辺り一面水浸しとなった森、一方向に大地が裂けている場所もありそこはまさに先頭を行った場所という状況になっていた。
俺はそこで少しチャクラを使いすぎたので休んでいる。
兵糧丸を口に入れてある程度回復したら動こうと考えていた。
手元には先ほど奪い返し早速仕事をしてくれたチャクラ刀がある。
先程は怒りに任せて無理をさせてしまった気がしたがあの長さにも耐えてくれるこいつはまさに業物である。
奴の死体は其の辺に埋めておいてやった。
しかし、聞いてはいたが抜け忍でもないやつを賞金首とする組織があったんだな。
まあ俺も裏で動いていたほうだからしょうがないっちゃしょうがないな。
……さて、そろそろ動くか。
そう呟きながら腰を上げた時、声が聞こえた。
後ろから
「ドコヘ?」
「ッ!?」
突如感じた殺気に身をゆだね体を無理やりに前方へと捻る。
それによって回避できたとわかったらすぐに距離を取るため殺気を感じた方へに両足蹴りを入れる。
が、何やら硬いものによって防がれ足首を掴まれる。
それを振り切ろうとしたが既に遅くグルングルン、と回され方向感覚がなりかけたところで投げ飛ばされ木へとぶつかる。
「カハァッ!」
木を揺らした俺の体からは空気が漏れ出る。
だが痛がってはいられないとすぐに体制を立て直し木を蹴りようやく見えた相手へと・・・
「桃地!?」
「ぃよぉ!」
そこには大刀、水の国で大きな戦力とされる者たちがもっていた元忍刀七人衆であり、今回の敵の一人であるはずの桃地再不斬がいたのである。
奴は俺を見て大きくニヤついていた。
俺は止まるわけにも行かずチャクラ刀を構えながら再不斬へと向かっていく。
再不斬はこちらを一刀両断するかの如く大きく大刀を振りかぶる。
こちらも喰らうわけにはいかないのでチャクラ刀に水遁のチャクラを流し込み、大刀を切断する。
そのまま再不斬へと一撃入れたかったがすぐに再不斬が大刀を手放す構えを取ったので放された剣を蹴り体を後転させ着地を決める。
そしてそこから互いに動きを止め相手の動きを伺うための硬直状態へとはいる。
カカシに聞いていた通りこの男は強い、仮面の男と同等だろうか。
だがこちらはあちらの獲物のリーチを減らすことに成功した。
原来、水遁のチャクラ刀は切れ味を生かす特性である。
切れ味のみなら雷遁さえも上回る。が、貫通力などを出すためには集中力がいるためやはり雷遁の方が使い勝手が良いと思いながら構えを崩さず再不斬を見る。
再不斬もまた構えを崩さずこちらをじっと見てくる。
すると段々と周りが霧に覆われてって、何だと?
そう疑問に思った瞬間に再不斬の姿が消えるほどに霧は濃くなる。
また無音殺人術《サイレントキリング》であろう。
残念だが俺には霧払いの術は使えないのだ。
だから荒業ではあるがこうするしかない。
「(大水流斬の術!)」
先ほど森を裂いた一撃、それほどは長くないだろうが充分なリーチがある。
それを一気に横へと、名づけて大水流円斬の術である。
ズゥンと音ともに霧も段々と晴れていきそこにいた人物を見て俺はニヤリと顔を緩める。どうやら命自体は取れなかったようだが左手を失っている。
人間というものは腕をなくせばバランスを崩し攻撃にも体重を乗せられなくなりひいては全体的に弱くなるのだ。
武器も使えなくなりても使えなくなった奴は流石に驚異とは思えないほどの差を俺は感じていた。
しかし俺は知らなかった、桃地再不斬という人間を。
彼が原作でどんな最後を迎えているのかをしらなかった。
そんな無知が、
先程からの圧倒が、
俺を油断させていた、
再不斬がの目元の変化に気付けていなかった。
その時、俺は水に飲み込まれた。