俺は普通なので逃げたいと思います、生き残ればいいんだよ!   作:椎名叶

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 お久しぶりです、お待たせいたしました。
 言い訳にしかなりませんが遅れた理由を……。
 書く気が起きなかった、これが主な理由となります。

 勢いで書き始めて、ここまでたくさんの人に見ていただけているのはとても嬉しいです。が、もっとこうすればよかった、っていう感じで後悔があとから押し寄せて書く気が起きなかったんです。これは自業自得としか言いようがないです。なので、私なりに頑張ろうと思います。

 では。


雪景色の中に、ポツンと一軒家。

「うーん、一面雪景色。歩いてもなんも変わらない! ていうか寒い!」

 

 ぎゃんぎゃんと喚きながら誰もいないはずの夜の雪山を歩く。

 たまに雪が崩れて崖から落ちかけたりするが何とか生き残っている。

 いつか死ぬ。死ぬ気は無いけど。

 

「民家どっかに有ったら温まらせてもらおうかな…」

 

 暫く無言で雪をかき分けて進んで行くと民家がぽつんと鎮座していた。

 某テレビ番組に出れそうな場所にあるね、知らないけど。

 

 乱れた服装を適当に整え、民家の引き戸をコンコンコンとリズムよく三度叩く。

 暫くすると家中から「はーい! ちょっと待ってくださいね」という元気な声が聞こえた。

 

「……どうしましたか?」

 

 引き戸が開き、声の主が顔を出す―――。

 

「……え?」

 

 顔を出したのは、この世界――『鬼滅の刃』の主人公の竈門炭治郎だった。

 

「ぅ、う……」

「ど、どうしま―――」

「うそだろぉぉぉぉお!?」

 

 この世界に産み落とされて、何度目かわからない大声を俺は口から絞り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が落ち着いたところで、家にあげてくれた。

 

 

「大丈夫ですか……?」

「あぁ、大丈夫だ。すまなかったな」

「いえ、お気になさらず!」

 

 日輪のような眩しい笑顔を俺に見せると、お茶を出してきた。

 ご厚意に甘えてお茶を受け取り、半分ほど流し込んで頭を下げる。

 

「……すまない、突然訪ねて来たと思ったら―――」

「本当に気にしないでください! 顔上げてください!」

 

 俺の言葉を遮って困ったようにする目の前の幼さ残る少年――炭治郎。

 俺は頭を上げて、確認するように顔を見つめる。

 

「か、顔になんかついてますか……?」

「あー、いや、なんでもない」

「そ、そうですか……」

 

 何かの見間違いかと思いたかったが、目の前にいるのはアニメ、漫画ともに嫌と言うほど見た炭治郎だし、声もそのまま。

 これで別人でした、なんてことがあったら俺の目と耳どちらもイカれていることになる。

 ほぼ確実に炭治郎だろうが、一応名乗ると一緒に名前を聞く。

 

「名乗り遅れた、俺は隼。君の名前は?」

「竈門炭治郎と言います」

「そうか。炭治郎、良い名前だな」

「もう遅いので寝ていますが、母と弟と妹がいます」

 

 「父」という単語は炭治郎の口から出なかった。

 つまりは、炭十郎さんはもうこの世界にいないということ。

 

「ご察しの通り、父はもういません……」

 

 完全に頭から抜けていた、炭治郎は嗅覚が優れていることが。

 匂いで感情、思考を読み取られることを。

 

「……そうか、すまなかった、辛いことを言わせたな」

「大丈夫です、父は俺の中で生きていますから……」

 

 耳につけた花札を懐かしむように触れ、にっこりと笑う。

 

「お邪魔したな、俺はこれで失礼するよ」

 

 俺が出て行こうとすると両肩を掴んで止めてくる。

 

「夜の山は危ないから泊って行ってください…!」

「いやいいよ、迷惑をかけるだけだからな」

「でも……」

「じゃー、お言葉に甘えて泊まらせていただこうかな」

 

 俺がそう言うと、炭治郎はまた日輪のように眩しい笑顔を見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 用意してくれた寝転がり、瞼を閉じようとしていると炭治郎が声を掛けてきた。

 

「隼さんは何をしている人なんですか?」

「俺は……」

 

 続く言葉が見当たらず、黙り込む。

 暫くして思いついた言葉を繋ぐ。

 

「日本全国を旅してる旅人さ」

「旅人……」

 

 本当は逃げ回っている臆病者だが、言えるわけがない。

 炭治郎の目がキラキラと光る、興味津々のようだ。

 

「色々見て来たぜ、聞くか?」

「いいんですか!?」

「もちろん」

 

 

 

 色々な話をした。

 

 特産物、食べ物、東京の話……そして―――鬼の話。

 

 しようかはかなり迷った、だが言っておく価値はあると思った。

 

 

 

「鬼……?」

 

 嘘だ、とでもいうように表情を曇らせた。

 だが俺が真剣な眼差しで見つめているとゆっくりと頷いた。

 匂いで本当のことだと理解してくれたのだろう。

 

「――ま、こんなもんかな」

「……」

 

 鬼のことで思うことがあるのだろうか、真剣な顔をして黙っている。

 

「俺、鬼が来ても良いように鍛えます」

「そうか……」

 

 俺は余計なお世話かもしれない、そう思いながらも一つ提案した。

 

「……炭治郎、疲れない呼吸の仕方って知ってるか?」

「疲れない、呼吸の仕方……?」

 

 俺はにやりと笑ってみせ、詳細を軽く説明した。

 

 

「――こんな感じで習得までが超がつくほどしんどいんだが……」

 

 

 

 炭治郎は、覚悟を決めたように頷いた。

 

 

 

「俺にその呼吸法を教えてくれますか、隼さん」

 

 

 

 




 炭治郎強化です。ごめん無惨…。
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