悟空は無邪気な冒険者   作:かもめし

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とある神様の憂鬱

 おい、キテラ! お前、何度言えば分かるんだ! 僕はなぁ、お前の宇宙にいる……なんだったか……あの緑色でちっこい奴らが大嫌いなんだよ!

 あいつらときたら、不潔で弱いくせに調子に乗って……繫殖力だけは一人前。いつも下衆な事しか考えてないし……。あれだ、あれ。地球ではゴキブリとかいうのが嫌われてるが、あれと同じだ!

 ……ったく。おかしな鏡で、こっちとお前の宇宙とを繋げやがって……。そのおかげで、あの緑の奴らが何匹も僕の星に雪崩れ込んできたんだぞ!

 あんなのがいるんだから、お前の宇宙も程度が知れるってもんだ。

 え? なに? 鏡はどうしたか、って? そんなもん、破壊したに決まってるだろ! あの緑の奴らもろともな!

 何を怒ってるんだ! お前に怒る権利なんか……。

 へ? 第七宇宙のサイヤ人が……? お前の宇宙へ? 孫悟空?

 馬鹿言え。悟空は今、なんとかって星へ稽古に出かけてるんだ。だろ、ウイス?

 ほら、この杖の玉をよく見ろ。この通り、悟空はバンパとかいう小さな惑星にいるだろうが。

 なに? お前の宇宙に来た悟空はもっと小さい?

 そんなに言うんだったら、見せてみろ。

 ……。

 おい、他人の空似とかじゃないだろうな。フリーザから聞いたことがあるぞ。サイヤ人の下級戦士は使い捨ても同然だから、顔のタイプが少ないって。

 でも、まぁ……このド派手な道着は間違いなく悟空のだな……。

 ……。

 どうして悟空がお前の宇宙にいるんだ!

 げえっ! ぜ、全王様が……!? と、時の界王神から、歴史書の写しを貰って……?

 くそっ、あのちんちくりん娘め……。余計なことをしやがって……。

 ……だぁ、もう! 分かってるよ! お前が悟空を返すために、あの鏡を使ったのは分かった! それを僕が破壊してしまったのもな!

 だが、お前も悪いんだからな。お前があんな不潔な生命体を放置してなかったら、僕があの鏡を破壊することもなかったんだ!

 いいか、キテラ。こうなったら共同戦線だ。全王様の機嫌を損ねない程度に、上手い具合に悟空をこっちの宇宙へ転移できるようにするんだ。

 なに? そううまくはいかない? 転移の術を手に入れられるのも、運次第? 馬鹿! そういった因果律をいじっちまえば……って、全王様もそのサイコロ遊びとやらに参加してるんだよな。

 うぅむ……下手に手を出したら、全王様の機嫌を損ねかねんな……。そうなったら、どっちの宇宙も消されちまう。

 くそっ。せっかく力の大会が終わったってのに……。

 こうなったら、仕方がない。全王様が飽きるのが先か、悟空が転移の手段を見つけるのが先か。これを待つしかないだろうな。

 全く。いつの時代も僕を困らせてくれる奴だよ、孫悟空というやつは。

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