PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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 えー……ほんっとうに申し訳ありません!

 今頃気付きました。投稿順まちがってると。
 『PS特化と自由の弊害』の前に1話飛ばしてると!私もだけど、誰も気づかなかったことに今更ながら驚愕です。
 いや、これ本当に間違えた私が言えたことじゃ無いけど!
 なので、今日と6日の投稿は、それぞれ挿入投稿となります。
 ご迷惑おかけします。
 


PS特化と受け渡し

 

 月夜と美依が二層へ上がれるようになってから数日。

 【炎帝ノ国】の統一装備の素材がほぼ全て集まった頃、第二回イベントまで残りが三週間と少しとなった。

 

「月夜に言われて装備を先にして良かったね……二層攻略に乗り出したら間に合わなかったかも」

「だね。イベントは通知が来てた日から約一ヶ月後で時間加速がある、か。今からだともう三週間と少しだね……途中ログアウトしたら、再参加はできないんだって」

「置き去りにされるもんねー」

 

 そんな訳で二人は朝から学校で話している訳なのだが、【炎帝ノ国】でやる事が多すぎて項垂れていた。

 

「二層攻略どうするー?みんなを手伝うとしても人数多すぎだしさー」

「実力ある人は自分で上ってもらおうよ……で、初心者は装備できてからで良いんじゃない?やるとしても『幹部候補』だけにしよう。流石に大所帯はキツイって」

 

 特に二層に上がるためのダンジョン攻略は、人数が多すぎるため面倒の最たるものだった。つい二、三日前に『みんなのため』と言い訳をしたのは何だったのか。

 実際、美依と月夜が突出しているだけで、レベルもプレイヤースキルも高い人はいる。そういう人には、自分で挑戦してもらおう。

 

「私達自身のレベル上げなんかもしたいし、いっそ『我々は先に二層で待っているぞ!』ってしたいくらいだよぉ……」

「……美依の思う通りで良いんじゃない?『常に私達がいられるわけじゃない。自らの力を試す絶好の場所だ』とか言ってさ。実際、ボス戦で冷静に戦えないなら集団戦じゃ最悪の場合全く機能しなくなるよ」

「は、はっきり言うね……でも確かに、いつもは私か月夜、『幹部候補』がいるって安心感が強いか……『ボス戦を自分の力で戦えなければ、まだ二層でやるには実力が足りない』って感じで良いかな……そこまで面倒見なくて良いでしょ」

「だねー」

 

 そんな訳で、【炎帝ノ国】を引っ張る側である『幹部候補』は最速で上げるために手伝ったとしても、他は実力で上がってもらうことにした。

 

 

 

―――――――――

 

 

532名前:名無しの大盾使い

 皆もう二層には行ったか? 俺は無事に二層に入ったぞ

 

533名前:名無しの槍使い

 おう

 ついさっき勝って二層に入ったところだ

 

534名前:名無しの大剣使い

 俺も無事勝利

 

535名前:名無しの魔法使い

 俺も

 勝ったぜ

 やったぜ

 

536名前:名無しの弓使い

 俺は別件でまだ到達してない

 

537名前:名無しの双剣使い

 >536には悪いけど

 ミィと二層に上がったわ

 情報収集だけのつもりが 思いの外弱かった

 

538名前:名無しの槍使い

 あれ? 俺ら割と強くね

 

539名前:名無しの大盾使い

 >537

 お前最速で行ったんじゃなかったのか

 二層では見かけてないけど

 

540名前:名無しの双剣使い

 グループの方でやる事があったのよ

 まだ一層を中心に動いてる

 

541名前:名無しの大剣使い

 おつ

 俺はメイプルちゃんがいつ二層に入ってもいいようにレベル上げてたら

 

 第一線の仲間入りですよ

 

542名前:名無しの弓使い

 >540 我々のためにありがとございます!

 

543名前:名無しの大盾使い

 そんなメイプルちゃんだが

 まだ二層には行ってないっぽい

 っていうかパーティ組んだ表記が俺のフレンド欄に出てるんだけど

 ツキヨなんか知ってる?

 

544名前:名無しの双剣使い

 メイプルのリア友ね グループの仕事してたら遭遇したわ

 

545名前:名無しの魔法使い

 ちょっとそれ詳しく

 

546名前:名無しの双剣使い

 メイプルといれば自然と名前も広まるでしょうから…… 少し纏めるわ

 

 名前はサリー

 装備からしてAGI特化の短剣使いね

 私の用事とメイプルたちの用事の場所が被って遭遇したわ

 フレンド登録もした

 可愛いというより格好良い系よ

 

547名前:名無しの槍使い

 意外

 魔法使いか弓使いだと予想してた

 

548名前:名無しの魔法使い

 俺も

 

549名前:名無しの弓使い

 AGI特化ってあんまり強くなさそう

 

550名前:名無しの大剣使い

 防御力無いから一撃で終わりだもんな

 しかも火力ゼロ

 

551名前:名無しの大盾使い

 このスレにAGI高くて火力もアホ高い比翼がいるけどな

 しかも『当たらなければどうと言うことはない!』を実践したやべー奴

 

552名前:名無しの槍使い

 確かに

 

553名前:名無しの魔法使い

 確かに

 

554名前:名無しの弓使い

 ってことはサリーちゃんって子はツキヨ様みたいなバケモノ回避術でも身につけてるのか!?

 当たらなければどうということはない!二代目か!?

 

555名前:名無しの大剣使い

 メイプルちゃんの友達なら絶対普通じゃないもんな

 

556名前:名無しの槍使い

 まぁ多分勝手に頭角を現してくるだろ

 

557名前:名無しの双剣使い

 運動神経は良かったわよ

 回避は見てないけれど相当VR慣れしてるように感じたわ

 

558名前:名無しの魔法使い

 次のイベントで判断できそうだな

 

559名前:名無しの槍使い

 イベント一ヶ月後だっけ

 それだけあれば多分鍛えてくるだろうし

 プレイスタイルも見れるな

 

560名前:名無しの大剣使い

 あー早く次のイベント来いよー

 その子の実力気になってしゃーない

 

 

―――――――――

 

 

 

「ふぅ……もうイベントのことしか話してないし、書き込まなくて良いかな」

 

 というか、学校から帰ってまずすることが掲示板を開くことだなんて、大分ゲームに浸食されてきたなぁ……楽しいから仕方ないけど。

 

 イベントについては正式発表もまだだから、予想を言い合ってるだけで益もなし。

 

「今日やることは……なんだっけ?」

 

 あぁそうだ。各班から装備素材が揃った連絡があったから、生産職メンバーに受け渡すんだった。その間にミィが、第二回イベントまでの大凡の予定を話しておくって言ってたっけ。

 

「今後の予定は、取り敢えず暫くは一層、二層でプレイヤーが分かれるから、ある程度全員が上がるまで活動は控えめ。

 統一装備が揃い次第、初心者も二層に上げてイベント内容によっては会議と。

 まぁ約一ヶ月……と言っても三週間と少しか。装備は二週間かかるから、会議も活動も最後の一週間になる……ってことは」

 

 ふふっ……少なくともこれから二週間は自由な時間が増えて、ミィと遊んだり新スキル探したり探索したり……色々できるってことだね。

 

「二層でAGI系のスキルが取れるみたいだし、この【超加速】を取るために、取り敢えずレベル40まで上げないとなぁ……」

 

 AGIの要求ステータス【70】。装備無しでのものだから、今の私じゃ足りない。

 レベルは36。ここからレベル40まで上げれば、丁度ステータスが足りるはずだ。

 

「ミィには悪いけど、しばらくレベル上げに勤しませてもらおーっと」

 

 もちろん、【炎帝ノ国】関連も疎かにはできないけどね。

 

 

―――

 

 

 一層には共同生産所という、自分の店を構えるまで利用できる生産職専用の工房がある。

 お店は街の中に借りられるため、必要資金さえ用意できればすぐにでも持てるのだが、ここは多数のプレイヤーが共同で装備を作る際にも有効だ。

 そのため【炎帝ノ国】に所属する生産職メンバーも今回の装備作成にはここを利用する予定だ。

 

「お邪魔するわよ」

「あ、いらっしゃいツキヨさん。素材が揃ったらしいですね」

「えぇ、素材を届けに来たわリン。ドヴェルグの所に案内してちょうだい」

 

 ツキヨがその中に足を踏み入れると真っ先にリンが出迎えてくれたので、【炎帝ノ国】生産プレイヤーのまとめ役(のような人)の所に案内してもらう。

 ツキヨとしてはまだ未定だが、ギルドシステムが実装された時には生産部門としてドヴェルグに任せる考えだった。

 

 そこかしこで槌を打つ者、木を削る者、布を織る者、その他大勢が作業をしていて、皆真剣な表情を浮かべている。それは……そう。全力で強大なモンスターに挑むプレイヤーの顔だ。

 

「戦闘職は戦いに全力を向けるけれど、似た空気を感じるわね」

「あ、分かりますか?私達にとって、生産が戦いです。戦闘が苦手でも、戦闘職プレイヤーに最高の装備を作るために一生懸命なのです」

 

 もちろん、誰かのためにだけじゃなく、純粋にモノ作りに情熱を向ける人もいますけど、と笑うリン。ツキヨはリンも戦闘が苦手なのかと聞くが、そうでもないらしい。リンは付け加えられた後者の方。純粋に生産そのものを楽しんでいるらしい。

 

「いろんな素材を使って、全く別の形に、装備になることが面白いんです。だから私は専門というものが無くて……よく、一つに絞れと言われるんですよね」

 

 あはは……と微苦笑を浮かべるリンに、確かに一つに絞った方が効率的だとも思う。

 戦闘職の魔法使いは、あらゆる場面に対応するために二つ以上の魔法を使う。

 前衛職だって、牽制に魔法を使うこともある。

 けれど、生産は逆だ。一つを高め極めることで、高品質の装備を作る。サブに別の生産をする人もいるが、一人で全部をこなす者はそういないだろう。だから、他の人が言うことも間違いではない。

 でも。

 

「ごめんなさい愚痴みたいなこと言っちゃって」

「良いんじゃないかしら、別に」

「え?」

「結成式の日も言ったでしょう?ゲームは楽しんでこそなのだから、自分の好きなプレイスタイルを貫けばいい。私もミィもそうしているし、貫いた先で見えるモノもある」

 

 その最たるものが、ツキヨやメイプルなのだろうと思う。器用さに特化し、弱点狙いのプレイスタイルを確立したらどんどんチートと化したツキヨ。

 防御力に極振りしたら、異常な防御力でイベント三位になったメイプル。

 

「それに、一つを極める事は良いことだけれど、視野を狭めるわ」

「視野を、せばめる……」

 

 ミィは、一つを貫きたいという考えがあった。演技でも素でも『焼く』ことを楽しみ、八つ当たり気味に『絶対焼く!』と叫ぶこともある。

 けれど、リンは逆だ。

 

「色々な技術を持てば、その分視野が広がる。リンにしか見えないものが、いつか見えるかもしれない……好きに楽しみなさい。ゲーム(NWO)とはそういうものよ」

「えへへ……ありがとうございます」

 

 今までリンのスタイル(やりかた)を無条件に肯定したのは、ドヴェルグだけだったらしい。同じことを言ったツキヨに、リンは今度は苦笑ではなく柔らかい笑みを浮かべていた。

 

 

 

「着きましたよ。ここがドヴェルグさんの作業部屋です」

「えぇ、ありがとうリン。案内感謝するわ」

「いえ!私も愚痴みたいなこと言っちゃって……励ましてもらいましたし、ありがとうございます!」

 

 そう言って立ち去ろうとするリンに、ツキヨは最後に声をかけることにした。

 

「ねぇリン」

「はい?なんですか?」

「一つアドバイスよ。全く役に立たないようなスキルでも、他のスキルと組み合わさることで予想外の効果を発揮することがある」

 

 それは自分が持つ不遇としか呼べないスキル。

 【精密機械】と【切断】、【ウィークネス】

 【刺突剣】と【曲剣の心得】

 【血塗レノ舞踏】や【剣ノ舞】

 一つ一つでは使い勝手が悪い、デメリットがある、使いこなすのが難しいスキルが数多く。

 けれど、【ウィークネス】で弱点を探り、【切断】を乗せた【精密機械】のダメージ計算は脅威だ。

 【曲剣の心得】で習熟したフルーレのような双剣の扱いは、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 【血塗レノ舞踏】と【剣ノ舞】は維持が難しいが、使いこなせばダメージを倍にできる。

 

「何でも試しなさい……きっと、リンにしか作れない装備が作れるようになるわ」

 

 組み合わせ次第で、スキルは強大なものになる。だから、リンはそのままで良い。きっと、その節操なしなくらい取ったたくさんのスキルが役立つ日が来ると信じて、そう告げた。

 

 

――――――

 

 

 

「おぅ、確認終わったぜ。問題なし。全部揃ってる。資金の納金も確認した」

「えぇ、ドヴェルグを始め、リンやニール達の協力のおかげよ」

「俺らは言われたことをやっただけだ。指示したのもここまで漕ぎ着けたのも、嬢ちゃんの手柄だろうよ」

「ふふっ、私は何もしちゃいない。ただ、ミィの手伝いをしただけよ」

 

 筋骨隆々という言葉がよく似合う大柄の男性プレイヤー、ドヴェルグ。地中に住む鍛冶妖精ドワーフ(ドヴェルグ)から名前を取っただけあり、最初から生産職を選んだらしい。

 

「くははっ!戦えるには戦えるがな!」

「その身体で戦闘が苦手という方が信じられないから、むしろ納得だけれど」

「ま、今はそんな話は良いや……素材確かに受け取ったぜ。全部完成するのは予定じゃ二週間後だが、アーマーとコートをくっつける以外簡単な作業だからな。予定より早く終わるだろ。完成次第炎帝の嬢ちゃんと嬢ちゃんに連絡する」

 

 良かった……それならイベントにも間に合う。というか相変わらずこの人は私を嬢ちゃんと呼ぶし。良いけど。しっかりした人だからかドS剣士の演技が一瞬で見破られたけど!

 まぁだから、1番素に近い演技はバレてないから問題無い。

 

「頼んだわ……それと、二層に上がる時、手伝いが必要であればいつでも呼んでちょうだい。既に私とミィは攻略済みだから、攻略法も分かってる。生産メンバー全員だろうとも、安全に二層に届けてあげるわ」

「そりゃ助かる。生産でも経験値は少し貰えるが、戦闘に自信がねぇ奴が多いからな」

「ドヴェルグやリンは例外ね」

 

 リンも戦闘に苦手意識は持ってないらしいし、ドヴェルグさんが苦手とか信じられない。一番得意なのが繊細な作業の【彫金】っていうのも信じられない。ウェインと同じく絶対に鍛冶でしょうが。その後ろにある巨大な槌は飾りかっ。

 

「ははっ!リンも俺も楽しいから生産をしてるプレイヤーだからなぁ!節操なしにスキルを取るから、変わり者扱いされる」

「リンからも聞いたわ。それはそれで見えてくるものがあるでしょうし、プレイスタイルは人それぞれで良いでしょう」

「ほぅ。嬢ちゃんは肯定派か」

「可能性は広げるべきだというだけよ」

 

 実際、前衛でありながら魔法も使う身として、魔法効果を上げる前衛武器なんかがあれば欲しいくらいだ。今の双剣と使い分けてやる。

 

「そうか……なら良かった。リンを案内に向かわせたのは間違ってなかったらしい」

「……考えが保護者のそれよ、ドヴェルグ」

 

 ついでに表情も。【炎帝ノ国】に入った時期も理由も別々だし、最初リンはドヴェルグを怖がってたから血縁関係はないでしょ。

 

「リンは一番年下だからなぁ!つい可愛がっちまうんだよ」

「それは……リンの支えになっているという点で見れば、まぁいいわ」

「それは嬢ちゃんもだろう?リンがグループの活動に参加する時は、性格的にリンと合う奴を組ませてるだろ?」

「っ……なんのことか分からないわね」

 

 バレてるし……。年齢的に周りが年上ばかりのリンが馴染みやすいよう、年が近い者、性格的に穏やかな者を中心に組んでいるし、この前喫茶店で話した時も生産職の中で波長の合いそうな五人を呼んだ。ドヴェルグは予定が合わなかったから仕方ないけど、本当ならあの日ドヴェルグ含め六人に話したかったくらいだ。

 

 今回は【裁縫】【彫金】【鍛冶】系統を持つ生産メンバーを中心に作業して貰っているが、当然、他にも生産メンバーはいる。

 【鍛冶】のみ、【調合】のみなど、専門に特化したプレイヤーで、今回は参加してないけど。

 三つとか四つ以上の生産スキルを持つ人と折り合いが悪いんだよね……。

 【鍛冶】に【裁縫】に【調合】にと、それぞれ特化した有名どころのプレイヤーにとって、節操なしに取るドヴェルグたちの考え方は許せないらしい。頭の硬いことこの上ない。

 

「まぁ良いや。嬢ちゃんが実は優しいのは分かってるからな」

「………もうそれで良いわ。ニール達から連絡してもらった通り、ドヴェルグたち生産職メンバーには、ここから頑張ってもらうわよ」

「おう、任せな!」

 

 なんでこう……短時間なのに濃密な会話が多いんだろう……私って。

 

 

 それが、調整役の定めなのかなぁ……。

 

 

 

 




 
 ね……ちゃんとね、次の話との繋がりはあるんですよ……ただ、間違えてただけで。
 素材もちゃんと集めたんですよ。ただ、間違えてただけで。
 今後は気をつけます……
 まだNWOのメンテナンスも入ってないんだよね
 ……投稿し忘れた34話(キャラ紹介、閑話によって数字上は36話)でメンテナンスの予定です。
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