わっ!驚いたかな?鶴丸国永(女性)参上!   作:玖渚真白

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さて、「わたし」ちゃん改造計画ー。
とにかくはよ伊達組に会わせてやりたい…けど、まずは自分の状態を把握しないとね。


手入れをするらしいです

プールとかに後ろから落ちたときの浮遊感と怖さが分かるだろうか。

覚悟も心の準備もしてない油断しているときに、いきなり押されて重力に引っ張られて、背中から落ちた状態。

まさに、いま「わたし」が体験した感覚はこれだった。

 

イケオジが赤い縄に手をかざしたら、なぜか黒く変色していって、ジリジリ引きちぎられていくのを不思議な気持ちでそれこそ無防備に眺めていた。あ、切れるって思ってやっと動けるかなーなんてのんきに考えたときに、それはやってきた。

たぶん、空耳。でも、耳元でどぷんって水に落とされた音が聞こえた気がした。いきなり地面がなくなった感覚。回りの音が聞こえない。浮遊感。ぐわんって脳が揺れて上下の感覚が分からなくて、こわくて、こわくて。

 

心臓が大きく鳴ってる。

海みたいな海流に揉まれる。

どくどく、呼吸があさくなる。

 

訳が分からず、ひたすらぎゅっと目をつぶって、無意識に助けをもとめる。

あぁ、ここにきてから意味が分からない。

「わたし」の中にたくさんの、なにかが、いる。

たくさんの、「俺」が、「わたし」を覗いている。

異物を、その他な「わたし」を、みてる。

 

「ここ」は、まだ、だめだ。

 

こわい

 

 

そんなときだった。

ストンと落ちてきた「大丈夫だ」のことば。

 

 

あ、あのイケオジの声だ。

どこ、たすけて。

 

何度も聞こえるこえ。

たぶん、こんな異常な状況のせいだ。

 

「わたし」は無意識に左手でなにかを掴み微睡む。

ああ、ここなら、あんしんなんだ。

 

 

■■■■■■■■

 

………いやいやいや、なにヒロインみたいなことを、こっ恥ずかしいことしてんの。

うわぁぁぁ、いや、確かにこわかった。

意味が分からない経験のしたことのない感覚に戸惑いより恐怖!そう、畏れを感じたのは仕方ない、うん。

そんなときに、イケボな呪文「大丈夫」とか聞こえちゃったら、すがり付きたくなるじゃん。

警戒もしないですがったよね。

後の事なんて考えないでさ。

だから、後になった今現在、内心で悶える。

 

あのあと、すやぁしたわたし。

気づいたらふかふかな布団に寝てました。

ど、どうなったの、あのあとー!?

と、とりあえず起き上がるか。外は明るいみたいだからもしかして結構長く寝ちゃったのかな。

上体を起こして周りを見渡せば部屋のすみにある等身大の鏡が。なんか、布かけられてて見えないから、まず自分がどうなってるのか確認するか。

 

ごそごそと起き上がり、鏡の前に移動。布をめくれば…

 

「……だれ」

 

真っ白ふわふわな長髪(寝癖かな、ちょっとくるんってなってる)、少し長い前髪から見える目尻が垂れてるくりっとした金色の目。白い戦装束?なんか見覚えあるけど、下はスカートみたいな袴だった。

え、というか白い。儚い美少女が鏡越しにコチラを見ていた。

 

あれ、「わたし」ってこんなんだっけ?

なんか黒髪とかだった気がするし、こんな美少女じゃなかった気も、あれー??

なんか記憶がぐちゃぐちゃしてて、思い出せないけど、確実に変貌したことは理解した。

 

っていうか、「わたし」が誰か考えると、「鶴丸国永」っていう刀剣だって答えが沸き上がってくる。

えー、あれ、人間じゃなかったっけ?あれー??

 

だめだ、混乱してる。

とりあえず鏡から離れ(布はもちろんもとに戻しました)、部屋のなかを眺めて気づく。

あ、あれ「わたし」だ。

 

布団の頭のとこに置いてある刀剣を見て、確信した時点で、「わたし」はもう戻れない状態であったのに、このときの自分はまったくそのことに気づかなかったのだった。




短くてごめんなさい。
次くらいにみっちゃんは来てくれるかなー?

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