バディファイトLoveLive!サンシャイン × 異世界はスマートフォンとともに。if ~異世界相棒闘技~ 作:ヤギリ
緑の自然豊かな平原に1人の男が歩みを進める。向かう目的地はその平原の先にそびえる高山だ。
男は3時間もの時間をかけついに高山の山頂に辿り着いた。男は山頂から緑溢れる森や平原を見下ろし、遠くに見える故郷の街をまっすぐ見つめて達成感とともに満足感を得る。
「うん。素晴らしい景色だ。」
彼の名は"カリディエム・レヴウィンド" レヴウィンド王国を治める「レヴウィンド家」の第1王子である。 家族や彼を慕うもの達からは略称や愛称で"カリム"と呼はれている。
彼は緑の自然や山々が好きで、よく城を離れては自然の中に歩を向ける。だが、彼が今いる山はいつもとは違い、国から見て南方向に位置するブリンジパレスト高原にそびえる山だった。
カリム「よし、これで東西南北の国から見える山を制覇した。 弁当を食べた後に寝てから帰るか。」
カリムは山頂の平地を探して歩いていると、洞窟のようなものを見つけた。
カリム「洞窟………?」
カリムが洞窟を見つけた時、突然空が曇り、やがて雨が降り始めた。カリムはちょうどいいとばかりに洞窟に入り雨宿りをする。
カリム「さっきまで晴れてたのに………急すぎる雨だな。 まぁ、洞窟を見つけられて助かったな。」
カリムは洞窟の奥へと歩いて行く。すると、奥には広い空間が存在し、中央には円形の階段、その上に1つの台座と周りには4つの石柱が台座を囲むように建っていた。
カリム「何、祭壇?」
カリムは階段を登り、祭壇の中心にある台座の前に立つ。 すると、突然床が光り出し、魔法陣現れ、祭壇を丸ごと包み込んだ。
そして台座に竜の像が1枚のカードを持って現れた。 そしてカリムの頭に直接謎の若い男性のような声が響く。
『やっと現れた………。我が意識を重じる器が………』
カリム「な、何だ?この声は………」
『私の名は、ギルヴァイン。』
カリム「ギルヴァイン………?」
ギルヴァイン『私は長く待っていた。我が意識を、魂を宿せる"器"を………』
カリム「器?」
ギルヴァイン『ふふふふふふ………、運が無かったな。 貴様はこれから我が器となる。 光栄に思え!』
すると足下の魔法陣がさらに強く光り、カリムの手は意識とは関係なく勝手に竜の像が持つ1枚のカードを手にとる。そして1枚のカードは、50枚のデッキと変わる。 そのデッキを手に取った時、カリムの髪が逆立ち、銀髪に髪の先端に青のメッシュが入った姿になる。 そして額には紫の魔法陣が刻印される。
カリム(ギルヴァイン)『ついに手に入れた。自由に動かせる人間の身体を………。 運もよい。この人間は大した魔力を持っているようだ。 ふふふふふふ………、私は自由だ!』
ギルヴァインはカリムの身体と精神を乗っ取り、洞窟から出る。 そしてギルヴァインは天にカードをかざし、黒い竜を呼び出す。 この黒い竜こそギルヴァインのモンスターとしての姿である。
カリム「我が黒き竜の身体よ……… 野望を叶えし時が来た。 この山脈を我が拠点とする。」
ギルヴァインの本体である黒い竜は咆哮する。すると今まで降っていた雨や、吹き荒れる風、鳴り響く雷などが渦を巻いて、地を割り、山を削り、上空に黒い穴が空く。 その穴から玉座が現れ、削られた山の平地に広い空間が造られる。
そしてカリムの身体を奪ったギルヴァインは玉座へと腰かける。
カリムが玉座に着くと、悪魔のような姿をした3人組が片膝をつき頭をたれて玉座の前にひざまずく。
『お帰りなさいませ。ギルヴァイン様』
「シャルバート」
"三導魔"の1人、薄黄色の髪でウルフカットの魔族の男。見た目は18歳くらいの細身の美青年である。額の右側から角が1本生えている。
『我々"三導魔"再びの再開を大変嬉しく思います。』
「カンギ」
"三導魔"の1人、薄紫の肌で図体がでかい魔族の男。髪は無く、額から頭部にかけて12本のトゲのような子角が生えている。見た目年齢は30前くらい。
『必要があれば、なんなりとお申し付けください。』
「ガレーネ」
"三導魔"の1人、緑色の髪でロングヘアーの小柄な魔族の女性。見た目年齢は16歳くらいの美少女。右の
玉座に座る自分を前にひざまずく3人の家臣を見て、カリム(ギルヴァイン)はさっそく指示を出す。
カリム『では命ずる。シャルバート、カンギ、ガレーネ。私は腹が減った。 食料をとって参れ。』
三導魔『はっ!』
カリムが命じると三導魔は目にも止まらぬ速さで食料を調達しに向かった。 それを見届けたカリムはギルヴァインの身体に指示を出し、玉座に座ったまま自分を洞窟の中央部まで運ばせた。
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三導魔の3人はギルヴァインへの食料調達の為に近くの森に来ていた。
シャルバート『では、僕は肉を探して来ます。 カンギは魚を、ガレーネは木の実でも取ってきてください。』
カンギ『おうよ。』
ガレーネ『分かったわ。』
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ギルヴァインの本体である黒い竜は煙状にカリムの身体を包み、黒い鎧としてカリムに纏わせる。これでカリム(ギルヴァイン)は、擬似的だが自身の力をカリムの身体のまま使う事ができる。
本体の力を纏ったカリムは、洞窟の広間にある祭壇を破壊し、その場に玉座を置いて座る。
カリム『祭壇は破壊した。 これでもう我を封じ込めるものは無い。』
カリム(ギルヴァイン)は目を瞑る。ギルヴァインは乗っ取ったカリムの記憶を見る。 カリムがレヴウィンド王国の第一王子である事、登山やキャンプなどが趣味であること、市民達に慕われていること………
カリム『レヴウィンド王国………、なるほど、エディジルの収めていた国か………、この男はエディジルの5代後の孫か。』
エディジル………、かつてギルヴァインを封印し、祭壇を作ったレヴウィンド王国の初代国王。だがそれから500年以上の時が経っている為、人間の寿命では生きてはいられない。
カリム『そうか、私は500年以上も封じられていたか。』
ギルヴァインがカリムの記憶を漁っていた時、三導魔の3人が帰還した。
シャルバート『ギルヴァイン様、お食事をご用意しました。』
ギルヴァインは記憶漁りを止め、目を見開く。 そこには10匹以上の動物や、大量の魚、大量の木の実が積まれていた。
カリム『ご苦労。』
ギルヴァインはカリムの身体で生魚に齧り付く。だが、あまりの生臭さで唾を吐きむせかえる。
シャルバート『ギルヴァイン様⁉︎ 大丈夫ですか⁉︎』
カリム『うむ、やはり人間の身体では生臭さが際立つな。 多分そこの肉もこの身体は受け入れまい。』
カンギ『では、いかがしましょう?』
カリム『待て。』
ギルヴァインはカリムの記憶を見る。すると、魚や肉を素材とした様々な料理を食べている様子が見えた。
カリム『どうやら、魚は生臭さをどうにかすれば生でも食えるが、肉は火を通さねば食えぬらしい。』
シャルバート『ではすぐに火を起こします。 カンギ、薪を用意してください。』
カンギ『おうよ。』
カンギは素早く移動し、ほんの数秒で1本の木を担いで来た。そしてその場で木を折り、薪にする。
ガレーネ『濡れたままじゃ火はつかないわよ?』
シャルバート『ああ。分かってる』
シャルバートは濡れている薪に手を翳す。するて手の平に魔法陣が浮かび、そこから熱風が吹く。しばらくして、薪はカラカラに乾燥した。
カリム『火は私が起こそう。』
カリムは乾いた薪に指を向け、指先に小さな魔法陣が浮かぶ。そしてその魔法陣から魔力のビームを飛ばし、一瞬で薪に火をつけて燃やした。
シャルバート『お見事です。ギルヴァイン様』
カリム『この程度で称賛するな。子ではない。』
ガレーネ『すぐに調理しましょう。』
ガレーネは余った木の枝に魚を刺し火に翳す。 しばらくして、魚は焼き上がり、その焼き魚をカリムに手渡す。
ガレーネ、シャルバート、カンギは次々と魚や肉を焼き、外で見つけた大葉を皿代わりにしてカリムの前に料理を献上する。 そして3人は食事をするカリムの前で片膝をついて忠義の姿勢をとる。
カリム『ところでお前達、私がこの身体を手に入れるまでの時をどうしていたのだ?』
ギルヴァインは三導魔の3人に、自分が封じられていた間の事を聞く。それに対し、シャルバートがそれに答える。
シャルバート『我々は、魔界にて眠りについていました。いつかギルヴァイン様が目覚める時が来るまで。』
カリム『寝ていた。か………、だがよく私の目覚めに気づいたな。』
カンギ『ギルヴァイン様が目覚めた時、ギルヴァイン様の魔力を察知して我々を目覚めさせるようにアラームをかけていたのです。』
カリム『そうか………』
カリムは焼き魚を手にとり、口に運ぼうとする。だがその行動を止め、持っていた焼き魚をシャルバート、カンギ、ガレーネの3人に投げ渡す。
3人は突然投げ渡された焼き魚を落とさぬよう慌てて掴む。
シャルバート『っ⁉︎ ギルヴァイン様?』
カリム『食え。』
ギルヴァインの一言に、3人は一瞬キョトンとする。だが、シャルバートはすぐに魚を返そうとする。
シャルバート『い、いけません! これはギルヴァイン様の為の食事、我々が食するなど………』
カリム『よい。食え』
シャルバート『しかし………』
ギルヴァインの配下として、頑なに自分の為の食事に手をつけようとしないシャルバート達を見て、ギルヴァインはため息をつきながら言葉を紡ぐ。
カリム『お前達、私の目覚めを待ちながら何も食わずに眠っていたのだろう? ならば今日は我々の目覚めと再開を喜する祝いだ。 遠慮せず私の皿を食せ。』
シャルバート(なんと………なんと寛大なお方だ………! 配下である我々"三導魔"に、自らの為の皿を分けてくださるなんて………)
シャルバート達は感激と感動に涙を流し『ありがたく頂戴いたします。』とギルヴァインから分けられた料理を食す。 はっきり言って、感激と感動が強すぎて味はあまり分からなかった。
食事が終わってからシャルバートは本来の話しに戻す。
シャルバート『して、これから我々はいかがなさいます?』
ギルヴァイン『そうだな………』
ギルヴァインはカリムの記憶から、目的を探る。 そしてカリムが住んでいる国の記憶を見る。
ギルヴァイン『ここより近い場所に小さい国がある。 後日、まずはそこに侵攻する。』
3人『はっ!』
ギルヴァインは静かに目的の遂行を開始する。全ては、滅び去った魔族復活の為、そして、侵攻する全ての世界を魔界へと変える為に………
感想を是非‼︎
この作品は、咲野皐月さんの「異世界はスマートフォンとともに。if」と、僕ヤギリの「バディファイトLoveLive!サンシャイン‼︎」のコラボ作品になります。 いろいろな作品要素ガンダムあり、非常にカオスな話しになるかも知れませんが、不真面目に気晴らし程度に読んでください。