Muv-Luv Alternative ハッピーエンドと退廃的な生活を目指す   作:白銀の勇者

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香月博士達にシミュレーターのリプレイを見せた訳だけど、実戦で上手く戦えるのかしら?私って

まぁ、やるっきゃないわね


初めての『実戦』!

美琴が退院してルリと接触してから数日が経った

 

ルリはナデシコCの中の自販機で買ってきた大量のジュースをクーラーボックスの中に入れて夕呼の部屋に自分専用のデスクとパソコンを置いてそこで色々とやっていた

 

「なんでここに机とか置くわけ?」

「ここだと周りの目を気にしなくてもいいですから。あ、飲みます?」

 

ルリはクーラーボックスから缶コーヒーを取り出し、夕呼に投げ渡した

 

「まぁ貰っておくわ」

 

夕呼が缶コーヒーを飲む

 

「……あら、これも天然?」

「はい。普通に淹れるのよりは不味いと思いますが」

「合成の方がもっと不味いわよ」

 

もう一口缶コーヒーを飲んでまたパソコンでの作業に戻る

 

ルリのパソコンはナデシコCに直結してあるのでIFS仕様だ

 

「……何やってるの?」

 

気になった夕呼がルリに聞く

 

「戦術機用のレールガン……電磁投射砲を設計してます」

「はぁ!?」

 

夕呼がルリのデスクに行き、パソコンを覗き込む

 

「エステバリスには電磁投射砲を標準装備してるフレームがあります。それの表面上の大型化をして戦術機でも扱えるように設計してます……九割型オモイカネが」

「……なるほど。確かにこうなれば……」

「夕呼さん?」

 

先日の殴り合いから発展した謎の友情でルリは夕呼の事を名前で呼ぶようになった

 

夕呼はいつも通りだが

 

「ホシカワ、設計が終わったらそのデータ、こっちに頂戴。作ってみるわ」

「はい。わかりました」

 

夕呼がデスクに戻ってパソコンを弄り始める

 

カタカタカタ……とキーボードを叩く音と時々、IFSを認識する事で鳴る音が部屋を支配する

 

何分経っただろうか……いや、何時間なのか。扉が開く音が部屋に加わった

 

「先生……って、なんじゃこりゃ」

 

武が入ってきたが夕呼とルリが何にも話さずパソコンに向き合ってる光景を見て思わず声が出た

 

その声で二人が同時に武を見た

 

「あ、武さん。どうしました?」

「いや、先生に用事があってだな」

「私に?何よ」

 

夕呼が座ったまま武に聞く

 

「先生、11月11日に新潟にBETAが上陸します」

「ほぉ……何で?」

 

ルリはあっ。と声を出してカレンダーを確認し始めた

 

「分かりません。が、前の世界では11月11日の日曜日に新潟にBETAが上陸しました」

「ここでも11日は日曜日ですよ」

 

ルリがモニターを出してひゅっと二人の間に投げつける

 

夕呼が確かに日曜日ね。と声を出す

 

「で、私にどうしろと?」

「新潟に防衛ラインを張って欲しいんです」

「なんで?私達が何か害を受けるわけでもないのに?」

「BETAは新潟からここ、横浜基地に向かって進行してきます」

「もしここにBETAが来たら大損害待ったなし。それにナデシコCとエステバリスの存在もバレるかもしれないですよ」

「ふぅん」

 

ルリは簡易的に地図に新潟からここまで線を引いた地図をモニターに出して二人の間に投げた

 

「で、証拠は?」

「……え?」

「証拠が無ければそう簡単には動けませんよ。BETAの行動は予測できません」

「でも、俺は確かに……」

「私達がここに居ることで未来が変わり、BETAが来ない……何て事も考えられます」

「あら、言いたいこと全部言ってくれるわね。まぁ、軍はそう簡単には動けない。それはあんたも分かってるでしょ?」

「それは……」

 

ルリは遠隔操作でモニターを消した

 

「で、証拠は?」

「……ありません」

「なら諦めなさい。どうせここは助かるんでしょ?なら良いじゃない」

「まぁ、援軍を出したとします。それでも死ぬ人は居ますよ?」

「え?」

「どうせどっちにしても人は死ぬんです。諦めてもいいと思いますよ?」

 

パソコンを見ながら、冷静に答える

 

「ルリちゃん……?」

「世界を救うのにたった数人、数百人の犠牲が増えるか減るかです。しかも顔も名前も知らない人が」

「なんでそんな事が言えるんだよ……」

「だから、夕呼さん。私を出してください」

 

ルリの言葉に武が暫くフリーズする

 

夕呼もニヤッと笑う

 

「……へ?」

「ほぉ」

「五機のエステバリスをBETAの進行予測地点に配置。軍の周りをウロチョロします」

 

モニターを投げる

 

そのモニターにはエステバリスの配置が書かれていた

 

「成るほどね」

 

そのモニターを見ながら夕呼が声を出す

 

「軍が動けないなら正式な軍人ではない私が動きます」

「ルリちゃん……」

「でも、人は死にます。こっちの戦力はたったの五機です。守れる命と守れない命。それがあるのを覚えておいてください」

 

モニターを消す

 

「……そんじゃ、私もA-01部隊を援軍に出すわ」

「え!?」

「今回、A-01は私の作った試作機、エステバリスのテストの護衛を頼むわ。テスト場は新潟。BETAの攻撃も考えられるから武装はさせて……ね?」

「先生……ルリちゃん……ありがとうございます!」

 

武が礼をする

 

「理解したら戻んなさい」

「はい!」

 

武が部屋から出ていく

 

それと同時にルリが溜め息をはいた

 

「私が出なくても援軍は出すつもりでしたよね?性格の悪い……」

「まぁ、白銀が諦めたら出すつもりは無かったわ」

「でも、エステバリスを合法的に動かせるようにしてくれた事、感謝します」

「私もエステバリスの実戦記録を見たいもの」

「それじゃあ、一暴れしてきますよ。あ、フレームは空戦二、陸戦二、砲戦一で行きますから」

「光線級は大丈夫なの?」

「光学兵器ならディストーションフィールドは絶対に破られません」

「そ。じゃあ、楽しみにしてるわ」

 

 

 

 

そして、11月11日の早朝、ナデシコCの前

 

そこには陸戦フレームのエステバリスが二機、空戦フレームのエステバリスが二機、砲戦フレームのエステバリスが一機並んでいた

 

そして、その前にはルリと夕呼。そして早起きしてきた武がいた

 

「よく起きれましたね」

「気合いだ」

 

ルリはジャージ姿で、両方にパットみたいな物がついていた

 

「A-01は既に着いてるから」

「分かりました。では、行ってきます」

 

ルリが肩についてるそれを一回触る

 

すると、そこからパイロットスーツが展開され、ルリの体はすぐに女性用の赤色のパイロットスーツに包まれた

 

「うぉっ!?」

「そんなのでGとか大丈夫なの?」

「こう見えてもこれは衛士強化装備よりは高性能だと思いますよ。あと、武さん。珍しいからってペタペタ触らないでください。訴えますよ?」

「あ、ごめん」

「次やったら訴えます。207B分隊の皆さんに」

「有罪しか待ってねぇだろ!」

「白銀?あれだけペタペタ触れば有罪よ?」

「この場で男の象徴をエステバリスのキャタピラでガリガリされないだけでも有り難く思ってください」

「俺、危うく死ぬところだったの!?」

 

ちゃんと動けるか腕をぐるぐると動かし、ついでに展開されてない部分があるか、目視できる範囲で確認する

 

そして、陸戦フレームのエステバリスの装甲を上っていき、コクピットに入る

 

「それでは、ちょっくら駆逐してきます」

「頼んだぞ!」

「死なないでよ?あなたは利用価値があるんだから」

「退廃的な生活が確立するまでは死ねないので」

 

コクピットが閉じる

 

中でルリがIFS認証装置に手を置き、エステバリスを起動させる

 

そして、エステバリスは新潟方面に走り出し、途中でキャタピラ走行に切り替え、走って行った。他のエステバリスも同様にキャタピラで走ったり飛んでいったりした

 

「行ったわね」

「ですね……」

 

 

 

 

「ふっふふふ~ふん♪」

 

エステバリスの中、ルリは歌を歌いながら、悠々と新潟まで移動していた

 

陸戦エステバリスの装備はイミディエットナイフ、ラピッドライフル×二、フィールドランサー×二。持てるものは全て持ってきて装備させた。フィールドランサーは背中に装備させ、何時でも使えるようにしている。両手はラピッドライフルで埋まっている

 

空戦エステバリスはイミディエットナイフ、フィールドランサーとラピッドライフルは一つ。が、ラピッドライフルとランサーの代わりにミサイルポットが装備されてる

 

砲戦フレームはミサイルポットと120mmカノン砲。ついでにラピッドライフルとイミディエットナイフも無理矢理装備させた

 

「他の機体もちゃんと制御出来てる……うん。新潟位までならなんとか……」

 

勝手に取り付けたクーラーボックスからジュースを取り出して口に運ぶ

 

炭酸が舌と喉をピリピリと刺激する

 

「まぁ、そう沢山飲んだら衝撃で吐いちゃうかもしれないし、一本だけにしておきましょ」

 

レーダーで障害物が無いか確認してジュースを飲みながらエステバリスを移動させる

 

ボソンジャンプで行くというのも考えたのだが、A-01が何処に居るのか分からないし、体力も使うから走行で行く事にしたのだが、失敗だったかもしれない

 

「はぁ……空青いなぁ……」

 

飛ぶ事がタブーとなった空は青く澄んでいた

 

 

 

 

「そう。ホシカワが到着したのね。そのまま彼女のテストが終わるまで護衛よ」

 

A-01に指令を出しながら、パソコンを弄る

 

ルリのクーラーボックスから勝手に拝借した冷たい缶コーヒーが喉を潤す

 

少し休憩。と息を吐きながら椅子にもたれかかる

 

「……もっと盗っとけば良かったわ」

 

最後の一口を飲み干した缶コーヒーをゴミ箱に投げる

 

壁に当たって一発でゴミ箱に入った缶コーヒーを見てちょっと笑いながらパソコンと再びにらめっこを始めた

 

 

 

 

「ふわぁ……早起きした分寝みぃ……」

 

朝のPX。武はPXに来ていた。が、早く起きた分、眠かった

 

「どうしたのだ?武。眠そうだな」

「寝付けなくてな……お陰で寝不足」

 

ルリを見送ってたとは言えずに声をかけてきた冥夜を誤魔化す

 

「今日が訓練じゃなくて良かったわね」

「全くだ」

 

千鶴の言葉に同意しながら、あらかじめ取っておいた定食を机の上に置く。冥夜と千鶴もそれぞれの朝食を机の上に置き、武の側に近寄る

 

「そういえば、彩峰とたまと美琴は?」

「彩峰と珠瀬は知らんが、鎧衣ならそこだ」

 

冥夜が視線で場所をさす

 

そこには美琴が何かを手に持ってウロウロとしていた

 

「……あ!いた!タケル~!」

 

美琴が武に向かって走ってくる

 

おいおい、そんな急いで走ったら転ぶぞ。と言おうとした時、美琴が転んだ

 

「へぶっ!?」

「だ、大丈夫か?」

「う、うん……って、あぁ~!!」

 

美琴が自分の手を見て悲鳴を上げる

 

手には赤色の紐

 

「傑作の動く蝶が~……」

「……は?ってか何だよそれ」

「あやとりだよ……うぅ~……」

 

既に朝食は済ませてたのか、美琴が武の横に座る

 

「あやとり……?」

「私は最初に見せてもらったのだが、中々の物だったぞ」

 

冥夜がうんうん。と頷く。が、美琴の顔は悲しさが100%だ

 

「もう一度作ればいいじゃねぇか」

「無理なんだよ~……朝起きたらこう……頭の中にピーン!ってきて……集中したかったから目を閉じてやってたんだけど……やり方忘れちゃって~……」

「目を閉じてたからじゃないの……?」

 

千鶴が呆れたように言うが、美琴はあう~と言いながら机の上に体を預けた

 

オモイカネなら知ってるかも。と武は口に出さず考えながら、せっせと朝食を口にかき込む

 

今日は昼から寝るか。何て事も考えていた

 

「そういえば、最近、少佐を見ないわね……前はよく訓練を見に来てたけど…… 」

「あぁ、ルリちゃん……じゃなくて星河少佐は最近忙しいらしいからな」

 

何時ものようにルリちゃんと言ってしまったが、何事もなかったかのように星河少佐と呼び変える

 

「ボクと最初に会ったとき、やけに頭を痛そうにしてたけど……」

 

大丈夫だったのかな?と呟く美琴

 

「……あ、あの時か。訓練のし過ぎだってさ」

「訓練……?やっぱりあの歳で少佐なんだし、凄い強いんでしょうね」

「香月博士の作った新型戦術機のテストパイロットやってんだってさ」

『テストパイロット!?』

 

三人が声を荒らげる

 

テストパイロットと言えばエリート中のエリート

 

衛士の中でもかなりの腕を持つもので無ければ成ることは叶わないのだ

 

「あの歳でそこまで……」

「まさに天才だったのかしら……白銀よりも」

「かもな」

 

確か戦術機のシミュレータ乗った時は吐いたって言ってたような……なんて事を思いながらもズズズ。と最後の味噌汁を完食する

 

「でも、何で私達の訓練を見に来たのかしら?」

「そこは少佐に聞かないと分からないな」

「今日もPXには見えないようだな」

「あの人、今日は試験機の演習だから」

「そうであったか」

 

トレーを返却台に返却して戻ってくる

 

ルリの作った天然素材の料理が恋しくなるが何度も食べに行くなんて図々しい真似は出来ない

 

慧への焼きそばパンを作って貰うついでに……なんて考えたが、そんな事言ったら挽き肉にされるかもしれない。なんて考えてしまい、諦める事にした

 

「そういえば、冥夜達は今日は何するんだ?」

「自主訓練だ」

「部屋で本読んでるわ」

「……何しよう?」

「おい」

「あはは~」

 

武が時計をチラッと見る。29分

 

「彩峰とたまは何するんだろうな?」

「案外一日中寝てたりして」

「日頃の疲労を回復するのはこういう日しかないからな。それも良いかもしれん」

「俺も寝不足だし昼寝するか……」

「ボクも昼寝しようかな……」

「昼寝連合~」

「いえ~い」

 

その時。警報が鳴った

 

 

 

 

「レーダーに反応。BETA確認」

 

テストと言う名の打撃戦をフレームを傷つけない様にさせて終わらせた後、レーダーを確認するとBETAが進行してくるのが見えた

 

『BETA!?』

『まさか、香月博士はこれを見越して……』

 

ルリはまだ声をA-01には聞かせていない。子供が乗ってるとなると何かと面倒になるかもしれないからだ

 

だが、ルリはオープンチャンネルを開いた

 

「これよりエステバリス五機でBETAを駆逐しにかかります。援護ヨロシク」

『子供の声!?』

『まさか、あの試作機のパイロットって……』

 

砲戦フレームに積んでおいた補給物資がぎっしり詰まった箱を地面に置き、砲戦フレームの脚部後方アンカーを展開する

 

そして、ミサイルハッチを開き、カノン砲をBETAに向ける

 

(光線級は誤射しない……なら、ミサイルを水平発射したら要撃級や突撃級が壁になって……!)

 

BETAが目視出来る範囲に来た瞬間、ありったけのマイクロミサイルを水平発射し、カノン砲とラピッドライフルを何発も何発も連射する

 

度重なる爆発と血肉の弾ける音

 

『ミサイル!?しかも超小型の!?』

『す、凄い……』

『見ろ!BETAがゴミのようだ!』

 

カチっカチっとトリガーを押しても乾いた音しか出なくなり、ミサイルも無くなったところで砲戦フレームを補給に入らせる

 

今ので突撃級の半分がミンチに変わった

 

「……ホシカワ・ルリ、突貫する!!」

 

そして、二機の陸戦エステバリスと空戦エステバリスが走り出し、陸戦はキャタピラでBETAに迫り、空戦は空を飛んで後方にいる光線級と要塞級の駆逐にかかる

 

『あの戦術機、光線級に撃たれるぞ!?』

『所詮は子供か……』

 

空戦エステバリスが完全に光線級の射程内に入り、高度を下げようとしないのを見てその場にいるルリ以外の人物が墜ちたと思った

 

そして、レーザーは発射された……が、

 

「ディストーションフィールド、出力安定。問題はありません」

 

レーダーはエステバリスに当たる直前、屈折した

 

『レーザーが曲がった!?』

 

A-01の全員が信じられない物を見た。といった表情をする

 

その間に空戦エステバリスは陸に降りて片っ端から光線級の駆逐に入る

 

そして、陸戦エステバリスは

 

「殺れると思うなぁぁぁぁ!」

 

突撃級に真正面から突っ込み、ディストーションフィールドで風穴を片っ端から空けていく

 

「うぐっ!ぐぅぅぅぅ!!」

 

突撃級と衝突する度にジェットコースターなんか目じゃない程の衝撃がルリを襲う。が、負けてられない

 

突撃級の壁を全て抜けたあと、反転して突撃級の柔らかい後ろの部分に片っ端からラピッドライフルを撃ち込んでいく

 

『突撃級を……真正面から?』

『信じられない……』

「はぁ……はぁ……A-01!惚けて無いで突撃級の駆逐を手伝え!」

『りょ、了解!』

 

初の実戦の緊張に息を切らしながらも両手のラピッドライフルで突撃級を次々と駆逐していく

 

そして、ラピッドライフルの弾が半分を切った所で突撃級の後ろから突撃し、ディストーションアタック(蹴り)で突撃級の体を抉りとっていく。そこに数発ラピッドライフルを撃ち込んで沈黙させる。そして、向きを変えて突っ込んでくる突撃級はその小ささを生かして突撃級の下に潜り込み、通り抜ける最中に突撃級の腹に向かってラピッドライフルを撃ち込む

 

そして、荒方突撃級の駆逐が終わる

 

さらに砲戦フレームの補給も完了した

 

「全機、BETA共の前から離れろ!FF(フレンドリーファイア)されるぞ!」

 

A-01がBETAの前から撤退したのを確認し、もう一度マイクロミサイルとカノン砲を連射する

 

数秒後、突撃級は完全に消し飛び、戦車級と要撃級、小型種が見え始めた

 

「A-01!損害は!?」

『中破が二機、軽く巻き込まれた小破が一機です!』

「中破は下がらせろ!小破機は死なない程度に頑張れ!」

『了解!』

 

砲戦フレームの補給をさせながらA-01の損害を聞き、指示を出す

 

少佐の立場を使いまくり、誰も死なないようにする。が、中破や小破が出ただけなのは少し安心できた

 

砲戦フレームの補給はこれを除き後一回が限度。次で要撃級と戦車級を片付け、最後で光線級と重光線級、要塞級を片付ける

 

ルリはラピッドライフルをフィールドランサーと変える

 

フィールドランサーは本来、ディストーションフィールドを無効化させるための武器なのだが、普通に槍としても使える

 

フィールドランサー片手に要撃級と戦車級の群れに突っ込む

 

「消え去れ!私の目的の為に!!」

 

戦車級をディストーションフィールドで吹き飛ばし、要撃級の上に乗ってフィールドランサーを突き刺し、そのまま走って大きく切り傷を与え、ラピッドライフルを取り出し蜂の巣に。すぐに後ろから飛びついてくる戦車級を振り向き様、フィールドランサーで切り飛ばし、遠くのBETAをラピッドライフルで撃ち殺す

 

が、要撃級の衝角がエステバリスのディストーションフィールドに当たる

 

「ぐっ!?このぉ!!」

 

衝角をフィールドランサーで切り飛ばし、ラピッドライフルで撃ち殺す

 

そこでラピッドライフルの弾薬が切れた

 

弾切れのラピッドライフルを腰に仕舞ってフィールドランサーだけを持って要撃級に突撃する

 

IFSに任せた体操選手顔負けの変態移動で衝角を全てよけて拳を振りかぶる

 

「だぁぁぁぁ!!」

 

要撃級の体に大穴が空き、そこから血のようなものがエステバリスに向けて吹き出し、エステバリスの全身を赤く濡らす

 

「まだまだぁぁ!!」

 

背中のブースターを噴かし飛び上がり、片っ端から要撃級の首と思われる場所を切り取り、生首を量産する

 

「ワイヤードフィスト!ロック!!」

 

首の無くなったにも関わらずエステバリスに近付く要撃級をロックオンする

 

「いっけぇ!!」

 

ワイヤーで繋がれた腕が飛び出し、ロックオンした要撃級を片っ端から貫いていく

 

そして、フィールドランサーを背中にしまってワイヤードフィストを戻しながらラピッドライフルを取り出し、穴をあけた要撃級に向けて放ち、穴を大量生産する

 

「はぁ……はぁ……」

 

マルチタスクでの疲れと精神的な疲れで体中から汗が吹き出し、息が切れる

 

まだ要撃級と戦車級は二割ほど残っている。小型種は知らない内にミンチにしてる

 

「うぁぁぁぁぁぁ!!」

 

絶叫にも聞こえる咆哮を上げながら要撃級と戦車級に向かって突撃する

 

血塗れのエステバリスはさらにその体を赤く染める

 

 

 

 

「ごほっ!はぁ……はぁ……うぇっ……」

 

要撃級と戦車級はA-01との協力で片付け終わった。そして、光線級と重光線級も空戦エステバリスで既に片付け終わり、残りは要塞級だけだ

 

「あと……はぁ……少しぃ!!」

 

ギュイイイン!!とキャタピラが回転し、陸戦エステバリスを加速させる

 

それと同時に砲戦フレームからの援護射撃が問答無用で要塞級に叩き込まれる

 

見えるだけでも要塞級は残り少ない。数えれる程度だ

 

「ディストーションアタック!!」

 

要塞級の体内に入り込み、中をラピッドライフルとフィールドランサー、さらにはワイヤードフィストでグチャグチャにかき回し、ディストーションアタックで要塞級から飛び出し、出てきた小型BETAを全てラピッドライフルで撃ち殺す

 

「はぁ……はぁ……勝った」

 

最後の要塞級が砲戦フレームのミサイルで消し炭になるのを確認してIFS認証装置から手を離した

 

「A-01の皆さん……演習は中止。各自横浜基地に帰ってください」

『了解』

 

戦術機が横浜基地に帰るのを見ながら、砲戦フレームに補給物資を担がせ、エステバリスを横浜基地に向ける

 

「はぁ……はぁ……けほっけほ……帰らないと……」

 

疲労で今にでも眠ってしまいそうだったが、IFS認証装置に手を置いて横浜基地へと進路を向けた

 

 

 

 

「……帰ってきたわね」

「はい」

 

ナデシコCの前。エステバリスが全機帰ってきてるのが見えた

 

そして、ナデシコCの前で止まり、真っ赤に染まったエステバリスからルリが出てきてフラフラとしながらも地面に降りた

 

「ただいま戻りました……」

 

そう言うと、ルリはそのまま地面に向かって倒れ始めた

 

武はすぐに動いてルリを抱きとめる

 

「ルリちゃん!?……凄い汗だ……」

 

一目でも凄い汗をかいてると解ったが、抱きとめるとそれは余計によく分かった

 

「確か……ここを触ると……」

 

武が肩の部分に手を置く

 

すると、パイロットスーツは無くなり、ジャージ姿のルリに戻った

 

ジャージは汗でしっとりとしていた

 

「白銀、ホシカワは私に任せなさい」

「え?でも……」

「体の汗拭いたり着替えさせたりするの……まさかあんたがやるの?」

「と、とんでもありません!」

 

夕呼がやれやれと言った感じで武を見る

 

「とりあえず、私はホシカワの部屋から下着と替えの服持ってくるから、あんたは私の部屋にホシカワを連れていきなさい」

「わかりました!」

 

武はルリを背負って横浜基地に走り始めた

 

軍人の武にルリ一人背負って横浜基地まで走る事は余裕だった

 

夕呼もオモイカネに話しかけてナデシコに入れてもらい、ルリの部屋を探して変えのジャージと下着を取り出して横浜基地に向かった

 

 

 

 

「ん?武か?どうしたのだ?そんなに急いで」

「冥夜か!悪い、急いでるんだ!」

「急いでるって……ちょっと待て!背負ってるのは少佐か!?」

「演習帰りに倒れたんだ!」

「そうか……目が覚めたらお大事にと言っておいてくれ!」

「分かった!」

 

横浜基地に入る途中に冥夜とバッタリ会ったが、なんとかやり過ごし、全力で夕呼の部屋に向かう

 

「あれ?タケル?どうしたの……ってうわっ!?」

「すまん美琴!急いでるんだ!」

「もう……って少佐ぁ!?」

 

美琴もスルーしたが、背負ってる人物を見て驚いていた

 

そして、すぐに地下に行き、夕呼の部屋に入る

 

「えっと……椅子に座らせておけばいいかな?」

 

背負ってたルリを何時もルリが座ってた椅子に座らせる

 

何かないか机の周りを見ているとクーラーボックスを見つけた。その中を漁ってスポーツドリンクらしきものを見つけて机の上に置いておいた

 

そして、すぐに夕呼が入ってきた

 

「ほら、野郎は出ていきなさい」

「は、はい!」

 

武があわてて部屋から飛び出して扉を閉める

 

夕呼がルリのジャージのジッパーを下にさげる

 

そのままジャージを脱がせて下着も脱がせて体を一通り拭いて新しい下着とジャージを着せる

 

下はジャージだけ脱がせてすぐにジャージを着せた

 

「……ここだけ見られたらただの変態ね。私」

 

要らない本を取ってきてそれにタオルを巻いて地面に置く

 

「あ、白銀。もう入っていいわよ」

 

武がおそるおそる入ってくる

 

「ほら、ホシカワをそこに寝かせて。布団は無いから」

 

長いタオルが一枚とタオルで包んだ本がある床にルリを寝かせる

 

暫く起きそうじゃないため、机の上に出しておいたスポーツドリンクらしきものをクーラーボックスにしまう

 

「くれぐれも私の目の前でホシカワを襲ったりとかしないでよ?死体が増える事になるわ」

「しませんよ!ロリコンじゃ無いんですから!」

 

もしそんな事をしたら本当にオリジナルハイヴの中に生身で投入されそうだし。と

 

「……そういえば、今回の戦いの死者は?」

「海の方で数百人。帝国軍もそれなりの被害を受けた。でも、A-01は入院が数人だけ。ホシカワが頑張ったおかげね」

「そうですか……よかった…………ふわぁ」

「なに?寝不足?」

「えぇ……朝早かったので……」

「そ。じゃあホシカワの隣で寝たら?」

「先生がそんなニヤニヤしてなかったら考えたんですけどねぇ」

「チッ、面白い事になると思ったのに」

「んーもう怒っちゃうぞー」

 

武が扉に向けて歩く

 

「そんじゃ、俺は自室で寝てます。ルリちゃんが起きたら知らせてください」

「分かったわ。そんじゃ、お休み~」

 

武はあくびをしながら自室に戻っていった

 

そして、部屋の中には静かに寝息をたてるルリとパソコンとにらめっこの夕呼が残った

 

 

 

 

何分、何時間か経過した頃、ルリが目を覚ました

 

「……ここは?」

「私の部屋よ。お疲れ様」

 

ルリが上半身だけ起き上がって夕呼を見る

 

「すみません、迷惑かけました」

「ほんと、いい迷惑よ。あと、戻ったらちゃんとシャワー浴びなさい。汗臭いわよ」

「分かってますよ」

 

ルリは自分の机のクーラーボックスからスポーツドリンクを取り出して口に運ぶ

 

「コーヒー貰えるかしら?」

「あ、はい」

 

ルリがコーヒーを夕呼に投げ渡す

 

夕呼がそれを受け取って口をつける

 

「戦果は?」

「殺れる分は殺ってきました」

「そ」

「あ、パイロットスーツを発生させる装置は……」

「あんたがさっきまで着てたジャージにくっついたままよ」

 

そういえばジャージ変わってる。と今気がついた

 

そんでもって下着も

 

「……え?脱がせました?」

「えぇ」

「……ちょっとあれを挽き肉にしてきます。で、人肉ハンバーグにしてきます。なに、すぐに終わります」

「待ちなさい。私が白銀を追い出してやったからいいわ」

 

ハイライトの消えた目でエステバリスの元に行こうとしたルリを止める

 

そんでもって夕呼の言葉を信用したようでなんとか足を止める

 

「……下も変えました?」

「ジャージだけ」

「……ならいっか」

 

と、ジャージを持つ

 

「それじゃ、帰りますね」

「あ、白銀にも声をかけていきなさい。あんたを運んだの、あいつだから」

「分かりました。それでは、また明日」

 

ルリが夕呼の部屋を後にして武の部屋に行き、そっと扉を開ける

 

武は間抜けヅラのまま寝てる

 

「武さん。起きてくださ~い」

「ん……?ルリちゃん……?」

「目、覚めました?」

「まぁ……って、ルリちゃん!?体大丈夫か!?」

「お陰様で。あ、一応A-01の皆さんは無事です」

「そうか……よかった」

「それじゃ、私はナデシコに戻ってエステバリスの洗浄をして来ます」

「あぁ。気をつけてな」

 

ルリは何時ものトイレの個室に行ってボソンジャンプし、ナデシコに帰った

 

そして、シャワーを浴び、その日は床につきた

 

エステバリスはオモイカネが収容してたらしい

 

次の日

 

「落ないんだけど……BETAの血……」

 

ゴッシゴシとエステバリスの上に乗って血を洗い流そうとブラシを使っているルリの姿が武が様子を見に来るまで続いたそうな

 

あ、まる1日かかったけどちゃんと汚れは落ちました




特に書くことは無いかな?

あと、途中の戦闘は長くなるのでカットしました

カットすんなやゴルァ!!と言う方が居ましたら感想にて

ではでは
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