Muv-Luv Alternative ハッピーエンドと退廃的な生活を目指す 作:白銀の勇者
IFSというチート相手に戦う武ちゃんをご覧下さい。一応武ちゃん視点です
「……こんな感じかな?」
「あら、出来たの?」
「はい。エステバリスの荷電粒子砲は元々小型でしたので、戦術機用に少し大型化させてみました」
ピッ。とモニターを目の前に出して夕呼に投げる
夕呼はそのモニターに目を通す
「戦術機にとってハンドガンサイズに収まり、火力はエステバリスの物と大差ありません。まぁ、大型化が面倒だったってだけです」
エステバリスでも持てる程度の物をある程度大きくしただけの物だが、荷電粒子砲なのは変わりない
「ですが、電力をかなり食うので、こんな感じに……」
またモニターを出して夕呼に投げつける
「荷電粒子砲に電力供給装置を直接付ける……と、言うのを思い付いたんですが、どうでしょう?」
「……この荷電粒子砲一丁の為にねぇ……コストパフォーマンスは最悪よ?」
荷電粒子砲一丁賄う分の電力を生産する発電機を各荷電粒子砲に取り付ける
口で言うのは簡単だが、そうそう出来るものではない
「エステバリスはナデシコCからの重力波ビームでエネルギー供給を賄ってますからね……」
「……って言うかここのバッテリーを大型化させたら万事解決じゃないかしら?」
「あっ……」
「あと、このバッテリーを弾倉のように……こうしたらいいんじゃないかしら?」
「……負けました」
結局、荷電粒子砲はバッテリー部分を大型化させ、バッテリーは交換式にする事で落ち着きました
「無理矢理小型化させると戦術機じゃ積めないのよ」
「この大きさは?」
「バッテリーをこれだけ大型化させたらようやくって所ね」
「重量は?」
「大丈夫だと思うわ。まぁ、これを持たせた戦術機に後衛をさせれば……」
暫く、荷電粒子砲の設計の見直し等が続いた
「え?俺だけここに残れ?どういう事ですか?」
「少佐と香月博士からの伝言だから私にも分からない……何聞いてもNeed to knowと言われて……」
「まぁ……分かりました」
戦術機のシミュレーターでの適性検査を終えた武はまりもからそんな事を言い渡された
そして、解散となり、皆が更衣室に。まりもも出て行った
武の今の格好は勿論訓練兵用の衛士強化装備。そのままで待つこと数分
「白銀、待たせたかしら?」
「あ、夕呼先生……それと霞?珍しいな」
そして、入ってきたのは夕呼と霞だった
「それじゃあ、早速だけどあのシミュレーターに乗ってくれない?」
「え?いきなりですね……」
「私はちょっと調整があるからあんたへの指示は社が出すわ。あ、あんたの機体は吹雪よ」
(吹雪か……慣れない機体だけどやるしかないか)
夕呼がシミュレーターの前でノートパソコンを開き、なにかやっている。必要な事だけはパパッと伝えられた
霞と二人で取り残される武
「なぁ、何が始まるんだ?」
「……秘密」
「秘密か……まぁいいけど。そんじゃ、サポート頼むぜ」
武がシミュレーターに乗り込み、操縦桿を握る
そして、暫くして電源が着いた
『白銀。装備は何で行く?』
夕呼からの通信が入った
「じゃあ、
『分かったわ』
夕呼から通信が途切れ、代わりに霞が映し出される
『今回は模擬戦』
「模擬戦……?誰とだ?」
『ホシカワさん』
「は?」
すぐに、シミュレーターに映像が投影される
そこはビル等が立ち並ぶ街の中で、今回武の乗る吹雪の目の前にはショッキングピンクのエステバリス、陸戦フレームが立っていた
「エステバリス……?」
『どうも、武さん』
武の網膜にエステバリスに乗り込んでいるルリからの通信が投影された
『今回、夕呼さんがエステバリスと戦術機の対戦を見たいとの事だったので私と模擬戦をしてもらいます』
「いきなりだな……」
『すみません。まりもちゃんや冥夜さん達に知られる訳にもいかなかったので』
確かに、適性検査受けたその日にシミュレーター使った模擬戦なんて普通は有り得ないしな。と納得する
「そういえば、ルリちゃんは何処にいるんだ?」
『ナデシコです。ここからそっちまで電波飛ばしてシミュレーター同士で夕呼さんに繋いでもらってます』
まぁ、そっちにエステバリスのシミュレーターなんて置けなかったって言うのも理由なんですけどね。と付け足す
ナデシコにはちゃんとシミュレーターが設置されている。しかも二台
その二台のシミュレーターで対戦するもよし、合体攻撃を開発するもよし
今回、ルリは夕呼との協力で横浜基地のシミュレーターとナデシコのシミュレーターを通信させたのだ
結構無茶な事だったが、案外なんとかなった
『では、夕呼さん。お願いします』
ルリの声と共に武の機体がどこかに飛ばされる。ルリのエステバリスも同様だ
『あ、今回私はディストーションフィールドは防御には使いません。あったらそっちがかなり不利ですので』
と、最後にルリの通信が入り、すぐに途絶えた
『……模擬戦、開始』
「霞、ルリちゃんの居場所をレーダーに表示できるか?」
武の問に霞は頷き、レーダーに赤い点が表示される
数百メートル離れた場所にいるのが分かったが、一直線にこっちへ向かってきている
が、ここで思い出して欲しいのはここはビル群がある街だということだ
(一直線……まさか!)
徐々に赤い点が近付いてきている。それと同時にガン!!ドン!!と何かを破壊する音も聞こえる
「ぶち抜いてるのか!?ビルを!!」
そして、ルリとの距離が三十メートルを切る
「くそっ!」
武は吹雪の腰に着いている跳躍ユニットを起動。飛び上がってビルの上に乗り、すぐにルリが来ている方に向かって飛ぶ
その直後、武が足場にしていたビルが倒壊した
そして、チラリと見えたエステバリスはバリアーのようなものを纏っていた
(攻撃は最大の防御ってか!?いや、この際は逆か!)
倒れているビルを足場に、右手に装備している36mm突撃砲を赤い点に向けて構える。そして、躊躇なく発射する
エステバリスはキャタピラで横にスライドするように動いて突撃砲をかわす。が、武は偏差射撃でエステバリスに向けてもう一度突撃砲を発射する
エステバリスは背中のバーニアを吹かして飛び上がり、空中で武に向き直り、一瞬でワイヤードフィストを放った
「ロケットパンチ!?」
武は跳躍ユニットを横に向けて吹かし、その場から離れ、エステバリスの手に向かって突撃砲を放つ
が、腕は一瞬でワイヤーにより巻き取られ、突撃砲を虚空を切る
武は突撃砲をルリに向ける。そして、突撃砲に着いているもう一つの弾薬、120mmの弾丸を一発発射した
ルリはそれをよけながら武へと近付く
(120mmをよけるかよ!?)
武は勿体無いが突撃砲を投げ捨て、74式近接戦闘用長刀を選択し、吹雪に握らせる
ルリはイミデュエットナイフを装備している
(的が小さいが……行ける!)
武は地を蹴り、跳躍ユニットを吹かせて一気にエステバリスの側面に回り込む
そして、そのまま横一閃に長刀を振るった
が、ルリは戦術機では考えられない反応速度でイミディエットナイフを長刀に向けて構えた
イミディエットナイフからディストーションフィールドが発生され、長刀を真っ二つに切断した
「なっ!?長刀を!?」
長刀を切断したナイフを構え、エステバリスか近づいてくる
武は突撃前衛の装備についている盾を無意味とわかりながらもエステバリスに向ける
エステバリスはナイフを一閃。盾をバターのように切り裂いた。幸い、貫通はしてなかった。エステバリスがナイフで戦ってた事が幸いした
吹雪の足でその場を蹴って後ろに下がる
使い物にならないであろう盾を投げ捨て、最後の長刀を構えた
(ルリちゃんの持ってる武器はナイフだけ……だとしても、あの切れ味……激震のような装甲ならともかく、吹雪の装甲で耐えられるかどうか……)
激震は厚い装甲が売りでもある。激震だったら、ある程度の装甲を犠牲に特攻したらエステバリスを長刀で一刀両断出来たかもしれない
が、吹雪は第三世代準拠の練習機。第一世代の激震から不知火への機種変換時に、練習用に使われる機体だ
だが、吹雪は実戦投入出来る位の性能はある
第三世代は第二世代で薄くなった装甲を新しい素材で軽量化させ、反応速度等を上げた機体だ。激震のような厚い装甲は無い
管制ユニットにでもナイフが直撃したらその時点でジ・エンド。長刀で受け止める事も出来ないのでかなりマズイ
しかも、長刀をナイフで一瞬で受け止めたところを見ると、反応速度はあっちの方が上
(……なら!)
武は横目でモニターに映っている突撃砲を見る
暫くして痺れを切らしたのか、ルリがナイフ片手に突っ込んできた
その瞬間、跳躍ユニットを吹かして横に飛び、突撃砲の前まで行く。そのまま突撃砲を吹雪の手に握らせ、長刀を背中に戻し、また突撃してきたエステバリスから逃げるように跳躍ユニットを吹かせて上へと飛ぶ
そして、エステバリスに突撃砲の雨あられを降らせる
ルリはエステバリスのキャタピラを起動させ、突撃砲の36mm砲を避ける
そして、あろう事か唯一の武器であるイミデュエットナイフを武に投げつけた
「うぉっ!?」
そのナイフを跳躍ユニットを横に吹かせてよけ、着地した……瞬間、エステバリスはすぐ目の前にいた
「速っ……!」
そして、エステバリスのディストーションフィールドを纏った拳が吹雪の管制ユニットを貫いた
「負けるかと思いましたよ……ラピッドライフルを持ってこなかったのは失敗でした」
「くぅ~……!突撃砲がもう一つあったら勝てたのに!それにもっと吹雪に慣れていれば!」
「ちなみに、エステバリスは何発か36mmもらってたけど、全部装甲を貫いてなかったわ。装甲は激震以上ね」
「何だよそれ~……」
ルリは模擬戦が終わった後すぐにナデシコを出て横浜基地へと行った
そして、更衣室で既に着替え終わっていた武と夕呼と霞と合流したのだ
「まさかIFSにあそこまでついてくるなんて……」
「やっぱIFSってやつ使ってみてぇなぁ……そしたらリアルバルジャーノンだって出来ちまうのに……」
「一応、コアブロックを戦術機の管制ユニットの中と同じようにしてEOSを使えば戦術機のようにエステバリスを動かすことが出来ますよ」
「マジ!?」
「マジです」
「また白銀語か……」
そうしたらあれをこうして……なんて考え出す武
だが、エステバリスの装備に刀は無いので、再現できる機体と出来ない機体は別れるだろう
「あ、そういえば先生!」
「なによ」
「俺達の吹雪が明日搬入されるんですよね!?」
午前の訓練が終わった時、まりもの口からそう告げられたのだ
「あぁ、そうだったわね。あんた、一日でも早く卒業したいんでしょ?」
「はい!」
「それに、現役で戦術機乗ってた衛士が居るんだし、腐らせるのももったいないじゃないですか……って事ですよね?」
「そういう訳よ」
ルリが夕呼の代わりに答えた
「……と、言うか何でいきなり模擬戦を?」
武が聞いた
「だから言ったでしょう?夕呼さんがエステバ……」
「こいつが暇だからって無理無理仕組んだのよ」
「ちょっ、バラさないでくださいよ!」
やっぱそんな感じか……と苦笑いする武
「まぁ、明日からの訓練も頑張ってくださいね」
「おう」
「じゃあ、夕呼さん。荷電粒子砲の設計の見直しでもしましょうか」
「そうね」
夕呼とルリが部屋に戻ろうとする。それに霞もついて行こうとする
「ちょっと待て。なんかロマン溢れる武器の名前が聞こえた気がした」
その3人を呼び止める武
「荷電粒子砲ですか?」
「そうそれ!」
ちょっと興奮気味に武が声を出す
「一応エステバリスに積んでありますよ?完成品が」
「マジで!?荷電粒子砲を!?」
「えぇ。それを戦術機用に再設計してたんですよ」
最近は使わなくなってきた元の世界でよく使っていた言葉がポンポン出てくる武
「まぁ、使いたいんでしたら実験機を武さんの機体に積むって事は……」
「取り敢えずは実戦に出れるようになったら、あんたの機体に付けてあげるわ」
「よっしゃ!」
それじゃあ、見直しに戻るんで……と、帰っていった夕呼とルリと霞
そして、武が戦術機のOSについて───後にXM3となる新OSの提案をしてくるのはこの翌日だったりする
武ちゃんの武装に荷電粒子砲が追加されるようです
荷電粒子砲はマブラヴでも大型なら作れるので、バッテリーとかを何とかしたら作れるんじゃないか……なんて馬鹿なりに考えた結果がバッテリーの大型化させ、さらにマガジン式にするという結果です
これなら弾数もある程度確保できますし……って、ある程度じゃBETAの物量に勝てないような……でも、120mmだって6発しかありませんし……
作者は理系志望の身ですが、馬鹿を体現させたような人間なので、こういうところの詰は甘いです。もし何かあったら後付けで理由を加える可能性もあります
次回はたまパパ襲来?それとも飛ばして207Bでの模擬戦?まぁ、どっちかになると思われます
でわでわ