PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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筆が乗ってるので連日投稿

主人公のいない時の拙作ミィをお楽しみください

うちの主人公、ステータスは器用特化だけど、実際プレイヤースキル特化かもしれん。
 そのうちに題名を『PS(プレイヤースキル)特化と〇〇』に変更するかも


PS特化がいない炎帝

 

 初ログインから数日。

 初日のようなトラブルもなく、ツキヨとミィはレベリングや資金集めに励んでいた。

 しかし、今日はツキヨが用事でログインできず、ミィは一人でログインしていた。

 

「さて、今日はツキヨがいないけど、草原のモンスターなら、もう手こずらずに倒せるんだよね…」

 

 連日のレベリングの甲斐もあり、既に【火魔法Ⅴ】【魔法の心得Ⅴ】の他、【MP強化小】や【MPカット小】、【MP回復速度強化中】【INT強化小】【火属性強化中】などの魔法強化スキルを大量に取得していた。

 

「結構強くなれたけど、まだ殆ど初期装備……。魔法の靴とかでなんとかステータスは上げてるけど。もっとこう……統一感が欲しいよね」

 

 そうなると、やはり新しい装備が欲しくなるものである。

 

「全身を赤で統一感出して、全てを燃やし尽くす炎の魔法使いとか!」

 

 くぅー…カッコいい!と一人夢想するミィ。

 しかし現実はそう甘くはない。レベリングで手に入った物を売却してそれなりに資金集めをしているが、生産職のプレイヤーに装備一式を頼むには数百万Gはかかる。

 

「レベリングと装備資金集めのために、今日は強めのモンスターがいるところまで行ってみようかな」

 

 NWOの掲示板には、魔法使いのレベリングにおすすめな場所も掲載されている。しかし、レベル17まで上げたミィにとってそこは、既に遊び場。むしろ散歩コースレベルになる。むしろなぜ、そのレベルまで初期装備なのか。

 

「さて、アイテムも十分だし、行きますか!」

 

 目指すは西の森奥地。ゴブリンの巣!と意気揚々と街から出たミィは、早速魔法で移動する。

 

「【フレアアクセル】!」

 

 ミィは足裏から爆炎を上げて猛加速。

 周囲にはそれなりに人がいたが、すべて無視して数秒で平原を走破し、森の奥まで突入する。

 そうしてどんどんと奥に進んでいくと、小さな体躯のモンスター。ゴブリンの姿を捉えた。

 

「確か、ゴブリン100体を狩ると上位種が出てくるんだったな」

 

 出現する上位種はプレイヤーの戦い方で変化し、ミィは自分ならゴブリン・メイジあたりが出てくるだろうとあたりをつける。

 

「さぁ……とっとと倒させてもらう!【ファイアーボール】!」

 

 

―――

 

 

「ふぅ……これで100体。攻撃力もだいぶ上がったし、一時間かからなかったなー」

 

 ミィは宣言通り、一時間もかからずに100体ものゴブリンを殲滅した。

 どうせゴブリンは前座なのだと出し惜しみせず、むしろ時間こそが惜しいために最大火力で押せ押せなノリで倒した。

 ポーションとMPポーションで回復しつつ、上位種が出るのを休憩しつつ待つ。

 

 しかし、五分ほど経っても現れる様子がない。

 

「えぇ…モンスターなんで出ないのぉ……」

 

 半泣きである。せっかく資金集めとレベリングにここまで来たのに、倒したのは弱いゴブリンだけ。

 これでは攻撃力の上がっているミィは満足しないし、レベルも1しか上がってない。下位ゴブリンの素材なんて換金してもおいしくない。

 ないない尽くしでつまらない。

 

「もういい。もっと深い所まで行けば、何かしらモンスター出るかもしれないし、明日は休みだし」

 

 多少の夜ふかしは目を瞑ってくださいと心の中で母に合掌。心は届いたと言い聞かせ、とことこと。むしろ若干気落ちしてトボトボとした足取りで奥へと進んでいった。

 

 

 

 変化は、十分と経たずに現れた。

 

 

「いったた……もー…なんでこんなことに…」

 

 しばらく奥地へと歩いていたミィは、突然の浮遊感に襲われた。

 それは、地面に突如空いた穴。

 特定の条件を満たしたプレイヤーにしか開かないトラップ。

 

「こんな場所の情報、攻略掲示板に載ってなかったのにぃ…もぅいやぁ……」

 

 高所からの落下ダメージを半泣きで回復しつつ、周囲の様子を伺う。

 

「隠しダンジョン、だよね…はぁ。なんでこんな日にツキヨいないのぉ……」

 

 頼りになる常識破りは今日はいない。

 落下した場所を見上げるが、高さ6〜7メートルほどはあり、【フレアアクセル】込みでジャンプしても届きそうにない。

 となれば…。

 

「あぅぅ……ダンジョンボス倒さなきゃ出られないじゃん…」

 

 理解してしまえば、ミィの意思は固まった。

 死に戻りすれば出られるだろう。でも、本当にそれで良いのか?未発見のダンジョン攻略を、序盤に諦めてしまって本当に良いのか?

 そんなプレイヤー魂燃えるミィは、もう誰にも止められない。

 

「よし…大丈夫大丈夫!ツキヨが居なくてもなんとかなる、なんとかする!」

 

 その決意を待っていたかのように、先程大量に倒した醜悪な小人。ゴブリンが襲いかかってきた。

 

「甘い!【ファイアーウォール】【フレアアクセル】!」

 

 防御魔法でありながら、触れると火属性ダメージを発生させる壁を展開すると、【フレアアクセル】の加速力を以って接近するゴブリンを迂回するように進み、背後を取った。

 

「【バーストフレア】ぁ!」

 

 部屋全体を巻き込む炎の爆発は、密集するゴブリンを一体残らず吹き飛ばす。

 

「下級ゴブリンが、私の邪魔をするな!」

 

 そんな大破壊をしたミィはなんかもう………ハイだった。

 

 度重なる不運。レベルは上がらず資金集めも捗らず、上位ゴブリンは出ずに今も下級。

 極めつけはツキヨが一緒にいないことが、虚しさやら寂しさやら話し相手がいない悲しさやらでテンションが天元突破してしまった。貯まりまくった鬱憤を、これから現れるボスモンスターにぶつけるために。

 

「私の炎に燃やし尽くされる覚悟はあるか、ゴブリン共!」

 

 どこか演技がかった口調は、怒りからくる謎テンション。これが、後にミィを黒歴史の闇に落とすことになるとは、ミィも予想だにしなかった。

 

 

――――――

 

 

 それから、信じられないほど絶好調でダンジョンを攻略し続けたミィは、遂に最奥の扉に着いた。

 

「ここが、ボス部屋だな」

 

 もはや面影がないほどに凛々しい口調になったミィは、五メートルほどもある巨大な扉に手をかけた。道中は時折枝分かれしたが、扉はここが初めてだ。ちなみに道中は、全て炎の渦に叩き落としてきたミィ。なんの躊躇もなく、扉を開く。

 

 中は広く、薄暗い。

 天井は十メートル近くある。ミィが落ちた場所より、現在地は深いのだろう。横幅も同じくらい。

 しかし、奥行きが倍以上はある。

 

「ふっ。まるで玉座の間だな。こんな地下深く、日の光も届かぬ暗闇に潜むとは、随分と肝が小さいのだなぁ?醜悪なる王よ」

 

 声をかけるのは、最奥の玉座に座す存在。

 地上と、この地下ダンジョンを徘徊するゴブリン達の親玉。

 体長はミィの倍以上はあり、睥睨する瞳は殺気すら籠もっている。

 しかし、ミィは自然体で、むしろ覇気すら纏っていた。

 

「はっ。どうした?その程度の殺気、そよ風の親戚か?心地良いくらいだぞ」

 

 語りかけながらも、決して歩を止めず。

 背後に【遅延】スキルで発動を遅らせていた、無数の【ファイアーボール】を展開し。

 

 

 

 ゴブリン王の凄まじい咆哮を皮切りに。

 

「ははっ!我が炎で焼き尽くしてくれる!」

 

 火球が、流星のごとく殺到した。

 

 【ファイアーボール】は、【火魔法】で一番最初に使える魔法であり、威力も決して高くない。一発では、下級のゴブリンを倒せれば良い程度であり、ゴブリンの王にとってはそれこそそよ風の親戚だろう。

 

 しかし今回はその数が異様。否、異常だった。

 【遅延】スキルは魔法発動後、しばらくの間発射せずにその場に留めておくだけのスキルだ。だが、だからこそ、【ファイアーボール】のように連射のできる魔法を【遅延】させれば、それこそ弾幕が可能になる。

 

 ミィは、初手に【ファイアーボール】の弾幕で目くらましをすると、【フレアアクセル】で王の懐に潜り込み、至近距離で【バーストフレア】を叩き込み、再び【フレアアクセル】で離脱し、【遅延】【ファイアーボール】を少しずつ貯めるという、情け?容赦?何それ美味しいの?を地で行く作戦を敢行。

 僅か数分で王のHPを3割削った。

 

「はっ。王と言う割に、大したことないのだなぁ?なんだ?王は王でも愚王か?誇れるのはその冠だけか?」

 

 ちゃっかり挑発も忘れない。凛々しく、気高く、カリスマ性溢れる今のミィは、例えボスモンスターでも止められない。

 流石にこの挑発を看過できないゴブリン王。

 グオォォォォオオオ!と再びの咆哮を上げると、全身から独特な赤い燐光を散らす。と同時に、王のHPは半分まで減った。

 

「ふははっ!自ら死に急ぐとは正しく愚王!」

 

 ちなみにゴブリン王のこれは本来、HPが半分を切ったら起こる、パワーアップ現象である。

 それが何故3割しか削っていないのに起こるのか。三度目の咆哮にはきっと、"いい加減にしろワレェェエエエエ!!"という怒気が籠められているに違いない。

 ゲームモンスターすら怒らせるミィの挑発。

 

「お?少しだけ敏捷(あし)が速くなったな?」

 

 赤い燐光を散らす王は、怒りを力にステータスを上げて襲いかかる。

 

「だが、()()()()()!!」

 

 それは、いつもツキヨを見てるから。あの常識を母親のお腹の中に置いてきた存在を親友にしているミィにとって、この程度のパワーアップじゃ物足りない。むしろ"え?その程度のパワーアップとか何かのギャグ?"とでも言うかのごとく。

 【遅延】させてきた最大数の【ファイアーボール】を王に直撃させていく。

 その数、驚異の100個。

 だが、それでも王の速度は衰えない。HPは削れ、残り一割と少し。ミィの火力ならば、高位の魔法一つで吹き飛ぶほど儚い残量。

 でも、だからこそミィは全力を尽くす!

 

「【フレアアクセル】!」

 

 一直線に最初とは比べ物にならない速度で迫る王に対し、ミィはタイミングを見計らい突貫。

 ミィを叩き潰すために振り上げられた、巨大な両腕を加速しながら潜り込んで躱し、懐に。

 それは、戦いの開幕を焼き増ししたかのような光景。

 

「楽しかったぞ、ゴブリン達の王よ!

………【華焔】!!」

 

 ゴブリンの王を種とした炎の華が咲き乱れた。

 

 

 

 

「あぁぁぁあ……勝ったぁ……」

 

 勝利の余韻に浸りたかったミィだが、それは通知によって遮られた。

 

『【火魔法Ⅵ】になりました』

『スキル【炎帝】を取得しました』

『レベルが20に上がりました』

 

「え?えっえ、えぇ?なになになに!?」

 

 レベルアップ通知は分かる。これまで何度も聞いてきた。しかし、その前のスキル取得通知は、なんと言った?

 

 ミィは逸る気持ちを抑えられず、疲れて倒れ込みたいのをギリギリで堪え、スキルを確認する。

 

―――

 

【炎帝】

 【火魔法】によるダメージが二倍になる。

 炎を司る帝に足りうる力を得る。

取得条件

 MP消費スキルを【火魔法】のみ取得し、スキルレベルⅥであること。

 ボスモンスターを【火魔法】のみで倒すこと。

 

―――

 

「ふ、ふふふ……あははっ!」

 

 笑った。ミィは今、心の底から歓喜した。

 欲しかったものが、遂に手に入ったから。

 全てを燃やし尽くす炎の魔法使いという、街で言った事がもう叶ったから。

 

「どうやら【火魔法】の様に、いくつかのスキルを内包してるみたいだな……って、なんかさっきまでのテンションが抜けない…」

 

 そんな事を言いながらも、顔がニヤけるのを止められない。しかもなんか、目の前に宝箱まである。これ以上貰っていいの?え?なんか請求されない?とソワソワしちゃう。

 が、これがきっと討伐報酬だろうと判断し、意を決して開ける。

 

「お、おぉ…おぉぉぉぉおおおお!!」

 

 ミィはその中身を見て、今日の不運全部を帳消しにした。




今後ミィも少しずつ強化していきたいと思うけど、原作でミィが持ってるスキル分かんない

持ってるだろうなーってスキル込みで考えてますが、ミィのステータスは今後も出す予定なし

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