今回は雨宮達とは違うメンバーで行っていきます。
日本のどこかの高速道路。
それは深夜という事もあってか、誰もいない静かな夜の中で甲高い音を立てながら、猛スピードで疾走する車が一台あった。
「ちっ、なんでだよっなんでだよなんでだよっ!!」
車を運転している男は何が起きているのか分からず、アクセルを強く踏みながら、何から逃げるように走っていた。
周りには人影はいないが、それでも男は怯えが止まらず、そのまま車を走っていた。
そんな時だった。
突然、ピィーと鷲を思わせる音が男の耳元から聞こえ、男は周りを見渡した。
迫りつつ何かに怯えながら、前を見ると、そこには赤い翼が男の視界を封じた。
「なっ!?」
突然の出来事で驚きを隠せなかった男はそのままブレーキを踏むのと同時に、車を通して強い衝撃が車に襲いかかる。
「まさかっ!?」
男はすぐに車のドアを蹴り上げて、そのまま外へと飛び出す。
同時に男が運転していた車は横転し、そのまま高速道路上で爆発する。
「はぁはぁ」
ゆっくりと男は視界を上に向けると、そこにいたのは4匹の獣だった。
赤の鷲、青い鮫、黄の獅子、緑の象。
その特徴的な4匹の獣の姿を身に纏った戦士が、男の前で立ちはだかっていた。
「お前らっよくもよくもよくもぉ!!」
「お前が人々を苦しめているのが、原因だろ」
男は顔に青筋を立てながら怒りを露わにさせると共に、赤の鷲の瞳は冷酷に男を睨み詰める。
「お前はっお前は一体なんなんだよぉ!!」
その言葉と同時に男の姿は変わっていった。
先程までの一般人を思わせる姿から変わり、全身が緑色の蛙を思わせる鎧を身に纏うと同時に、その手には人一人分の大きさを誇る槌を手に持っていた。
「俺達はジュウオウジャー。
この世界を守る為の王だ」
「王だとぉ、巫山戯るなぁ!!」
その言葉と共に男は手に持った槌を大きく持ち上げ、地面を叩きつける。
同時に地面には大きな亀裂が出来上がり、地面は割れ、欠片は下にある街へと降り注がれそうになる。
「まったくよぉ、名乗るのは良いけど、少しは考えろよなぁ!!」
その言葉と共に黄の獅子は誰よりも早く地面へと辿り着くと同時に右腕を太くさせ、迫り来る瓦礫に目を向ける。
「3連釘パンチ!!」
その言葉と同時に黄の獅子から放たれた一撃は瓦礫を瞬く間に宙へと押し上げ、3度の衝撃が瓦礫を完全に空へと舞い上がらせる。
「サバンナの王者、ジュウオウライオン!!」
ジュウオウライオンの名乗りを上げると同時に青い鮫はその手に持った銃を構える。
「派手なのは別に良いですが、芸術性が足りません!!
なので、見せましょう、私の奥義を!!」
その言葉と共に手に持った銃を構える。
「荒海の王者、ジュウオウシャーク!
そして、エクスプロージョン!!」
ジュウオウシャークが放った言葉と同時に銃から飛び出たのは溶岩を思わせる赤い光は瓦礫を瞬く間に消滅させる。
「快感!!」
それを見て、すっきりしたように、ジュウオウシャークはそのまま地面へと倒れ込む。
「なゅなんなんだよっこいつらはっ!!」
「見て分からないか?
正義の味方だよ!!」
その言葉と共に男が手に持っていた槌を押さえつけるように現れたのは緑の象だった。
一瞬の事で混乱している男に向けて、緑の象が蹴り飛ばされてしまう。
「森林の王者 ジュウオウエレファント!」
「ぐぅがはぁ!!」
地面を叩きつけられながら、吹き飛ばされ、それでも諦めないように男は背中にあるジェット機から炎を放ちながら、空を跳ぶ。
「大空の王者 ジュウオウイーグル!」
「なっ」
そんな彼を待ち伏せていたように、ジュウオウイーグルはその手に持った剣で一閃すると共に地面へと降り立つ。
同時に男は悲鳴をあげ、爆発を起こした。
同時にジュウオウイーグルは手に持っていたキューブを構えると、爆発の中にいた男はキューブに向けて、吸い込まれていく。
同時に男から何かを吸い上げると同時に、男はそのまま地面へと叩きつけられる。
「今回の賞金は100万円か。
特典はガンダムグシオンか」
「ロボット系ですか?
それにしても100万、久しぶりに新品の服を「今回の戦いで出た修理代で消えるぞ」えぇ!?」
その言葉と共にジュウオウイーグルは手に持っているキューブのボタンを押すと、先程まで崩壊していた高速道路は全て修復される。
「またですか!!
もう良い加減新しい服が買いたいです!!」
「お前が爆裂魔法を使わなければ、被害が少なく賞金も手に入るんだぞ」
「私の生き甲斐です。
それは無理です」
そう言いながら、ジュウオウイーグルとジュウオウシャークは睨み合っていた。
「おいおい、2人共。
そんないつもの事で喧嘩するなよ」
「ふっ若い奴らだから良いじゃないか。
それよりも、良い酒は手に入ったか?」
「あぁ今日は太陽酒が手に入ったぜ」
「おぉ、お前がいると、本当に食べ物には困らないぜ」
そんな2人の様子を見ながら、ジュウオウライオンとジュウオウエレファントは戦いが終わった後の食事に胸を驚させた。
同時に彼らの変身は解除される。
「とにかく、今度親父から新人が入る事になったらしい。
なんで、こっちなんだよ」
そう言いながら、変身を解除した少年は手慣れた動きでジュウオウシャークに変身していた少女を背負う。
「それだけ私達が活躍している事ですよ。
あっ今日は肉が良いです」
背負われた少女は自慢げに言うと共に、夕食の提案をするように話しかける。
「おぉ、今日は冥界にいたケロベロスのステーキだ。
ハデスのおっさんが駆除に困っていたから、大量にあるぜ」
「犬の肉か。
美味いのか?」
そんな事を言い合いながら、ゆっくりと彼らは帰り道を歩いていった。
彼らは動物戦隊ジュウオウジャー。
この世界を守るスーパー戦隊であり、そして
「はぁ金が欲しい」
貧乏である。