PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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 はぁい。今回は短め。
 前回、次話と纏めて補足するって言ったのは、本当は前話と今話で一話だったから。
 けど、長くなりすぎて萎えたので、分割したってのが経緯だったりします。中途半端に切ったから、後半たる今回が短くなったって寸法ですね!
 前回の続き兼次回の繋ぎなので、今回は軽いです。
 ではどうぞっ!
 


PS特化と今後の予定

 

「お疲れー!」

「お疲れさまー……今回は相性が良かったね」

「だね、よく燃えて、良く斬れた」

 

 実際、相性が良かったことに加えてボスがあまり強くなかったので、特に苦労もなく倒すことができた。

 

「苦労はしなかったけど、やっぱりMPかつかつだなぁ……」

「回復するまでは戦闘は避けようか。最大火力はミィの魔法だもん」

「MPポーション勿体無いからね……二人でやりたいって言ったけど、こうなるとミザリーの有り難さが骨身に染みる」

「ミザリーの回復力はゲーム内トップだもんね」

 

 ミザリーがいれば魔力切れせずに魔法を乱発できるという利点がある。

 だが今は当てにできないし、ツキヨの【聖水】もMP回復を促す効果の魔法は無かった。

 

「今回のメダルスキルで、もう少し燃費が良くなるスキルでも探してみる」

「目標は銀メダル20枚でスキル二つずつ取得だし、それも良いかもね」

 

 ツキヨは兎も角、ミィの課題は継戦能力が低いことだ。MPが切れれば、戦闘力はガクッと落ちるため、その点を解消したかった。

 と、そんな風に話していると、ふと、ミィがあることを思い出した。

 

「そう言えば、ツキヨ目で追えないから気付かなかったけど、また速くなってない?」

「あ、気付いた?」

「偶然だけどね……最初、相手との距離を詰めるのが段違いだったもん」

 

 音もなくボスに接敵したツキヨの移動速度は、ミィをして『気付いたらそこにいた』と言わざるを得ない程だった。今までも視認不可能だったが、もう少し時間差があった気がする。

 

「【最速】の練習中に、またスキルが取れてね。お陰で、余計に時間かかったんだけど……」

 

 そう言って苦笑しながらも、ツキヨはステータス画面から二つのスキルをピックアップし、ミィに見せてきた。

 

―――

 

【速度狂い】(スピードホリック)

 このスキルの所有者のAGIを二倍にする。【STR】【VIT】【INT】のステータスを上げるために必要なポイントが通常の三倍になる。

取得条件

 一時間の間十体以上の敵から逃げ続け、かつ一定の距離を縮められずダメージを受けないこと。アイテム使用不可。

 また魔法、武器によるダメージを与えないこと。

 

【精緻ノ極】

 このスキルの所有者のDEXを二倍にする。【STR】【AGI】【INT】のステータスを上げるために必要なポイントが通常の三倍になる。

 取得条件

 一定回数、敵の弱点に攻撃を当てる。

 要求【DEX】値100以上。

 

―――

 

 ミィ、唖然。

 

「つ……つまり?」

「【AGI 250】の【DEX 400】かな。スキル的にも、ここからはMPかDEXにしかステータスポイントも振らないと思うよ」

「ばけものめぇ!」

「ひどっ!?」

 

 速度は申し分ない、というか【最速】のお陰(せい)で一分だけ【400】を超える速度を持ち、ツキヨに限り【STR 400】と同じ【DEX 400】。ただの化物である。

 

「何その高速機動兵器」

「ねえ私達親友だよね?その言い草は酷くない!?」

「魔法で遠距離もイケて、近距離は超高機動かつ超高火力。防御力は無いから、戦車じゃなくて戦闘機だね。【比翼】だしピッタリじゃん」

「だから言い方!」

 

 戦闘機。高速だと飛び回るため狙うことは困難を極めるが、上手く当たれば一撃で墜落する兵器。まるでツキヨである。

 まだもう一つ、ツキヨには時期を同じくして取得したスキルがあるのだが、それも言ったらどうなるのか。ツキヨはそんな思考は投げ捨てた。

 そうして二人は、ボスのいた部屋中央に向かう。そこには装飾はないものの大きめの宝箱があった。

 

「はぁ……開けるよ」

「うん、開けちゃって!」

 

 ツキヨが宝箱に手をかけ、一気に開ける。

 中に入っていたのは、本ボスのデザインに似た一冊の本と、銀メダルが二枚だった。

 

「お、メダルだ。それも二枚」

「幸先いいね……この本は?」

 

 ミィが本を手に取り、その性能を見る。

 

―――

 

『記録の魔本』

【INT+32】【魔法保存】

 

―――

 

 

「名前からして、魔法スキルを保存できるのかな?」

「そうだろうね。どれだけ保存できるかは分かんないけど、魔法使い専用装備だし、これはミィが持ってて」

「いいの?ツキヨだって魔法使うじゃん」

「勿論。私は基本的に前衛だし、それ以前に私の【白翼の双刃】や【薄明・霹靂】は両手の装備枠取ってるから装備できないよ」

「あ、そっか……ならありがたく使うね」

 

 どの道、こう言った装備の詳細はイベント終了後でないと確認できず、使用できない。

 他には何も入ってなかったため、ここでやる事は済んだとばかりにボス部屋から出た二人。

 予定ではこれで地上に降りればいいのだが、移動手段が魔法陣であるがために、ツキヨの中に不安が生じた。

 

「どうするツキヨ?もう少し本読んで情報とか探してみる?」

「うーん……本じゃなくて、もう少し島の中を探索した方がいいかも」

「なんで?」

「これ、魔法陣なんだよ?ダンジョンから出たら消えちゃう、あの魔法陣」

「あー……でも、ボス倒したけど消えてないし」

「もし、()()()()()()()()()()()()?」

「?………あぁ!カナデのパズル!」

「そう」

 

 それが、ツキヨの不安だった。カナデのパズルとボス。その双方をクリアすることで、ダンジョンクリアになるとしたならば、カナデがパズルを完成させ、ダンジョンを出た後に魔法陣が消え、地上と島を行き来できなくなる可能性があった。

 

「つまりあの魔法陣以外に降りる方法を見つけないと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……かもしれない」

「詰みじゃん!」

「詰みだよ。だから情報も大事だけど、別の道を探した方が良いと思う。できれば今日中」

「明日には地上の探索をしたいもんね。分かった、急いで探そう!」

 

 

 

 

 

 

「何にもなかった……」

「どうしよっか……」

 

 二時間歩き回り、島の中を満遍なく探索したのだが、これと言って地上に行くためのギミックらしいものは見つからなかった。

 

「もしかしたら、魔法陣消えないんじゃない?」

「まぁ、それが理想だよね……ただ」

「万が一のリスクは排除しておきたい、だね」

「よく分かってらっしゃる」

 

 図書館に戻ってきた二人は、大きなテーブルで項垂れる。

 

「どーするー?」

「……思いついた候補は二つ。一つは、希望的観測で魔法陣を使い、絶対に死なないように細心の注意を払って攻略する」

 

 ある意味、これが一番の正攻法といえる。

 

「もう一つは?」

「パラシュート無しのスカイダイビング」

「え"っ……」

「死亡覚悟の紐なしバンジーかっこ天空よりお届けかっこ閉じる」

 

 聞き間違いじゃなかったらしいと、ミィは自分の耳を疑った。

 

「えっと………本気?」

「本気……待って待って説明するから!

 杖向けないで!ダメージ無くても怖い!」

 

 ミィの目が据わっていたため、流石のツキヨでも本気で謝った。

 

「ダメージ覚悟っていうのは本当。ただ、私は【空蝉】で無効化して、後から飛び降りるミィを【白翼の双刃】を伸ばして受け止めるって寸法。今後どちらかが死に戻りしても、私は【空蝉】使用可能になってから自力で。ミィは下で私が待ち構えて受け止めるって感じ……あれ?ミィ?」

「ねぇツキヨ……分かってて言ってる?」

 

 普段より少しだけ顔色が悪いミィに、ツキヨは思い出したように苦笑いをした。

 

「あ。あー……あはは、ごめん忘れてた。ミィ、高い所が()()()()()だったね。地上を眺めた時も、一瞬で後退りしてたっけ」

「そうだよ!ツキヨと一緒でも怖いものは怖いの!その上、ツキヨの後から飛び降りる?一人で?むりむりむりむりむりむりぃ……っ!」

 

 某東京の観光名所でもある電波塔では、絶対に窓際には行かないミィである。

 それ以前に『高い所……?まず行くって選択肢がないよね』と絶対に行こうとしないのだが。

 

「それなら魔法陣使って死に戻りしないように慎重に探索したほうがマシ!パラシュートなしスカイダイビングは無理!」

 

 マントで涙目の顔を覆い隠し、ツキヨを絶対に見ないようにするミィ。

 これには忘れていたツキヨが悪いので素直に謝った。

 

「ごめんねミィ。……ただ、初期地点がこんな浮島だと、死に戻りした時のリスクが大きすぎる。それで、私もちょっと焦ってた」

 

 ツキヨは、これが浮島スタートのメリットとデメリットなのだろうと思う。

 メリットは、すぐに近くにダンジョンがあり、メダルや装備品を獲得できる確率が高くなる。代わりに、そのダンジョンをクリアしてしまえば、浮島との行き来が困難に……といった具合だろう。

 ダンジョンを敢えて攻略せずに地上に降りるという選択肢もあったが、それは既に潰えた。

 

「………魔法陣、使う?」

 

 マントから目元だけ覗かせ、涙目上目遣いでそう問うミィに、ツキヨのハートがかなりダメージを負った。勿論、萌え的な意味で。

 

「……そうしよっか。ただ、絶対に死なないこと。明日からダンジョンだって潜るし、かなり強いボスだっていると思う。安全は確保するよ」

「うん……ごめんね?」

「良いって。忘れてた私も悪いし。でも、浮島スタートなんて言う詰みかねない状況が起こるんだから、ギミック見落としがあったか、魔法陣が消えないとは思うんだけどね……」

「大人数パーティなら良いけど、二人だから石橋は叩いて渡らないとね」

「むしろ石橋を叩き壊して自力で作り直すまであるよ。どこかの誰かが作った橋より、自分たちで作り直した方が安心だもん」

「……ぷっ。あははっ、ツキヨならやりそう」

 

 命がかかってるのなら、人間、やろうと思えばとことんやる生き物である。

 

「さて。もう一つ決めないとね」

「まだ決めることあったっけ?」

「今日のことだよ。まだ開始から半日。夜までまだあるけど、このまま地上に降りて探索するか、今日はこの図書館で休んで、明日朝早くから動くか」

 

 まだゲーム内時間16時になってない。探索する時間は、十分にあった。

 けれど、ツキヨが色々と考えてくれていることはよく分かっているミィ。

 ちゃんと、その意図を汲み取った。

 

「……地上に降りたら、探索に併せて夜営場所の確保をしなきゃ、だね。いつ戻って来れなくなるか分かんないし。ここはモンスターが出ないから安全だけど、探索するなら地上」

「そ。地上の転移位置が不明だから、【炎帝ノ国】としての集合日に間に合わない可能性が出てくる」

「というか単純に、二人での攻略時間が減るね。今も気は抜けるけど、もう少し二人でダンジョンとかの攻略を楽しみたいかなー」

「あぁ、ミィはそっちか……なら、地上に降りる?夜営って言っても、モンスターが出ない、フィールドに点在してるっていう安全エリアを探すだけだし」

「雨とか降ったらどうするの?」

 

 ミィの疑問には、今回は行動で示すツキヨ。

 インベントリから、水耐性のある毛皮や布でできた、人が数人は入れそうなドーム型のテントを取り出す。

 

「準備いいね……どんだけ散財したの?」

「フィールドで日を跨ぐって告知されてたからね。一緒にキャンプと洒落込んでみない?」

「良いけど……それがあるなら、ここに留まるなんて案出さなくていいじゃん!」

「そこはほら。ミィの意見を尊重したり、私に頼り切りにならないように……みたいな?」

 

 ちなみに、今回のイベントに備えてやったツキヨの散財額は軽く六桁である。

 それも、限りなく七桁に近い六桁。

 【超加速】を手に入れるために一週間レベル上げに最前線を駆け回った時の素材。

 それに加えて、【最速】を使いこなすために日に何度も森を蹂躙し、手に入った素材を全部売り捌くこと一週間。

 毎日、最前線でそんなことをすればお金は無制限に溜まっていく。ツキヨはポーションもアイテムも使っていないのだから。

 

「最近、所持金(ゴールド)九桁()を超えてね。軽く散財しとかないと、使い道が無いんだよ」

「億って……」

 

 だから問題なーしと軽く笑うツキヨ。

 ミィなんてMP回復ポーションの消費が激しく、一千万も遠いと言うのに。

 しかし、ミィの高いMP値すらバカ食いする【炎帝】の前には、高い回復量のあるポーションが必要であり、仕方のないことだった。

 

「じゃあミィ、地上に降りるってことで良い?」

「良いよー。どうせなら、カナデに安全地帯があるか聞いてみる?」

「そうしよっか。知ってたら御の字。知らなくても夜までに見つければ問題なし」

「うんっ」

 

 と、言うわけで、二人は地上に向かうために、まずはカナデを尋ねることにした。




 
 えー補足補足。
 ……何から言えばいいんでしょう?
 ボス倒して、少し落ち着いた後の二人の会話、原作カナデは【魔本】みたいなアイテム持ってなかったよね。の二点が大まかな補足かな。

 ツキヨさんの取得した二つのスキルは言わずもがなですし。

 一点目。まぁ二点目に繋がるんですが、情報と言うかツキヨの発言が軽く錯綜してるので解説。
 この図書館の本質と言うか、あそこの魔法陣の本質。
 これは、作中の通り()()()()()()()()に繋がっている、と言うのが答えです。ボスは倒したのでパズルが解けた後、一度だけ発動したら魔法陣は消えます。
 ご都合主義だね。でもそうでもしなきゃ、カナデと出会わせて、メダルも取って、魔法陣で降りる、という三つをコンプリートできなかったんだよ許して!

 二点目。原作でメイプルたちと出会ったのはレベル5。でも、ボスみたいなモンスターに勝てば、流石にもう少し上がるでしょ?という点から、カナデは一切ボス及びダンジョンを踏破していないという解釈です。
 原作だと図書館はモンスターのいるダンジョンじゃなく、ギミックダンジョンだった可能性もあります。ですがそこはまあ、面白みがないので。

 拙作では、ツキヨとミィがダンジョンとして攻略して、カナデが原作通りパズルを4日かけて解いた。この両方があったことで魔法陣も消える。というのが真相です。

 あと、ミィの高所恐怖症。これは、パラシュート無しスカイダイビングを断る為と、そういう場面の時に面白い反応が期待できるから。

 あぁ。作中でツキヨちゃんも考えてましたが、改めて浮島スタートのメリットとデメリットも補足しますか。
 まずメリットは、ダンジョンが近い事ですね。メダルを獲得できる可能性が最も高いです。
 対してデメリット。これは、『地上との安全な行き来の方法が魔法陣しかない』という点です。
 何度死んでも大丈夫だよ!を触れ込んでイベントエリアに送り込んだのに、『魔法陣が消えた後に死んだら詰むよ!』という鬼畜仕様です。

 だからこそ、浮島スタートはレベルの高い実力あるプレイヤーが低確率で転移するという裏設定があります。

 ダンジョンをクリアしたらその後の探索ハードモードだけど、メダルは貰える。
 クリアしなかったらメダルは無いけど、安心して探索できる。
 ね?釣り合いは取れてるでしょう?

 そうそう。【魔本】のスキル【魔法保存】についてはイベント終わりにちゃんと解説しますが、軽く触れましょうかね。
 これは【魔導書庫】の型落ち……二世代くらい劣化品、と言ったところでしょうか。みんなガラルに引っ越してるのに、一人だけカロスに取り残されてる感じです。
 今頃になってサト○ゲッコウガでキャーキャーしてる感じです。ダイ○ックスどころかカプ系の台頭した第○世代も知らない感じです。
 時代遅れにも程があります。
 こう見ると『あ、ミィが持ってても大丈夫だ』って思いませんか?

 補足とかはこの辺ですかね。感想で他に謎な点が書かれていたら、下の愚痴を消して補足を書き足します。

 これは愚痴ですが、私は伏線を張るのが苦手なんですよね。だってツキヨちゃん、暴れるんだもん。なんてキャラクターのせいにはしませんとも、えぇ。私の文才が乏しいだけです。
 私がやれるのは『伏線とも言えないもの』を林立させるくらいです。
 微妙なのばかりだから未だに伏線らしきものだとは気付かれてません。文才の無さを嘆くべきか、バレてないのを喜ぶべきか……嘆こ。
 文才が……欲しいです……っ!

 案の定、長くなりました。
 けど実は、後書きで補足入れたり、色々とぶっちゃけたりするのを執筆より楽しんでいるので辞めません。

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