ひとまず最寄りの街、レートンを目指す事を決めた俺たちは現在絶賛爆・走・中・である。
「ヒィィィィィ!!?」
「おい、喋るな。舌噛むぞ。」
「そんなこと言われてもヒャッ!?」
今なんか蹴ったような気がするが気にしない。
だって出てくる方が悪いのだから。
ちなみに運悪く蹴られたのは、体長2メートル程のボアという魔物だった、らしい。
レイラが死体を回収してくれたらしいので今日の夕飯にでしようか。
アリスとメイドのティアは俺とレイラに抱えられていた。
それはもちろんちんたら歩いていくのが嫌だったという理由もあるが、もう一つ理由があった。
そのもう一つの理由がなんと、キュクロ大森林(名前を教えてもらった)からレートンまで馬車で3日もかかるそうだ。
なのでちんたらと歩いていたら1週間以上はかかるという。
だから俺とレイラが人間離れした速度で走っているというわけだ。
「あっ、レーベさん。」
「どうした?」
「出ます。」
☆
「ふぅ、スッキリしました。」
危なかった。
後もう少しでゲロをかけられるところだった。
「アリス様、もう少し王女としての自覚を持ってください。」
「どうしてあなたはケロっとしてるのよ…。」
「私はちゃんと気絶していましたので。」
ちゃんと気絶していたってどういうこと?
そんな技術あるの?この世界。
「それよりもそろそろ日が傾いてきたからここらで野営にしよう。」
そう言いながら俺は光力で創造したテントを【アイテムボックス】から取り出した。
このテントは2人用のテントなので3つ取り出した。
「【空間魔法】の【アイテムボックス】にあんな大きいものが入るなんて…。」
テントを3つ貼り終わると次は夕飯の準備だ。
「ボアのお肉がありますわ。」
そう言ってレイラの影からズズズッと出てきた。
アーデの時もそうだったがレイラの影はどうなってんだ?
「ボアだけじゃ俺たちは足りないだろう。ちゃんとワイバーンの肉も持ってきてあるぞ。」
今度はワイバーンを俺が取り出す。
その光景を見ていたアリス達は一言。
「「もうなんでもありですね。」」
ワイバーンの肉は俺特製のタレ(焼◯のタレ)でボアは塩コショウにした。
そして米と味噌汁を作った。
「うわぁ!美味しそうですね!」
「このタレは一体何を材料に…?」
アリスは美味しそうに食べ、ティアは焼◯のタレを調べたそうにしていた。
まぁ、食べたことのない味だったから気になるのは仕方がないだろう。
そして夜、俺は早々に就寝しレイラ達は1つのテントに集まって女子会を開いていた。
「レイラさん達はキュクロ大森林から来たのですよね?」
「えぇ、そうですわ。お兄様がお守りしているエルフの里からですわね。」
「えっエルフ!?まだエルフはいたんですね…。よかった…。」
「……?何かあったのですか?」
「アイルラーゼン帝国はエルフや獣人族などの人間以外の種族を迫害しているのですよ。だからエルフや獣人族を保護しているのです。」
「そんなことが…。そういえばお兄様が言っていましたわね。エルフと初めてあった時エルフの村が焼かれていたと。」
それを聞いたアリスはとても悲しそうな顔をしていた。
「暗い話はこれくらいにしておきましょう。アリス様、レイラ様、お茶をどうぞ。」
「ありがとうティア。」
「ありがとうですわ。……そういえばアリスさんとティアさんは結構仲がいいですわね?何か理由があったりしますの?」
「レイラ様、私は呼び捨てで構いません。」
「あら、わかりましたわ。」
「レイラさん!私も呼び捨てでお願いします!」
「ふふっ、それじゃあ私わたくしのことも呼び捨てでいいですわ。これからよろしくねアリス、ティア。」
「こちらこそです!レイラ!それで、私とティアの関係でしたね。ティアは私が幼い頃から私専用のメイドとして働いていたのです。」
「そうだったのですか。仲がいいのはとてもいいことですわ。」
「アリス様は小さい頃からやんちゃでしたね。よくお城から抜け出していましたし。」
「ちょっとティア!それは言わなくていいの!」
女子会はまだ始まったばかりであった…。
☆
「昨日の夜、なんかあったのか…?」
朝、アリスとレイラの目の下には隈ができていた。
「レーベ様、お気になさらず。乙女の秘密です。」
「そっ、そうか。すまない。」
……レイラは女性が好きだったのか。
……ちょっと驚きだな。
まぁ、いいと思うぞ?
というわけで10話投稿完了です。
また溜まったら一気に投稿するのでお楽しみに