PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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やっと出したいキャラ最後の一人出せたー的な。
 


PS特化と回避特化

 

「ふんふふんふんふーん」

 

 第二層が実装された日、多くのプレイヤーが二層に行くためのダンジョンに挑んでいる中で、ツキヨは真逆の方角である南の地底湖に足を向けていた。

 目的は統一装備の素材集めである。

 

「動物系の素材はミィじゃ焼き尽くしちゃうし、簡単に量を集められるのは初心者やオルグたちに任せるから……」

 

 昨日、会議をバックレて替え玉を用意した本物のオルグたちには、集めるのは楽だが一番量のいる素材を初心者を率いてやってもらっている。もちろん、『幹部候補』を交代で一人で見張りにつけ、妙な真似はしないようにした。

 他にも生産職メンバーの指示で鉱石採取班。

 空いている『幹部候補』及び高レベルプレイヤーが協力しての採取が比較的難しい素材班。

 ツキヨやミィも全体の進捗確認のために全体を見て回るが、基本的にいつも忙しい二人には、それぞれ簡単だが量のいる、ただし量も集めやすい素材を集めることになった。

 二人共簡単なので素材集めの一週間の内、半分は演技しないで大丈夫な一人行動である。

 

「私は地底湖で白い鱗。ミィイメージと中立の前衛装備のアーマー素材。ミィは魔法系のステータスが上昇する樹皮素材。どっちも採取しやすくて数も集めやすい。いやはやたまにはこんな風にのんびりできて嬉しい限りだよ」

 

 

 そう口ずさみながら地底湖にまでやって来ると………なんか黒い人型にモンスターが群がってた。

 

「………うん、メイプルだ」

 

 寝てる?いや、ぼーっとしてる感じだけど何してるんだろ?モンスターに襲われる事に快感を……そしたらメイプルちゃんを今後直視できなくなるんだけどさ……。

 

「え、えっと………メイプル、よね?」

「ふぇ……?あ、ツキヨさん!」

 

 やっぱり黒い鎧だしメイプルちゃんだったけど、本当に何やってるの?

 

「えぇっと……モンスターに群がられてるのは、普通の人なら一瞬で死ぬわよ?流石の防御力ね……じゃなくて」

 

 あまりに不可思議で理解不能な行動過ぎてパニックになってる。落ち着け私。私はツキヨ。常に冷静さを崩さず冷徹に敵を狩る女剣士。

 

「……ここで何をしていたのかしら?見た所、ただ寝てるだけにしか見えなかったのだけれど」

「あはは……実は何か新しいスキルが見つからないかと思って!」

「そ、そう……」

 

 もうこの子分かんない……。

 

「こうやって……【挑発】!……来た来たぁ!これで耐えてたら、防御系のスキル取れそうじゃないですか!?」

「そ、そうね……楽しそうで何よりだわ」

 

 自分から大量のモンスター呼び寄せてるし……それでスキル取れるの?いや、前に何十匹ってモンスターの中で寝てたや。メンタル鋼鉄ででもできてるのかなー……。

 

「そうだ!ツキヨさんに言いたいことあったんです!良いですか?」

「な、何?」

「イズさんのお店で教えてくれたこと、ありがとうございました!ツキヨさんのお陰で装備も手に入って、強くなれましたから」

 

 あぁ、なるほど。私が言ったこと実行したんだ。ってことはやっぱり予想通り、予想以上の進化を遂げてたのねメイプルちゃん。

 

「と言うことは、メイプルの装備もユニークシリーズなのね。流石だわ」

「じゃあやっぱりツキヨさんもなんだ……えへへ。ありがとうございます」

 

 基本良い子なのに、どこかネジが一本抜けてるのがメイプルちゃん。天然で突拍子もないことを平然とやるのがメイプルちゃん。それが平常運転これが日常………うん。やっぱりこの子おかしい。

 

「じゃあ、私はこの奥の地底湖に用があるの。もう行くわね」

「あ!地底湖には私の友達もいるので、一緒に行きます!」

 

 かぁぁいい……じゃなくて。本当にメイプルちゃんって人を疑わないよね……。まぁそれが良いところだから、ぜひそのまま可愛くいてくれと思うけど。

 

「そう言えばフレンド欄にパーティを組んだマークが出ていたわね。その子かしら?」

「はい!サリーって言うんですけど、今地底湖を潜ってると思います!」

「潜る……」

 

 潜ってるってことは、あの洞窟見つけたのかな?私は青銀色の鱗を集めるために放置し、一度だけ見たけど迷路みたいで時間的にもスキルレベル的にも諦めた水中洞窟。

 

「サリーが言うには、現実で出来ることは、ある程度VR世界でもできる……?らしいです!プレイヤースキルっていうやつで!」

「知っているわ。私、一部で『プレイヤースキル極振り』なんて呼ばれているもの」

「極振り!ツキヨさんも極振りなんですか!?」

「ステータスは普通よ。私の戦い方がプレイヤースキルに依存しているから、そう呼ばれているだけ。事実、プレイヤースキルでこの前のイベントでペインに勝ってから、そう呼ばれだしたのよ」

 

 『も』って言うことはやっぱりメイプルちゃんはVIT極振りなんだ……。思い切りがいいよね。

 

「ペイン……?」

「有名なプレイヤーは知っておいた方がいいわ。ゲーム内最高レベルプレイヤーで、第一回イベントでは一位確定と目されていた人よ。私が直接倒してペインのポイントを三割奪った。結果ペインのポイントは獲得の七割に落ち、五位に転落。繰り上がりでメイプルが三位になった」

「あれってそういうことだったんだ……じゃあツキヨさんが私を三位にしてくれたってことですね!」

「偶然よ」

 

 どちらかといえばミィと表彰台に上がりたかったし!ドレッドさんもできれば倒したかったけど時間足りなかったし!

 

 

「ぷはっ……!はぁ……はぁっ……ただいまーメイプル。……その人は?」

「おかえりサリー!この人はツキヨさんだよ!ツキヨさん、こっちは友達のサリー!」

 

 メイプルと地底湖のほとりで話していると、茶髪の可愛いというより格好良い系の子が水から出てきた。装備は初期装備ってことは友達っていうのは現実の方でもかな。

 

「はじめまして、私はツキヨ。双剣使いよ」

「確か…第一回イベント一位の『比翼』ですよね。サリーっていいます。武器は、短剣」

「へぇ、良く知ってるわね。初期装備ということは始めたばかりでしょう?」

「それなりに調べてますから」

 

 なるほどなるほど……?短剣使いって事はAGI特化かな?泳げるってことは多少はAGIとDEXにステータスあるってことだよね。メイプルちゃんが火力持ってるから、短剣使いでも良いのか。

 

「それで、ツキヨさんはどうしてここに?今日から二層が実装されてますし、そっちに行くと思っていたんですけど」

「【炎帝ノ国】は知ってるかしら?」

「エンテ○?」

 

 私を知ってるなら、ミィも知っててほしかったよ……。メイプルみたいな反応してるし。

 

「国民的ゲームの方ではなく。炎の帝で炎帝よ。私の友人がリーダーを務めるNWO最大にして唯一のグループ。参加人数は100人を超えるわ。そのグループで統一装備を作ることになり、私たちは素材集めというわけ」

「なるほど……私、たち?」

「安心していいわ、今は私一人。ここにも、素材の白い鱗を取りに来たってわけ」

「一人で全員分ですか?」

「ま、そういうことね」

 

 言いながら、地底湖の水面に釣り竿をぽちゃんと落とし、ものの数秒でかかる。

 

「ほいっ」

「はやっ!?」

「AGIとDEXが高いとあんなに早くかかるんだ…」

「とまぁこう言うこと。他にもメンバーの一部に『いつも忙しいリーダーとサブリーダーは偶には楽をしてください』と言われたのも原因だけれど」

 

 内面はわかり易かったけど。どうせ私かミィが引率で連れていけば、強い敵と戦わされる。それが面倒だったんだろうなー。

 

「サブリーダーなんですね」

「えぇ。成り行きだけれど」

「サリー、ツキヨさんは私にユニークシリーズのこと教えてくれたんだよ!」

「ツキヨさんが?」

 

 ……そのツキヨ『さん』っていうの、やっぱり慣れない。というかサリーちゃん見てて思うけど、多分年同じくらいだ。敬語もやめてもらいたい。メイプルちゃんは中学生にも見えるのになー。

 

「その、ツキヨ『さん』というの、いらないわ。おそらく年も同じくらいでしょうし、敬語もなしで構わない」

「えっと……全然年上に見えるんだけど……ツキヨさんいくつ?」

「16」

「うそ!?」

「本当に同い年なんだ……。じゃあお言葉に甘えて、ツキヨって呼ばせてもらうね」

「こちらもサリーと呼ぶわ」

 

 心の中じゃサリー『ちゃん』だけど。

 なんて話しながら、30匹ほど魚を釣った所で、青い鱗を持つ魚が釣れた。

 

「えぇ!?なにそれ!」

「綺麗な青色の鱗だね」

「白い魚の群れのリーダーね。かなりのAGIとDEXが無いと釣れないけれど、その分青銀色の鱗は素材として良いものよ」

 

 私には必要ないから、サリーちゃんにでも記念にあげよう。

 

「……良いの?」

「メイプルは知ってるでしょうが、イズが作った双剣にかなりの量使われているわ。もう私には不要なものだし、釣りでは滅多にかからないわ。水中だと水に溶け込んで見えないし。市場にあまり出回らないことと、素材としての質も高いから、街で売れば高値で買い取ってもらえるわよ」

「だったらどうして……」

「既にそれを使った装備を持っていること、もう一つは、それを売っても私にとってははした金だわ」

「お、お金持ちなんだ……」

「ゲーム内はモンスターを狩ってお金を貯められる。その意味では、誰でもお金持ちになれるわ」

 

 それと長が釣れちゃったからこの辺は暫く釣れないし。……そうだ。私が釣りしててサリーちゃんに釣り針が当たったりしたら嫌だから、私も潜ろうかな。

 

「サリー。あなたまた潜るかしら?」

「え、そりゃあ潜ろうかなとは思うけど……」

 

 視線を地底湖の、それも一点に向けられた方向が、明らかに私の知ってる洞窟にあった。

 

「水中洞窟なら知ってるわよ」

「っ!……知ってたんだ?」

「青銀色の鱗を釣るのは時間がかるから、私もここを泳いだのよ。その時に見つけたわ。けれど素材集めに専念して、洞窟そのモノは放置した。一目見た時に迷路状で時間がかかると分かったもの」

「そっか……。もしかしたらもうクリアされてると思って焦ったぁ……」

「私のユニークは別の場所よ。【水泳】【潜水】もレベルは高くない。ここの事は誰にも話していないから、クリア者は誰もいないはずよ。だから安心して攻略していい。私は白い鱗の為に潜るだけだもの」

「そういうなら、まぁ良いか」

「え、えっと……つまりどう言うこと!?」

 

 あー…なんか私を怪しんでると思ったらそういう事か。サリーちゃんは私と同じなんだね。相方がなんだかんだ心配で、どうしても世話を焼いちゃう。

 やり方は違うけど、考え方も違うけど、()()()()()()ってことだけは一致してる。

 そしてメイプルちゃんは気付いてない。

 さて泳ぐから、VR的に意味はないけど準備体操を軽くして、行きますかね。

 

「ふふっ……二人の仲が良いということよ。じゃ、私は潜るわ」

「あ、私も行く……メイプル、時間測ってて」

「わかった!行ってらっしゃーい!」

 

 

 ざぶん、と水の中に入ると、地底湖の冷たさが全身で感じる。露出多いしけど着衣泳だし。でも水着みたいで重くはない。

 サリーちゃんは潜ると、目の前にいる魚だけ手早く倒して洞窟の中に入っていった。これなら邪魔は入らないね。

 

 ここの魚なら【血風惨雨】で蹴散らせるけど、手の内を見られる危険は減らしたいなぁ。

 

「双剣で良いか」

 

 取り敢えず『薄明・霹靂』を抜き、そっと近寄る。水の抵抗が大きいので、斬撃はしならせるだけ。だから突く。

 

「ほっ……よっ、はっ!」

 

 群れ単位だから青い長を探す必要もない。次々に仕留め、白い鱗を集める。

 うん。やっぱり釣りの動作がない分、そして二匹以上を同時に仕留めることもできる分こっちの方が早いなぁ。

 あ、【血塗レノ舞踏】と【剣ノ舞】発動してる。魚を倒す時に多少移動するだけで回避判定入ってるんだ。まぁこれ以上の攻撃力は今いらないし、適当に解除しておこう。

 

 そして、15分ほど魚を斬っていると、サリーちゃんが浮上してきた。休憩かな?スキルのレベルは上げ始めてるけど、そんなに育ってないんだね。

 私は今【水泳Ⅴ】【潜水Ⅴ】で最大25分潜っていられるけど、もう150匹近く倒したから少し休憩しよー。

 

「二人共凄い潜ってたね!サリーも15分だよ!」

「ツキヨはスキルレベル低いんじゃないの?」

「高くはないとは言ったけど、低いとも言ってないわ。半分よ」

「あぁ、なるほど。余裕ありそうだし、まだ潜れるんだね」

「最大25分ね。ただ、ギリギリまで潜ると精神的に負担があるため、少し早く切り上げるのよ」

 

 この調子なら一回フルで潜れば200枚は取れる。必要枚数は一人30枚で30人程度……まぁ、あと五、六回潜れば溜まるかな。

 余裕あるし、ゆっくりやろー。

 

「悪いけど、私も明日も素材集めにここに来ることになるわね」

「別に私達だけの場所って訳じゃないし……良いよねメイプル?」

「うん!ツキヨなら全然大丈夫だよ!」

「助かるわ」

 

 

 こうして、私とサリーちゃんはフレンド登録をした。




 
 拙作だと、メイプル、サリー、ツキヨ、ミィは16歳で扱ってます。
 原作の時間軸だったり、おおよそ解ってる季節だったりからの自己解釈です。
 もしかしたら原作で出てるかも?それなら私見落としてるな!まぁ気にしないけど!

 一回、間違えて『現実の分まで』の方に予約投稿しちゃって本気で焦った。
 
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