すごく書きやすかった。このノリだよ!
筆が乗るっていいことじゃぁ~。
しかし、しばしのお別れ、次回からまたシリアスになりそう。残念。
「おかぇ…うわぁぁ!シキさんが儚い系美少女捕まえてきた!このロリコン!!」
「…………怒」
ゴチンっと少女の頭に落とされた拳は、ロリコンと叫んだ見習い審神者を一時的にではあるが黙らせた。
傍らにうずくまり、うぐぅっと呻く少女を心配そうにおろおろと見るのは仲の良い乱藤四郎だ。
「ったく、他に言葉はねーのか?」
その様子を眺めていた和泉守は、呆れた視線を見習い審神者にむけるが、涙目の見習いもまだ負けてなかった。
「だってだって!ブラック退治から帰ってきたとおもって出迎えたら、女の人に飢えてなさそうなのに女の人にちょーつめたいイケオジが!お姫さまだっことかして!真っ白美少女(金瞳で儚い系)お持ち帰りしてきたら誰だって突っ込みたくなるじゃん!!」
ビシィっとしかめっ面のシキと、腕に抱かれた白髪のとろりとした金の両目をきょとりと見習いにむけた(何故か和泉守の上着を身体に巻き付けた)少女に指を突きつけた。
それに行儀が悪いと長谷部は文句を言っているが、シキはため息をひとつついた。
「とにかく、俺は手入れ部屋にいってくるから、このアホに説明軽くしといてくれ」
「…わかった」
部隊長であった山姥切の返事を確認し、シキは手入れ部屋へと足を向けるのだった。
「えっ!ちょ、シキさーん!?」
「あ!あるじさーん、おかえりーまたあとでね!」
「ちょ、乱ちゃんお出迎えに来たから間違いではないけど、タイミングー!しかも、少女を手入れとか間違ってない!?」
「えー?だって、あるじさんと一緒にいたの、怪我した刀でしょ?」
「え?」
「え?」
混乱状態な見習いをとりあえず審神者部屋で主を待ちながら説明すると山姥切が疲れたように言い、そんな山姥切に堀川も苦笑いをするのだった。
乱は兄弟刀である平野へ視線をやり、平野は困ったように首を傾げた。
「えっと、どこまでお話して良いのかわかりませんので、ひとまず見習いさんにだけお話します」
「えー。…まぁ、しょうがないかぁ」
諦めた乱に、すみませんと謝りながら、お茶を用意してきますねと厨、ようはキッチンへと向かう。
山姥切は見習いについてこいと一言告げ、審神者部屋へ。
長谷部もその後を追い、見習いも慌てて追いかけていった。
残ったメンバーはとりあえず指示がでるまで解散するかと、それぞれ散っていくのだった。
場面はうつり、「わたし」はイケオジの腕の中で下から見てもイケメンだなぁとか思いながら、ふと目を伏せてここまでの出来事を思い出していた。
暗い部屋。
動けない自分の身体(赤い縄のせい)。
目の前の死体(これ、「あるじ」らしいよ?あるじってなんだろ、「審神者」とか知識はあるからなんとなくわかるけど、なんか違和感。てかこの知識どこからきてるんだろう)。
沢山の折れた刀(これ、一番重要だけど、「わたし」じゃない「俺」であり混ざった「わたし」?意味わからん)。
そんな状況で閉じられた襖を開けたイケオジ。
そりゃ、びっくりするよね。畳とか壁とか血だらけだったし、死体あるし。
このイケオジは「あるじ」ではないけど、死体と同じ存在であることは何故かわかり、またまた何故か「わたし」とおなじ『刀』の付喪神が大、中、小。
『刀』とか…え、知識からするとわたし「人間」やめてる?
驚愕の後に、深刻そうな表情へと変わった人たち。
身動きせずこちらを見たままの彼等へ、わたしの選んだ一言はこれだった。
「………こんばんわ?」
自然とこてりと微かに首を傾げて言った。
これが間違いだったようで、なんかしらないがぐっと眉間にシワを寄せ切なげな、なんともいえない(色気いっぱいだった)表情を浮かべたイケオジは、折れた刀を跨ぎ、血ぬれの死体を横切り、なんとわたしの頬へするりと手を滑らせてきた。
「………すまん、またせたな」
良い声だなとか、場違いなこと考えたけど、ここでやっと頬にあたる温もりが、「いま」が現実であると証明して、目が熱くなる。
たぶん、「わたし」だった頃なら泣いていた。
でも、いまのわたしの目からは涙は出てくれなかった。
その後はそのイケオジの後ろにいた身長高いめっちゃ髪の毛長いイケメンが浅葱色の服をわたしに巻き付けたり、なにしてんだろうとか思ってたら全く動かなかった身体が傾いでイケオジの腕のなかに。
なんかいろいろ話してたけど、それどころじゃなかった。
え、このイケオジ色気やばい良い匂いするてか案外筋肉質で鍛えてるとか、なんかいろいろ情報が入ってきて頭ぱーーんなった。
固まったまま(縄で動けないのもあるけど)拐われるように部屋を出て、廊下を進み、庭を抜け、気づいたら三人だった付喪神が六人に増えたりしてたのも気づかず、良くわからないうちに大きな門を潜って別の御屋敷へとはこばれていたのでした。まる。
(なんでこうなったんだろう…)
そして現在進行形で似たような道順で似たような造り(こっちのほうが明らかに綺麗だし畳の良い香りがした)の部屋へとたどり着く。
え、また同じことにならないよね?助けてくれたんだよね?
とか余計なこと考えてちょっと不安になったけど、さすがイケオジ、不安になったこともお見通しなのか綺麗な畳の上に座りわたしを「抱き込み」(ここ重要)膝の上にのせた後、片手で頭を撫でてきた。
わたし、は、こんらん、した
(ふぁ!?なにしてんのこのイケオジーーー!!!)
なぜか口が聞けなくなったようにはくはくと、空気が口からもれるだけで声を出せない。出せてたら叫んでた。うん。
たぶん、中身の「わたし」ちゃんと見習い審神者は気が合うと思う。