さあさあ第二十八話!やっとだよ!
「とうとうフィーネとの戦いか、長かったな・・・」
「けど!私たちが力を合わせればなんだってできます」
「ああ、私たちは一蓮托生、最後まで戦い抜こう」
「あたしはフィーネの奴をぶっ飛ばせばそれでいい!」
張り切ってるね~、それじゃあその勢いのまま第二十八話どうぞ!
時刻は夜、タワーからすぐにリディアンに向かった俺たちの目に映ったのは、ノイズの襲撃によってボロボロのリディアンだった。
「そんな…未来ー、みんなーー!!」
響が大声で呼びかけるが辺りは静かなままだった。
「多分、みんな避難してるんだと思う。手分けして捜索するぞ!」
「その必要はない」
俺が捜索を始めようとすると聞き覚えのある声が聞こえ顔を上げると、倒壊した建物の上に櫻井さんがいた。
「櫻井女史…?」
翼さんと俺が疑問を持つと、次に放ったクリスの言葉で疑問が消し去った。
「フィーネ…お前の仕業か!」
「っ!? フィーネだと!」
「ふふ…はははははっ!!」
すると櫻井さんは高らかに笑いだす。
「そうなのか…その笑いが答えなのか! 櫻井女史!」
「あんたが…この事件の首謀者なのか!? 櫻井さん!」
「ああ!あいつこそあたしが決着をつけなきゃいけないくそったれ、フィーネだ!!」
櫻井さんはおもむろに自分の眼鏡をはずし、結んだ髪をほどくと、突然その体が光りだした。
「嘘…!」
光がやむと、そこには白から黄金に染まったネフシュタンの鎧を纏いし白髪の櫻井さん…否、フィーネが立っていた。
「…嘘ですよね、そんなの嘘ですよね!だって了子さん私を守ってくれました」
「あれはデュランダルを守っただけの事。希少な完全状態の聖遺物だからね」
フィーネは響の言葉を冷たく否定する。
「嘘ですよ…了子さんがフィーネというのなら、じゃあ本当の了子さんは?」
「櫻井了子という肉体は先だって食いつぶされた。いや、意識は十二年前に死んだといってもいい」
「意識が死んだ? どういう意味だ?」
俺が尋ねると、フィーネは答えた。
「超先史文明期の巫女フィーネは、遺伝子に己が意識を刻印し、自身の血を引く者がアウフヴァッヘン波形に接触した際、その身にフィーネとしての記憶、能力が再起動する仕組みを施していた」
記憶と能力の再起動・・・あのバリアもフィーネの能力だってのか。
「十二年前、風鳴翼が偶然引き起こしたアメノハバキリの覚醒が、同時に実験に立ち会っていた櫻井了子の内に眠りし意識を目覚めさせた。その目覚めし意識こそが私なのだ」
「それがお前の…フィーネの正体なのか」
「貴方が、了子さんを塗りつぶして…」
「まるで、過去から甦る亡霊…!」
フィーネが放った真実に俺たちは驚く。
「フハハ…、フィーネとして覚醒したのは私一人ではない。歴史に記されし偉人、英雄、世界中に散った私たちはパラダイムシフトと呼ばれる技術の大きな転換期にいつも立ち会ってきた」
「シンフォギアシステム…」
「そのような玩具、為政者からコストを捻出するための服需品に過ぎない」
「お前に戯れに多くの人たちの命も散らせたのか!」
「あたしを拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのも、そいつが理由かよ!」
「そう!すべてはカ・ディンギルの為!」
フィーネが肯定し答えると、突然地面が大きく揺れだした。
「地震・・・いや違う!?」
その揺れは徐々に大きくなり、そして地面から巨大な何かがリディアンを貫いた。
それは塔、天を貫かんほどの巨大な塔だった。
「これこそが、地より屹立し、天にも届く一撃を放つ『荷電粒子砲 カ・ディンギル』」
「カ・ディンギル、こいつでバラバラになった世界が一つになると!?」
「ああ、今宵の月を穿つことによってな…!」
「月を穿つ!?何で月を破壊する必要があるんだ!」
俺が叫ぶと、フィーネはこれまでとは違う切実な顔になった。
「・・・私はただ、あのお方と並びたかった。 その為にあのお方へと届く塔をシンアルの野に建てようとした・・・だがあのお方は、人の身が同じ高みに至ることを許しはしなかったのだ」
切実に、フィーネは語り続けた。
「あのお方の怒りを買い、雷帝に塔が砕かれたばかりか、人類は交わす言葉まで砕かれる・・・果てしなき罰、バラルの呪詛を掛けられてしまったのだ」
「バラルの呪詛・・・」
「月がなぜ古来より不和の象徴と伝えられてきたのか・・・それは!月こそがバラルの呪詛の源だからだ!!人類の相互理解を妨げる呪いを、月を破壊することで解いてくれる。そして再び・・・世界を一つに束ねる!」
月に伸ばした手を握り締めるフィーネ、そしてカ・ディンギルがエネルギーを溜めだし輝きだす。
「・・・大勢の命を犠牲にして、月を破壊して世界を一つにするか、スケールがでかい話だことで」
「ふっ、貴様には難しすぎた話だったか?」
「ああ、正直俺の頭じゃ理解できないな。だけどこれだけは理解できる」
俺はキーを取り出しながら答える。
「何かを犠牲にして束ねた世界なんて誰も望んではいない。自身の身勝手な野望のために、多くの人たちの夢を壊したお前を、俺は…俺達は絶対に許さない!」
『アウェイクン!』
キーを起動させ、取り出したドライバーを身に着ける。
「ふん、永遠を生きる私が余人に歩みを止められる事などありえない」
「止めてやるさ、あんたを止められるのは・・・俺達だ!」
『ジャンプ!』
『オーソライズ!』
認証して現れたライジングホッパーライダモデルが俺たちの周りを飛び跳ねていく。
俺はキーを展開し、響たち装者三人が聖詠を唄う。
「Balwlsyall Nescell gungnir tron」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
「Killter Ichaival tron」
「変身!」
『プログライズ!』
『飛び上がライズ!ライジングホッパー!』
『A jump to the sky turns to a riderkick.』
俺たち四人の姿が変わる。
「行くぞ!」
先陣を切った俺はライジングホッパーの脚力でフィーネに接近し蹴りを食らわせようとするが、直前でフィーネは回避し地面に降りる。
『カット!』
『Progrise key comfirmed. Ready to utilize.』
スラッシングカバンストラッシュ!
だが俺はすかさずアタッシュカリバーを取り出しキーを装填し、放った複数の斬撃がフィーネに襲い掛かる。
だがフィーネは鞭を振るい斬撃を全て叩き壊した、その隙に響と翼さんが接近し攻撃を仕掛けるがその拳と剣を掴まれ二人は投げ飛ばされる。
「喰らいやがれ!!」
そこへクリスが大量の小型ミサイルをばら撒く。
MEGA DETH PRATY
だが放たれたミサイルは振るわれた鞭によって全て撃ち落とされてしまう。
「あの鞭が厄介だ・・・まずはあれから!」
『ブリザード!』
『Progrise key comfirmed. Ready to utilize.』
『ポーラーベアーアビリティ!』
俺はカリバーにキーを装填しフィーネに接近戦を仕掛ける。
俺が振るった武器は鞭で受け止められる、けどそれでいい!
「凍り付け!」
フリージングカバンストラッシュ!
トリガーを引き、刀身から放たれた冷気は鞭を覆い、凍り付かせる。
「よしっ!」
「ほお、完全聖遺物を凍らせるほどか・・・だが」
フィーネが鞭を振るうと纏わりついていた氷は全て砕け散ってしまった。
「なっ!・・・がっ!?」
俺が驚いた隙を突かれ首を掴まれ持ち上げられる。
「やはり興味深い、この私ですら見たことのない未知のテクノロジーに加え他の聖遺物の力すら模倣する特異的な力、そしてそれを扱う娘・・・実に興味深い」
「ぐ・・・がぁ!」
フィーネは持ち上げたままドライバーをじっくりと観察する、くそっこのままじゃ…。
「面白い、月を破壊した後はお前とそのドライバーを調べ…っ!」
「真さんを離せ!!」
いきなり突っ込んできた響の拳を空いている鞭で止めようとするが、響はその鞭を掴み思いっきり引っ張りフィーネの体勢を崩す。
「なっ!?」
「翼さん!クリスちゃん!」
体勢を崩した隙に翼さんの斬撃とクリスのガトリングが襲い掛かりフィーネは俺を離し回避する。
フィーネが離れた隙に三人が俺の元へ駆け寄ってくる。
「大丈夫ですか!真さん」
「ガハッ! ああ、ありがとな」
「しかし四人同時に相手しているというのに収支余裕とは、侮れないな」
確かにこのままじゃジリ貧のタイムアップで月が破壊されちまう、かといってカ・ディンギルを狙っても妨害されちまう、仮に妨害を何とかしてもカ・ディンギルをぶっ壊せるほどの力なんて・・・!
「・・・あたしに任せろ」
「クリス?」
「お前ら、しばらくフィーネを食い止めてくれ」
「算段があるのだな?」
「ああ、とびっきりのがな」
「・・・わかった。 響!翼さん!」
「はい!」「心得た!」
俺達はクリスを信じフィーネに攻撃を仕掛けた。
「猪口才な・・・まだあきらめないか!」
フィーネが鞭を振るう中俺たちはギリギリで回避しながらフィーネに攻撃を仕掛ける。
「・・・ん?クリスはどこへ」
「あたしはここだ!」
声の方を向くと巨大なミサイルを二つ構えたクリスがいた。
「これでも喰らいやがれーー!!」
ミサイルの一つが発射され、そのミサイルはカ・ディンギル目掛けて飛んでいく。
「狙いはカ・ディンギルか、させるものか!」
フィーネが振るった鞭がミサイルと切り裂き、空中で爆発してしまう。
「もう一発は・・・!?」
フィーネが空を見て驚き俺も上を見ると、ミサイルに乗って空へ飛んでいくクリスがいた。
「クリスちゃん!?」
「何のつもりだ!!」
「だが、あがいたところで所詮は玩具!カ・ディンギルの発射を止めることなど…!」
カ・ディンギルの標準が月へ狙いを定めた時。
Gatrandis babel ziggurat edenal...
天から歌声が聞こえた。
「この歌は・・・まさか!?」
「絶唱・・・!」
「まさか・・・クリス!!」
Emustolronzen fine el baral zizzl...
クリスを乗せたミサイルはカ・ディンギルより高く飛び、クリスはカ・ディンギルの訪問の真上で飛び降りた。
飛び降りたクリスの腰のプロテクターから無数のリフレクターユニットが飛び出し、クリスの周りに配置されクリスは二丁のハンドガンを手に取る。
Gatrandis babel ziggurat edenal...
クリスのハンドガンから放たれたエネルギーは周りのリフレクターによって永遠に反射されエネルギーが増幅され、その光景は紅い蝶の形を象った。
Emustolronzen fine el zizzl...
その最中、クリスの持つ二丁のハンドガンが合わさり、形を変えバスターキャノンへと変わりその標準はカ・ディンギルへと構えられた。
「やめろ!クリスーーー!!」
俺の叫びと同時に、二つの砲撃が放たれた。
そして放たれた二つの砲撃はその中間でぶつかり合った。
衝突によって激しい光で周囲が照らされる中、クリスの砲撃はカ・ディンギルの砲撃を食い止めていた。
「一点集束・・・押し留めているだと!!」
フィーネはカ・ディンギルの砲撃を押し留めている状況に驚く。
だが、放たれたカ・ディンギルの砲撃は予想よりも強力で、クリスの砲撃が徐々に押されていく。
(ずっとあたしはパパやママのことが大好きだった)
バスターキャノンがひび付き、エネルギーも消えていく。
(だから、二人の夢を引き継ぐんだ)
あたしの体のギアにもひびがついていき、絶唱のバックファイアで口から血が出てきやがる。体の方も悲鳴を上げている。
(パパとママの代わりに、歌で平和を掴んで見せる・・・)
あたしの放った砲撃はどんどん押されていき。
(アタシの歌は、その為に・・・!)
そしてあたしは光に飲み込まれた。
とても短い静寂の中、月にひびが着く。
だが砕けたのは、月の一部に過ぎなかった。
「し損ねた!? わずかに逸らされたのか!?」
フィーネが驚く中、空から一人の少女が落ちていく。
小さな光を巻き散らしながら、地上へと落ちていく。
「そんな・・・」
翼さんの呟きと共に響は膝から崩れ落ち、言葉を失う。
そして少女はそのまま森の中へと・・・。
落ちて・・・いった。
「クリスーーーーーーー!!!」
「ああぁあぁぁぁああぁぁああぁ!!!」
俺の叫びと響の悲鳴が、夜空に響いた・・・。
さて後書きの時間だ、とりあえずクリスは頭に三角巾つけといてね。
「いやまだ死んだとは決まってないだろ!?勝手に殺すな!」
まあまあ、それよりこの回書いてて思ったことがあるんだ。
「なんだ?」
いやさ、この小説で俺初めて絶唱書いたわ。
「えっ?(読み漁り中)・・・ほんとだ!」
「最初の奏の絶唱も次の私の絶唱もなくなっているな」
まあその分話をどうしようか悩んだんだけどな…そして今週のセイバーだが。
「急に変わったな、まあすごい迫力だったなキングライオン大戦記」
時々考えるんだ、新たなエスパーダは現れるのかってさ。
「確かに、どうなるんでしょうね?」
「個人的にはデザストの立ち位置も怪しいからな」
まあそのあたりの考察はおいおい考えようか、じゃあそろそろ〆るか。
「「「「それでは次回もお楽しみに!」」」」
「おいあたしはこのままかよ!?」装備:三角巾