそうだね」
講堂の中をすべて片付け、忘れ物が無いか確認して外に出る。普段はこんな時間までログインしてないから、あまり見ない深夜帯のログインプレイヤーが多くいた。
ミィは演技疲れと気疲れで眠いのか、度々フラフラとしていた。
「ほーら、もう限界そうだし、ログアウトしよ」
「うん……じゃあ、おやすみツキヨー」
―――
「はぁ……取り敢えず今日はなんとかなったかなー?あー……もう疲れたー」
ここ数日の疲れがどっと出て、ログアウトした私は思わず愚痴をこぼしてしまう。
身体的には寝てただけなのに、精神的な疲れが大きすぎる。
「グループとして活動を始めたけど、やる事は変わらず素材集めにレベル上げ。統一装備は取り敢えず第一回イベントまでは装備の種類とデザインだけで様子見かなー。で、そこに『幹部候補』に練習もといお手伝いをして貰って、小隊規模の運用くらいはできるようになってもらおう」
やることが多すぎて嫌になるねー。
ツキヨ派の人は白を基調とし、ミィ派からは引き続き赤を基調とした装備を作りたいとの相談があった。しかも相応のステータスを持ち、【炎帝ノ国】であると明確に表現できるもの。中立派は貰えるものは貰っとくと言ってたから別に良いか。
「となると、基本的なデザインを統一して、カラーを二種類?でもそれだと今度こそ派閥として分離したように見えちゃう……」
視覚的に完全に分離してしまえば、それはメンバーの意識にも影響しかねない。完全に一つに統一すれば一体感が生まれ、二つにすれば分離する。実に分かりやすい。
「互いに互いの
例えば私なら水、あるいは双剣?
ミィなら火。
それとも………。
「……基調を白と赤の二種類にするか……ツキヨ派は白地に縁取りやデザインを赤主体にして、ミィ派はその逆。装備ステータスにもデザインにも拘って色の比率を調整すれば、それほど違和感は出ないかな?紅白で縁起もいいしね」
やはり互いをそれなりに混ぜ、対立ではなく調和を目指していこう。ツキヨ派……というかアレンやナイラー達に軽く話し、会議でもそっち方面に強く推してもらう。互いに納得させろと言ったし、私から調和路線の草案を言えば勝手に上手くやってくれる所だけは彼らの手腕を買っている。
前衛にはコートのようなものが良いだろうか?防御力も確保したいから、胸や肩などにアーマーを付けても良さそう。魔法使いはローブ。こっちは【INT】やMPを高める素材があると良い。
いつまでもウェインさんに頼むのも気が引けるし、【炎帝ノ国】には生産職プレイヤーもいる。スキルレベルが低いから、しばらくはスキルレベルを上げてもらうために待つかな……。
「はぁ……もう寝よ。明日……というかもう今日か、はログインしない。疲れたし、また月曜からゆっくりやろー……」
そうして月曜日にインした私は、面白い子と出会うことになる。
ツキヨさんは『ミィのため』でどこか突き抜けてる人です。80人を超える人を2日で覚えるとかどうなってるんでしょうね……。
【炎帝ノ国】で名前が出てるキャラってミィ、ミザリー、シン、マルクスしかいないからオリキャラもの凄い投入しやすい。
でもクロム的立ち位置の予定のヴィトさん、全然出せないや……
今後もほとんど出番の無いオリキャラが多数出てくると思います。
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