PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。 作:五月時雨
ここまで20話超えってヤバイですね。この調子だと、原作2巻も全体で40話書きそう。
「さて、ここで間違いないでしょう」
草原の地面にポッカリと空いた縦穴を囲んで、ツキヨが呟いた。どんどん激しくなるラプトルの襲撃はここに来てパタリと止み、まるで“歓迎するぞ”と彼らを出迎えているかのよう。
「ま、これだけ怪しけりゃあなぁ……」
「ラプトルに囲まれてるけどね……」
マルクスの言う通り、パタリと止んだ襲撃ではあるが、少し離れた所でラプトルの群れがツキヨたちを包囲している。逃げ出せば、即座に襲いかかってくるだろう。
頭の上で花をふりふりゆらゆらさせながら。
「予想はウォーレンが言った通りだが、あくまで予想だ。それが全てでは無いし、外れている可能性の方が、圧倒的に高い。
油断せず全戦力を以って―――叩き潰す」
炎のような灼熱の意志と冷酷な瞳でミィが告げると、全員がやにわに頷いた。
そして全戦力と宣言したからには、五人の前では先程まで隠していた二匹を呼ぶべきだと、ツキヨとミィはアイコンタクトを交わした。
「真火水」「イグニス」「「――【覚醒】」」
指輪が仄かに輝き、中から有翼の子狼と不死鳥が姿を表す。
ウォーレン達五人は、突如現れた二匹のモンスターに吃驚し、声も出ない様子。
「紹介するか。このイベント中に仲間になった、イグニスと真火水だ。イグニスは不死鳥、真火水はマルコシアスがモデルだな」
ミィが肩に留まったイグニスを撫でながら説明するが、やはり放心状態の五人。
「………真火水」
ツキヨが腕の中に抱えた真火水に指示を出すと、『わふっ』と鳴き声を上げてパタパタと翼を羽撃かせ、そのままウォーレンに噛み付いた。
「うおっ!ちょ、おまっ!?ツキヨてめえ!」
「あら?上司を『てめえ』呼ばわりする部下がいるわ。これはお仕置きかしら?」
ドSで酷薄は笑み、すてんばーい。
真火水と同じ
するとあら不思議。他の四人は硬直し、ウォーレンは頬を引きつらせて正気に戻った。
「は、ぁ……っ。殺気しまってくれ。俺は慣れてるが、四人はちげえ」
「……そう。【殺気】なんて曖昧なものをシステムで再現できているとは思えないけれど……」
剣を仕舞ったツキヨは、真火水を呼び戻すと再び両手で抱えた。
「……このゲームでは、テイムモンスターなんていなかったはずですが……」
「あぁ。こいつらは、厄介なダンジョンの討伐報酬だ。探してもいいが、挑むのは辞めておけ。お前たち五人でも、恐らく瞬殺される」
「それほどなのか?」
「えぇ。私とミィが死力を尽くしてようやく、と言ったレベルよ」
「うわあ……それは無理そうだなぁ……」
ミィとツキヨ。二人共トップレベルのプレイヤーであり、近接戦闘で最強と呼ばれ、五人がかりでも一蹴するツキヨと、魔法単発火力で最強と呼び声高く、殲滅力ではツキヨに引けを取らないミィ。
この二人が組み、連携をしてもなお苦戦を免れないモンスターなんているのかと思う彼らだが、実際にいたのだから始末に負えない。
「その分、この子達のポテンシャルは非常に高いわ。それこそ未だレベル3で、中堅プレイヤーなら簡単に伸してしまうほどに」
「……まじで?」
「マジだ。イグニス達はかなり強いぞ?」
「……この子犬もか?」
「地獄の侯爵マルコシアス。有翼蛇尾の狼よ」
「見えねぇ……」
ツキヨに抱えられて誇らしげにドヤ顔する真火水に、そんな威厳は感じられない。……完全にマスコットである。
「ツ、ツキヨさん。少し触らせてもらっても良いですか?」
「……真火水、いってらっしゃい」
ワクワクドキドキ……というか両手を前にワキワキしながら、どこか息を荒立ててハァハァするミザリー。軽く引きながら、真火水をミザリーに渡した。
「はぁ〜……可愛いですぅ。
私、リアルじゃペット飼えないけど、こういう子が欲しかったんですよ〜……。はぁ〜癒やされます。女ひとりの緊張感が開放されますぅ……」
「……あげないわよ?」
ナデナデすりすりハスハスくんかくんか。
かぁいいかぁいいと呟きながら、真火水に頬ずりするミザリー。きっと、他の幹部候補かつパーティーを組んでいるのが男しかいないから、そのストレスもあったのだろう。
「………ミザリー。そういう事は後にしろ。先にダンジョンを片付けるぞ」
「はわぁ〜……はっ!す、すみません!そうでしたね。ダンジョンに挑むんでした」
「忘れてたのかよ……」
「ツキヨさん。また今度、貸してくださいね」
そう言いながら真火水をツキヨに返したミザリーだったが、真火水は“しゅたたっ!”とツキヨの後ろに隠れてしまう。
「……その過剰な愛情表現を辞めるなら、真火水も大丈夫でしょうね」
「わかりました!」
「おぉう、即答してんなぁ」
二匹の登場によりシリアスブレイクしたが、気を引き締めて最終確認に入った。
「いつも通りで良いな?」
「えぇ。私とヴィト、ウォーレンで前衛。ヴィトとウォーレンで裏を取りなさい。正面は、私が受け持つわ」
「おう」
「任せろ」
「私とミザリー、マルクスで後衛だな。ミザリーはヴィトとウォーレンに付いて、回復に専念。マルクスは攪乱と誘導を頼む」
「はい」
「できるだけ、がんばるよ」
「シンは遊撃に回りなさい。基本的に私のフォローを頼むわ」
「ツキヨのフォローとか必要なさそうだけどな」
「状況によっては私が後ろに回るから、スイッチしてもらう。その時は」
「俺とウォーレンで受け持つんだな?」
「その通りよ」
それぞれの実力も得意な戦い方も心得ている者たち故に、戦略は確立している。最終確認はサクサク進み、突入を控えた。
「即戦闘の可能性を考え、最初に私が。次にウォーレンが続きなさい。最後にミィ、頼むわね」
「ラプトルが攻めてくる可能性を考慮すれば、それが妥当か。任せろ」
これ以上の無駄話は必要ないと、ツキヨは一歩前に出て、暗い縦穴を覗き込む。
このくらいなら夜の霧の渓谷で経験済みなので、震える真火水を宥め、縦穴に飛び込んだ。
◆◇◆◇◆◇
「………なるほど。ボス部屋の前なのね」
飛び降りたツキヨは十メートルほど落下し、そのまま着地した。
飛び降りた先は広い空間になっており、それなりの人数が入っても余裕がある。そして正面には、ボス部屋特有の巨大な扉が。
「即戦闘にならなくて、取り敢えず良かったな」
「えぇ」
次いで降りてきたウォーレンに相槌を打ち、全員揃うまで待つ。外では戦闘音も聞こえないので、ラプトルが襲ってくることも無いのだろう。
程なくして全員が揃い、ツキヨが扉に手をかけた。
「―――行くわよ」
扉を開けて、ボス戦が始まった。
ボス部屋は薄暗く、直前の広間よりも更に広い空間になっていた。
しかし、扉が閉まってもそこにボスの姿は見えず、何も起こらない。
慎重に進むべきだと判断し、円陣を組んでツキヨとミィで前後をカバーしながらゆっくりと進んでいく。そして、丁度部屋の中央まで来たとき。それは起こった。
全方位から緑色のピンポン玉のようなものが無数に飛んできたのだ。速度はそれ程でもないが、数が多い。
「各自迎撃!」
ツキヨとヴィトは双剣で斬り裂き、ウォーレンは槍で打ち払い、ミザリーやミィも魔法で迎撃。
シンとマルクスも全体フォローに回っている。
しかしそれでも、数が多すぎる。有に百を超え、夥しいほどのピンポン玉が空間を支配する。
「っ!マルクス!壁を作りなさい!」
「イグニス!【炎羽】をばら撒け!」
「うん!【罠設置・岩壁】!」
「【聖水】――【聖流絶渦】!」
イグニスの無数の火の玉で一帯を一度焼き尽くすと、マルクスが足元に岩壁を設置し自ら作動させることで封鎖する。緑色のピンポン玉は壁を貫くでもなく潰れて消えるが、それでも壁が覆えるのはできて全周。上からの対策はできないため、ツキヨが護りの渦潮を重ねることで全て巻き込んだ。
それでもなお対応しきれずに何個かは抜けてくるが、それはウォーレンが神速の突きで叩き落とす。
「ボスの攻撃か……開幕奇襲とはやってくれる」
「全周警戒しなさい。【気配察知】にも【気配識別】にもかからないわ!」
「どっからくるのかね……」
「厄介なタイプですね」
「罠じゃ役にたてなそうだなぁ……」
「……」
「ミィ?」
それぞれが愚痴をこぼしながらも警戒を怠らないにも関わらず、ミィだけが返事がない。そのことを訝しみ、もう一度問いかけたツキヨだったが。
返答は。
「逃げろ、ツキヨ……っ!」
「っ!【飛翼刃】!」
いつの間にか、ミィの両手がツキヨに向いていた。両手に紅蓮の炎が集まり、ツキヨに多大な警鐘を鳴らす。このまま直撃すれば、ツキヨ自身だけでなく、他の五人も巻き添えになる。それだけ、ミィの攻撃範囲は広いのだから。
パーティーメンバー同士ではダメージが入らないことは知っている。しかし今はその警鐘に従って【白翼の双刃】を伸ばして五人を吹き飛ばし、攻撃範囲から逃れさせると、そのまま自らも飛び退いた。
「ミィ!?」
「ツキヨ!パーティーから一時的にミィ様が外れてんぞ!」
「つまり、今は互いにダメージを受けるってことかよ!」
パーティーから外れているという事態には一瞬混乱したが、ミィの頭の上にあるものを見て事態を理解する。そう。ミィの頭の上にも花が咲いているのだ。それも、ミィに合わせたのか?と疑いたくなるぐらいよく似合う真っ赤な薔薇が。
「さっきの攻撃っ!なんでミィだけが……!」
他のメンバーも、何度か緑色のピンポン玉には当たっている。唯一当たっていないのは、全て叩き落としたツキヨとウォーレンだけだ。
なのに操られているのは、ミィだけ。
「……【毒耐性】だな。【毒耐性中】以上で防げるんだろ」
「いや、それならミィも―――」
ミィも、【毒竜の指輪】で回数制限こそあるが、毒を無効にできる。
そう思ったツキヨだったが、ミィの指を見て確信した。
「……っ!」
装備している【毒竜の指輪】に付いている宝石から色が失われ、三回分が使い切られていた。確かに遠距離型のミィやミザリーにとって、高範囲こそカバーできるが、近すぎるものに対しては剣に比べて出の遅い魔法では対応しきれない。だからこそ、ある程度の被弾は覚悟していたのだろう。こんな事になるとは思わなかったが。
「寄生の仕方が嫌らしすぎるな。これは想定以上だぞおい」
さっきの全部を対処しなければならないなど、現状で可能なのはツキヨとウォーレンくらいのものだ。それもウォーレンは集中力が持たない可能性の方が高い。
予想してはいたが、それ以上に面倒なタイプのボスだったことにツキヨは舌打ちした。
「パーティーから外れるのは痛いわね……こっちの攻撃も通るから、倒しかねない」
「ツキヨ、すまない。体が言うことを聞かん」
ミィが悲痛な表情を浮かべているのを見るに、体だけが操られているのだろう。毒だと最初から分かっていれば、【聖浄水域】で【状態異常耐性中】相当の付与を行えていたのだ。後から愚痴っても仕方ない事だが、歯痒かった。
だがミィを助ける方法は分かっている。花を撃ち落とせばいいので、ツキヨは手をミィに向ける。
「【鉄砲み――っ!?」
【鉄砲水】で撃ち抜こうとすると、それは知っていると言わんばかりにミィの体が縦横無尽に動き、片手で花を守っている。なんとしても、ミィ本体にダメージが入るように。
ならば近接でと剣を抜けば、ミザリーとマルクスを狙うように【炎帝】を操作つつ【炎槍】を乱射してきた。近接が苦手で、フォローが必要な二人を狙う辺り、よく知っている。
そんなツキヨの逡巡を悟ったか。壁がの一部が割れ、そこからアルラウネやドリアードといった人間と植物が融合したようなモンスターが現れた。
醜悪な笑みとうねうねと動くツルが触手のようで気味が悪い。
ツキヨがすかさず剣を伸ばそうとするか、伸ばす前にミィがエセアルラウネに重なるように正面に立ち妨害する。
それに気分を良くしたのか、エセアルラウネは先程よりも疾く、縦横無尽に緑色ピンポン玉を乱射して余計に近づけさせない。
「ちっ……どうするツキヨ!」
「このままじゃジリ貧だ!【毒耐性中】でも厳しいのか、【侵食】っつー状態異常にかかりはじめた!」
「こちらもです!早く倒さなければ、ツキヨさんとウォーレンさん達はともかく私達は……っ!」
「操られて、同士討ちされるだろうね……」
パーティーから外れるのならば、プレイヤー同士を操って互いに攻撃し、同士討ちすれば簡単に倒せる。なんともいやらしいモンスターだ。
今は凌げているが、それでもゆっくりとだが侵食を受けているミザリー、シン、マルクス。
ヴィトとウォーレンは連携して対応しているので、まだ大丈夫そうだ。
そんな中でも一人で凌いでいるツキヨは、異常とも言えるが。
エセアルラウネはツキヨ達に胞子の効きが悪いと見るや、不機嫌そうにミィに命じて魔法を発動させる。其れも、【魔力炉・負荷起動】込みだ。厄介すぎる。
「ちょ、何だありゃあ!?」
「一時的なブーストよ。弾幕がお好みのようね……ウォーレンとヴィトは私と!三人は後ろに!」
極光の如き光に包まれたミィに驚愕を隠せないウォーレン質に手短に命じる。
主体はツキヨ。守りながらでは対処しきれない魔法のみ、ウォーレンとヴィトにも手伝わせる。
「【パーフェクション・パリィ】―――っ!!」
迫る弾幕を叩き落とし、斬り払い、打ち破る。多すぎる弾幕は、偽物ミィと戦った時と勝るとも劣らず、守りながらでは対処がしきれない。
だが、それらは。
「【リフレクトパリィ】!」
「【
ウォーレンが対魔法の武器防御スキルで跳ね返し、ヴィトは一瞬だけ汎ゆる攻撃を反射するスキルと双剣を巧みに使い分けることで対処する。ヴィトとて、弱いわけではない。むしろ全体で見れば強い方だ。その実力の一端が、この【全反射】である。
(凌げてはいる。ミィの魔法が火だから、胞子を焼き尽くしてくれることも助かる。だけど後ろががら空きになるから近づけない)
守りながらでは、接近戦に持ち込むことができない。自分一人ならできた手も、後ろにいる人がそうさせない。
ツキヨがこの状況をどう打破すべきか思案していると、ミィから悲痛な叫びが上がった。
「ツキヨ!……私は構わん……撃て!」
何やら覚悟を決めた様子のミィ。ツキヨの足手まといになっていることを自覚し、これ以上迷惑をかけるくらいなら自分ごと撃ってほしい、そんな意志を込めた赤い瞳が真っ直ぐにツキヨを見つめる。
そんなことできるはずないじゃない!必ず助けるわ!普通の物語なら、こんな熱いセリフが飛び出て、ヒロインを見事に救出するだろう。何より、ミィは死に戻りすれば浮遊島からリスタートだ。そんな面倒なことをしていられないのだから。普通なら、そうやってなんとか別の解決策を模索する名シーン。
しかし、ここにいるツキヨさんは色々と規格外である。
「え、いいの?助かるわ」
ズバッ!
ミィの言葉を聞いた瞬間、ツキヨは何の躊躇いもなく自らが持つ右翼を伸長し、ミィも、ミザリーたちも、エセアルラウネもの反射速度を上回って消失する。そんな中、くるくると宙を舞っていた薔薇がパサリと地面に落ち、刀身がミィの頭上スレスレを通って、エセアルラウネを貫通していた。
ミィ、ぱちくり。
ウォーレンたち全員、ぱちくり。
エセアルラウネもぱちくり、の後に粒子へと変わって消えていった。
場に現れる、小さな宝箱。
空間に、静寂が訪れる。
「よし、討伐完了ね。ミィ、無事?ダメージとかは無い?」
気軽な感じでミィの安否を確認するツキヨ。だが、ミィは頭をさすりながらジトっとした目でツキヨを睨んだ。
「……斬った」
「え?撃ってって言うから。【鉄砲水】じゃ出を読まれるし、最初からずっと発動してた【飛翼刃】なら、思考操作で出を読まれないもの」
「……少しも、躊躇わなかったな……」
「最初から斬るつもりだったもの。薔薇だけを斬る自信があったし、ギリギリを狙ったけれど、やっぱりダメージあったかしら?ポーションは必要?」
「少し、ダメージきた、かもしれん」
「その程度ならポーション飲めば回復するわね。問題ないわ」
ポーション瓶を引っ手繰るようにツキヨから奪い取り、くぴくぴするミィ。その頃になってようやく、ミザリーたちが近づいてきた。
ミィは渋い顔で『確かにそうなんだけど!納得できない!』と軽くツキヨの脛を蹴っている。もちろん、パーティーに戻ったのでダメージは無い。
「あー……何ていうか、うん、なんだ」
「あぁ、そうだな」
「えぇ、ですね」
「あのなぁ……流石に」
「うん、本当に」
五人とも苦笑いで、続く言葉は全く同じだった。
◆◇◆◇◆◇
縦穴ダンジョンから魔法陣で脱出した一行は、そのままの足取りで集合地点に歩いていった。
なお道中、ツキヨがジト目の針の筵になったのは言うまでもない。
エセアルラウネダンジョンの報酬は、メダルが一枚と【混乱】の状態異常を持つ胞子をばら撒くスキルの巻物。これはマルクスが一番使えるだろうと、マルクスのものになった。
「見えてきたな」
平原を抜けた丘の上に、何十人ものプレイヤーが固まっているのが見える。そして目立つように作った橙の布地に揺らめく炎と白の双剣がデザインされた、【炎帝ノ国】の幟旗。
あれがあるということは、既にドヴェルグが到着しているのだろう。幟旗を持っているのはツキヨと、幹部候補からウォーレンが代表し、後は作った本人であるドヴェルグだけだ。
「ミィ、さっきのダンジョンで……」
「あぁ。あのエセアルラウネめ。デメリットを押し付けられた形だからな。流石に明日まではゆっくりしているつもりだ」
「なら良いわ」
MPが一時的に著しく減少していて、あと十時間ほどはまともに魔法も使えないミィは、短剣では戦えるだろうが、実質的には足手まといだ。
本格的に動くのは明日以降として、作戦を組み直す必要が出てくる。
「だが、登場は派手に、そして盛大にだ。行くぞツキヨ」
「ふふっ……えぇ。了解よ、ミィ」
MPがない?それでも実はツキヨとほぼ同じだ。ならば連射こそできないが、無理をしなければ戦える!そう張り切って、ミィは高らかに右手を掲げた。
それに合わせ、ツキヨも左手を掲げ、息を揃えて同時に告げる。
「【炎帝】!」
「【水君】!」
上空に発射された巨大な火炎と水刃は、高く高く飛び上がり、頂点で交わると水蒸気爆発を引き起こし、轟音が一帯を蹂躙する。
「くははっ!」
「あははっ、気付いたようね」
「派手にやるなおい……耳がいてえっての!」
ウォーレンの苦言も何のその。
堂々とした足取りで並び立ち、丘の上まで真っ直ぐに歩く。
さぁ。ここからだ。
ここからが、【炎帝ノ国】の初イベント。
情熱の炎と濁流の如き意思を、この世界に知らしめる時が、ついに来た。
「「さぁ、これからが本番だ!
我ら【炎帝ノ国】!!
この世界全てに教えてやれ!
我々が来たことを!!」」
単純に最近モチベが落ちて、執筆が進まない。
もしかしたら気紛れssを投稿したら、次回投稿が遅れるかもしれません。けど、どんなに遅くても来週には復活するんで。
明日は気紛れss投稿します!
速度特化も執筆が遅れてるんで、今週は書き溜めて来週から放出じゃダメっすかね……(白目
今週だけ予告できません。