俺は普通なので逃げたいと思います、生き残ればいいんだよ! 作:椎名叶
町を転々としてあらゆるものから逃げている俺ですが今日はゆっくりできそうです、多分。
今の時間は正午、つまり十二時。
腹が鳴る時間、別に金が無いわけでもないので目に入った飲食店に足を踏み入れる。
「いらっしゃい。」
そう言って俺に微笑みかけお冷を渡す店員に俺は品書きを見て目に入ったものを適当に頼む。
俺は適当に席に座り、頼んだものを待つ間俺は渡されたお冷を呷る。
うっま。
炭酸系よりも水の方がいいわ、水最高。
久しぶりに冷えた水を飲み、水のありがたさを再確認した俺の目の前に頼んだ料理が置かれる。
ありがとう、と礼を言って頼んだものを口に放り込んでいく。
いやぁ、和食が一番だよな。
鬼と鬼殺隊士は嫌だが飯だけは良い、飯だけは。
そんな事をぐちぐちと考えていると箸が何もない皿をつついていたことに気づき、箸をおいて席を立って会計を済ませ店を出ようとする俺の肩を誰かが掴んだ。
その腕を払うように俺は後ろに振り返る。
「久しぶりですね。」
おいおい‥、マジかよ。
なんで、胡蝶しのぶがいるんだよ…!
――――
私は少し前、上からの指令で姉さんとある男を追いかけていた。
接触はできたものの見失い、失敗に終わった。
私はその日から鍛練の時間を増やした、全集中の呼吸を習得していない一般人のくせに私たち二人から逃げきった、それにイラついたから。
そして私は決めた今度会ったら絶対捕まえてやる、と。
私は町を歩いていた。と言っても任務までの時間を潰していただけだが。
お腹がすいた、ふとそう思い目に入った店に入る。
そこで私は顔をしかめて顎に手を当てる。
あの男は、姉さんと追いかけた男よね…?
着物の柄は違うがあの男だろう。
私は一瞬、鴉で伝達するか迷ったがバレては元も子もないので意を決し、店を出て行こうとする男の肩を掴む。
それを振り払うように振り返る男に私は話しかける。
「久しぶりですね。」
男の顔から血の気が引いていく、それを私は笑うように言葉を続ける。
「どうしたんですか?私に会って悪いことでも?」
「い、いや、無いよ。」
「そうですか、じゃあ少し話でもしませんか?」
「それは遠慮しておくよ‥わかった、少しだけな。」
隠している刀を抜くふりをすると男は仕方私の提案に承諾し店の席に座る、私はその前に座り問いかける。
「なぜ逃げたんですか?」
「そんなの鬼殺隊が嫌だからに決まってるだろ。」
「‥そうですか。じゃあ追いかけられてる理由に心当たりは?」
「無い、俺が聞きてぇわ。なんで追いかけてくんのか。」
「それはついてきてくれたら教えてくれるんじゃないですかね?」
「じゃあいいや。」
「なんでそんなについてくるのを嫌がるんですか?もしかして何か隠してます?」
その問いに男は「ぐっ」と変な声を上げる。
これは図星だな、私はわかりやすい反応に少し笑う。
「隠してるものはないぞ、絶対だ。」
「嘘ですよね、さっき変な声出しましたよね?」
「あれは‥さっき食ったやつが戻りかけたんだ。」
「嘘はいいですから、本当のこと言ってください。」
「断る、少し話したしこれで勘弁な。」
そう言うと男は立ち上がって、店から出て行こうとする。
私はそれを止めるため肩を掴もうとするがひょいひょいと避けられる。
「待ってください。」
「嫌だね。」
前のように夜ではないので周りのことを気にしてなのか男は走らず急ぎ足で道を抜けていく。
それを私は駆け足で追いかけながら男に声を掛ける。
「逃げないでください!」
「これは戦力的撤退だ、多分!」
曖昧な返答を口にして人が少なくなってきたところで高く跳躍する。
屋根上に上ると私を見下すかのように見ると、走り出した。
私はそれを追いかけて屋根上に上がって全力疾走をする。
その鬼ごっこ?は夜まで続く――――。
男がバテ始めた頃には辺りは暗く、町明かりが目立つ。
「おい、それそろやめないか?」
「そっちがやめたらどうです「――花柱、上弦ト交戦中!負傷シテイル!直チニ急行セヨ、胡蝶シノブ!」ッ!?」
私は鴉からの伝令に驚き、足を止める。
姉さんが死んでしまうかもしれない…。
私の頭が恐怖で埋まっていく。そんな私に男が声を掛けてきた。
「お前の姉さんだろ、行ってやれよ。」
「そうだけど…!」
「ぐずるな…仕方ねぇな!ついて行ってやるから走れ!鬼は嫌いだが!」
その一言はいらないと思うと思いながら私は鴉に案内を頼む。
「口が滑ったぁ…、もう言ったからついて行くけど俺、戦力外じゃない?」
自分から行くスタイル、逃げるって何だっけ?
ヒロインは候補はいくつかあるんだけど…みんなは誰が良い?
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胡蝶しのぶ
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胡蝶カナエ
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真菰
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無一郎&有一郎
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『全員』だよなぁ!