PS極振りが友達と最強ギルドを作りたいと思います。   作:五月時雨

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 まぁタイトルの通りですよね。
 ようやくグループとしてのイベントが始まったので、最初は内政パート。前回で前半が終わって、今回から第二回イベント後半戦に入ったから、導入みたいな感じですな。

 あ、ハーメルン投稿用のTwitterアカウント作りました。投稿日時を予告したり、定期的に宣伝したり、ツキヨとハクヨウちゃんの可愛さを暇になったら呟いてると思います。
 (作者垢 @MoonNight425121 )
 作ってから主人公の月夜を英単語に直しただけだって気付いた。
 まぁ私の名前の方から貰ったんですがね。
 元々Twitterとか殆どやらないから、どうやれば良いのか本気で手探り状態。ダレカタスケテー
 


PS特化と久しぶりの内政

 

 百名を超えるプレイヤー達が忙しなく行き交い、イベントエリア中央を陣取る。

 統率された動きに無駄はなく、最高効率で陣営が組まれていく。

 このイベントエリアには、エリア内にモンスターの出ない所が無数にある。しかし、そこを拠点にするにしても、百人を超えるメンバー全員を収容などできるはずもない。

 

 故に、【炎帝ノ国】はここに拠点を()()ことにした。木を伐採し、組み上げることでバリケードを作り。マルクスを中心に編成したパーティーで、メンバーには反応しないトラップを周辺一体に設置。これによりメンバー以外のプレイヤーも侵入困難な、完全要塞が完成した。

 しかし拠点内にもモンスターはポップするので、見つけ次第討伐。これには今の所ウォーレン、ヴィト、シンをそれぞれパーティーリーダーとして交代で巡視させている。

 生産プレイヤーはイベントでの生命線だ。戦闘職の武器が壊れれば命取りとなる為、彼らの【簡易修理】スキルが不可欠。故に最大限の安全を確保するために、拠点中央に生産職たちのテントを設置し、その周りを戦闘職で固め、常に1パーティーは護衛に付いている形となった。

 

「ウォーレン、それに貴方達は罠設置が完了するまで、マルクスの護衛に付きなさい」

「あ?俺これから巡視なんだが?」

 

 その全てを、ツキヨが取り仕切っていた。

 ツキヨは手元に青いウインドウパネルを浮かべつつ、ウォーレンに答える。

 

「参加している全メンバーの集合を確認できたわ。これより予定していたローテーションで拠点防衛をする」

「なるほど。あれか」

「えぇ。貴方は頭に入っているでしょう?」

「半分は俺が作らされたしな」

 

 ウォーレンのパーティーメンバーがギョッとした様子だが、ウォーレンはサラリと無視してマルクスの護衛に行く旨を伝え、スタスタと行ってしまった。

 元々、ウォーレン、ヴィト、シンを防衛に当てていたのは仮のもの。この日。イベント四日目の昼過ぎに合流したツキヨ達は、翌朝には探索に出られるように、この日の内に防衛拠点を構築する予定でいた。と言うか、進行中である。その構築中の安全を最大限確保するために、三人を急遽防衛に回したのだ。

 

「ヴィトと貴方達は、ミザリー達魔法班と合流して……っとそこの貴方達、ご苦労さま。そろそろ次の防衛ローテと交代しなさい。……この平原を平定してきて」

「平定?」

「一時的な雑魚処理よ。マルクスが掛けた罠をすぐに駄目にされてはたまったモノではないから……そこ後ろからモンスター湧いてるわよ!……少なくとも拠点が完成するまで、周辺一体にモンスターを近寄らせないで。人数が足りなければメッセージを寄越しなさい」

「了解っと……行くぞテメーら!」

『おぉぉっ!』

 

 途中で周囲のメンバーにも指示を出しながら、ヴィトにも当初予定していた役割に移らせる。

 

「ドヴェルグ、進捗は?」

「七割だな。野営だしモンスターも湧くから、篝火は相当な数設置する必要があるし、簡易の寝床っつっても、人が多すぎる」

「外部からはマルクスのトラップと、見張り台を建てるわ。内部は交代で巡回ね。元々テントを持つように声掛けをしていたから、テントのないパーティー分で構わないわ。後ほどリストを持ってこさせる。あとはバリケードだけど……」

「そっちは殆ど組み終わったぜ。だが地上に出るモンスターはまだしも、プレイヤー相手は厳しいな」

「そっちは問題ないわ。人数差は圧倒的にこちらが上。安易に攻めるとは思えないし、攻めてこようとマルクスのトラップで足止めされるのがオチよ」

「その隙に叩けばいいか……が、そう上手くかかるか?」

「マルクスの罠は天才的よ。私から見ても」

「くははっ!なら安心だ」

 

 拠点作成のリーダーであるドヴェルグに進捗を聞くと、日が沈むまでには防衛拠点があらかた完成しそうであると分かり、満足げに頷いたツキヨ。

 

「あぁそうだ。手が空いたら、リンの所に行ってやれ。渡したいものがあるんだとよ」

「分かったわ」

 

 とは言うものの忙しいことに変わりはなく、早足で拠点内を歩き回り、ついでにモンスターを軒並み斬り捨てながら確認を続ける。

 

「モンスターを一切見ずに斬ってる……」

「見てるのは拠点計画だろ?」

「指示しながらモンスター倒しながら計画を確認しながら実物を点検してるぞ……」

「何あれ……あれが並列思考(マルチタスク)っていうやつ?」

「それとは少し違うというか、絶対に間違ってる気がするけど、まぁありえないよなぁ……」

 

 そんなツキヨの行動はどこをとっても異質で、どうやったらそんな事できるんだと問いたくなる。

 

「貴方達もサボってないで働きなさい。そちら側の森林からの木材の調達量が減ってるわ」

「「「「ははは、はいっ!」」」」

 

 そんな彼ら彼女らを目敏く見つけ、仕事を割り振る。ツキヨは大忙しだった。

 対するミィはと言えば。

 

「………ねぇ。なに、これ?」

「素を出さないの」

 

 小声で話すミィとツキヨ。その近くをメンバーが通り。

 

「ご苦労。すまないな、私が今戦えないばかりに、皆には迷惑をかける」

「いえ!ミィ様は何もせずとも、我々で立派な拠点を築きます!」

「我々のために代償まで払って強大なモンスターと戦ったミィ様を責める者は誰一人いません!」

「そ、そうか。このデメリットが切れれば、直ちに協力する」

「えぇ。それまでは私が何とか保たせてみせるから、貴女はゆっくりと休んで頂戴」

「ありがとうございます!」

 

 そう言って、誇らしげに作業に戻るメンバー。心なしか、作業効率も上がった気がする。

 

「………ねぇ。なんなのこれ?」

「ミィが応援すれば、私がただ指示するより効率が上がるから……うん。ごめんね?」

 

 【炎帝ノ国】リーダーことミィさんは、玉座の如き立派な椅子にふんぞり返っていた。

 全体を眺められる様にかなり高い位置に設置してあり、どっかりと腰掛けた脇にツキヨが控える事で、正に一国の長たる風格を醸し出している。

 

「ツキヨ……【比翼連理】して」

「………了解」

 

 スキルを発動させたツキヨは、肘掛けに置かれたミィの手にそっと自らの手を重ねる。

 

(おかしいよね!?なにこれ!ねぇ何これ!?完全に王様じゃん!もうリーダーとかそういう次元じゃないよね!?みんなの尊敬の眼差しが痛いよ私エセアルラウネに操られてただけだし少しなら戦えるよ!?なんで代償払って強モブ倒した設定になってるの!?しかも完全に戦えない感じに伝わってるし!ねぇどういうことツキヨ!?)

 

 伝わるのは素のミィの泣き言。集合したは良いものの、弱体化しているミィを前線に出しても危険に変わりなく、資材集め如きにリーダーを派遣するのもおかしいし、ミィでは山火事を起こして資材を台無しにしかねない。ならばいっそ、どっしりと構えて手でも振っていた方がメンバーの意識向上に繋がるというわけだった。

 

(さ、最初はボカシたんだよ?なのに噂が伝言ゲームみたいにどんどん変な方向に行って、今は『幹部候補とツキヨ様(わたし)達でも敵わない程の超強大なレイド級モンスターがこの平原に潜んでいて、数々の代償を支払うことでたった一人で殲滅し、皆が安全に集合するために活路を開いた』……ってなってた)

(おかしいよねぇぇぇええええ!?!?)

 

 なお、この話を聞いたミザリーたち他の『幹部候補』は、揃ってお腹を抱えて爆笑した。シンなんか過呼吸に陥っていたりする。

 事実は『皆【毒耐性】などで対処したのにたった一人対応できず、あっさりと操られて代償まで押し付けられたポンコツ炎帝』というギャップに、誰一人耐えられなかった。

 

(ま、まぁその内に落ち着くだろうし、デメリットが切れるまでゆっくりしてよ。ね?)

 

 ツキヨがパチンと指を鳴らすと、物陰からティーポットを乗せたワゴンを押すメイド服のプレイヤーが……。

 

「おい待て。待て待てちょっと待てツキヨ!?え、はぁ?何だこれは?」

「それじゃあニール、後は頼むわね」

「お、お任せくださいぃ……」

(今日中にここを砦にするために少し忙しいから、ニールから歓待されてて?)

「ちょ、ツキヨ!?」

 

 緑の長髪をした【彫金】の生産職プレイヤーこと、ニール。かつて統一装備を作る際にカフェで『ドSサブリーダー』と呟き、ツキヨに睨まれた経験を持つ。そんな彼女はブリティッシュスタイルのメイド服に身を包み、ミィの前に恭しく紅茶を注いでいた。

 

「え、と……ニール、だったか?」

「は、はい!私は生産職なんですけど、戦闘職の人みたいにモンスターと戦えないし、【鍛冶】持ちみたいに【簡易修理】で武器の耐久値を戻したりもできませんから、何か力になれればとツキヨさんに相談したら、こんな事に……は、恥ずかしいぃぃ……」

「………そう、か。いや何。嫌ならその格好もしなくて構わない。普段通りでいてくれ」

 

 あわあわと手を前に突き出して混乱を隠せないニールを見て、逆に冷静になれたミィ。

 

「いえその……これ凄く手触りが良くてですね……メイド服可愛いですし、これもありだなぁ……とか思ったり……」

 

 長いスカートを摘んでひらひら。頬が緩んでいて、嬉しいというか楽しいというかな感情がありありと見て取れた。

 

「そうか、なら良い。それで、現在の進捗状況を知る限りで構わないから教えてくれ。皆の前でツキヨに休めと言われたせいで、何の情報も私に上がってこない」

「あ、はい。その為に呼ばれましたので、大丈夫です」

「なに?」

 

 元から隠れてこそこそ働く所が多かったツキヨだが、ここまで大掛かりな作業の計画も隠していたとは思わなかったミィ。ニールが知る限りでも情報を貰おうと思ったら、なんかその為に呼ばれたとか何とか。

 あと服装と恥ずかしさも割り切ったのか、落ち着いた受け答えになった。

 

「現在、通常のメッセージが機能していないことはご存知ですか?」

「あぁ。イベント内部ではパーティーメンバーにしかメッセージが送れないんだったか?」

「はい。その為に現在ツキヨさんは、『幹部候補』の皆さんを筆頭に九人をパーティーに入れ、その人たちが更に1パーティーを率いています」

 

 つまり、ウォーレン達は実質ソロであり、ソロ+十人一パーティーの計十一人で行動している。パーティー内のリーダー設定もあるのだが、通常ではリーダーが二人になってしまう。それが起きず指示系統が統一されているのは、大グループの強みと言えた。

 

「入っているのは、『幹部候補』のミザリーさん達にドヴェルグさんを加えた六人と、【AGI】の高い二名、それと私です」

「ニールが?」

「はい。私はミィさんのお付きですね。皆さんのためにと一人で戦場に出られれば、むしろ不安が広がってしまうため、監視とも言えますが……また、ツキヨさんに変わって一時的なサポート役でもあります」

「ツキヨめ。……はぁ。それで、【AGI】の高い二人は、なぜ?」

連絡係(メッセンジャー)ですね。各部署のリーダーがツキヨさんから指示を受け、それぞれの下部に指示を飛ばす形で拠点構築を行っていますが、それでも末端にはどうしても遅れが出ます。またミィさんの噂のように、伝言ゲームで間違いが伝わる可能性も考慮し、連絡遅れのカバーとダブルチェックの二つの意味で、拠点の内と外に一人ずつ配置しています」

「噂の事を知っていたか……全く」

「人の口に戸は建てられませんが、真実が伝わるとも限りませんから。私は『幹部候補』の皆さんが噂を聞いた時にお腹を抱えて笑っていたので、その時に教えていただきました」

「あいつらぁ……っ」

 

 ピキピキと青筋を立てるミィ。いつの間にか自分を除け者にしてパーティーを編成したかと思えば、噂が広がっているしどんどん話は進んでいるし……と、怒っても無理なかった。

 

「話を戻しますと、現在の進捗状況は順調と言えます。後は全体の補強段階にまで行っていて、日が落ちる前までに、拠点は完成するとのこと。全体としての練度も決して低くありませんし、指示系統も数ヶ月前から確立されていますので、混乱が生まれることはありません。指示系統については、普段の活動が実を結んだと、ツキヨさん嬉しそうにしていましたよ」

 

 それでも異常なほどに早いのは、現実よりも全員の身体能力が高いからなのと、スキルを多用して疲労を減らしているから。森林伐採に武器スキル連発する光景は、なかなかに壮観らしい。

 

「寝泊まりについてもテントを多用することで簡略化していますし、人数が多いため夜の見張り交代も十分な人数とローテーションが確保されています。ですが、防衛の大部分をマルクスさんの罠に頼る所があり、マルクスさんへの負担が増えることを問題視していました」

「罠は発動すれば、また掛け直す必要があるからな。だが、マルクスの罠による防衛でメンバーの負担が半分以上減るのは確かだ。明日からの探索ではマルクスに貧乏くじに引いてもらうか、防衛を固めるか……考えた方がいいな」

「はい。ツキヨさんも、同じ見解でした。ですが、マルクスさんの技能は防衛によって高く発揮されるとも、ツキヨさん言ってましたよ」

「マルクスに貧乏くじを引いてもらうならば、マルクスと直接話す必要がある。どちらにせよ、拠点が完成した後にマルクスとツキヨを呼んでくれ」

「畏まりました」

 

 ニールがミィに変わりツキヨとマルクスにメッセージを送ったのを確認して、諦めてメンバーの応援をすることにしたミィ。それで効率が上がるというのはなんとも言えない気持ちになるが、表面上はカリスマミィさんの仮面を演じ続けるのだった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「ふぅ……ようやく一区切りと言ったところね」

 

 完成した拠点を見張り台から眺め、穴がないか確認をするツキヨ。尤も、通常のフィールドなので拠点内部でもモンスターは出るので、今も時折戦闘音が聞こえてくる。しかし、巡回には必ず高レベルプレイヤーを数名配置しているので、実質的な問題は出ていない。

 伐採した木で構築した陣営は、他のプレイヤーの侵入を阻止するためだ。メンバーが探索に出るための道を四方に設置してあるが、うまくカモフラージュしているためバレないだろう。

 その周囲には、全集をグルリと囲むように設置したトラップの海。即席のものなので、1パーティーが連携を取れ、声が届く距離までしか設置できていないが、それで十分。威嚇には十分すぎるトラップ群だし、何より人数差は圧倒的だ。ここを落とす意味もないし、落とす為だけに多数のプレイヤーが結託するとは思えない。現状でもかなり警戒しているが、むしろ過多と言えた。

 

「さて、後は宴の準備かな」

 

 明日からの全体行動に弾みを付けるならば、それが最適だろう。そう考えたツキヨはパーティーメンバーにメッセージを送り、見張り台から飛び降りた。梯子もあるが、それじゃ格好が付かないからという理由だけで。

 

 




 
 ツキヨ達、絶対に別ゲームだよねこれw
 建築系のゲームしてますよね……

【PS特化と生産職】より。
『……ドSサブリーダー』
『聞こえてるわよニール』
『ひぇ……っ』
 から全く登場しなくなったニールさん。メイド服で再登場の巻。作者の趣味……というのは嘘で、副団長のツキヨにはウォーレンっていう右腕がいるのに、【炎帝】としてのミィに個人的な部下いないなって思って、探したらこの子くらいしか名前出た良い子居なかった。なお、リンは別の出番用意してるから却下。
 ツキヨがサポート役も熟してるけど、内政をツキヨが取り仕切ってるので、ツキヨがいない時のヘルプ的な子です。生産職としても優秀で、戦闘職側との繋ぎはツキヨ、生産職とはニールっていう分担もできる。

 次回は宴かなぁ……大人数を盛り上げるにはパーティーしかないと思ってる発想力ミジンコな執筆者の恥です。

 明日は投稿しません。
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