わっ!驚いたかな?鶴丸国永(女性)参上!   作:玖渚真白

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どうしてもシリアスになってしまう。
勘違いになっているのかな。


自己紹介できるかな

ひとまず、部屋の外で待っている様子なので、待たせては悪いと身支度を整える。

といってもこの真っ白の恰好に手袋とかして戦装束を整え、あえて刀は両手でぎゅっと抱きしめるように握りしめて終わりだ。

なぜ手で刀を持つかというと、なんだか落ち着くからという精神安定剤替わりである。

 

寝てた布団はきれいに片付け(隅っこに畳んだだけだけど)、もう一度鏡で全身を確認する。

やっぱり白い猫みたいな美少女が映ってる。

どこか不安そうに見つめ合い、無意識に刀を握った。

 

わたし…鶴丸国永なのかな。

「わたし」は違うと思ったんだけど、わたしの中にはいっぱい鶴丸国永がいるみたいだし。

 

あぁ、もうわけわからないと、首をぶんぶん振ったあと、先ほどの出入り口であるだろう障子に向かった。

そっと開けて恐る恐る顔を出すと、少し離れたところに長身の黒い姿、光忠さんの後ろ姿があった。

そして、だれかと話しをしているみたいだ。

 

そうっと覗いていると、話し相手の一人と目があってしまった。

かわいい巫女姿の黒髪ボブショートの女の子。

目を丸くしている少女とガッチリと視線が絡んでしまってそらせない。

 

「………………」(わたし固まる)

「………………」(少女驚く)

 

じりっと少女がこちらに一歩近づいてきた。

なんか…圧が…。

じりっとわたしも部屋に戻りそうになった。

そしてお互い固まる。(視線はやっぱり逸らせない)

 

「なにしてんの、みーなーらーいー」

「いたっ!」

 

膠着状態を解いたのは、少女の後ろにいた赤い瞳の綺麗な青年だった。

黒髪で赤目の猫みたいな青年だ。

光忠さんと比べると背はそこまで高くないみたいだが、少女より少し高いみたい。

その彼がべしっと少女の頭をはたいていた。

 

「ちょっ、なにすんのー?!」

「こっちのセリフー。ほら、向こうがおびえてるじゃん」

 

その青年の言葉に光忠さんを含めてこちらを見る少女と青年。

その青年の後ろにも誰かいるみたいだ。

 

「わぁ、本当に女の子なんだね!」

 

ひょっこり出てきたのは、髪をポニーテールにしている青い青年だった。

 

「ちょっとー、安定も驚かさないでよー?」

「そんなことしないって。せっかくなんだし仲良くしたいじゃん」

「…っていっても鶴丸は固まりっぱなしなんだけど」

「あ、ごめんねー、自己紹介したいんだけど、声かけて大丈夫?」

「私も私も!うわー、めっちゃ美少女!仲良くしたいっなでなでしたいー!」

「はい、おちつけー」

 

再度べしっと今度はおでこをはたかれた少女に、まぁまぁと光忠さんは苦笑している。

そしてこちらにニコリと笑いかけ、おいでおいでと手で招かれた。

 

「ここの本丸のメンバーだよ、もう出てこれるかな?」

「…………」

 

きょろりと周りを見回した後、そっと廊下に進んだ。

外は覗いていた時に見えていた通り快晴で、緑の葉っぱがさやさやと風に吹かれている。

そして薄ピンクに咲く桜に、春なんだとぽつり心でつぶやいた。

 

わたしが近づくのを今か今かと待ち構えている4人に向ってそっと歩みだした。

そして、光忠さんの後ろに隠れた。

 

「あれ、鶴さん?」

「ほらー、見習いが怖がらせるからぁ」

「えっ!私なの?!ご、ごめんね、鶴丸ちゃん、怖くないよー、おいでおいでっ」

「それ、逆効果じゃない?」

 

心臓がどくどく鳴っているのがわかる。

どうしよう、つい隠れちゃった。

でも、がんばって、自己紹介…あれ、わたしは鶴丸国永と名乗って良いのかな。

ふいに不安が襲ってきて、持っていた刀を握りしめた。

そんなときだった。たぶんわたしパニックになっていたんだ。

じゃなければ、あんな…

 

「鶴さん、だいじょうぶ?」

 

伸ばされた手、大きな手のひら、こちらに向けられる黒い、手。

 

おとこのひと、の、手。

 

「………っひ…」

 

気づいたら走り出していた。

後ろから声が聞こえた気がするが、耳にはあの声が聞こえた気がした。

 

―――ツルマル

 

―――アイシテイル、ツルマル

 

―――アイシテ…

 

血の匂いがした気がした…。




つい、逃げ出してしまった「わたし」ちゃん。
咲き乱れる桜の木の向こうへひたすら見えない手から逃げるように。
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