自分も外に出れず、室内で過ごしています。
皆さんも負けないよう、頑張ってください。
カンッ!ザリザリッ!!ザリッ!!カンッ!ザリッ!!
「せい!!はぁぁ!!」
「甘い!はぁぁ!!」
ここは、マリンフォードにある海軍本部の訓練所。そこに2人の男がいた。
一人は、紫と白の縦縞模様のスーツを着ており、背中には正義と書かれた白いコートを着た男。
もう一人は、病的に白い肌と髪を生やし、青色の着物を着た少年だった。
二人は、誰もいない訓練所の中心で木刀で打ち合っていた。少年は男よりも小さく、力も弱いので、速さと受け流しを主にした剣。
男は、少年に対して力を主にした攻めの剣で打ち合っていた。
男が攻めると、少年は全身を使って木刀の勢いを消し、そのまま反撃を、その攻撃に対して男は体を逸らしたり木刀の持ち手で受けたりしていた。
それを約十分ほど繰り返したところで、男は言った。
「今日はここまでだ。」
「はぁ、はぁ、ありがとうございました!モモンガさん!」
「腕を上げたな。この数年で、君は私の予想を遥かに超える成長を遂げた。」
「はぁ、はぁ、い、いえ。俺はまだまだです。たった十数分程度しか打ち合えませんでした。」
そう言った少年の言う通り、モモンガは一切息切れをしていなかったが、少年は体を上下させるほど息切れをしていた。
(ふむ。やはり何かの病気か?しかしおつるさんやガープ中将が言っていたが医者に見せても病気などではないと言っていたな。
ただの体力不足か?いや、そんなはずは無い。あのガープ中将やゼファー教官が体力づくりを怠らせる筈は・・・)
「モモンガさん?」
「!!どうした?ネルソン君。」
「いえ、急に黙ってしまったのでどうしたのかと。」
「あぁ、少し考え事をしていたんだ。そうだ!君に渡したいものがある。」
そうモモンガがいうと、懐から名前の書かれた紙をネルソンに渡した。その紙を見ると、ネルソンは目を輝かせた。
「い、いいんですか!!」
「あぁ、たった数年でここまで上達したんだ。認めざるを得ないだろう。」
「あ、ありがとうございます!!」
「確かこれで七枚目だったかな。」
「はい!これで母さんにも認めてもらえます!」
そう言うとネルソンはお辞儀をして急いで訓練所を出て行った。
訓練所に一人で残されたモモンガは、自身の持っていた木刀を元あった場所に返しに行った。
(もう14年も経ったのか。見違えるほどに大きくなったな。海軍はとても厳しいが、君が望んだことだ。決して折れるなよ。)
そうモモンガが思うと、顔を笑みを浮かべて、仕事に戻った。
ーーーーー
ーーー
ー
side おつるさんの仕事場
「母さーん!、母さーん!!」
海岸本部の中では似つかわしく無い少年が母を呼ぶ声が本部の中でこだました。知らない人は子供が迷い込んだのかと思うが、そう思う人は新しく入ったごく少人数しかいない。
それほどまでに少年が本部の中にいることは普通のことだった。
それはさておき、少年は一目散に自分の母親のいる仕事場に向かって行った。
そしてしばらくすると、少年はとある部屋の扉をバン!!と開けた。
「母さん!!」
「うるさいよ!馬鹿息子!!」
そこには、年老いた白い髪をはやしながらも、老いていることを感じさせない女性がいた。この人が、ネルソンの義理の母であり、現海軍中将のおつるである。
「で、どうしたんだい?まさかまた街の悪ガキと喧嘩でもしたのかい?それとも「母さん!モモンガさんにも認めてもらったよ!」!!」
「これで海軍に入ってもいいよね!」
「・・・それは本当かい?」
「本当だよ!だからここにガープさん達の署名も持ってきたんだ!ほら!」
と言うと、ネルソンは懐から七枚の紙を出した。そこには、
ガープ、センゴク、ゼブァー、サカズキ、クザン、ボルサリーノ、モモンガ
の七名の名前がそれぞれの人物が書いた字で書かれていた。
おつるは、それらの紙を一つずつ注意深く見た。そして少ししたあと、はぁ、とため息を一つして、ネルソンを見た。
「どうやら本当みたいだね。わかったよ。」
「と言うことは!」
「ネルソン、お前さんが海軍に入ることを許可するよ。だけど、海軍学校にきちんと三年間通ってからだがね。」
「やったー!!ありがとう母さん!」
「わかったら早く寝なさい。入学の手続きはあたしがしとくよ。」
そう言うとネルソンはわかったと元気な声で言ったあと、部屋を出て行った。おつるはその様子を見たあと、もう一度大きなため息をついた。
「全く、なんでそこまで頑張ったのかねぇ。」
「そりゃ〜、あんたの為だろーよ、おつるさん。」
すると、扉から身長三メートルほどの細いアフロの大男が入ってきた。
「おや、クザンじゃ無いか。またサボっているのかい?」
「あらら、俺ってそんなに信用ないですか?まぁ確かにサボってはいますけどね。」
「で、何の用だい?こんな時間に、わざわざあたしの部屋まで来て。」
「あ〜、実はさっきそこでネルソンと会ってね、母さんに海軍に入ることを認めてもらった!てなことを聞いたんで、その真相をと思いましてね。」
そう青キジが言うと、おつるは席を立ち外を見るように窓の前に立った。
「実を言うとね、あの子には海軍には入らずに一般人になってほしかったんだけどね。その為にお前達が認めなければ海軍に入ることを許可しないなんて言ったのに。まさかたった5年で終えるなんて。」
「その反応を見るに、本当みたいですね。にしても海軍学校に入学できるようになる年齢丁度の年に全ての課題をクリアとは、偶然というべきか、必然というべきか、」
「必然ねぇ。全く、今あたしはお前達が手加減をしたんじゃないかと疑っているところだよ。」
「手加減をしたなんて、そんな訳ないじゃないですか。俺やサカズキ、ボルサリーノはあんた達に本気でやれって言われたんですよ?それに、手加減をしたところで、あいつのためになりませんからね。」
そういうと、青キジは部屋の中にあるソファにどっかりと座った。
「にしても、ほんとにでかくなったな〜。あいつがまだこんくれーの時は、俺のことをケンケンて呼んでよく後ろをついてきましたね〜。」
「そんな事もあったねぇ。」
「ま、何はともあれ、今のあいつは本部の曹長くらいの実力は平気でありますよ。それに、能力をきちんと鍛えれば大佐レベルにも、」
「能力は学校に入ってから本格的に教えるつもりだよ。なんたってあの子の能力は下手すりゃ世界を滅ぼせる能力だからね。全く、あの時目を離さなきゃ良かったよ。」
「それもまた、必然だったて事じゃないですか?現に、あいつの食った悪魔の実は、五十年くらい行方が不明だったんですよ?それがあいつが一人になった時、ひょっこりと現れやがったんだ。」
「お前さん、さっきから必然必然って、まるであいつが海軍になることが生まれた時から決まってたと言うような言い草だね。」
そうおつるが言うと、青キジが座っているソファの向かいに座った。座ったおつるの顔には少し怒りの感情が見えた。
「そー怒らないでくださいよ。ただ、あんたがあいつを拾った時から、あいつはあんたみたいなかっこいい海兵になりたいって思ってたんでしょうよ。」
そう言うと、青キジは立ち上がり部屋の扉に手をかけた。
「そうだ、あいつの手足と体に巻きつけているについている海楼石の重り、なるべく外さないように言っておいてくださいね。今のあいつが外さないまま学校で訓練したら、他の奴らが自信をなくしてやめちまうかもしれませんからね。」
「そんなことわかっているよ。明日、センゴクに頼んで重りの重さを倍にして触れる面積を多くするように頼むからね。」
それを聞くと、青キジは顔を引きつらせた。ネルソンの両腕、両足首には、それぞれ5キロの重り、そして体には一つ10キロの重りが二つ巻きつけてあるからだ。
「ハ、ハハハ。おつるさん、冗談が過ぎますよ。んじゃまた今度。」
そう言って青キジは部屋を出て行った。
おつるは一人部屋に残り、冗談じゃないんだけどね。と言って書類に目を向けていた。