PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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 原作主人公が出るまで20話かかった……
 さて、そろそろ第一回イベントに行きたいな
 


PS特化と防御特化

 

 鬼だの悪魔だの人間やめてるだの言いつつ荒野を抜け、一度街に戻ったツキヨグループのメンバーは、今日はそこで解散。一時間とはいえ無限湧きを相手によく頑張ったとのことで今日は終わった。街に戻る頃には、ツキヨへの恨み言も統一装備への一歩ということで一応の収まりを見せた。

 

「じゃあウェインさん、この前のバンダナの依頼はこれで達成で良いですね?」

「あぁ、ありがとうよ。……にしてもまさか、本当に一日でアルマジロの甲殻を揃えてくるとはなぁ……無限増殖だから対処しきれず潰れると思ったぜ?」

「一時間の耐久レース。最後は140匹でしたけれど、他のメンバーが半分を受け持てましたからね。前にやった時よりも余裕を持って素材集めができましたよ」

 

 バンダナを他の仕事よりも最優先で作ってもらう代わりに、【炎帝ノ国】として受けた依頼。ツキヨ一人で片付けても良かったのだが、お金も払って一人でこれもやるとか馬鹿らしい、と思ってグループを巻き込んだのだ。

 ツキヨはすでに一度、一人でアルマジロを攻略済みだ。その気になれば甲殻なんて一人でも集められた。

 

「ツキヨが一人でも70近くのアルマジロを対処できる方が驚いたがな」

「できることとやることは違います。バンダナ作成資金は私が払ったのだから、あれくらい良いでしょう。それに、依頼から差し引いた100余りの甲殻は統一装備作成のために生産職メンバーのスキル上げに活用しますから」

「なるほど。統一装備はグループ内で作るってか。これで俺はお役御免ってわけだな?」

「さて。今のところウェインさんの方が腕が良いので、頼む時は頼みますよ」

「ならいい。ツキヨは他の奴らよりとっつきやすいからな。上客は捕まえとくに限る」

 

 【炎帝ノ国】への勧誘を一方的に断っといて良くもいう。

 

「さて、あなたからの依頼は【炎帝ノ国】のメンバーとして片付けたので、今日はこれで。また依頼が有れば、その時は」

「あぁ。気長に待ってるぜ」

 

 そうしてウェインの店を出たツキヨは、やることが無いので西の森に散歩に出かけることにした。

 西の森は初心者にも優しいモンスターが多く、今のツキヨにとっては完全に物足りないモンスターしかいない。しかし、だからこそ散歩コースとして向いているのである。

 

「東は強いし北は状態異常系のモンスターばかり、南は地底湖…一番安全なのが西しかないしね」

 

 レベリングでもないのなら、また街にいても【炎帝ノ国】のメンバーに合う可能性が高いため、フィールドに出ることにした。

 

 

 

「んー……やっぱり弱いわねぇ…」

 

 適当に襲ってくるモンスターを斬り刻みつつ呑気に散歩をするツキヨ。その間も全て弱点に当てているのだから恐ろしいが、アルマジロほどの密度で襲ってこない為欠伸が出た。

 そうして気ままな森の散歩を続けている。

 

 

 

 

「………!……っ!!」

 

「ん?なんだろ?何か聞こえた?」

 

 たぶん、人の声だったと思う。それも、悲鳴やあわてるような雰囲気ではなかった。むしろどこか、楽しそうな……。

 

 それが気になったツキヨは、声が聞こえた方向に自然と歩を進め、目に映ったのは。

 

「兎さああああああああん!」

 

「………なにあれ?」

 

 空中に散るポリゴンの粒子を涙目で見つめ叫ぶ、初心者装備の黒髪少女だった。

 身長は150無いくらい。大盾を持っているから、防御特化だろうか。中学生くらいに見える。

 兎と言ったから、ツキヨも最初に戦った白い角兎(アルミラージ)だろう。

 

「はぁ……何で死んじゃったの……もう倒す気なんて無かったのに……」

 

 その言葉を聞き、ツキヨは不思議に思う。

 倒す気が無いのに、モンスターを倒すってどうやるのか、と。確か掲示板の情報では、防御特化の大盾、VIT極振りにしても兎の攻撃を跳ね返すのがやっとだったはず。しかも兎は殆どダメージも負わない。なのに、攻撃を与えずに倒すという意味の分からない状態。

 

 その間も少女はレベルアップに喜び、ステータスポイントを振っていた。

 

「……気になるわね」

 

 ツキヨは【気配遮断Ⅲ】を使いつつ、少し様子を見ることに決めた。

 

 

―――

 

 

「何あの子ばけものすぎる……」

 

 もう、なんて言えばいいのか分かんないよ……。フォレストクイーンビーという蜂型のモンスターの針をくすぐったいで済ませるし、大ムカデの牙は刺さらないし……並の大盾を超える防御力持ってるよ……。

 

 あ、毒かかった。流石にクイーンビーからあのAGIじゃ逃げ切れないし、毒でやられちゃうかなぁ……?

 

 

 あ、あれ…HPが減らなくなった。あ、耐性?じゃあもしかしてこの子……

 

 

 

「はぁ……ホントに倒しちゃった」

 

 30メートルほど離れた位置から【遠見Ⅶ】で観察していたが、やばいわあの子。何がやばいって全部がやばい。

 

「多分、防御系のレアスキルよねぇ…」

 

 兎より遥かに上の攻撃力を持つモンスターの攻撃も無効化してるし。今も多分VITにステータスポイント振ってるし。

 

「ちょっと失礼して……【ウィークネス】」

 

 敵対してる対象の弱点を見抜くスキル。使用した瞬間、私の視界内にモンスターに重なるようにいくつもの赤い線が現れる。それは首であったり、足であったり、目や口、関節部分にも何箇所か見える。ここを斬れば弱点補正に【切断】の防御貫通が加わり、殆どの相手は倒すことができる。そしてプレイヤー相手にはVITが低いほど全身が弱点になる。たぶんVITゼロの私は、どこに攻撃を受けても一撃死することだろう。

 

「……だーめだ。VITどんだけ高いのよ。もう関節も通じないじゃん」

 

 そうして見えたのは、全身オリハルコンででもできてるんじゃないかと思う防御力の少女だった。絶対に無くならない弱点部分である目と口を除き、もう首しか弱点が無い。大盾で防がれ、目と口を閉じられたら私に手出し出来る方法が無くなるんだけど……。頭をかち割ろうにも剣の方が折れそう。

 いやまぁスキルの重ねがけにDEXがかなり上がったから、弱点補正が無くても【STR70】ほどで計算される程度にはステータスは上がっている。でも、彼女は貫けないだろう。

 私のSTR自体は低いし、たぶん現状で通じるのは【水爆】だけだろう。今後【INT】系のスキルも取らないと彼女みたいなプレイヤーを相手にできない気がする。

 

「さーて、面白いものも見れたし、今日はログアウトしよー」

 

 

 

 

 翌日。

 今日もログインしたツキヨは、前日とは違うグループに嘘をついてアルマジロに特攻させつつ、ウォーレンとヴィトに白い目で見られた。特にウォーレンは、前日に既に依頼が済んでいると知っているから尚更。

 そこでは鬼!悪魔!ツキヨ!とツキヨ派にも叫ばれ、『ツキヨを悪口に加えたやつ、20匹追加』をして天使様女神様ツキヨ様!と真面目なプレイヤーを増やした。

 今度は流石に嘘だと明かし、だがこの素材を生産職のメンバーに渡し、スキルを上げてもらい統一装備をなるべく早く作れるよう後押しすると伝えると、やはり機嫌を治すグループメンバー。ツキヨは黒い笑みを浮かべた。チョロい。

 

 この日もこの一時間で終了し、町に戻ったら自主解散とした。レベリングにはならないが、大人数での冷静な対応や連携、即座かつ密な情報のやり取りを磨き、この二グループはプレイヤースキルを一気に飛躍させてミィグループを驚かせた。

 しかし、どうやったかと聞かれると青い顔で体を震えさせ、二度とやりたくない地獄を味わった……と総じて口を噤んだという。

 

 

―――

 

 

「ふぅ……掲示板、結構あるわね」

 

 NWOの掲示板はNWOの中からも外からも見れるし書き込めるため、情報収集に活用している。

 その中には月夜にとって不愉快なものもある。

 

「……相変わらずこの掲示板はどうにかならないかしら……」

 

 『ツキヨちゃん綺麗すぎ』や『ツキヨちゃん強すぎ』スレならまだ良い。『凄い双剣見つけた』は最初の頃からだしまだマシだ。許せないのは『ツキヨ様に斬られたい』と『ツキヨちゃんエロかわいい』の二つ。特に斬られたい。お前らどこのアレンとナイラーとキースとゼストだ。絶対にここに書き込んでる大剣使いと魔法使いと弓使いと短剣使いってお前らだろ?そう言え。

 

 そんな不快感を抑えつつ、きっとあるだろう新着スレを探す。

 

「………あった。あの子の掲示板」

 

 今日もその子を観察し、また変なことをしていたのを目撃した月夜は、そろそろ出てるだろうと予想し、予想通りに見つけた。

 そして、少しだけ会話に混ざることにした。

 

 

―――――――――

 

【NWO】やばい大盾見つけた

1名前:名無しの大剣使い

 やばい

 

2名前:名無しの槍使い

 kwsk

 

3名前:名無しの魔法使い

 どうやばいの

 

4名前:名無しの大剣使い

 何か西の森で大ムカデとキャタピラー数十匹に取り囲まれながら佇んでた

 

5名前:名無しの槍使い

 は? あり得なくね

 普通死ぬだろw いくら大盾装備でも

 

6名前:名無しの弓使い

 >1

 強力な装備だったとか? そこんとこどうなん

 

7名前:名無しの大剣使い

 見た感じは初期装備だったはず

 

8名前:名無しの双剣使い

 私も見たわ

 何であれだけの芋虫とムカデの中で平然としてられるのかしら……

 ちなみに昨日も見かけたわよ

 フォレストクイーンビーの針をくすぐったがってたわ

 

9名前:名無しの魔法使い

 は? あの蜂って攻撃力けっこうあるだろ

 それにその状況で死なないのはダメージを無効化してる?としか……

 

10名前:名無しの槍使い

 そんなこと出来るか?

 

11名前:名無しの弓使い

 確かβテストの時の検証で防御を極振りしても白兎の攻撃を耐えられるだけだったはず

 

12名前:名無しの槍使い

 ゴミじゃねぇか

 

13名前:名無しの大盾使い

 俺多分そいつ知ってるわ

 

14名前:名無しの大剣使い

 教えてくれると嬉しい

 

15名前:名無しの大盾使い

 プレイヤーネームは知らんが身長150無いくらいの美少女

 歩く速さからしてAGIはほぼゼロっぽい

 ちなみに俺が同じことしたら一瞬で溶けますはい

 

16名前:名無しの双剣使い

 補足するとスキルを発動してる様子もなかったから、完全にVIT値で受けてたわ

 VITをかなり上げるレアスキルかもしれないわね

 

17名前:名無しの魔法使い

 やっぱ極振りに隠しスキルか?

 

18名前:名無しの槍使い

 あーそれっぽいなっていうか女かそれも美少女か

 

19名前:名無しの弓使い

 ほうそこに目をつけましたか

 俺もだ

 

20名前:名無しの双剣使い

 ここにも女はいるのだけれどね

 確かに可愛かったわ

 ………このロリコン!

 

21名前:名無しの槍使い

 ありがとうございます!

 

22名前:名無しの弓使い

 ありがとうございます!

 

23名前:名無しの魔法使い

 本気で変態かよ……てかロリか

 ……ありだな

 

24名前:名無しの大剣使い

 変態湧きすぎだろ

 まーまた追々情報集めるしか無いか

 トッププレイヤーになるのなら自然と名前も上がってくるだろ

 

25名前:名無しの槍使い

 白銀のようにな

 

26名前:名無しの弓使い

 白銀のようにだな

 

27名前:名無しの魔法使い

 ホントに白銀は一気にトッププレイヤーになったもんなープレイヤースキルだけで

 

28名前:名無しの大盾使い

 その話しは他のスレにいけ

 また何か見かけたら書き込むわ

 

29名前:名無しの双剣使い

 私も見かけたら書き込むわ

 

30名前:名無しの魔法使い

 情報提供感謝します!(敬礼)

 

 

―――――――――

 

 

 

「はぁ……思いの外、面白いわね……というか、間違いなく白銀って私よね……装備的にも」

 

 




 
 ツキヨさん、気付いたら掲示板してた……
 おかしいな……そういうのに疎い予定だったのに、いつの間にか思いもよらない行動をしてる。
 あ、ツキヨさんが掲示板に書き込むのはあんまりないと思います。
 というか掲示板回自体少なめです。
 正直、作者は掲示板の数字や名無しの~やいちいちの改行が面倒でやりたくない。
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