「ご主人様ー!こっちこっち!」
現在、俺たちは大きなリュックを背負って、北にあるワイバーンが住んでいる山に来ている。メンバーは俺とアーデルハイト、ハクとハクの配下50匹だ。
なぜ俺たちがここにいるのかというと、ハクの配下であるダイナウルフ達がダンジョンを発見したそうだ。
この世界のダンジョンは鉱山のことらしい。ダンジョン内部は階層型となっており下に行けば行くほど、鉱石の質が良くなるらしい。ただ、内部には魔物が多数存在しており、かなり危険な場所らしい。
今回の目的はこのダンジョンの上層を占領し、安定した鉱石の収入を図ろうというわけだ。
大量の鉱石を獲得できれば村にいるエルフ全員分の武器が作れるだろう。それにダイナウルフ達にも武器を作ってあげればダイナウルフには無かった攻撃力も大幅に強化されるだろう。
「ついたよー!」
さて大量に鉱石を持って帰るとしよう。
☆
ダンジョンの入り口は俺が想像していたようなやつではなく、普通に洞窟だった。ごつい門とかは無く普通の洞窟だった。
中に入ると早速魔物が現れた。
青色の丸い奴、スライムだ。
なかなかに興味深い魔物だけど、ダイナウルフ達がせっせと倒してしまった。
その後も色々な魔物が現れた。
ツノが異様に長いホーンラビット、酸攻撃が得意なアシッドフロッグ、珍しいものでいえば薄く紅いブラッドスライムか。
とにかくこのダンジョンには、アーデルハイトに聞いていた通り魔物が多かった。だが殆どの魔物はダイナウルフ達に駆逐されていた。
ダイナウルフは5匹編成10組で行動している。ここらでダイナウルフのステータスを紹介しておこう。
名前 なし
種族 ダイナウルフ
Lv 50
筋力 1480
耐久 860
俊敏 5720
魔力 1020
スキル 空間機動 俊足 嗅覚強化 気配察知 暗視 縮地 連携 強顎 思念
もちろん個人差はあるが大体こんな感じだ。ウルフ系の魔物の中でも上から2番目の種族で、フェンリルを除けば1番強い種族である。
フェンリルと比べてはいけない。ステータスを見る限り完全なる劣化版となってしまうからだ。
話を戻そう。
現在、俺たちの周りには1組だけ残っており、残り9組はダンジョンの探索に向かっている。
探索に向かっているダイナウルフ達には2つの指示を出している。1つは魔物の駆逐、2つ目が下への階段を探すことだ。
下への階段を見つけた場合は思念で知らせてくれる予定だ。
というわけで1層は絶賛魔物の駆逐中だ。
さて、そんなこんなで2層への階段を発見した模様。
今回は2層までの魔物を駆逐して、鉱石類を持って帰るとしよう。
2層に降りても周りの光景は変わらない。普通の洞窟だ。
まずは1層と同じようにダイナウルフ達に魔物を倒しに行ってもらい、俺たちは採掘する準備に入る。俺が3人分のピッケルを創造し、アーデルハイトとハクに渡してそれぞれ別の場所で採掘していく。
アーデルハイトとハクが背負っているリュックは俺が創造した特別なもので、このリュックの中は亜空間となっており、大体100キロまでの物が収納可能だ。
これで大量の鉱石を持ち帰る事が可能なのだ。
採掘を始めて約1時間弱程経った時、ハクがこちらにやってきた。
「どうしたんだハク?もうリュックが満杯になったのか?」
「違うの!ダイちゃん達がちょっと面倒な相手と遭遇したんだって。ハクも行っていい?」
「それなら俺も行こう。ダイナウルフで対処できない相手を確認しておきたい。」
「案内するね!こっち!」
ハクはフェンリルの姿に戻ると高速で走っていく。俺も人の姿で走っていく。
人の姿はだいぶ能力が制限されるが、それでもハクについて行くことは可能だ。
名前 レーベ(ルミエール・ラム・ドラグイユ)
種族 人間(光刃龍)
Lv 74
筋力 10000(26380)
耐久 10000(36520)
俊敏 10000(29740)
魔力 20000(253790)
光力 863750
スキル 光刃 龍の王 空の王 水の導き 検索 千里眼 水魔法 光魔法 聖魔法 空間魔法 結界魔法 全魔法耐性 精神耐性 不老不死 擬人化 怪力 自己再生 暗視 気配察知 隠密 魔力感知 魔力操作 畏怖
ハクについていき見えたのは、10匹のダイナウルフがでかい岩と戦っていた。岩の方は殴ったり叩きつけたりしているが、遅すぎてダイナウルフには当たっていない。反対にダイナウルフの攻撃は当たっているが、攻撃が効いていないようだった。
「あれが倒せない敵か?」
「うん。あいつとにかく硬くて倒せないの。」
とりあえずあのでかい岩を検索してみた。
名前 なし
種族 ロックゴーレム
Lv 25
筋力 1000
耐久 5000
俊敏 200
魔力 100
スキル 物理ダメージ大軽減 堅守 鉄壁
……硬いなぁ。
しかもこいつ岩なのにどんだけ硬いんだよ。
スキルも防御系しかないみたいだし。
まぁゴーレム系は大体が魔法に弱いけど、ダイナウルフには魔法スキルがないから魔法が使えない。確かにこいつはダイナウルフ達の手には負えないな。
「ハク、俺がやるからダイナウルフ達を下げて。」
「わかった!」
ハクが指示を出し、ダイナウルフ達が駆け寄ってくる。
全員がこちらにきたのを確認し、俺は手を前に出す。
人の姿ではブレスを撃てないみたいなので俺は光剣を2本作り手に取った。
いわゆる二刀流というやつだ。
この剣は光属性が付与されているのでゴーレムにも効くはずだ。
ゴーレムは大ぶりで殴ってきたので避けるのは簡単だった。避けた後はバターを切るかのように切り裂いた。
「ご主人様ありがとう!」
「気にするな。それよりそろそろ切り上げるか。」
「うん!」
それにゴーレムの対処法も考えないといけないしな。
それから俺たちは全員集合しダンジョンを出た。
☆
村に戻ってまずは鍛冶が出来るというエルフの元へアーデルハイトに連れて行ってもらう。ちなみにハクも付いてきた。
しばらく村を歩いているとカーンカーンという音が聞こえてきた。
ハンマーの絵が描かれた看板のところが鍛冶屋らしい。
中に入るとガタイのいい男性が熱心にハンマーを振るっていた。
アーデルハイトが近づき「ガンテツさーん!」と呼んでいるが、ハンマーが止まる気配はない。
それから30分程経った時、やっと手を止めた。
「………………なんだ?」
「もう、ガンテツさん!今日は発見したダンジョンから鉱石類を持ってくるって言ったじゃないですか!」
「………………そうだったな。ガンテツだ。よろしくお願いする、神龍殿。」
「あっああ、よろしくなガンテツ。俺のことはレーベと呼んでくれ。」
「了解した。」
なかなかにマイペースな人物のようだ。
「それじゃあ鉱石類はどこに出せばいい?」
「ここでいい。」
「わかった。」
ドサドサドサー!っと鉱石を置いて行く。
大体5キロほど置いたところでガンテツが確認を始めた。
「……石……石……鉄……石……鉄……石……。」
独り言を聞く限り大体が石のようだ。
「すまないな。石ばかりで。」
「…………いや、これは1、2層でとってきたものだろう?1、2層でこれだけ鉄が取れれば下の層ではかなりの量が取れる。鍛治師としてこれはとても嬉しい。次にダンジョンに行くときは俺も連れて行ってくれ。最高の武器が作れそうだ。」
「そっそうか、喜んでくれるなら何よりだ。次にダンジョンに行くときは声をかけさせてもらうよ。」
「……頼む。」
こうして俺たちは鉱石の安定供給ができるようになった。