龍はなんのために生きるのか   作:ミクス

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龍とダンジョン②

北の山で発見したダンジョンによって、俺たちは鉱石類の安定供給ができるようになった。とは言ってもまだ上層でしか採掘していないので、鉄ぐらいしか取れていないが。

 

だがやはり異世界といえばの鉱石も欲しくなる。ミスリルとか欲しいな。

 

という事でもう一度ダンジョンに行こうと思う。わかったかい、2人とも?

 

「はい。」

「うん!」

 

ナチュラルに人の思考を読まないで欲しいな。ハクとアーデルハイトには心を読むスキルでもあるのか…?アーデルハイトにはあったなそういうスキル。

 

「ガンテツを呼んでもう一度ダンジョンに向かおうと思う。だからアーデルハイトはガンテツを呼んできてくれ。ハクは連れて行くダイナウルフを選んでおいてくれ。1時間後に俺の家に集合な。」

「了解しました。」

「はーい!」

 

ハクとアーデルハイトに指示を出し俺は俺でやることをしなければならない。それはあのロックゴーレムの対処法だ。俺が付いて行くときは対処できるが、エルフとダイナウルフ達だけでダンジョンに行く場合倒せないことになる。

 

確か前回俺が倒したときは魔法付与された剣で倒せていた。剣に魔法付与ができるのかダンジョンに行くときにでも聞いておこう。

 

次にダイナウルフ専用の武器を作るためのデザインを考えないといけない。せっかくならかっこいいデザインがいいな。

 

俺は光力を使ってどんなデザインにしようか想像しながら枠組みを作っていく。

 

ダイナウルフは主に爪と噛みつき、後は体当たりだったか。今あげた行動で攻撃していた。武器を作るなら鉤爪とかがいいだろうか?

 

ダイナウルフの最大の武器はスピードを生かした連携攻撃だ。これを生かすための武器を考えないといけないな。

 

「ガンテツさんを連れてきました。」

「準備整ったよー!ご主人様ー!」

 

ピョーンと飛びついてくるハク。最近結構スキンシップが激しくなってきた。会うたびに抱きついてくる。可愛いから許すが…。

 

「よし。それじゃあダイナウルフ達は前回同様、走ってきてくれ。アーデルハイトとハク、ガンテツは俺に乗るんだ。」

 

俺は龍の姿になって3人を乗せる。アーデルハイトとハクはウキウキと乗り、ガンテツは……よくわからん表情をしている。

 

俺の体も結構成長し3人ぐらい余裕で乗せることができるようになった。

 

俺は空を飛び、ダイナウルフ達は走ってダンジョンまで行った。

 

ダンジョンに行く途中にガンテツに剣に魔法付与はできるか聞いてみたが、できないと言われた。できないのならば仕方がない。俺がどうにかして光魔法をアレンジして、1日持つ支援魔法を開発してみよう。

 

そんなこんなでダンジョン2層の下に降りるための階段までやってきた。

 

「それじゃあダイナウルフ達は敵の掃討、ロックゴーレムに出会ったら俺たちのいる方の反対側にうまく誘導してくれ。ガンテツは自分の思うままに動いてくれ。俺たちはガンテツの護衛だ。」

「レーベ殿、もっと下に行ってもいいのか?」

 

ガンテツがニヤリとしながら聞いてくる。

 

「いいぞ。」

「感謝する。」

 

今回連れてきたダイナウルフの数は前回同様50匹。今度は3匹編成の16組が魔物の殲滅に向かい、余った2匹が俺たちと一緒に行動することになっている。

 

「そういえばダンジョンってどこまで続いているんだ?」

「私の知っている限りでは確か100階層まであったはずです。」

「結構あるんだな…。」

 

このダンジョンは何階層あるのだろうか。流石に100階層まで行くのは大変だろう。

 

道中魔物に遭遇する事なく10階層までやってきた。

 

魔物はダイナウルフ達が倒し、最短距離で駆け抜けてきた。ここにくるまでガンテツがピッケルを振るうことは一度も無かった。

 

だがそれもここまでのようだ。10階層に上がってからずっとキョロキョロと辺りを見回している。何かを探すかのように。

 

そして少しだけヒビが入っている壁に近づき、ピッケルで掘っていく。

 

ガンテツが壁を掘っている間、俺たちは周囲の警戒を行う。ピッケルの音に誘われて魔物が寄ってくる可能性が高いらしい。

 

「…………見つけた。」

 

どうやらガンテツの探していたものが見つかったようだ。

 

「……これを。」

 

ガンテツが渡してきたものを見ると、それは銀色に輝く鉱石だった。

 

「これがミスリルだ。」

「これが…。」

「ミスリルは鉄より軽くて鋼より堅い。ミスリルで武器や防具を作ればより安全な狩りができるぞ。それに魔法適応率も高い。魔法付与もやりやすいはずだ。」

 

いつもあまり喋らないガンテツが結構な量をしゃべっていた。

 

それよりもミスリルを使った武器ならばロックゴーレムに対応できるようになるかもしれないな。

 

「ガンテツ、もちろんミスリルで武器を作ることはできるよな?」

「勿論だ。」

「それじゃあもっとミスリルを集めよう。」

「了解した。この辺りにはミスリルがいっぱいある。手伝ってくれ。」

「任せろ。」

 

俺たちは手分けしてミスリルを採掘していった。ガンテツの言った通りかなりの量のミスリルを確保できた。

 

「それじゃあそろそろ戻るか。」

 

大量のミスリルを確保したところで帰ることにした。

 

「あっ、ちょっと待ってください。」

「どうした?」

「帰る前にここのボスを倒して帰りましょう。10層のボスを倒せば地上からすぐにここまでこれるようになる魔法陣が出現しますので。」

 

なんと。そんなものがあったのか。転移魔法陣だろうか?ものすごく興味が湧いてきた。

 

「ならボス倒していくか。ハク、ボスまでの道順はわかるか?」

「バッチリだよ!」

「それじゃあ案内を頼む。ガンテツもちょっと遠回りになるけどいいな?」

「問題ない。」

「よし、ボス倒しにいくぞ。」

 

ボス部屋はこの階層の中心にあるようだ。

 

ここ周辺の魔物では俺が戦っても瞬殺してしまうから、俺の実力が把握できていない。だから今回戦う相手が強いことを俺は祈っている。

 

ハクとダイナウルフ達に案内されて10階層の中心まで行くと大きな門があった。門には2体の龍らしきもののレリーフが彫ってある。

 

「おー、おっきいね!」

「これは……。」

「…?アーデルハイトどうしたんだ?」

「いえ…。私が入ったことのあるダンジョンでは、このように大きな門はありましたがレリーフは彫られていませんでしたし、聞いたこともありません。」

 

アーデルハイトは見たことがないらしい。ということはここはもしかしたら、特別なダンジョンだったりするのかもしれないな。

 

「とりあえず中に入ろうか。門のレリーフについては帰ってからでも考えれるだろう。」

「それもそうですね。」

 

門を開けると、中は奥行きが広かった。 そして部屋の中央には3体のゴーレムが佇んでいた。

 

「これは近づいたら戦闘が始まるのか…?」

「そうだと思いますよ?」

「ご主人様どうするー?私がやろうか?」

 

ワクワクしながらハクが聞いてくる。ハクも戦いたいのだろうが今日は我慢してほしい。

 

「俺がやるよ。あのゴーレムは今までのやつのワンランク上のゴーレムみたいだからな。」

 

そう、中央に佇んでいるゴーレムを検索してみるとこんな感じだった。

 

名前 なし

種族 アイアンゴーレム

Lv 35

筋力 1500

耐久 6000

俊敏 400

魔力 200

スキル 物理ダメージ大軽減 堅守 鉄壁 カウンター 地ならし

 

ロックゴーレムの上位種だ。ステータスも少し上がっている。

 

「試したいことがあるから俺に戦わせてくれ。」

「わかったー!」

 

俺が試したいこと。それはゴーレムを殴って倒せるか。

 

正直俺のステータスがどれだけ強いのかがわからない。確実にわかるのは人間よりはステータスが高いこと。

 

擬人化した姿で戦うこともあるだろう。そうなった時、俺の力がどれほどの物か知っておいた方がいい気がする。

 

だから今回はゴーレムを殴って倒す。耐久6000が筋力10000に耐えられるか確かめよう。………多分耐えられないと思うけど。

 

俺は歩いてゴーレムの元へ行く。

 

ゴーレムとの距離が後10メートル程になった時、ゴーレムが動き出した。

 

俺はそれに構わずにゴーレムの元へ進む。

 

手前にいた2体のゴーレムが殴りかかってくるが、遅い。

 

簡単に避けると手近にいたゴーレムに向けて殴る。殴った瞬間ドガッという音が聞こえ殴ったゴーレムが後ろに飛んでいき、そのまま光となって消えた。

 

……うん。そんな気がしてた。

 

俺はため息をつきながら残る2体も殴って倒す。

 

……よわいなぁ。これじゃあ俺の実力がわからないままじゃないか。

 

「ご主人様すっごーい!」

 

ハクが思いっきり抱きついてくる。

 

「レーベ様流石です。」

 

アーデルハイトは当たり前というように褒めてくる。

 

「…………。」

 

ガンテツは口をあんぐりと開けている。

 

ハクを引き剥がしゴーレムがいた方をみると、魔法陣が出現した。これがアーデルハイトの言っていた帰還用の魔法陣だろう。これですぐにここまで来ることができるようになったということだ。

 

更に部・屋・全・体・に・声・が・響・い・た・。

 

『個体名ルミエール・ラム・ドラグイユが第1階層から第10階層までを支配しました。以降、第1階層から第10階層までのマスター権限はルミエール・ラム・ドラグイユに委譲されます。』

 

声はそれっきり聞こえなくなった。

 

「さっきの声は何だ……?

 

俺が第1階層から第10階層を支配しただと?それにマスター権限って何だ?

 

「どうかしたのですかレーベ様?」

「さっきの声は聞こえたか?」

「声…ですか?誰も喋っていませんでしたよ?」

 

アーデルハイトには聞こえなかった…?

 

「ハクはどうだ?」

「ご主人様何言ってるの?誰も喋ってなかったじゃん!」

 

ハクも聞こえていなかったらしい。

 

「ガンテツは…「喋ってない。」…だよね。」

 

誰も聞こえない声、しかし俺だけに聞こえていたという。この部屋に入る前に言っていた門のレリーフについてもアーデルハイトは知らないと言っていた。一体ここは何なんだろうか?普通じゃない気がする。

 

「それよりも早く帰ろうよご主人様ー。」

「………そうだな。帰るか。」

 

ハクが最初に魔法陣に乗り地上に戻っていく。

 

ここに来る機会は何度もあるだろう。だから徐々にこの謎について調べていこうと思う。

 

俺も魔法陣に乗り地上へと戻る。

 

帰りも行きと同じようにダイナウルフ達は走って帰り、俺とアーデルハイト、ハク、ガンテツの4人は空を飛んで帰った。

 

帰る途中何か話すものは誰もいなかった。

 

村に着くとアーデルハイトとガンテツは鍛冶屋へと戻っていった。これからミスリルを使って試作の武器を作るそうだ。ハクは今回ついてきていたダイナウルフ達をねぎらいにいった。

 

そして俺は1人湖のほとりにやってきた。

 

考え事をするならここが一番だろう。

 

ダンジョンでマスター権限が俺に委譲されたと言っていた。ということは下の方に誰かいるのかもしれないな。というかこのマスター権限で何ができるのだろう?謎だ。

 

「見つけましたわ!お兄様ー!」

「グハッ」

 

横から何かが猛烈な勢いで突進しながら抱きついてきた。

 

「会いたかったですわお兄様!」

 

そう言ってスリスリと頬擦りをしてくる少女。

 

いや誰だよ。

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