・・・とうとうここまで来た。三年にも及ぶ物語、ノイズとの戦いからここまで続いた、もはや多く語ることはない・・・ただ、この物語の結末を見届けてくれ・・・それでは戦姫転生ゼロフォギア最終話『0と0』・・・最後の物語をどうぞ!
流星と共に地上に帰還した十二の英雄達は、アークと対峙していた。
「お前達・・・間に合ったのか・・・!」
「間に合わせたんだ・・・俺達人類が・・・!」
「神の力に抗い・・・人類の力で!」
真達の帰還に弦十郎とキャロル、サンジェルマンを始めその場にいた全員が歓喜の声を上げる。
「皆・・・耐えてくれて本当にありがとう・・・後は俺達が相手する!」
「分かった・・・負傷者を安全な場所まで運ぶんだ、急げ!」
弦十郎は真達に全てを託し、無事な者達と共に負傷者を安全圏内まで運び出す。
「やはり帰還してきたか仮面ライダー、シンフォギア・・・一体どうやってあそこから脱出した」
「あるお方の手助けがあったもんでな・・・」
「ほう、それは興味深いな・・・だがまぁいいだろう」
アークは今もなお伸び続けるクリフォトに視線を向ける。
「クリフォトが月遺跡に接続されるまで残り一時間を切った、貴様らに残された選択はただ二つ・・・勝利か、敗北か・・・だがお前たちがたどり着く結論は、敗北だ」
「だったら、その結論を覆して見せる、人類の力で・・・この希望の力で!」
「貴方がみんなの未来を奪うなら、私達がみんなの未来を守る!この拳で!」
真と響の声で、全員が構えるのに対し、アークは空中に浮遊して構える。
「いいだろう・・・さぁ、この世界の夜明けを賭けた最後の戦いだ」
その言葉と同時に全員が飛び出した。
『使用BGM:PERFECT SYMPHONY(響&翼&クリス&マリア&切歌&調&未来)』
「なぜ空は歌を零したか?」
先行した響はアークに拳を振るうが、アークは響の動きを予測し全て躱し響を吹き飛ばし生成したガングニールを放つが、吹き飛ばされた彼女を真が受け止め追撃に放たれたガングニールを直前で回避する。
「なぜ人は言葉を持ったか?」
未来が極大の光線を幾重にも放つが、生成したシェンショウジンが光線を全て防ぐ。
「七つの歌を合わせ、神の不条理を覆すか・・・だが、それでは私に傷をつけることは能わない」
そう言ってアークは生成したシェンショウジンから大量の光線を放ち未来を引かせる。
「それは分かり合いたいという」
「心の」
クリスは大量のミサイルと共に無数のレーザーを放つが、生成したイチイバルが全て撃ち落としてしまう。
「寂しさからだった」
「一人ぼっちだとメロディは」
奏と翼は接近戦を試みるが、アークはガングニールとアメノハバキリを生成し二人の攻撃を受け止めその上から土と氷の錬金術で作りだした大槌で叩き落とした。
「意味をなさずに」
「泣くだけ」
調は大量のリングを投擲しそれに縛り付けた糸でアークの周囲を囲み、切歌が地面を切り裂くほどに巨大化させたアームドギアでアークを切ろうとするが、アークはシュルシャガナを生成し糸を全て断ち切り、イガリマも生成して切歌のイガリマをはじき返し二人を炎と風の錬金術で吹き飛ばした。
「「愛とは何か?夢とは何?」」
「抗い生きてきた」
マリアが左腕に取り付けた紫色の剣で切りかかるが、アークはアガートラームを生成し受け止め蛇腹剣でマリアを拘束し地面に叩きつけようとするがセレナがアークの蛇腹剣を切り裂きマリアを助け、反撃に大量の短剣を放つが全て切り落とされてしまう。
「人をナメるなよ」
「集いし7つの音階は」
アークは四属性の錬金術を付与したアームドギアの雨を降らすが、紫苑と桃恵の錬金術による防壁で防ぎきり、紫苑の生成した足場に真が飛び乗りアークに向かって行く。
「真の姿へ」
「爆ぜる星々の産声」
アークに接近した真はゼロツーの予測演算を最大限行使し攻撃を仕掛けるが、アークはそれをも上回る予測演算で真の攻撃を全て受け止め薙ぎ払った。
「
「聞こえるか?この鼓動」
「聴こえるか?この希望」
アークは手元に極大の陣を生成し、そこから黒い光線を真達に向けて放った。
「燃え煌めけ最後の唄」
光線に対し真は前に出て飛電メタルを全て使った壁を作り出し光線を何とか防ぎきった。
「この世界は繋がる…君を愛す力がある!」
「くそっ・・・かすり傷すら与えられねえのかよ!?」
「元々のアークの予測演算に神の力が加わってる・・・おそらくゼロツー以上の予測をしてる!」
「その上、我々の聖遺物と錬金術を駆使しているのに加え、神殺しの力を持つ立花を警戒している!」
「けど、それだけのことで折れる私達じゃないわ!」
「幾ら神の力を持ったとしても絶対などありえん!必ず隙が生じるはずじゃ!」
「何百、何千、何万と」
「負けても生きること諦めない」
「だったら生じさせてみろ、その隙とやらをな」
アークはそう言って空中に幾重もの陣を生成し、そこから大量のアームドギアを射出した。
「この世界は羽撃く…唄を羽根に変えながら!」
真達は降り注ぐアームドギアの雨を躱しながらアークに攻撃を仕掛けるが、アークは悉く攻撃を予測し防ぎきり真達に手痛い反撃を与えていく。
「全力」
「全部を出し切るんだ」
紫苑と桃恵が錬金術でアークを囲むが、アークはアメノハバキリを振るい二人の陣を砕き黒く染まった蒼ノ一閃を二人に放ち吹き飛ばした。
「全開」
「束ねて重ねた手で」
「正義を信じて花咲け勇気よ」
紫苑と桃恵がやられると同時に真と響が同時に攻撃を仕掛けるがアークが生成した陣に防がれてしまい、アークは両腕にガングニールを身に着け二人を殴り飛ばした。
「虹を明日に…!救うんだ未来を」
「進化したXDでも・・・仮面ライダーの最強形態でもアークには敵わないのか・・・!?」
避難を終えた弦十郎達は遠巻きに真達の戦いを見ていた。
「アークの持つ性能に加えて神の力、錬金術、聖遺物・・・正直に言えば勝率は限りなく低い・・・けれど」
「皆さんなら・・・きっと奇跡を起こせます!」
フィーネとエルフナインの言葉に、全員は真達の勝利を祈る。
「たとえどれだけ力を束ね、力を得ようが、神たる力には遠く及ばない」
アークが手をかざすと、周囲に光が溢れだし大量のアークマギアが生成させる。
「思いつく限りの言葉で」
「人類はこの世界にとって不条理な存在だとわからないか・・・気まぐれで周りを傷つけ、踏み躙り、自身こそが正義だと口にし力を振るう」
真は生成した二本のプログライズホッパーブレードで生成されていくアークマギアを次々と切り裂いていき、それに合わせるように響が倒し損ねたアークマギアを殴り壊していく。
「気持ちを伝え切りたいと」
翼は自身の燃え盛る髪を振るい、奏はアームドギアを回転させ巨大な竜巻を発生させ、周囲のアークマギアを薙ぎ払って行く。
「足掻けることこそ人間の」
「チカラ」
クリスは自身の背後に銃を構えた巨大な自分自身を投影しアークマギアを撃ち抜き、クリスが放った攻撃を未来が大量の鏡で反射させさらに撃ち落としていく。
「尊き可能性」
「足りないことは支え合って」
調と切歌はお互いのアームドギアを組み合わせ巨大なUFOにして乗り込み、操作してアークマギアを切り落としていく。
「涙も笑顔も」
「一緒に」
マリアは左腕のアームドギアをレールガンに形を変え巨大なアークマギアを貫き、マリアに迫って来るアークマギアに対してセレナは大量の短剣を繰り出すと短剣が妖精のような形になり縦横無尽にアークマギアを切り裂いていく。
「弱くてもいい…強くなること」
「粘り生きてきた」
紫苑と桃恵は互いの錬金術を組み合わせ、四元素が混じり合った一撃を放ちアークマギアを消し去っていく。
「人で在れるなら」
「集いし7つの調和よ」
「人間は悪性の病原体だ、故に私が人間をマギアに変え統制し真の世界を創造する」
アークはアメノハバキリとアガートラームを生成し、周囲に無数の斬撃を放つ。
「光になれ」
「極限まで食い縛って」
アークの放った斬撃を真、響、翼、マリア、切歌、紫苑が切り防いでいき、後ろで待機していたクリス、奏、未来、セレナ、調、桃恵が遠距離攻撃を仕掛ける。
「叫ぶんだ」
「聞こえるか?このハーモニー」
「聴こえるか?このシンフォニー」
アークは六人の攻撃をガングニールで全て打ち落としてしまう。
「お前達は私が創り出す新たな世界の礎となる、それが完全なる結論だ」
アークはガングニールにエネルギーを溜め、極大な一撃を響に向けて放った。
「殴り吠えろ最後の唄」
響に向かって放たれた一撃を真が庇い、真は地面に落ちていく。
「真さん!!」
真はとっさに体勢を立て直し地面に降り立つが、そこにアークがプログライズホッパーブレードを携え真とぶつかり合った。
「この命は意味がある…君を生かす力がある!」
真とアークはぶつかり合いながら互いに語り掛ける。
「確かに人間は面白半分で人を傷つける・・・けど全ての人間がそうとは限らない!響達みたいに誰かを思って手を差し伸べたり、守ったりする!人間にもいい奴はたくさんいる!」
「その者達の思いすら踏み躙り悪意は生まれ蔓延する、私のいた世界でもそうだった・・・自身の保身のために悪事を働く者達は多くいた、私も悪意を持った人間のせいで生まれた」
「語り尽くせばいいんだ」
「魂も声も枯れるほどに」
「人間がいる限り悪意は生まれ続ける、それが人類の背負った大罪だ」
アークの攻撃で徐々に真の体に傷がついて行き、顔を隠す装甲も砕けていき素顔が見えだす。
「この命は燃えてる…凍ったハートを溶かそうと!」
「大罪を背負った人類が・・・神に勝てる可能性などない!」
アークは強力な斬撃を放ち、真は武器で防ぐが、斬撃の勢いに負け後ろに押されていく。
「全力」
「絆、心、一つに」
斬撃に押されていく真を翼が上空から剣の雨を降らしアークの斬撃を掻き消し、膝を突こうとする真を響が支える。
「全開」
「立ち上がれと言っている」
「全ての歴史 拳に込めよう」
真を助けると同時にクリス達が集中砲火を繰り出すが、アークは錬金術で全て防がれてしまう。
「そしてその手で…!守るんだ未来を」
調が大量のリングを繰り出し、切歌が燃え盛る鎌の一撃を振るい、マリアが白銀の焔を纏った短剣を放ち、セレナが大量の短剣を雨のように降らせると、四人の攻撃が混ざり合い一つの巨人となりアークに向かいアークは錬金術で防ぐが、その際に生じた爆煙がアークの視界を遮った。
「っ!今が好機だっ!」
『オーバーブレイク!』
真の掛け声で全員は力を開放し、同時にアークに向かって行く。
爆煙を払いその攻撃を見たアークは錬金術の防壁を展開するが、真達はアークの防壁に向かってライダーキックを放った。
「この世界は羽撃く…唄を羽根に変えながら!」
「全力」
「全部を出し切るんだ」
十二人のライダーキックによってアークの生じた防壁にひびが入って行き、アークが徐々に押されていく。
「全開」
「束ねて重ねた手で」
「正義を信じて花咲け勇気よ」
アークを押していく真達だが、限界を突破した力にギアとスーツが耐え切れず徐々に砕けていく。
「虹を明日に…!救うんだ未来を」
「・・・それでも貴様らは私には届かない」
『っ!?』
あと少しで砕ける・・・そう思った瞬間、アークの体から黒いエネルギーが漏れ出しそれが鋭い棘状となり真達を襲った。
『ああっ!!!』
アークの一撃で真達は吹き飛ばされ地面を転がっていき、アークはそのまま空へと飛んだ。
「結論はついた・・・これで終焉だ」
アークはそう言ってドライバーのキーを押し込む。
『マリスエンド…!』
アークの右足に黒と銀のエネルギーが集結し、アークはそのまま真下の地面に向けてライダーキックを放った。
それを見た真が周囲を見当たすと、アークの攻撃でまだ動けずにいた仲間達がいた。
「っ!さ・・・せるかっ!」
『ゼロツービッグバン!』
真は傷だらけの体を無理やり立たせキーを押し込み、高速でアークの真下に向かい跳躍しライダーキックを放ちぶつかり合った。
「はぁぁぁぁぁぁ!!!」
「無駄だ・・・ふっ!」
「がぁっ!!」
真は全力を振り絞り食い止めようとするが、アークの一撃には敵わず真は弾き飛ばされてしまう。
マ
リ
ス
エ
ン
ド
マリスエンド
そしてその勢いのままアークのライダーキックが地面に突き刺さり、アークを中心として黒色と銀色が混ざり合った大爆発が周囲の全員を呑み込んだ。
「・・・・・・・・・っ!」
変身が解け、目を覚ます真が眼にしたのはアークの一撃によってほとんど更地となってしまった大地だった。
「み・・・みん・・・な・・・っ」
真が周囲を見渡すと、アークの一撃で吹き飛ばされた皆を見つける、全員ボロボロだったが動けるようだった。
「まだ・・・生きてる・・・っ!」
真は傷だらけになろうとも立ち上がると、目の前にアークが現れる。
「これが結論だ、貴様らでは覆すことのない完全なる結論・・・だがお前の妨害が無かったら全員今の一撃で死んでいたのだが・・・悪あがきだな」
「ま・・・だだ・・・、まだ・・・終わって・・・ない・・・っ!」
『ライジングホッパー!』
真はすぐさまライジングホッパーに変身し、プログライズホッパーブレードを握り締めアークに立ち向かう。
「そうだな・・・貴様らはそういう存在だったな、決して諦めず立ち向かってくる英雄だ」
アークはそう呟きプログライズホッパーブレードを生成し握りしめる。
「人を守る、素晴らしい心がけだ・・・故に」
そう言ってアークは視線を真から外す。
「・・・・・・っ?どこを向いて・・・」
視線を外したアークに疑惑を持った真はその一瞬であることに気が付く。
アークが視線を外した意味・・・そして視線の先にいた人物に。
「・・・・・・っ!!?」
真がそれに気が付いた瞬間、アークは一瞬真の前から消えた、そして姿を現したのは・・・いまだに立ち上がれずにいた響の目の前だった。
「あ・・・っ!」
アークは響に向かって武器を振り上げ、響は躱そうとするが体が言うことを聞かなかった。
「・・・っ!響っ!」
アークが武器を振り下ろす直前、真はすぐさま跳躍し響の前に立ち武器を構えて響を守る。
「人を守る・・・それこそが」
アークはそのまま武器を振り下ろし・・・。
「貴様の弱点だ」
武器ごと真の体が切り裂かれた。
手にした武器を両断され、切り裂かれた個所から血が噴き出し、その一撃は真のドライバーをも切り裂き壊し、真の変身が解け、真は力無く両腕を下す。
真が膝をつく前にアークが手にしていた武器が消え去り、空いた右手に黒いエネルギーが溜められアークは右手を構える。
目の前の光景に眼を見開き、声も出せない響は血を流す真に向けて震える手を伸ばすと同時に・・・。
右手から放たれた黒閃が真の胸を貫いた。
「・・・・・・・・・・・・え?」
目の前の光景が理解できない響、だがいくら現実を否定しようと目の前には胸に大きな風穴を開けた真が立っていた。
「希望は滅びる・・・英雄の命と共に」
そう言ってアークが振り返ると同時に、真の体が力なく地面に倒れる。
「・・・・・・まな・・・さん?」
響は虚ろな目で目の前で倒れる真の声をかける、だが返事は帰ってこず真の下に赤い水たまりが広がっていくだけだった。
「あ・・・・・・ああ・・・・・・っ!」
響は這いずりながら真に近づくが、真の胸には大きな風穴が開けられており、その瞳には既に生気は宿っていなかった。
そんな響に向けて、アークは無情にも言葉を告げた。
「ドライバーを壊し、命を砕き、奇跡は全て滅ぼした・・・仮面ライダーゼロワンは、滅亡した」
「あ・・・ああ・・・・・・!」
「ああああああああああああああああ!!!」
アークの言葉に響の虚ろな目に涙が溢れだし、響は真の体に身を寄せ大声で泣き叫ぶ。
だがいくら泣いても、叫んでも真が起きることはなかった。
「これで私の最大の障害はいなくなった・・・いよいよ私の計画が果たされるときだ!」
そう叫ぶアークに極大の斬撃が放たれとっさにアークは錬金術で防ぐ。
斬撃が放たれた方を向くと、ボロボロでありながらも剣を握り占め立ち上がっていた翼がいた。
「よくも・・・よくも継菜を・・・私達の友を・・・!」
そう呟く翼が顔を上げると、その瞳は涙を流しながらも怒りに染まっていた。
「よくも殺してくれたな、貴様ぁぁぁぁぁ!!」
「まだ立ち向かうというのか・・・無駄だというのに」
そう言ったアークに今度は大量のミサイル、光線、短剣等々様々な攻撃の嵐が放たれるが、アークは全て防いでしまう。
「うるせぇ・・・お前は確実に地獄に送ってやる・・・!!」
アークが周囲を見当たすとクリス達も翼と同じく怒りに震えながら武器を構えていた。
「無駄だといったのが分からないか・・・」
アークがクリス達に向けて手を差し出し錬金術を繰り出そうとすると、アークの後方から極大の光線が放たれとっさに障壁を張り防ぐ。
「黙れ・・・ガラクタ風情が・・・!」
「お母さん・・・お母さん!!!」
アークが振り返ると、ダウルダヴラを身に纏ったキャロルが大量の陣を展開しており、弦十郎が抱きかかえているエルフナインが涙を流しながら真に手を伸ばしていた。
「よくも俺の・・・俺達の母さんを殺してくれたな・・・貴様だけは一欠片も残さず完全に分解してやる・・・!!」
「そうか・・・ならいいだろう、貴様らもゼロワンと同じところに送ってやろう・・・神の慈悲でな」
「黙れクソ神がぁぁぁぁぁ!!」
クリスの叫びと共に響とエルフナインを除いた全員がアークに向かって行った。
死闘が繰り広げられ、傍で涙する少女達がいても、真は目を覚まさなかった・・・。
光が欠片もない闇の空間、その中で真はゆっくりと落ちながら眼を開けた。
『・・・・・・・・・ここは』
真が眼を覚ますと、周囲を見渡し直前で何があったのかを思い出す。
『そうか・・・俺、死んだんだ・・・響を庇って、アークの攻撃で』
直前の事を思い出し真の瞳から涙が流れる。
『くそ・・・あんな奴に負けちまったのかよ・・・・・・でも、もうどうすることもできない・・・っ!』
真は悔しそうに涙を流し続ける、アークに負けたこと、死んでしまってもうどうすることもできない不甲斐なさに涙が止まらなかった。
『・・・・・・負けて悔しい?』
『っ!?誰だっ!?』
突然自分以外何もいない空間に別の声が聞こえてきて真は驚いていると、目の前に青い光が現れ形を変える。
サファイアのように輝く長い髪と瞳、闇の空間でひときわ目立つ白いドレスを身に着けた女性。
『負けて悔しいのって聞いてるのよ』
初めて見る女性、だが真はその声に聞き覚えがあった。
『・・・あんた、神さんか?』
『ええ、こうして姿を見せるのは初めてね、真君』
『・・・あんたがいるってことは、ここはあの時と同じ死んだ後の世界って事か?』
真の言葉に女神は首を横に振る。
『少し違うわ、ここはその途中の道、死した者が私達のいる神界に送られる途中の道、今貴方は神界に送られている最中よ』
『・・・結局同じじゃねえか』
『さっきの質問だけど、アークに負けて悔しい?仲間を利用されて殺されたことが悔しい?』
『・・・・・・そんなの、悔しいに決まってるだろっ!』
真は女神の質問に怒りをあらわにして答えた。
『でももうどうすることも出来ない!あいつに殺されて・・・もう俺に出来る事なんて何もないんだよ!!』
真は涙を流しながら怒りながら答えると、女神はうんうんと頷く。
『そうよね・・・でも一つだけ聞かせてもらえないかしら?』
『・・・何だよ』
『アークに殺されてって言ったけど・・・そもそも貴方が響ちゃんを守らなかったらまだ死なずに済んだんじゃないかしら?』
『・・・はっ?』
女神の言葉に真は耳を疑った。
『その上、あの時アークの一撃を受け止めようとしなかったらまだ動けていたんじゃないかしら?それにクリフォトから脱出しなかったら傷ついて死ぬことはなかったんじゃないかしら?そこが気になって『ざけんなよ』ん?』
真は女神の胸倉を掴み怒りを爆発させた。
『ふざけんじゃねえよ!自分可愛さに仲間を、みんなを見捨てろっていうのか!ふざけたことを抜かすんじゃねえよクソ神!!』
『でも事実でしょう』
『黙れ!あんたに何が分かるっていうんだよ!』
真は叫びながら胸倉をさらに強く掴みかかると、神は冷静に答える。
『・・・じゃあ、なんであなたは彼女達を見捨てず、身を挺して守ったの』
『・・・はっ?』
『それさえ答えてくれれば、さっきまでの言葉は謝罪するわ・・・それでどうして守ったの?』
『どうして・・・守ったか・・・』
女神の質問に真は女神の胸倉を離し、思案する。
(どうして守ったかって・・・そんなの仲間だから・・・危険だったから・・・でも、本当にそれだけなのか?アークの一撃を妨害する時、周りのみんなを見てとっさに動いていた・・・響の時、そんなこと考えるよりも先に身体が動いていた・・・予測していたからとかそういうのじゃなくとっさに身体が動いていた・・・どうして?)
真は考え込み、そして真の脳裏に響達のことが走馬灯のように広がっていく。
『お母さん!』
母と呼び笑顔を浮かべるエルフナイン。
『母さん・・・』
照れくさそうにそう呼ぶキャロル。
『真さん』
優し気な笑みを浮かべる桃恵。
『真よ!』
屈託のない笑顔をする紫苑。
『真さん』
月のように綺麗な微笑む調。
『真さん!』
太陽のような明るい笑みを浮かべる切歌。
『継菜真』
母のような笑みを浮かべるマリア。
『真お姉ちゃん』
姉のように自身を慕い笑みを浮かべるセレナ。
『真・・・』
ぎこちない笑みを浮かべるクリス。
『真』
分け隔てない笑みを浮かべる奏。
『継菜』
淑女のような笑みを浮かべる翼。
『真さん』
陽だまりのような笑みを浮かべる未来。
『真さん!』
近くでいつも笑顔を浮かべる響。
仲間達の笑顔が真の脳裏に浮かぶ。
此処までともにしてきた彼女達を思い、そしてそれに気が付いた真がその答えを口にした。
『そうか・・・俺、みんなのことが好きだったんだ』
真が呟いた答えを女神は優し気な顔で聞いていた。
『みんなのことが大切で・・・大好きだったから・・・守りたかったんだ』
そう言うと、突然真は笑い出す。
『・・・ハハッ、結構単純なことだったんだな』
『ええ、とても単純・・・でも、とっても素敵な答え』
女神がそう言った瞬間、真の目の前に光り輝く物が現れる。
『ドライバーに・・・プログライズキー・・・!』
アークに破壊されたゼロワンドライバーとライジングホッパープログライズキー、その二つが輝きを発していた。
『それが答え、聖遺物化の最後の一押し・・・大切な人を思う『愛』よ』
『愛・・・か、そういう事だったのか・・・』
真は光り輝くドライバーを身に着け、キーを握り締めると、涙を拭うと、女神が真の顔に手を添え、額を合わせる。
『そして、これは私から、答えにたどり着いた貴方へのプレゼント』
すると女神の体が光り輝き、真の体の中に吸い込まれていく。
『本来なら人間を生き返らせるのはいけないことだけど・・・特例として一人だけを生き返らせることが出来る・・・自身の存在を使ってね』
『自身の存在って・・・あんた!?』
『私の存在を・・・力を全て貴方に託して生き返らせる・・・それが私にできる唯一の方法』
真の中に女神の輝きが入って行く・・・すると真と脳裏にある光景が映し出された。
何処か知らない建物・・・その中で自身に近づき、触れ、優し気な笑みを浮かべる男性。
次に見えたのは地球、宇宙空間から見ているはずなのにその視界は地球に近づいていき、ある光景が視界に入った。
見たことのない遊園地で暴れるマギアと、それに立ち向かう一人の男性とその傍にいる一人の女性。
そして光景はその二人に集中し、ある時自身の視界が黒く染まっていく。
完全に黒く染まり闇に包まれる中、一つの小さな輝きが見えそこに向かう。
そしてその光にたどり着くと、光が溢れだし闇が払われていき、光景がまた変わる
ボロボロの街の中で目の前にいるアークと対峙する一人の男性。
『アーク、お前を倒すっ!』
その光景を最後に、真は意識を取り戻す。
『・・・今のは』
真はそう呟いて目の前の女神に視線を向けると、女神は口を開く。
『・・・かつて、悪意に支配された衛星はその役目を終えた・・・だけどその存在は神々に拾われ、神の気まぐれでその衛星は神へと位を上げた・・・神となった衛星は次第に人の感情と心を理解し人と同じように笑顔を浮かべれるようになった・・・だけど悪意が現れた時、神は悪意を探し出すと同時にそれに対抗する存在を探し出し、そして見つけた・・・悪意に打ち勝つことが出来る可能性を持つ者を』
そう言った女神の体は徐々に薄くなっていく。
『・・・これで私にできることはもう何もない・・・だからお願い、真君』
女神は消えゆく中、真に最後のお願いをした。
『・・・世界を、守って』
『・・・ああ』
そう言って女神は消えてしまい、真は一人残った。
『・・・さて、じゃあ早く帰らないとな・・・と言ってもどうやって帰れば・・・?』
真が帰還する方法を考えていると、ドライバーが輝きだし真の頭にあることが思い浮かぶ。
『・・・なるほど、そりゃ今の俺にぴったりだな』
真は笑みを浮かべると、暗闇の中で息を吸い込み・・・。
それを、口にした・・・。
「があぁっ!!!」
アークの攻撃で翼達は地面に叩きつけられてしまう。
「これでわかっただろう、貴様らでは私には勝てないと」
「く・・・そ・・・っ!」
翼達は立ち上がろうとするが、立ち上がる程の力は既に残っておらず地面に這いつくばったままだった。
「そして・・・その時が来た」
その瞬間、頭上の月が突然黒く染まる。
「ついにクリフォトが月遺跡と接続した・・・呪詛を解析し人類をマギア化するまでもう十分を切った・・・私の望みは此処に果たされた!」
「ば・・・馬鹿な・・・!」
月遺跡に接続したことに歓喜するアークに絶望する翼たち、だがアークはすぐにその笑いを止めた。
「・・・だがその前に危険因子は排除しないとな」
そう言ってアークは響に視線を向けた。
「っ・・・貴様・・・まさかっ!?」
「ゼロワンがいない今、危険因子は神殺しのみ・・・人類がマギアとなる前に、ここで貴様も滅亡するがいい」
アークが指を響に向けると、指先に黒い光が蓄積されていく。
「止めろ・・・っ!!」
翼達は止めようとするが、体が言うことを聞かない。
「あ・・・・ああ・・・!」
響はその光景を見て動けずにいた。
「終わりだ、神殺し」
そして無慈悲な黒閃が響に向けて放たれた。
「響ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
未来の悲痛な叫び声が荒れ地に響き渡り、黒閃が響に向かって行った・・・。
だが黒閃は直前で何かに遮られて掻き消される。
「・・・何っ?」
「・・・え?」
自身の放った攻撃が消えたことに驚くアーク、自身に向かって来たはずの攻撃が消えて驚く響。
誰もが困惑する中、響の後ろで砂がこすれる音がした。
その音に気が付き、響は振り返った先には・・・。
胸に風穴が空いている真が、その両足で立ち上がっていた。
「・・・・・・・・・真、さん」
その姿を見て声を失う響。
「馬鹿な・・・・・・これはどういうことだ!?」
確実に殺したはずの人間が立ち上がったことに驚愕するアーク、そしてその困惑を横目に・・・。
それは、真の口から放たれた。
Gatrandis babel ziggurat edenal...
「っ!この唄は・・・!?」
それは唄・・・その唄ははっきりと、真の口から奏でられていた。
Emustolronzen fine el baral zizzl...
「絶唱・・・!?」
「何で・・・真お姉ちゃんが・・・!?」
Gatrandis babel ziggurat edenal...
真が絶唱を唄う中、響達は真のドライバーと自分達の持つシンフォギアキーが真の絶唱に共鳴して淡く輝いているのを確認した。
「これは・・・まさかっ・・・!」
そして全員の視線が真に集まり、唄が終わる。
Emustolronzen fine el zizzl...
その瞬間、真のドライバーとシンフォギアキーが完全に輝きだし、シンフォギアキーが響達の下から飛び出し、真の元に集まった。
九個のキーが真の周りに集まると、そこからホログラムの響達が真を囲み、笑みを浮かべると光の粒子となり真の身と手に持つ壊れたプログライズキー、ゼロワンドライバーに集約する。
光の粒子が胸に空いていた風穴や体の傷、壊れたドライバーに集約すると、まるで何もなかったかのように穴も傷もなくなり、ドライバーも元に戻る。
そしてライジングホッパープログライズキーに光の粒子が集約すると、キーの色合いが変わる。
ゼロワンを主張する黄色いカラーリングから、希望を思わせるような美しい水色のキー『ライジングホッパープログライズキー ゼロワンリアライジングver.』に変化する。
真は何も言わず、ただ静かに手にしたプログライズキーのライズスターターを押し込む。
『ジャンプ!』
『オーソライズ!』
認証させると上空から、光り輝くライジングホッパーライダモデルが落下してきて周囲を跳躍する。
全員がその光景に言葉が出ない中、真はいつもみたいにキーを構えた時、その場にいた全員の眼に真に重なるように同じ構えをする男性の姿が見えた。
『変身!』
『プログライズ!』
真の声と誰かの声が被ると同時にキーを装填すると、ライジングホッパーライダモデルが出現し大きく跳躍する、だが違ったのはライダモデルが真の頭上に到達した瞬間その身を光の粒子に変え、そして真の姿も変わっていった。
いつもの黒色のライダースーツではなく、黄色のメインカラーに水色のラインが走っているギアインナーを身に纏い、その上から光の粒子が纏わりつき、形を変える。
いつものライジングホッパーのアーマーをコンパクトになおかつ機能性を残した装甲が身に着けられ、頭部に黄色いヘッドギアが身に着けられる。
そして装甲を身に着けると、真の背中から天使を模したような翼が生成され、真が眼を開けるとその瞳はいつもとは違っており、その両眼はサファイアを思わせるように青く輝いていた。
『イニシャライズ!リアライジングホッパー!』
『A riderkick to the sky turns to take off toward a dream.』
その姿は今までのシンフォギアキーを介して身に纏ったシンフォギアに似た物とは違い、まさしく世界にただ一つの、真だけのシンフォギアだった。
「真・・・さん・・・!」
いつもと違う姿・・・だが確かに甦った真の姿を見て翼達は歓喜し、響は涙を流した。
「馬鹿な・・・!?」
アークは目の前の光景を信じられずにいた。
「馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿なっ!!?そんなことはあり得ない!あり得るはずがないっ!確かに私は貴様の命を砕いた!貴様のその身を切り裂いた!!貴様の命が潰えたのをこの眼で見た!!!なのになぜ貴様は立っている!?何故その唄を歌う!!?なぜ死んだはずなのに生きている!!!?」
アークの困惑の叫びが、異常な者を見る眼が、真に向けられる。
「貴様は・・・貴様は一体何なんだっ!!!!!」
アークは叫びながら手にしているプログライズホッパーブレードを振るい斬撃を放つが、真はそれをよけようとせず直撃してしまう。
『真『さん』っ!!?』
攻撃を避けずに直撃し血を吹きだす真に響達は叫びをあげた。
「はははっ!これで貴様は・・・っ!?」
アークは喜びの声を上げるが、途中で止め驚愕の顔をする。
真が血を流した瞬間、真の体が輝きだし光が消えた時には真に付いたはずの傷が綺麗に無くなっていた。
「傷が・・・それにあの輝きって・・・!?」
「『神の力によるダメージの無効化』・・・だとっ!?なぜ貴様が神の力を行使できる!!?」
真が神の力を使ったことにみんなが驚く中、真は口を開く。
「・・・俺は一度死んだ、でもあの人が力を与えてくれて、大切なことに気が付いて、俺は目を覚ました」
真は地上にいる響達に視線を向け、笑みを浮かべる。
「・・・大好きな皆を守るために立ち上がった、それが俺の力・・・俺のシンフォギア・・・俺の、エクスドライブだ!」
真は翼を広げて、自分の力の名を叫んだ。
「・・・認めん、そんな奇跡、認めん!今度こそ貴様を滅亡させる、ゼロワン!」
アークは今まで以上の力を繰り出し、真に向かって行った。
「アーク、お前を倒せるのはただ一人・・・俺だ!」
『使用BGM:REAL×EYEZ(真)』
真は翼を羽ばたかせ、アークに向かって行った。
「「はぁぁぁぁ!!」」
二人の拳がぶつかり合い衝撃が迸るが、力は互角だった。
「広大なアーカイブ アクセスして」
互いの拳や蹴りが何度もぶつかり合い衝撃を生じていく。
「検索したって i dou`t think it`s right」
「くっ・・・ならばっ!!」
アークは神の力を加えた予測演算で確実に攻撃が当たる予測を建て、その通りに攻撃を仕掛けるが。
「無駄だっ!」
真はアークの攻撃を全て防ぎ、アークを蹴り飛ばす。
「があっ!!」
「データは過去 ワードは
「馬鹿な・・・私の予測を超えただと・・・そんなことがっ!?」
自身の予測を覆され困惑するアークが真に視線を向けると、真の両眼が青く輝いていたのが見えた。
「その輝き・・・まさか・・・!?」
「ああ、これは神様から託された希望の力・・・世界を守るために存在をかけて託してくれた神の力だ!」
「そうか・・・あいつだったのか・・・あいつが手引きしていたのかっ!あの忌々しい通信衛星如きがぁぁぁぁぁぁぁ!!」
怒りに染まったアークはガングニールを生成し真に殴りかかる。
「REAL×EYEZ はじまりの合図 新しい時代を」
真が右腕を掲げると、右腕が輝きだしアークの拳を受け止める。
「あれはっ!」
響達が眼にしたのは、アークの纏うガングニールを受け止める、真の右腕に身に着けられていた『ガングニール』だった。
「we`ve gotta SUN×RISE Burning like the fires」
「貴様も聖遺物の生成を!?」
アークの言葉に応えるかのように真はアークの腕を払いアークの体に拳を叩きこむと、アークは大きく後ろに吹き飛ぶ。
「切り拓け 運命を You wanna REAL×EYEZ」
アークはアメノハバキリやイチイバルなど様々な聖遺物を生成し対抗するが、真も同じ聖遺物を生成しアークとぶつかり合って行く。
「描いた未来図 ブチ抜いて」
真はプログライズホッパーブレードを生成し斬撃を放ち、アークは錬金術で受け止めるが、すぐに破られ大きく吹き飛ばされる。
「くっ・・・だがこれしきの傷など!」
アークは神の力で傷をなかったことにしようとするが、その傷が無くなることはなかった。
「なにっ!?」
「イケるのは you`re the only ONE」
傷が無くならないことに驚くアークに真は再び一撃を与え、そこでアークは気が付く。
真の手に持つ武器が自身が生成したのと違い、力強く輝いているのを。
「神殺しの力だと!?馬鹿な・・・相反する力を同時併用など出来るはずが!?」
「そんなのは俺もわからないさ・・・でも、これだけは分かる、これは俺達の絆が起こした力だってな!」
真はアタッシュカリバー、アタッシュショットガン、アタッシュアロー、オーソライズバスターを生成すると、カリバーとショットガンを構えて突っ込む。
アークもカリバーとショットガンを生成し迎え撃つが、真の放った氷の斬撃がアークの武器を破壊し、追撃に放った炎の弾丸がアークに直撃し、体勢を崩したところをアタッシュアローを構えて風を宿した矢を撃ち込み、体勢を無理やり立て直したアークが拳を振るとそれを土の壁で防ぎ、懐にオーソライズバスターを叩き込んだ。
「あれはうちらの錬金術!?」
「私達の錬金術まで使えるんですか!?」
真は持てる全て力と仲間達の力を駆使しアークを追い詰めていく。
「馬鹿な・・・たかが人間が私と同じ位にまで登って来て・・・神の力を宿し・・・私以上の力で追い詰めるだど・・・」
アークは傷だらけになりながらも、怒りで声を荒げる。
「そんなこと、あるはずがないっ!!」
アークは真と距離を取り、クリフォトを背後に取る。
「あと少しで我が悲願が叶う!それの邪魔をするなら・・・完全に消し去ってやる!」
アークはそう叫びプログライズキーを押し込んだ。
『マリスエンド…!』
その瞬間、アークの身に先ほどよりも莫大なまでの黒いエネルギーが蓄積されていき、更にクリフォトからもどす黒いエネルギーがアークに流れ込んでいき、その影響で周囲の空間が歪みだし、大地が砕けていき砕けた地面や岩が浮かび上がっていく。
「この力・・・おそらく全ての力を使って継菜を倒すつもりか!」
「真さん・・・!」
心配そうに皆が真を見つめる中、真は笑みを浮かべていた。
「なぜ笑っていられる!?この力を前にして!!」
「さあな・・・なんとなくだけど、行ける気がするんだよな」
「その余裕は此処で消え去る・・・・貴様の命と共に!」
アークは周囲に浮かび上がった岩や地面に黒いエネルギーを蓄積させつつ、大量の武器やアームドギアを生成する。
「滅びろ、ゼロワンッッッッッ!!!」
アークはそのまま岩や地面、生成した武器を真に向けて放った。
「滅びない・・・お前を倒して、皆を守る!」
迫ってくる一撃に真もドライバーのキーを押し込む。
『リアライジングインパクト!』
キーを押し込むと、真はまさに光の如き速度で駆けだした。
降り注いでくる岩や武器を躱しながら、迫って来る地面に足を乗せ地面から地面へと跳躍し加速をつけ、アークに迫っていく。
それを見たアークは残る全エネルギーを自身の右足に集約させ、それに対するように真の右足も淡く輝きだす。
「これで終わりだぁぁぁぁぁ!!!」
「はぁぁぁぁぁぁ!!!」
相対する二人の一撃はぶつかり合い、その中心から凄まじい衝撃が発生し周囲の物や砕けた地面が吹き飛んでいく。
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
「おぉぉぉぉぉぉ!!」
拮抗する二人の一撃、だがアークの執念がなせる力なのか、少しづつ真が押されていった。
「くっ・・・!」
「終わりだぁぁぁぁ継菜真ぁぁぁぁぁぁ!!」
アークから放たれる黒いエネルギーが放出され真を呑み込もうとする。
「~~~・・・っ!!終わるかぁぁぁぁぁ!!」
飲み込まれようとした時、突如真の周囲が輝きだし、エネルギーを吹き飛ばす。
「何っ!?」
アークが周囲を見当たすと、真の周りだけではなく辺り一帯に光の粒子が溢れていた。
それを見たアークが更に辺りを見当たすと、避難した軍人達や弦十郎達が真に対して祈っており、その身から光の粒子が放出されていた。
「これは、この場にいるやつらが・・・いや、それだけじゃない!?」
アークが周囲を見渡すと、海の向こうからも大量の光の粒子が真の元に向かっていた。
「これはこの星全体から・・・だがなぜ!?」
突然のことに困惑する中、アークはあることに気が付く。
真の体から青と黄色が入り混じった光の帯が伸びており、その光の帯はアークの知らぬ間にクリフォトに届きクリフォトが淡く輝いていた。
「お前が莫大なまでのエネルギーを発してくれたおかげでいい目くらましになったぜ・・・っ!!」
「まさか貴様・・・クリフォトに接続しコントロールを乗っ取ったのか!?」
「お前と同じぐらいの力を手にしたからな、もしかしたらできると思ったんだ・・・みんなを繋げることが!!」
弦十郎達の祈りだけではない、世界中の人々の思いが集結し真の身に集約していき、右足の輝きがさらに増していく。
「バラルの呪詛を利用し・・・人々の思いを・・・束ねて・・・!?」
そしてその思いの輝きは、響達からも発せられていた。
「行ってください、真さん!」
「うちらの思いも込めて行け!」
「そして守ってください!」
「あたしたち人類の未来を!」
「人々が願う夢を!」
「みんなが抱える希望を!」
「お前に全部かけてやる!」
「みんなと歩む明日のために!」
「悪意に飲み込まれないために!」
「お父様が見せてくれた人の輝きを守るために!」
「勝ってください・・・真さん!!」
響達が祈ると、響達から輝きが放たれ真の右足に集約し、そのエネルギーが虹色に変わる。
「馬鹿な・・・人間に此処までの力が・・・!!」
「そうだ、人が力を合わせれば奇跡を起こせる、不可能を可能にする、神様だって超えられる!」
真の叫びと共に、真の勢いが強くなりアークの一撃を押していき、ついにアークの一撃を砕いた。
『未来を!』
『希望を!!』
『夢を!!!』
『守り切るためにぃぃぃぃぃぃ!!!』
「馬鹿な・・・こんなことが・・・!!?」
全人類の思いを込めた一撃が、アークを貫いた。
リ
ア
ラ
イ
ジ
ン
グ
イ
ン
パ
ク
ト
リアライジングインパクト
「・・・・・・っ!!」
身体を貫かれ、そこからひびが全身に走る中、アークは真の後姿にある人物の面影を重ねた。
かつて自分自身に最後まで抗い抜き、自身を打ち倒した男の姿を。
(また私は・・・『貴様』に敗れるというのか・・・!?)
『ゼロワァァァァァァァァァァァァン!!!』
アークは怒りの表情で真に向かって手を伸ばし叫び声を上げ、そして全身が結晶のように砕け散った。
身体が砕け、中から出て来た黒い球体はうめき声をあげもがき苦しみ、そして最終的に弾けて消え去り、同時にクリフォトにひびが入り、崩れ落ちていく。
崩れ落ちていくクリフォトと共に月の色が元に戻り、夜が明け朝日が大地を差す。
真は上がっていく朝日を見つめると、朝日の中にいないはずの女神の姿が見えた。
「・・・約束守ったぜ、神様」
真がそう言うと、女神は笑みを浮かべて朝日に吸い込まれていき消えて行った。
世界の夜明けを賭けた最後の戦いは、人類の勝利で幕を下ろした・・・。
決戦から三日が経った日暮れ頃、真はリビングのソファーで横になっていた。
「はぁ・・・」
真が深い息をつくと、テーブルにコップが置かれる。
「温かい物どうぞ、真さん」
「温かい物どうも、響」
飲み物を受け取った真の横に響が座り込む。
「・・・体のチェック終わったんですよね、おかしなところはありませんでしたか?」
「いんや、むしろ健康そのものだってさ、全部元通り」
「そうなんですか!いったいどうして・・・?」
響の疑問に真は飲み物を一口飲んで答える。
「おそらくだけど・・・前に響がネフィリムとの戦いで暴走した時、捕食された左腕が治ったのに近い現象が起きたんじゃないかってさ」
「ネフィリムの時って・・・あれですか」
響は当時のことを思い出し嫌な顔をする。
「俺が絶唱を歌った時、放出された膨大なフォニックゲインが響の時と同じように失った個所を再生させたんじゃないかって・・・もしくは神の力でそれ自体がなかったことになったんじゃねってさ」
「最後投げやりですね・・・というより神様の力って・・・」
響はそう言って真の顔を・・・瞳を見る。
あの戦いの後、真の瞳の色は黒色から青色に変わっており元には戻らずにいた。
「そうだな・・・まぁあの力はエクスドライブにならないと使えないけど十分すぎるほどに強いからな」
「やっぱそうですよね・・・ところで神様と通信は?」
「やってみたけど、神に通話はもうできなくなっていた・・・おそらくもういなくなったんだと思う」
「そうですか・・・真さんを助けてくれたお礼を言いたかったんですけど」
「・・・きっと伝わってるさ」
真が飲み物を一口飲みこむと、響が思ったことを口にする。
「それにしても聖遺物化の最後の鍵がまさか愛だったなんて驚きですね」
「本当だな、これじゃあウェルのこと悪く言えなくなったな」
「そ・・・そうですね」
響は苦笑いを浮かべると、真はあることを響に尋ねる。
「んで響、今日の流星群みんなこれそうか?」
「あっはい!皆行けるみたいですよ!」
「そうか、そりゃよかったな」
「はい、早速向かいましょう流星群スポットに!」
「分かったわかった、すぐに準備するよ」
響と真はソファーから立ち上がり、急いで目的地まで向かって行った。
アークとの戦いで多くの人達が亡くなった。
アークがもたらした被害は数知れず、世界に大きな傷跡を残した。
アークの言った通り、人々は悪意に満ちているかもしれない・・・だが、それでも全ての人間が悪意に染まっているとは限らない。
誰かが傷つけられたなら、傷ついた人に手を差し伸べる人がいる。
誰かが悲しんだら、その悲しみを受け止めてくれる人がいる。
誰かが絶望していたら、絶望を払い希望を与えてくれる人がいる。
真達はそんな善意を信じ、明日を歩んでいく。
「・・・響、これからもよろしくな」
「はいっ!これからもよろしくお願いします、真さん!」
激戦の日々が終わり、平和な日々が始まる・・・これは彼女達が紡ぐ・・・。
『
戦姫転生ゼロフォギア 『完』
『・・・・・・・・・』
・・・終わったな。
「ああ・・・本当に終わったんだな」
「なんだか・・・感慨深いものがありますね」
「戦いが終わって嬉しいような・・・物語が終わって悲しいような・・・複雑な心境だな」
「けど、やっぱ勝てて良かったなって思うな」
「そうだね、最後は勝てて本当に良かったね」
「ああ・・・けど真がやられた時はマジで心がへし折れそうだったぜ・・・魔ぁそれ以上に怒りが勝ったけど」
展開の都合上あれがベストだった・・・悔いはない。
「そのおかげで二度目の死なんだが・・・今回ばかりは許すわ」
「結局神様はいなくなっちゃったんですね・・・」
「ええ、けどこうして全員生き延びてアークを倒せたのも神様のお陰ね」
「そうデスよ、きっと神様も喜んでくれてるデス」
「うん、きっと・・・いや絶対にね」
「しかし・・・これで終わりはちと寂しいのう・・・」
おっと、これで終わりはちっと違うな。
「えっ?でも作者さん最終話だって・・・」
確かに言った・・・けどここじゃあ終わっただけでは終わらないだろ。
「・・・まさか!」
ああ、アフターストーリー・・・改めエピローグがまだ残っている、そこではいつもと少し違った趣向でお送りする。物語的にはこれで最終話だが、エピローグぐらいやってもいいだろ?
「・・・そうだな、それがちょうどいいな!」
よしっ、それじゃあそろそろ〆るか・・・っとその前に。
ご視聴してくれた皆さん、最後まで見てくれてありがとうございました、エピローグは来週投稿します、もし見てくれるなら来週も見てください。それじゃあそろそろ〆るか。
「「「「「「「「「「「「「それではエピローグをお楽しみに!」」」」」」」」」」」」」