戦姫転生ゼロフォギア   作:真紅林檎

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G編第二話、そしてお前に聞きたいことがあるんだが…。
「なんだ?」
お前って常にジャージなのか?そのことをコメントで聞かれたぞ。
「それなら大丈夫ですよ!真さんの衣装は私たちで決めましたから」
お前らが?
「はい、あの時の翼さんとのデートの時にちゃんと購入しましたから。詳しくは無印編の『初めてのデート』をご覧ください」
宣伝乙、んでどんな衣装になったんだ?
「はい、こんな感じです!」

G編真衣装 上半身:白色のパーカー 下半身:紺色のワイドパンツ

「こんな感じです、まあ作者さんが女性ものの服に疎いのもありますが…」
そうだな~真に着せたい衣装とか募集しようかな?
「マジでやめてくれ、あれは男の俺にとって地獄そのものだ」
まあ何はともあれ、衣装もわかったことだしG編第二話どうぞ!
「おいスルーするな!?」


黒のガングニール

「そうか、そんなことが」

 

「はい、現場からはウェル博士が行方不明に、そしてソロモンの杖もなくなったそうです」

 

あたしは今日、翼のサポートとして緒川さんと共に『Queen`s Of Music』の会場の舞台裏に来たんだが、旦那からの連絡で真達の任務が失敗になったと聞いた。

 

「僕はこのことを翼さんに…」

 

「ああ~待て待て、それはやめた方がいい。ノイズのことを翼が聞いたら今日のライブを投げ捨ててでも向かっちまうだろうしさ」

 

「そうですね、たしかに」

 

「だからこの事は翼には内緒にした方がいいな」

 

「わかりました、では翼さんには内密にしておきます」

 

「奏、緒川さん、指令からいったい何を?」

 

話を終えると翼が私たちに呼びかけて来た。

 

「今日のステージを全うしてくれと・・・」

 

「・・・はあっ、緒川さんが眼鏡を外したということは、マネージャーモードの緒川さんではないということです」

 

翼に感づかれ緒川さんはぎょっとする、よく見抜いたな翼。

 

「自分の癖くらい覚えておかないと、敵に足元を・・・」

 

「お時間そろそろです。お願いします!」

 

「あっはい!今行きます」

 

スタッフの声に翼は応える。

 

「翼、みんなの傷ついた心を癒すのが今の翼の大切な務めだろ。こっちはあたしたちに任せて翼は思いっきり歌って来い!」

 

「・・・わかった、奏がそう言うなら。けどステージが終わったら色々聞かせてもらいますね」

 

「はい、わかりました」

 

そういって翼はステージへと向かった。

 

「・・・すみません奏さん。感づかれてしまいました」

 

「いや良いって、それより今回のステージは必ず成功させないとな、交渉事は任せるぜ」

 

「はい、お任せください」

 

今日のステージ、翼のためにも必ず成功させないとな。

 

 

 

 

 

「・・・まさか離れてすぐにノイズに襲撃されるとはな」

 

「ウェル博士、どこ行ったんだろう・・・」

 

米軍基地からの帰還中、夕日が沈む中ヘリ内で響は落ち込んでいた。

 

「きっと大丈夫さ、今弦十郎さんたちが探しているしすぐに見つかるさ」

 

「そうだな、あのオッサンたちならすぐに見つけてくれそうだしな」

 

「その通り、それに今日は楽しみにしていた翼のライブだろ?」

 

「真さん、クリスちゃん・・・はい、そうですね!今日は翼さんの晴れ舞台なのに暗くなっちゃいけませんよね!」

 

響はいつもの明るさに戻った、それでこそ響だな。

 

「それにセレナも気になる人がいるんだよな、確かセレナの姉で・・・」

 

「はい、『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』です」

 

セレナは響と同じくらい明るくなっている。

 

「確かデビューから二ヶ月で米国チャートの頂点に乗った気鋭の歌姫なんだろ?っすげえ姉じゃねえか」

 

「はい、私の自慢の姉さんですから!」

 

「そっか!じゃあ楽しみだねセレナちゃん」

 

「はい!とっても楽しみです!」

 

響とセレナは仲良く話している、セレナが二課に入ってからまだ一ヶ月しか経ってないのにもうみんなと仲良くなっている。

 

家にいる時も家事を手伝ってくれるし、セレナ曰『支援者さんからいろいろ教わりましたのである程度はできますよ』とのこと。

 

因みに支援者=駄目神のことだ、セレナは支援者が神様だということは知らない。

 

「うっ~、けど翼さん達のライブに間に合うかな・・・って真さんは何をしてるんですか?」

 

俺が駄目神から貰った機械をいじっているのを響に見られた。

 

「多分間に合わないだろうからこいつで見ようと思ってな」

 

「えっ?それそんなこともできるんですか」

 

「まあな…よし写った」

 

画面にはQueen`s Of Musicの会場が写っていた。

 

「あっ会場だ!けどこんな位置にカメラなんてありましたっけ?」

 

「いや、こいつはフライングファルコンの視界を通して見ている映像なんだ」

 

「あっ確かにキーが刺さってます」

 

「そう、テレビカメラも関係なくファルコンが動けば角度を変えれるし、映像の拡大もできるからベストな映像が見れるぞ」

 

『何それ欲しい!?』

 

これを送ってくれた駄目神には感謝しないとな、まあこの機能に気づいたのは最近だが。

 

「おっ、そろそろ始まりそうだぞ」

 

「見せてください!見せてください!」

 

「あっ私もお願いします!」

 

俺たちは駄目神から貰った機械でライブを見るのだった。

 

 

 

 

 

「~♪」

 

ライブが始まる前、控室にて鼻歌を歌っている女性がいた。

 

そんな女性の携帯に連絡が入る。

 

『こちらの準備は完了。『サクリストS』が到着次第、始められる手筈です』

 

「ぐずぐずしてる時間はないわけね…」

 

座っている椅子から立ち上がり、女性は答えた。

 

「OKマム、世界最高のステージの幕を上げましょう」

 

女性は携帯を切り懐にしまい、代わりに赤いペンダントを手に取った。

 

「セレナ・・・」

 

女性はボロボロのペンダントを握り、少女の名を呟いた。

 

 

 

 

空が暗くなる中、照らされるステージと共にシャフトに乗って二人の女性が上がってくる。

 

一人は赤と黒を基調としたライブ衣装を着た日本のトップアーティスト『風鳴翼』

 

もう一人は白を基調としたライブ衣装を着た気鋭の歌姫『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』

 

今回のライブQueen`s Of Musicにおけるメインイベント、二人の歌姫によるデュエットだ。

 

「見せてもらうわよ、戦場にさえる抜き身の貴方を!」

 

マリアの声にこたえるように翼は立ち上がる。

 

そして奏でられる伴奏の中、二人の歌姫の歌声が重ねられる。

 

 

Huu… Cold moon… Blue shine…

 

 

マサニ今宵、イマ世界ハ、一ツニナル、届キタマエ、叶エタマエ

 

 

『『あ…始まろう』』

 

 

 

3

 

 

2

 

 

1

 

 

Ready Go Fly!!

 

 

 

果てなき』 『強い』 『『この思いは』』

 

 

譲れない』 『強い』 『『この思いは』』

 

 

誰にも』 『負けない』 『『不死なるMelody』』

 

 

『『 True heart』』

 

 

二人の歌声に会場のボルテージが上がっていく。

 

 

この手から零れ去った イノチ…紡いだコ・ド・ウ!

 

 

欠けたMoon light その光は 残した者にナニヲ問ウ!

 

 

哀しみを束ねて 剣に

 

 

刃に Justiceの名の下

 

 

二度と消えることない

 

 

魂の種火をさあ

 

 

『『』』

 

 

二人が剣状のマイクを床に突き立てると、ステージから炎が上がり背景に不死鳥が写る。

 

 

Ignition…‼

 

 

燃えなさい』 『人に』 『『定めなどない』』

 

 

飛びなさい』 『過去を』 『『引きちぎって』』

 

 

行きなさい』 『アツく』 『『羽撃き合い』』

 

 

響き伝う』『奏で伝う

 

 

『『ッ!』』

 

 

そう』 『』 『『握りしめて』』

 

 

背負った』 『全部』 『『握りしめて』』

 

 

いま不死なる夢を羽根に

 

 

願う明日を』『共に飛ばないか?

 

 

Phoenix song

 

 

炎の翼を羽ばたかせる不死鳥の映像を絵に、二人の歌は終わった。

 

終わるとともに観客席から溢れんばかりの歓声が二人に送られた。

 

その歓声にこたえるように二人は手を振り、翼が前に出る。

 

『ありがとう、みんな』

 

翼からの感謝の言葉に会場は更に盛り上がる。

 

『私は、何時もみんなからたくさんの勇気をもらっている。 だから今日は、私の歌を聞いてくれる人たちに少しでも、勇気を分けてあげられたらと思っている!』

 

翼の言葉に観客は更に熱狂する、そして翼に続くようにマリアも前に出る。

 

『私の歌を全部、世界中にくれてあげる!』

 

マリアは堂々と勇ましく、カメラを通して世界中に伝える。

 

『振り返らない、全力疾走だ。ついてこられる奴だけついて来い!』

 

マリアの言葉にさらに熱狂は上がっていく。

 

『今日のライブに参加できたことを感謝している。 そしてこの大舞台に、日本のトップアーティスト風鳴翼とユニットを組み歌えたことを』

 

『私も、素晴らしいアーティストに巡り合えたことを光栄に思う』

 

翼が手を差し出すと、マリアは答えるように翼と握手する。

 

その行為で、会場のボルテージは最高潮となる。

 

『私たちが世界に伝えて行かなきゃね。 歌には力があるって事を』

 

『それは、世界を変えていける力だ』

 

ふと、マリアが翼に背中を見せ、会場の方を向く。

 

「・・そして、もう一つ」

 

 

マリアが何かを呟き、腰布を広げた瞬間、観客席に大量のノイズが出現する。

 

 

「ノイズ!?」

 

画面を見ていた俺たちは突然のノイズの出現に驚く。

 

画面の向こうでも、ノイズの出現に観客はパニックを起こしている。

 

「おい!これまずいだろ!」

 

「あっちには未来たちが…!」

 

「マリア姉さん…!」

 

会場がパニックになる中、マリアは一人落ち着いていた。

 

「狼狽えるな・・・狼狽えるな!!」

 

マリアの声に、会場は一気に静まり返る。

 

静まり返った会場では、出現したノイズは人々を襲う気配がない。

 

「・・・わかりました。装者二名、仮面ライダー二名と共に、状況介入までを四十分を予定。事態の収束に当たります」

 

友里さんは弦十郎さんからの連絡を聞き、通話を切る。

 

「見てのとおりよ。昨日抜かずの三連戦になるけど、お願い」

 

友里さんの頼みに俺たちは頭を縦に振る。

 

「またしても操られたノイズ…」

 

「詳細は分からないわ・・・だけど」

 

「だけど?」

 

友里さんの声に、響は聞き返す。

 

「ソロモンの杖を狙ったノイズの襲撃と、ライブ会場に出現したノイズが、全くの無関係とは思えない」

 

友里さんの考察に俺たちは不安を感じながらも、ファルコンの映像を見る。

 

映像をズームさせ翼の方を見ると、翼は首の布を取り外し、ギアのペンダントを取り出す。

 

「怖い子ね」

 

声をかけるマリアを睨むが、マリアは平然としている。

 

「この状況にあっても、私に飛び掛かる気を伺っているなんて。 でもはやらないの。観客たちが、ノイズからの攻撃を防げると思って?」

 

「くっ…!」

 

マリアのいうこともまったくだ。下手に動けばノイズが観客を襲い多大な被害を生みかねない。

 

それ故に、翼は動けないでいた。

 

「それに…」

 

マリアは翼から視線を外す、マリアの視線の先にはこの光景が移されているモニターがあった。

 

「ライブの模様は世界中に中継されているのよ? 日本政府はシンフォギアについての概要を公開しても、その装者については秘匿したままじゃなかったかしら…ねえ、風鳴翼さん」

 

「甘く見ないで貰いたい、そうとでも言えば私が鞘走ることを躊躇うとでも思ったか!」

 

翼は手に持つ剣型のマイクをマリアに突き付ける。

 

「貴方のそういうところ嫌いじゃないわ。貴方の様に誰もが誰かを守るために戦えたら・・・世界は、もう少しまともだったかもしれないわね」

 

「なん・・・だと・・・?」

 

切実そうに言葉を呟くマリアに、翼は首を傾げた。

 

「・・・マリア・カデンツァヴナ・イヴ。貴様は一体」

 

「そうね、そろそろ頃合いかしら」

 

マリアはそう言うと、マイクに口を近づけ、そして宣言をした。

 

『私たちは、ノイズを操る力をもってしてこの星の全ての国家に要求する!』

 

高らかに宣言した言葉に、翼も俺たちも驚いた。

 

「世界を敵に回しての交渉!?これじゃまるで…」

 

「宣戦布告…何でそんなことを?」

 

クリスと俺はマリアの発言に疑問を持った。

 

「そして・・・」

 

マリアは手にしていたマイクを上空へ投げる。

 

・・・そして、聞き覚えのある『唄』を口にした。

 

 

Granzizel bilfen gungnir zizzl

 

 

「まさか!?」

 

それは響達が歌う聖唱。

 

だがそれよりも俺はとある言葉に困惑する。

 

 

・・・『ガングニール』と、マリアは言った。

 

 

そこには、黒いマントを身に纏い。黒色の装甲を身に纏った彼女がいた。

 

その色は違うが、見間違うはずもない。

 

あれは今俺の隣にいて、翼と共にいる彼女と同じ姿。

 

「黒い・・・ガングニール!?」

 

「マリア姉さんが・・・何で・・・!?」

 

響は困惑した、自分と同じギアを纏った『歌姫(マリア)』に。

 

セレナは困惑した、世界に宣戦布告した『(マリア)』に。

 

ギアを纏ったマリアは上へ投げ落下したマイクを手に取り、自身の正体を宣言した。

 

「私は・・・私たちは『フィーネ』! そう・・・『終局(おわり)』の名を持つ者だ!」

 

 

 

 

今、新たな戦いの火蓋が切られた瞬間だった。




「後書きの時間です、ついに黒いガングニールが現れましたね・・・」
「そうだな、それにセレナのことも心配だしな」
「自分のお姉さんがあんなことをしたらショックを受けますよ」
「そうだな…俺たちで何とかしないとな」
「はい!・・・次回はついにあの人が復活します!」
「新たな力を手にし、俺たちと共に再び戦ってくれるからよろしくな」
「それでは、そろそろ〆ましょうか!」

「「それでは次回もお楽しみに!」」

「ところで作者さんは?」
「次回を書き始めてるから後書きは早退したらしいぞ」









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