PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。 作:五月時雨
ですが!
百合が苦手っていう人も一定数いるわけで。ペインの方に投票した人がいる時点でお察し。
なので、非常にマイルドに収めてあります。
ガチ百合見たかったって人は残念かもしれませんが、『ペインの入る余地無いから!』くらいの出来に仕上がってると自負してます。
PS特化アンケート企画第一弾
クラーケンを倒した後、戦闘不可エリアにて休憩を取り、ツキヨとそのまま眠ってしまった。
「ん……んんっ。ふぁ、あ……ぁえ?」
気が付けば夕方。昼過ぎにクラーケンを倒し、もうすぐ夜になると言うところ。
「ツキヨは……寝てるか」
魚から逃げる以外に動きの少なかった私は、精神的には疲労があるものの、ツキヨほどではない。
「二時間以上、ずっと泳ぎ続けてたもんね」
集中力を持続し続けた、という点では同じだが、ツキヨは一撃も喰らえないという緊張感が上乗せされる。いくら反射速度が常識離れしていても、精神的な疲労は大きいはずだ。
「それに、何だかんだ迷惑かけちゃったし」
まず、呼吸と言う点で大迷惑をかけた。二十分置きに戦闘を切ってこちらに来るという手間がなければ、もう少し楽に倒せたはず。
「本当に、ありがとうだよ。ツキヨ」
近くを漂うツキヨの元に泳いでいき、優しく手を握る。疲れてるだろうし、起こさないように。
ここは呼吸ができるから、まるで無重力空間を漂うかのように、身を任せる。
「えへへ……ツキヨの髪、さらさらだぁ……」
現実の黒髪とは違う、色素の抜けた白を梳く。
ツキヨは私の頬をつんつんしたり、髪を梳いたりするけど、私からツキヨにやったことは、実はあまりない。
だから新感覚というべきか、新鮮な気がする。
「えい、えいえいっ」
いつもの仕返しじゃーっ。
そんな思いを込めて、ツキヨの頬をつんつん。おぉ、これがもち肌か。でも、やっぱり現実の方が柔らかいのかな?
「んっ……んにゅ……」
「あはっ。逃さーんっ」
つんつんしてたら、ツキヨが身をよじって反対方向を向いた。何これかわいい。猫みたい。
でも残念っ!水中では全方向に簡単に移動できる。すぐに回り込み再びつんつんナデナデ。
でもあまり長くやれば起きてしまうから。
程よく満足したので、ちょっかいを出すのはこの辺でやめた。
けどこのまま漂っていては勝手に流されて、また離れちゃうから。
「えへへ……えーいっ」
ぎゅっと、ツキヨに抱きつく。ツキヨの鎧部分が少なくバトルドレスっぽいのが幸いし、抱き心地は最高。おぉ……癖になりそう。
それにしても、よっぽど疲れていたのか、全く起きる気配がない。
「……けど、当然かな」
抱きついて、ツキヨの柔らかさを堪能しつつ、小さく愚痴る。
ツキヨったら、
普段は、結構しっかり者なんだけどなー。
「偶に抜けてるよね、ツキヨ?」
「んぁ……」
小さく耳元で囁やけば、擽ったそうに身をよじる。けど逃さーんっ。
「ねぇ、知ってる?パーティーメンバーは、マップに表示されるんだよ?」
反対側を向こうと寝返りをするツキヨを、逃さないようにしっかりと抱きしめる。
………あ、頭を胸元で抱きかかえる感じになっちゃった。
けど、落ち着くからこのままで良いや。
「徹夜で森を駆け回ってたの知ってるんだよ?」
私が見張りをしてる時、マップ上でツキヨのマーカーが森の中を常に動いていた。
なんで?なんて思わない。
あの森は、ツキヨが海を探索してる間に軽くだけど探索した。
見落としがあるかもしれないけどね。
けど、その時に一枚くらい見つかっても良いはず。でも、ツキヨは見つけた。
「守って、くれたんだよね?」
プレイヤーから。徹夜で。
倒したプレイヤーから、メダルを奪った。
だから、私が見つけられなかったのも当然。
「手伝い、行けたら良かったけど……」
テントを放置するわけにも行かなかった。
それに、私の戦いは良くも悪くも派手だから。戦闘音が目立ってしまい、余計な戦闘を増やしかねなかった。
「ごめんね?」
「ん……っ」
「あは、起きてる?」
今のが返事みたいで。と思えば、やっぱり寝息が聞こえてくる。しばらく待っても起きる気配がないので、大丈夫だ。
「そのまま、ペインと戦って……クラーケンとも、戦って」
疲れて起きれないのも、無理はない。
「今日は…うぅん。いつもいつも、ありがとう」
私の事を手伝ってくれて。助けてくれて。支えてくれて。
「私。ツキヨの支えに、なれてたんだね」
何でもできる親友が、努力を重ねているのは知ってた。誰よりも、隣で見てきたから。
でも、その理由が分からなくて。
兎に角追いつきたくて、負けたくなくて、置いて行かれたくなくて、私なりに頑張ってきた。
「でも、違ったんだね」
ツキヨが頑張ってきた理由は、私だった。
私からツキヨにあげたものなんて思いつかない。普通に、友達になって、気付いたら、二人でいつも遊んでいた。
まぁ、よく気絶したツキヨを助けてたけど。
それくらい、友達なんだからどうってことのない、些細なことだ。
だけど、ツキヨは私から『貰った』と言った。
何かあげたっけ?
そして、それがツキヨが頑張る理由。
私が、返しきれない『何か』をツキヨにあげたらしい。
「……うん、分かんないや」
むしろ、そうやって頑張るツキヨから、私が貰い過ぎな気がする。
それでも…クラーケン戦を通して気付かないうちにでも、ツキヨを支えていたと知ることができ、嬉しかった。
「あの時、軽く泣きそうになったよ?」
ツキヨが、『一人で傷つかないで』と。
『一緒に歩いて』と言ったのが、嬉しくて。
「ツキヨの方が、前を歩いてると思ってたよ」
だから追い縋ろうとして。
必死に追いつこうとして。
「ふふっ……実は二人して、お互いが前を歩いてると思ってた」
私は、ツキヨが。ツキヨは、私が。
前を歩いて、勝手に突き進んで。
自分だけ、置いて行かれてると錯覚した。
でも、本当は並んでた。
一緒に手を繋いで、同じペースで歩いてた。
それに気付いて、実は涙腺崩壊寸前だったよ。
「【比翼連理】は、その象徴かな?」
二人で手を取り合い、支え合ってきたシルシ。
そして、二人で手を取り合って
「私の翼は、ツキヨの翼」
ツキヨの翼は、私の翼。
ツキヨは言ってた。自分は、最初から『比翼』だったって。でも、それは私も同じ。
「ツキヨがいるから、今まで頑張ってこれた」
それは、きっとこれからも。
ゲームだけじゃない。隣に月夜がいるから、毎日が楽しい。ツキヨの行動には呆れる時もあるけど、やっぱり、一番楽しいのは、二人でいる時なんだ。
ぐっすりと眠る顔を見つめると、起きてる時の凛々しさを含んだ可愛さから、凛々しさが抜けて可愛いだけになってる。
白い髪に装備。私の腕の中で丸まる様子が、まんま白猫。
「……あはっ、俊敏なのも猫っぽいかも」
けど、私に尽くしてくれる辺りは忠犬っぽいのかな?自由気ままな所がある猫よりは、その辺りは犬っぽい。
………やばい。
今の寝てるツキヨに猫耳を付けたい衝動と、犬耳で尻尾ふりふりするツキヨ想像してしまった。かわいすぐる。わんわんおー。
感謝してたのに、どうしてこうなった。
「……ツキヨ。私のために、ありがとう」
妄想を振り払って落ち着いてみれば、やっぱり浮かんで来るのは、感謝―――。
「本当に―――大好きっ」
そして『親友として』と言って覆い隠してきた、私の本心。
抱きしめる腕に、力が入る。
ツキヨを起こさないように細心の注意を払っているけれど、こうして言葉に出すとやっぱり恥ずかしくて顔が熱くなる。
同性だからとか、関係なく。
私が抱くこの想いは、親愛でも友愛でもないものだと、実感している。
「えへへ……。けど、いきなりこんな事言ったら、ツキヨびっくりしちゃうよね」
尤も。私だって、恥ずかしくて面と向かって言える自信なんて無い。
多分言ったら恥ずかしくて死ねる。
『死因:恥ずか死』とか書かれそう。
ぎゅっと、けど優しくツキヨを正面から抱きしめれば、あんなに強いのに女の子らしい柔らかさがある。
……妙に変態ちっくになったけど、こうなるのはツキヨにだけだ。
大丈夫、問題ない。略して大問題。
「ツキヨと居ると、私すっごい落ち着く」
「んん……」
抱きしめて、耳元で囁く。
やばい。ツキヨが好きすぎて癖になる。
今度、起きてる時にとか冗談混じりに抱きつけば……いける?
「……み、い……ふみゅ……」
「起きて……は無いね。可愛いなぁ……もうっ」
心臓バクバクである。心音って外に聞こえないよね?なんで寝言に私が出てくるのか。
「夢の中に、私が出てるの?」
「えへへ……みい、ちゃん……」
うわ言のように……実際寝言だけど、呟いたツキヨの両腕が、私の腰に巻き付いてきた。
これは抱き枕にされてる?
「っ……ふふっ、昔の夢かな?」
それも、小学校の頃だ。ツキヨが私を『みいちゃん』と呼んでいたのは、その頃だから。
それとも、無意識だと今でも呼んでる?
……うん。どっちでも良いかな
「―――好きだよ、ツキヨちゃん」
「わたし、もぉ………」
「ふふっ。相思相愛、だね」
「ぁ、んみゅ……」
おっとと……少し強く抱きしめちゃった。
けど、万感の想いを込めても、寝言だから少し悲しいなぁ……。
「いつか伝えるよ。私の想い」
抱きしめる手を、ツキヨの頭に乗せて、優しく撫でる。うん。これはもう癖になった。時々、ツキヨが寝てる時にでもやろう。
他に人がいない時は、隙を見て抱きついてもみよう。演技が必要ない時じゃないと、イメージが壊れかねないし。
「私が誰よりも信頼する人。家族と同じかそれ以上に、大切な人」
―――私が、心から愛する人。
そう囁いて、ツキヨの両腕をそっと解く。このままじゃ、ツキヨも寝辛いだろうから。
私もまだ疲れが抜けてなくて寝足りないから。
ちょんっと鼻先をくっつけるだけして、私も腕を解く。ツキヨは、この意味を知ってるかな?
知ってたら、少し恥ずかしい。
「起きたら何時も通り、目一杯楽しもうね」
【比翼連理】を建前に使えば、手を繋ぐくらいならいくらでもできる。
というかそれすら恥ずかしがっていたのが、ちょっとあれだけど。
「【炎帝】ミィとしては、【炎帝ノ国】が最強ギルドになるようメンバーのために戦うけど」
けど私個人としては、大多数のために演技したり、頑張ったりできない。
「私が頑張るのは、
―――おやすみ、
エスキモーキス
『通常のキスよりも上品なキス』とヨーロッパでは言われてるそうな。国や地域によって意味合いは変わりますが、今回はヨーロッパのを。
意味は愛する人への愛情表現。
通常のキスと同じですね。
アンケートで百合に決まったは良いものの、恋愛描写が死ぬほど苦手なので凄い困りました。
が、ガチ百合に拘らず、むしろ苦手な人も楽しんで読めるように考え、こうなりました。
なお冒頭で分かったと思いますが、これはGWのような別世界線じゃありません。
ちゃんと、
原作でいう所の番外編ですね。
それ踏まえて、クラーケン戦後のミィの行動を読み返してみてください。きっと楽しいです。
同時投稿で速度特化のアンケート企画第一弾。
次話は来週の日曜か月曜日を予定してます。少しストックを貯めさせて下さい。