第二十五話、いや~・・・話すことないな。
「おいそれ作者としてどうなんだ?」
いやだってさ~、せいぜい話せることといったら今回のセイバーも凄かったなってところかな。
「ジャオウドラゴン、人間では使いこなせるかわからないって言ってたから先代はもう人間じゃないのかな?」
「さあな・・・けどあたしはあの雷の剣士の気持ちがよくわかるな」
「クリス・・・作者、そろそろ始めようか」
そうだな、それでは第二十五話、どうぞ!
「さて、米国政府の飼い犬を片付けたところでそろそろ本格的に始めようか」
日の光刺す建物の中、血まみれで倒れている武装部隊の中心で誰かが喋っていた。
「彼女のデータのおかげで順調に事が終わりそうだ…だがあの娘」
そういい何者かは懐から写真を取り出す、そこには真が写っていた。
「継菜 真・・・聖遺物に似た特殊な力を持ちノイズと戦える『特異症例第一号』中々に面白い」
そう言い写真に口づけをして懐にしまい、その場を去った…。
「弦十郎さん、本当にこの先なんですか?」
翼さんのアーティストフェスから少しした後、俺は弦十郎さんや二課の面々と共に山奥にある建物に向かっている。
「ああ、もうすぐ到着する・・・あそこだ」
山道を登り切ると、そこには大きな湖と建物があった。
「用心しろ、何が起きるかわからない」
銑十郎さんの言葉を聞き、バイクから降りもしもの時のためにドライバーを装着し、弦十郎さんと共に中に侵入する。
外観と比べて中はだいぶボロボロになっている中、大きく破損している扉を見つけ中を確認すると、そこには血を流して倒れている武装した人たちと、クリスがいた。
「クリス!」
「お前っ! 違う、あたしじゃない!やったのは!」
「わかってる、クリスがこんなことするわけないって」
俺達の後に二課の人たちが侵入し、建物内を散策する。
クリスが困惑する中、俺はクリスに近づき頭に手を乗せる。
「教えてくれクリス、何があったんだ?」
「あ…あたしにもわからねえ、来たのはさっきなんだ」
「全ては、君や俺たちの傍にいた彼女の仕業だ」
彼女? 俺たちの…というかクリスの傍にいた彼女って…。
・・・まさかフィーネ!? あいつなのか!?
「風鳴司令、こちらに」
そんな中、隊員一人が何かを見つけたらしい。
それは遺体の上に置いていた一枚の紙、それには赤い文字で『I LOVE YOU SAYONARA』と書かれていた。
隊員がその紙を取ろうとすると、一瞬外の光で何かが反射したのが見えた。
「っ! 駄目だ!それは・・・!」
俺が気付くがもう遅く、何かが抜ける音と共に俺たちのいる部屋が爆発を起こした。
土煙で見えない中、俺はクリスを庇い、弦十郎さんは俺とクリスを守るように瓦礫を持ち上げていた。
「どうなってんだ・・・」
「衝撃は発勁でかき消した、大丈夫か?」
「相変わらず滅茶苦茶な・・・痛っ!」
俺が左腕に痛みを感じ見ると、袖に少し血が滲んでいた。
「お前!その怪我・・・」
「さっきの瓦礫でやったみたいだな、これ位大丈夫さ」
周りを見ると、ほかの隊員の人たちも無事な用だった、クリスは俺から無理やり離れる。
「何であたしを守ったんだよ、あたしたちは敵同士だろ!」
「助けたのに敵も味方も関係ないだろ、しいて言えばお前より少し大人だからかな?」
俺はほかの隊員に応急処置をしてもらいながらそう答え、その答えにクリスは苛立っている。
「言っただろう!あたしは大人が嫌いだ、死んだパパやママも大嫌いだ!無尊家で臆病者、あたしはあいつらとは違う。戦地で難民救済?歌で世界を救う?いい大人が夢なんか見てるんじゃねえよ!!」
クリスは自身の怒りを俺達に言い放つ。
「大人が夢を・・・ね」
弦十郎さんは黙ってクリスの言葉を聞く。
「本当に戦争を無くしたいのなら、戦う意思を持った奴らを片っ端からぶっ潰していけばいい!それが一番合理的で堅実的だ!」
戦争を無くす、それがクリスの戦う理由なのか。
「けどクリス、その方法で本当に戦いを無くせたのか?」
「それは・・・」
「いい大人が夢を見るなか…けどな、大人だから夢を見るんだと思う」
俺は左腕を抑えて立ち上がる。
「昔父さんが言ってたんだ、大人になるにつれ背も伸びて力もついてくる。お金だって自分で稼いで溜まっていく。子供の頃は見るだけだった夢も、大人になれば叶えられる可能性があるって」
「・・・」
「クリスの両親は、ただ夢を見るために危険な場所へ行ったのか?違う、歌で世界を平和にするって夢を叶えたいために、自分たちの意思で戦場に向かったんじゃないかな」
「・・・なんで、そんなことを」
「それは多分、クリスに見せたかったんじゃないのかな? 夢を叶えられる事をさ」
「っ!」
「クリスはあの時歌は嫌いって言ってたけどさ、クリスの両親はきっとお前のことを大切に思ってたと思う」
クリスは涙を流すのを堪える、そんなクリスに俺は近づいて頭を撫でる。
「泣いたっていいんだ、大切に支えてくれる友達がここにいるからさ」
「う…ひぐっ…、うわあああああぁぁぁ!!」
その言葉にクリスは俺の胸の中で泣いた。今まで堪えてきた分大きな声で泣いた。
俺は泣き叫ぶクリスを何も言わず優しく抱きしめた、彼女の涙が止まるまで。
「落ち着いたか?」
「ぐすっ…ああっ」
暫く泣いたクリスは、目を赤くして俺から離れると、弦十郎さんが近づいてくる。
「まったく、俺が言おうとした事を全部言ってくれたな」
「すみません、けどクリスの怒りや悲しみを受け止められるのは友人で大人の俺だけだと思って」
「そうか・・・それなら仕方ないな」
弦十郎さんが納得してくれ本当に良かった。
「それに昔友人と弟妹の世話を頼まれていたから子供のあやすのは慣れてるんで・・・っていっだ!!?」
いきなりクリスが俺の足を思いっきり踏みつけた。
「誰が子供だ、あたしを子ども扱いしてんじゃねえ!」
「痛~っ…何でだよ、子供みたいに泣いてたじゃねえか!」
「泣いてなんかない、この仮面女!」
「・・・ていうか、その仮面女っていうのやめろよ!俺には継菜真って名前があんだよ!」
「今更そこに突っ込むのかよ・・・やっぱお前あの馬鹿と同じ馬鹿だ!馬鹿真だ!」
「んだとぉ!? じゃあお前は泣き虫だろが! この泣き虫クリス!」
「ははっ、まるで姉妹みたいだな」
それから怪我のことを忘れてクリスとぎゃんぎゃん口喧嘩をしている様子を弦十郎さんは優しい目で見守っていた。
お互い落ち着いて少しした後、俺達は建物から脱出し車に乗り込む。
「弦十郎さん、俺は街へ向かいフィーネを探してみます」
「うむ、頼んだぞ」
「・・・」
クリスが黙ってる中、俺はクリスにヘルメットを投げ渡す。
「来いよクリス、一緒にフィーネの奴を探すぞ。お前も文句の一つぐらい言いたいだろ」
「・・・ああ」
クリスは受け取ったヘルメットを被る。
「言っとくが、あたしは大人に協力したわけじゃねえ、そこだけは覚えておけ!」
「はいはい、ったくひねくれてんなクリスは」
「ははっ、何かあったら連絡を入れてくれ、それとほれっ」
弦十郎さんは何かをクリスに投げ渡す。
「通信機?」
「これって響たちも使ってるやつだよな?」
「ああ、限度額内なら公共交通機関が利用できるし、自販機でも買い物ができる代物だ」
「えっ何それ?俺貰ってないんだけど!?」
「いや、真君はもう連絡手段を持っているから二つもいらないだろうと思ってな」
「うそだろ・・・」
俺が膝から崩れ落ちると、クリスが口を開く。
「カ・ディンギル」
「ん?」
「フィーネが言ってたんだカ・ディンギルって、それが何なのかわかんないけど、そいつはもう完成しているみたいなことを…」
「カ・ディンギル・・・」
カ・ディンギル・・・それの完成がフィーネの目的なのか?
「後手に回るのは終いだ、こちらから打って出てやる」
そういって弦十郎さんは行ってしまった。
「・・・俺たちも行くぞ、クリス」
「ああ」
俺は立ち上がりバイクに乗り、クリスを後ろに乗せ走らせる。
さあ、後書きの時間だな。
「お前本当にあの馬鹿とおんなじ雰囲気がするよな」
「それどういう意味?」
「敵であるあたしに手を伸ばす辺り」
ああ~俺も思った。
「おい、特に作者」
しかし物語も終盤に入ってきたな。
「ああ、あたしは必ずフィーネに文句をたらふく言ってやる!」
「俺もフィーネの奴をぶっ飛ばしてやる」
よし、決意万端なところでそろそろ〆るか。
「「「それでは次回もお楽しみに!」」」