「見つけましたわ!お兄様ー!」
「グハッ」
横から何かが猛烈な勢いで突進しながら抱きついてきた。
「会いたかったですわお兄様!」
そう言ってスリスリと頬擦りをしてくる少女。
いや誰だよ。
「ちょ、ちょっと待て!とりあえず離れろ!お前は誰だ!」
さっきから少女を引き離そうとしているが少女の力が強すぎて全然引き剥がせない。こんな少女に力で負けるなんて…。
それから5分程してようやく少女が離れた。
「お兄様成分をたんまり補給できましたわ〜♪」
「…………おい。」
「どうかしたんですのお兄様?」
「お前誰だよ!?」
俺がそう言った瞬間少女はこの世の終わりというような表情をしていた。そもそも俺には妹なんていなかったし、俺がこの世界で生まれた時にも近くに卵なんてなかった。
「うぅ…。酷いですわお兄様…。」
少女は目に涙を浮かべていた。
「確かに血は繋がっておりませんが私にとってお兄様はお兄様なのですー!」
頰を膨らませながら抗議を挙げている。何この子かわいい…。
はっ!?俺に少女趣味はないからな?
とりあえず泣き止ませないと。
「わかったからとりあえず泣くなって。な?」
そう言いながら頭を撫でる。頭を撫でていると少女は気持ちよさそうに目を細めていた。
「それで何で俺がお前の兄になるんだ?血は繋がってないって言ったよな?」
「何と言えばいいのでしょうか…。こう、ビビッときませんか?」
あ、これダメなやつだ。
「生まれた時にバッとお兄様のことが頭に思い浮かんで、それでずっとお兄様を探していたのです。お兄様は私について何か浮かばなかったのですか?」
「すまない、俺は何も…。」
あ、また泣きそうになってる。結構甘えん坊なのかな?
「そうだ、名前は?まだ自己紹介してなかったな。」
「そうですわね。私は影刃龍シャルテン・ラーマ・ドラグイユですわ。」
「ん?ド・ラ・グ・イ・ユ・?それ本当か?」
「…?そうですわよ。」
まじか。これは本当に兄妹なのか…?
「俺は光刃龍ルミエール・ラム・ドラグイユ。んで、人間の姿の時はレーベって名乗ってる。」
「レーベお兄様ですね!」
影刃龍か…。俺らの他にも龍はいるのかな。
「そういえばお前には人間の姿の名前ってないのか?」
「ありますわ。レイラという名前ですわ。」
「レイラか…。いい名前だな。」
レイラか…。龍の名前と全然違う気がするが何か意味があるのかもしれないな。俺だってルミエール・ラム・ドラグイユなのにレーベって名乗ってるしな。
「それじゃあ村に行こうか。色々話したいこともあるからな。」
「お兄様が作った村ですか!楽しみです!」
俺が作ったわけでは無いんだが…。まぁ、いっか。
☆
魔族領のとある場所。
その日周囲の魔物に異変が起こっていた。
魔物に赤黒い線が走りより凶暴になっていく。
この現象が世界各地で起こっていた。
世界に災厄が訪れるまで後10日。